結論から言うと、「元本補てん契約」が付いた金銭信託だけが、預金と同じ扱いです。運用で元本が減っても信託銀行が補い、信託銀行が破綻しても預金保険で元本1,000万円まで守られます。同じ「金銭信託」でも実績配当型には元本の約束がなく、預金保険の対象でもありません。
元本補てん契約付きの金銭信託は、運用で元本が減っても信託銀行が補い、破綻時は預金保険で1,000万円まで守られる(実績配当型は元本の約束が無い)
官公庁・業界団体など
信託協会は、よく使われる金銭信託として「合同運用指定金銭信託(一般口)」と「実績配当型金銭信託」を挙げています。
信託協会「金銭信託(イチから学ぶ信託)」 ↗合同運用指定金銭信託(一般口)は、信託が終わるときに元本に損失が出ていれば、信託銀行等が補てんする契約が付いています。
信託協会「金銭信託」 ↗ 信託協会「信託利用時の注意点」 ↗預金保険機構は、元本補てん契約のある金銭信託を保護の対象に含めています。
預金保険機構「預金保険制度の概要」 ↗ 預金保険機構「保護される預金等の範囲」 ↗実績配当型金銭信託には元本補てん契約が付いていないため、元本は保証されていません。
信託協会「金銭信託」 ↗ みずほ信託銀行「信託商品配当率情報」 ↗●あてはまる △条件つき ○あてはまらない(トップの「リスクとリターンの3段」と同じ物差し)
ほかの投資先と同じ項目で並べた表は投資先の一覧にあります。段は「返す約束があるか」で分けています(守り重視(ローリスク・ローリターン))。
金銭信託は、個人や法人が信託銀行等にお金を信託し、信託銀行等がそのお金を管理・運用する商品です。
合同運用指定金銭信託は、運用の方法が同じ複数の人のお金をまとめて運用します。運用の範囲はある程度決めておき、具体的な判断は信託銀行等に任せます。
収益は、予定配当率をもとに毎年3月・9月の25日の決算ごとに計算されます。受け取る方法と、元本に組み入れて複利で運用する方法があります。
同じ金銭信託でも、元本補てん契約が付いているかどうかで、元本の扱いがまったく違います。元本補てん契約が付いているかどうかは、金銭信託の約款で確かめられます。
| 合同運用指定金銭信託(一般口) | 実績配当型金銭信託 | |
|---|---|---|
| 運用の考え方 | 安定した収益の確保 | 収益性をより意識 |
| 元本補てん契約 | 付いている | 付いていない |
| 預金保険 | 対象(元本1,000万円まで、預金と合算) | 対象外 |
| 配当 | 予定配当率で計算 | 運用実績に応じて支払う(予定配当率は保証ではない) |
| 途中解約 | 原則不可。やむを得ない場合は手数料を払って解約 | 原則不可(商品により扱いが異なる) |
| 最低金額 | 5,000円以上1円単位 | 信託銀行・商品によって異なる |
元本補てん契約は、運用方法を特定しない金銭信託にだけ付けられます。信託協会によると、一般口のほかに、教育資金贈与信託・遺言代用信託・後見制度支援信託など、この仕組みを使った商品にも元本補てん契約が付いているものがあります。
みずほ信託銀行は、2026年10月5日時点のサイトで「元本保証のある信託商品」として指定金銭信託(一般口)の1年以上・2年以上・5年以上を掲げています。商品概要説明書では、個人と法人が利用でき、5,000円以上1円単位、預金保険の対象で、元本に欠損が出たときは信託終了時に補てんすると説明しています。
同じ説明書は、預金保険法の保険事故が起きた場合などには補てんを履行できない場合があるとも書いています。そのときに頼りになるのは預金保険です。
三井住友信託銀行の「おひとりさま信託」「安心サポート信託(金銭信託型)」のように、元本補てん契約の付いた合同運用指定金銭信託を、目的を決めた信託の器として使う商品もあります。最低金額は300万円以上、3,000万円以上などで、手数料(信託報酬)がかかるものもあります。
実績配当型の例として、広島銀行の「HBトラスト」は500万円以上、中途解約不可、預金保険・投資者保護基金の対象外と説明しています。
国税庁は、合同運用信託の収益の分配を利子所得に含めています。利子所得は、受け取るときに所得税・復興特別所得税15.315%と地方税5%(合計20.315%)が源泉徴収され、それで納税が終わる源泉分離課税です。確定申告はできません。
信託銀行の商品説明でも、個人の収益には20.315%の源泉分離課税がかかると書かれています。
元本補てん契約付きの金銭信託は、元本を約束するのが信託銀行で、破綻時の守りは預金保険(元本1,000万円まで、同じ銀行の預金と合算)です。国債は国が元本と利子を払います。
途中で現金にしたいときの扱いも違います。一般口は原則として途中解約できず、やむを得ない事情があるときに解約手数料を払って解約します。
「金銭信託」という名前だけでは元本の扱いは分かりません。元本補てん契約が付いているかどうかは、約款で確かめられます。実績配当型には付いていません。
信託協会「信託利用時の注意点」 ↗預金保険で守られるのは「元本補てん契約のある金銭信託」です。実績配当型は対象外と、信託銀行も説明しています。同じ銀行の預金と合算して元本1,000万円までです。
預金保険機構「預金保険制度の概要」 ↗ みずほ信託銀行「信託商品配当率情報」 ↗元本補てん契約を付けられるのは信託銀行等(信託兼営金融機関)だけで、信託会社は付けられません。相手が認可を受けた信託兼営金融機関かは、金融庁の「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」で確かめられます。
信託協会「信託利用時の注意点」 ↗ 金融庁「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」 ↗一般口・実績配当型とも、原則として途中解約はできません。やむを得ない事情があれば解約手数料を払って解約できますが、手数料や費用は信託銀行・商品によって違います。
信託協会「金銭信託(イチから学ぶ信託)」 ↗予定配当率は信託銀行が市場金利などをもとに決め、見直されます。実績配当型の予定配当率は、それを保証するものではないと説明されています。
みずほ信託銀行「指定金銭信託(一般口)商品概要説明書」 ↗ 広島銀行「合同運用指定金銭信託 HBトラスト」 ↗預金ではなく信託です。ただし、元本補てん契約のある金銭信託は、預金保険の保護の対象に含まれています(同じ金融機関の預金と合算して元本1,000万円までと利息等)。
守られません。実績配当型には元本補てん契約が付いておらず、預金保険の対象外です。
信託協会の説明では、合同運用指定金銭信託(一般口)は5,000円以上1円単位です。実績配当型や、目的を決めた信託は、信託銀行・商品によって最低金額が違います(500万円以上、3,000万円以上などの例があります)。
合同運用信託の収益の分配は利子所得で、20.315%が源泉徴収されて課税が終わります(源泉分離課税)。確定申告はできません。
原則としてできません。やむを得ない事情があるときに、解約手数料を払って解約できる場合があります。中途解約を受け付けない実績配当型の商品もあります。
このページの事実は2026-10-05に一次資料で確かめたものです。制度や金利は変わることがあります。