金には、国債のような「満期に返す約束」も利子もありません。損得は、買ったときと売ったときの値段の差だけで決まります。財務省の貿易統計で見ると、1グラムの値段は1988年1月の1,877円から2026年8月の21,112円へ11.2倍になりました。ただし1988年1月から2000年11月にかけては50%下がり、元の値段に戻ったのは2006年1月でした。
2026年8月・財務省の輸入単価
1988年1月から
1988〜2000年・3か月平均
返す約束も無い
金投資を、はじめての人向けに、まず押さえておきたいことだけにまとめました。くわしい数字やデータは、この下の節と関連する記事にあります。
金地金やコインを持っていても、利子や配当は入りません。
JPX 1540 純金上場信託 銘柄概要 ↗ JPX 1326 SPDRゴールド・シェア 銘柄概要 ↗東証の金ETFの多くは、ロンドンの金価格(1トロイオンスあたりの米ドル建て)に円の為替レートを掛けた値段に連動を目指しています。
JPX 1328 NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信 銘柄概要 ↗ JPX 314A iシェアーズ ゴールド ETF 銘柄概要 ↗財務省の貿易統計の輸入単価(1グラムあたり)を3か月の平均で見ると、1988年1月以降、それまでの最高値から20%以上下がった時期が3回ありました。
財務省 貿易統計(統計品別推移表) ↗金地金を売った利益は、原則として譲渡所得で、給与などと合わせる総合課税です。
国税庁 No.3161 金地金の譲渡による所得 ↗ 国税庁 No.1463 株式等を譲渡したときの課税 ↗ JPX NISA成長投資枠対象銘柄一覧(2026年9月2日時点) ↗●あてはまる △条件つき ○あてはまらない(トップの「リスクとリターンの3段」と同じ物差し)
口座はどの証券会社でもかまいません。広告の有無で評価は変えていません。
1グラムあたりの値段(財務省の輸入単価)。1988年1月 1,877円 → 2026年8月 21,112円(11.2倍)
大きく下がった時期(3か月の平均で、それまでの最高値から20%以上下がったとき)
| 最高値の月 | 底の月 | 下落 | 最高値に戻った月 |
|---|---|---|---|
| 1988年1月(データの始まり。それ以前の高値は含まない) | 2000年11月 | −50% | 2006年1月 |
| 2008年3月 | 2009年1月 | −22% | 2009年12月 |
| 2013年3月 | 2015年11月 | −23% | 2018年1月 |
何年持てば、値下がりを避けられたか
10年持っても、値下がりしていた買い方が18%ありました(いちばん悪いと−52%)。
| 持った期間 | 値上がりしていた割合 | 物価を引いても値上がり | 真ん中の結果 | いちばん悪い結果 | いちばん良い結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1年 | 65% | 64% | +6% | −36%1990年3月に買った場合 | +83%2025年3月に買った場合 |
| 3年 | 71% | 69% | +18% | −41%1990年9月に買った場合 | +220%2023年2月に買った場合 |
| 5年 | 71% | 68% | +33% | −38%1990年9月に買った場合 | +331%2021年3月に買った場合 |
| 10年 | 82% | 82% | +80% | −52%1990年9月に買った場合 | +519%2015年10月に買った場合 |
| 20年 | 100% | 100% | +273% | +41%1988年11月に買った場合 | +1178%2006年3月に買った場合 |
出典:財務省 貿易統計の輸入単価から当サイトが計算。すべての月を買い始めの月として、その何年後の値段と比べました。手数料・消費税・買値と売値の差・税金は含みません。
もし、この時期に金を買っていたら
円で見た値段は、金そのものと為替の掛け算
1988年1月から:円で11.2倍 = ドルで見た金 9.0倍 × ドル円 1.24倍
直近10年:円で4.8倍 = ドルで見た金 3.1倍 × ドル円 1.57倍
出典:最初の月を100とした指数です。ドルで見た値段は、財務省の貿易統計の輸入単価を、米国連邦準備制度理事会(FRB)のドル円の月平均で割って当サイトが計算しました。
出典:財務省 貿易統計(普通貿易統計)統計品別推移表・輸入・全国・世界計 統計品目 7108.12-010(金・その他の形状のもの(加工してないもの)のうち製錬者を示すマーク、製造番号、純度及び重量を刻印したもの)。2026年3月以前は前身コード 7108.12-000(財務省 貿易統計 ↗)。1グラムあたりの値段は、輸入額÷輸入量で当サイトが計算したものです(2026年4月に統計品目が分かれたため、7108.12全体でつないでいます)。相場と大きく離れた7か月(2023年1月・2023年4月・2023年6月・2023年7月・2023年8月・2023年9月・2024年3月)は、品位の違うものの輸入などが混ざったと見て除いています。輸入単価は卸に近い値です。個人が買うときの手数料・消費税は入らず、月ごとの輸入の中身によって値がぶれます。物価は総務省「消費者物価指数」(総合)で換算しています。過去の値動きは将来を示すものではありません。
ほかの投資先と同じ項目で並べた表は投資先の一覧にあります。段は「返す約束があるか」で分けています(攻め(ハイリスク・ハイリターン))。
金を持つ方法は、大きく分けて「現物(地金・コイン)」「純金積立」「東証に上場した金のETF」「金に投資する投資信託」の4つです。値段が金に連動する点は同じですが、手数料のかかり方、保管、税金が違います。
| 買い方 | いくらから | 主なコスト | 保管 | 売るとき |
|---|---|---|---|---|
| 地金・コイン(現物) | 地金は5g〜1kgなど | 小売価格と買取価格の差、500g未満の手数料(業者による) | 自分で保管(盗難・紛失の心配) | 業者の買取価格で。支払金額が200万円を超えると業者が税務署に支払調書を出します |
| 純金積立 | 月数千円からの例 | 年会費、購入手数料、引き出し手数料(業者による) | 業者が保管(特定保管か消費寄託かを確認) | 業者の買取価格で現金化、または現物で引き出し |
| 金のETF(東証) | 1口または10口単位。1単位の金額は値段しだい | 信託報酬、売買手数料 | 証券会社の口座(信託財産として分けて管理) | 取引時間中に市場で |
| 金のETN(東証) | 銘柄による | 管理費用 | 裏付けの現物なし(発行体の信用力が頼り) | 2026年9月28日更新のJPXのETN一覧に、金に連動する銘柄は見当たりません |
| 投資信託 | 販売会社による | 購入時手数料、信託報酬、信託財産留保額(商品による) | 販売会社の口座 | 基準価額で解約(1日1回の値段) |
現物は、業者の店頭で買います。業者は買うときの値段(小売価格)と売るときの値段(買取価格)を別々に出しており、その差がコストになります。田中貴金属工業の例では、500g未満の地金には地金代金とは別に1本ごとの手数料がかかると説明しています。
純金積立は、毎月決まった金額で金を買い、業者に預けておく仕組みです。田中貴金属工業の例では、年会費のほか、積立額に応じた購入手数料(2.8%〜1.6%)、現物で引き出すときの手数料が示されています。預けた金を自社の財産と分けて保管する「特定保管」と、業者が預かった金を運用に使える「消費寄託」があり、同社は金・プラチナを特定保管、銀を消費寄託としています。
金のETFは、株と同じく証券会社の口座で、取引所の取引時間中に売り買いします。持っている間は信託報酬がかかり、売買のたびに証券会社の手数料がかかります。
JPXのETF銘柄一覧(商品・商品指数)には、金・銀・プラチナに連動する銘柄が並んでいます。現物を国内で保管する型(1540など)、ロンドンの金価格を円に換算した値段に連動する型(1328、314Aなど)、外国のETF(1326など)があります。
| コード | 銘柄名(JPXの表記) | 連動の対象 | NISA成長投資枠 |
|---|---|---|---|
| 1540 | 純金上場信託(現物国内保管型) | 金(国内の理論価格・グラム円) | 対象 |
| 1328 | NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信 | ロンドン金価格の円換算 | 対象 |
| 1326 | SPDR®ゴールド・シェア | LBMA金価格 | 対象 |
| 314A | iシェアーズ ゴールド ETF | LBMA金価格(円換算) | 対象 |
| 1541 | 純プラチナ上場信託(現物国内保管型) | 白金 | 対象 |
| 1542 | 純銀上場信託(現物国内保管型) | 銀 | 対象 |
1540(純金上場信託)は、一定の口数を持っていれば受益権と引き換えに地金の現物を受け取ることもできると、JPXの銘柄概要に書かれています。
ETFは、金の現物やそれに連動する証券を裏付けに持ち、信託銀行に分けて保管されます。一方、ETNは裏付けの資産を持たず、発行する金融機関の信用力だけで値段が保たれます。JPXは、発行体が破綻すると価格が下がったり無価値になったりすることがあると説明しています。
金地金を売った利益は、原則として譲渡所得です。給与などほかの所得と合わせて税額を計算する総合課税になります。持っていた期間が5年以内か、5年を超えるかで計算が変わり、5年を超える場合は利益(特別控除の後)の2分の1だけが課税の対象です。
| 持ち方 | 売った利益の税金 | NISA |
|---|---|---|
| 金地金・金貨(現物) | 譲渡所得・総合課税。5年超は1/2。年50万円の特別控除 | 対象外(金融庁の対象商品に含まれない) |
| 純金積立 | 金地金と同じ扱い(取得費は総平均法に準ずる方法) | 対象外 |
| 金投資口座・金貯蓄口座など | 金融類似商品として20.315%の源泉分離課税 | 対象外 |
| 金のETF(東証上場) | 上場株式等として20.315%の申告分離課税 | 成長投資枠の対象銘柄あり |
譲渡所得には年50万円の特別控除があります。これは金地金だけでなく、その年のほかの総合課税の譲渡益と合わせて50万円が上限です。
金の売買を利益目的で続けて行っている場合は、事業所得や雑所得になることがあります。また、国税庁は「金投資口座や金貯蓄口座など」からの利益は、金地金の現物の譲渡とは違い、金融類似商品として20.315%の源泉分離課税になるとしています。
純金積立(国税庁の文書回答では「金定額購入システム」)で買った金地金を売ったときは、持っていた期間は先に買った分から売ったものとして判定し、取得費は総平均法に準ずる方法で計算してよいとされています(東京国税局の文書回答)。
金のETFは「上場株式等」に入り、売却益は20.315%(所得税15%・住民税5%と復興特別所得税)の申告分離課税です。NISAの成長投資枠で買えば非課税です。
金地金や金貨を業者に売り、同じ人への支払金額が200万円を超えると、業者は税務署に「金地金等の譲渡の対価の支払調書」を出します。平成24年1月から始まった制度です。
金融庁の説明では、NISAの成長投資枠の対象は上場株式・ETF・投資信託・REITなどです。金地金や純金積立は、この中に入っていません。
JPXが公表する「NISAの成長投資枠の対象銘柄一覧」(2026年9月2日時点)には、純金上場信託(1540)、純プラチナ上場信託(1541)、純銀上場信託(1542)、SPDRゴールド・シェア(1326)などが載っています。
つみたて投資枠は、金融庁が届け出を受けた投資信託とETFに限られます。2026年9月30日更新の届出一覧には、名前に金(ゴールド)を含む商品は見当たりません。
物を売って、それを預かり、運用益を払うという「販売預託」は、預託法で原則禁止です(2022年6月1日施行)。消費者庁は、内閣総理大臣の確認を受けた事業者は現時点で存在しないとしています。確認を受けずに結んだ契約は無効です。
消費者庁 預託等取引に関する法律(預託法) ↗ 消費者庁 預託法の改正(令和3年改正)について ↗商品先物取引は、農林水産省と経済産業省の許可を得た業者しか営業できません。両省は「必ず儲かる」「過去の損失が取り戻せる」という電話や、SNSをきっかけにしたトラブルに注意するよう呼びかけています(農林水産省のページは2024年10月15日更新)。
農林水産省 商品先物取引に関する注意喚起 ↗国民生活センターは2026年9月1日、SNSで著名人が勧める投資話のトラブルを公表しました。事例には、投資グループで「暗号資産や金の先物取引の情報」が投稿され、合計約1,000万円を送ったのに出金できなかったものがあります。
国民生活センター SNSで著名人が勧める“もうかる方法” それって本当!?(2026年9月1日) ↗国民生活センターと消費者庁は、投資資金の振込先に個人名義の口座を指定されたら詐欺だとして、振り込まないよう呼びかけています。
国民生活センター(2026年9月1日) ↗ 消費者庁 SNSなどを通じた投資や副業といった「もうけ話」にご注意ください ↗金のETFや投資信託をすすめる相手は、金融商品取引業の登録が必要です。金融庁は、無登録で営業しているとして警告書を出した業者の名前を公表しています。
金融庁 それ詐欺です!SNS上の投資勧誘にご注意ください! ↗付きません。地金にも金のETFにも利子はなく、JPXの資料では純金上場信託は原則として分配金を払いません。損得は、売ったときと買ったときの値段の差で決まります。
国税庁の説明では、譲渡所得には年50万円の特別控除があり、その年のほかの総合課税の譲渡益と合わせて50万円までは差し引けます。5年を超えて持っていた分は、控除後の利益の2分の1が課税の対象です。
同じ人への支払金額が200万円を超えると、買い取った業者が税務署に支払調書を出します。税金の計算方法が変わるわけではありません。利益があれば、自分で確定申告が必要かを確かめます。
金地金や純金積立はNISAの対象ではありません。東証の金のETFには、成長投資枠で買える銘柄があります(JPXの対象銘柄一覧で確認できます)。
東証には銀・プラチナのETFもあり(1542、1541など)、成長投資枠の対象銘柄に入っています。金と比べて信託報酬はやや高めの銘柄が多いです。現物の銀・プラチナを売ったときの税金は、国税庁の金地金のページには書かれていないため、税務署で確かめてください。
このページの事実は2026-10-05に一次資料で確かめたものです。制度や金利は変わることがあります。
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