結論から言うと、国債とは別物です。国債は国が返す約束をしていますが、暗号資産には返す約束をする人がいません。金融庁も「国がその価値を保証している法定通貨ではない」「価格が急落し、損をする可能性がある」と説明しています。
返す約束も利子の約束もなく、値段の上下だけで損得が決まる。国が価値を保証する法定通貨でもない
官公庁・業界団体など
暗号資産を、はじめての人向けに、まず押さえておきたいことだけにまとめました。くわしい数字やデータは、この下の節と関連する記事にあります。
暗号資産はインターネット上でやりとりされる電子データで、国が価値を保証する法定通貨ではありません。
金融庁「暗号資産交換業者登録一覧」(令和8年9月1日現在) ↗ 金融庁「暗号資産の利用者のみなさまへ」 ↗国内で暗号資産と円などを交換する業務には、金融庁・財務局への登録が必要です(2017年4月から)。
金融庁「暗号資産・電子決済手段関係」 ↗ 金融庁「暗号資産交換業者登録一覧」(令和8年9月1日現在) ↗ 金融庁「警告書の発出を行った無登録の国内業者」 ↗ 金融庁「警告書の発出を行った無登録の海外所在業者」 ↗今は売ったときなどのもうけは原則として雑所得で、給与などと合わせて課税されます(総合課税)。
国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(情報)」(令和7年12月最終改訂) ↗ 財務省「令和8年度税制改正の大綱」(令和7年12月26日閣議決定) ↗ 金融庁「令和8(2026)年度税制改正について」(2025年12月) ↗警察庁によると、2025年のSNS型投資詐欺のうち、暗号資産を送らせる型は1,898件・215.5億円、SNS型ロマンス詐欺では2,177件・247.7億円でした。
警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」 ↗ 国民生活センター「暗号資産(仮想通貨)」各種相談の件数や傾向 ↗●あてはまる △条件つき ○あてはまらない(トップの「リスクとリターンの3段」と同じ物差し)
警察庁は、SNSを入口にした投資詐欺・ロマンス詐欺などの被害のうち、暗号資産で支払わされた件数と金額を公表しています。「暗号資産で増やせる」「暗号資産で払えば早い」と言われたら、まず疑ってください。
| 期間 | 種類 | 全体の件数・被害額 | うち暗号資産で支払い(件数・割合) | その被害額(割合) | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年上半期(暫定値) | SNS型ロマンス詐欺 | 2,509件246.6億円 | 1,139件(45.4%) | 144.6億円(58.7%) | 警察庁 ↗ |
| 2026年上半期(暫定値) | SNS型投資詐欺 | 5,893件797.9億円 | 1,327件(22.5%) | 131.6億円(16.5%) | 警察庁 ↗ |
| 2026年上半期(暫定値) | ニセ警察詐欺 | 4,466件507.9億円 | 682件(15.3%) | 122.7億円(24.2%) | 警察庁 ↗ |
| 2026年上半期(暫定値) | 特殊詐欺(SNS型投資・ロマンス詐欺を含む新定義) | 22,031件1,816.2億円 | 3,691件(16.8%) | 430.5億円(23.7%) | 警察庁 ↗ |
| 2025年 | SNS型ロマンス詐欺 | 5,645件546.4億円 | 2,278件(40.4%) | 265.6億円(48.6%) | 警察庁 ↗ |
| 2025年 | SNS型投資詐欺 | 9,523件1,288.0億円 | 2,002件(21%) | 222.2億円(17.2%) | 警察庁 ↗ |
| 2025年 | 特殊詐欺(SNS型投資・ロマンス詐欺を除く) | 27,832件1,423.1億円 | 1,871件(6.7%) | 277.2億円(19.5%) | 警察庁 ↗ |
| 2025年上半期(暫定値) | SNS型ロマンス詐欺 | 2,461件239.6億円 | 885件(36%) | 106.4億円(44.4%) | 警察庁 ↗ |
| 2025年上半期(暫定値) | SNS型投資詐欺 | 2,884件351.2億円 | 763件(26.5%) | 84.7億円(24.1%) | 警察庁 ↗ |
| 2025年上半期(暫定値) | 特殊詐欺(SNS型投資・ロマンス詐欺を除く) | 13,213件597.3億円 | 585件(4.4%) | 89.8億円(15%) | 警察庁 ↗ |
| 2024年 | SNS型ロマンス詐欺 | 3,824件400.9億円 | 786件(20.6%) | — | 警察庁 ↗ |
| 2024年 | SNS型投資詐欺 | 6,413件871.1億円 | 762件(11.9%) | — | 警察庁 ↗ |
| 2024年1-11月 | SNS型ロマンス詐欺 | 3,326件346.4億円 | 649件(19.5%) | — | 警察庁 ↗ |
| 2024年1-11月 | SNS型投資詐欺 | 5,939件794.7億円 | 667件(11.2%) | — | 警察庁 ↗ |
出典:警察庁「特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について」ほか(各行の「警察庁」のリンク先)。表は当サイトがこれらを基に作成しました(2026-10-19確認)。
ほかの投資先と同じ項目で並べた表は投資先の一覧にあります。段は「返す約束があるか」で分けています(攻め(ハイリスク・ハイリターン))。
暗号資産は、今は資金決済法で定められています。2017年4月から、国内で暗号資産と法定通貨を交換するサービスを行うには、暗号資産交換業の登録が必要になりました。2020年5月の法改正で、法令上の呼び名が「仮想通貨」から「暗号資産」に変わりました。
| 所管 | 登録業者数(2026年9月1日現在) |
|---|---|
| 関東財務局 | 25 |
| 近畿財務局 | 2 |
| 合計 | 27 |
金融庁の「暗号資産交換業者登録一覧」には、業者名、登録番号、登録日、所在地、取り扱う暗号資産の名前が載っています。2026年9月1日現在の登録数は27社で、関東財務局の所管が25社、近畿財務局の所管が2社です。
一覧に載っている暗号資産は、業者の説明に基づき「資金決済法上の定義に該当することを確認したものにすぎません」と金融庁は書いています。登録は、その銘柄の値打ちを国が認めたという意味ではありません。
2026年6月1日からは、交換業者から委託を受けて売買の仲介だけを行う「電子決済手段・暗号資産サービス仲介業」の登録制度も始まりました。
2017年の制度開始のときから、交換業者には、利用者の財産と業者自身の財産を分けて管理すること(分別管理)や、システムの安全管理などが義務づけられています。
その後、インターネットにつながった状態で管理していた暗号資産が流出する事案が続いたため、法改正で、業務に必要な分(預かった暗号資産全体の5%が上限)を除き、利用者の暗号資産をコールドウォレット(秘密鍵をインターネットに常時つながない機器で管理する方法)などで管理することが義務になりました。ネットにつながった状態で持つ分には、同じ種類・同じ量の暗号資産を別に持っておくことも求められています。
業者が倒産したときに、預かっていた暗号資産を利用者に優先して返すための規定も整備されています。ただし、これで全額が必ず戻ると定めた公的な説明は、今回の調べでは確認できませんでした。
暗号資産の証拠金取引(借りたお金で大きく売買する取引)は、個人向けの倍率の上限が2倍とされています。
「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律」が2026年4月10日に国会に出され、7月15日に成立しました。暗号資産の取引の規制を資金決済法から金融商品取引法に移し、有価証券とは別の金融商品として位置づけます。業者の名前は「暗号資産取引業者」に変わります。
主な中身は、無登録業者への罰則の引き上げ(拘禁刑3年から10年)、業者や発行者による暗号資産の情報の公表、インサイダー取引の禁止、不正流出に備えて補償の元手となる責任準備金を積み立てる義務などです。
施行日は、原則として公布の日から1年を超えない範囲で政令で決める日です。無登録業者への罰則の引き上げは、公布から20日を過ぎた日からです。改正の前提となった議論は、金融審議会の暗号資産制度に関するワーキング・グループの報告(2025年12月10日公表)にまとめられています。
国税庁によると、暗号資産の取引で生じた利益は原則として雑所得です。ただし、その年の暗号資産取引の収入金額が300万円を超える場合は、帳簿書類の保存があれば原則として事業所得、無ければ原則として業務に係る雑所得になります。
| 項目 | いま(国税庁FAQ) | 見直しの方針(令和8年度税制改正大綱) |
|---|---|---|
| 売ったときのもうけ | 原則 雑所得・総合課税 | 特定暗号資産は分離課税20% |
| 損失 | 他の所得と通算できない | 3年間の繰越控除を認める |
| 証拠金取引(デリバティブ) | 総合課税 | 特定暗号資産に係るものは分離課税20% |
| 始まる時期 | ― | 改正金商法の施行日の属する年の翌年1月1日以後 |
雑所得の損失は、給与所得など他の所得から差し引けません。暗号資産を別の暗号資産と交換したときも、手放した暗号資産を売ったのと同じように所得を計算します。ステーキングやレンディングなどで暗号資産を受け取ったときも、受け取った時点の時価が所得の計算に入ります。暗号資産の証拠金取引も、FXと違って総合課税です。
2025年12月26日に閣議決定された令和8年度税制改正の大綱では、金融商品取引法の改正を前提に、登録業者が扱う暗号資産(特定暗号資産)を業者に売るなどしたもうけを、他の所得と分けて20%(所得税15%、住民税5%)で課税する方針が示されました。損失は3年間繰り越せるようにします。適用は、改正金融商品取引法の施行日が属する年の翌年1月1日以後の取引からです。
国民生活センターのPIO-NETに登録された暗号資産の相談は、2023年度8,498件、2024年度7,261件、2025年度8,132件でした。最近の事例には、SNSやマッチングアプリで知り合った人に勧められた、出金しようとしたら税金や追加入金を求められた、といったものがあります。
| 出典 | 区分 | 件数 | 被害額 |
|---|---|---|---|
| 国民生活センター | 暗号資産の相談(2025年度) | 8,132件 | ― |
| 警察庁 | SNS型投資詐欺のうち暗号資産送信型(2025年) | 1,898件 | 215.5億円 |
| 警察庁 | SNS型ロマンス詐欺のうち暗号資産送信型(2025年) | 2,177件 | 247.7億円 |
警察庁の2025年の統計では、SNS型投資詐欺は9,523件・被害額1,288.0億円、SNS型ロマンス詐欺は5,645件・546.4億円でした。このうち暗号資産を送らせる型は、投資詐欺で1,898件・215.5億円、ロマンス詐欺で2,177件・247.7億円です。
金融庁の説明資料も、金融庁などに詐欺的な投資勧誘の相談が多く寄せられていること、国内の口座開設数が1,400万を超えていることを、法改正の背景に挙げています。
勧められた業者が「暗号資産交換業者登録一覧」に載っているかを確かめてください。金融庁の「金融事業者検索」でも調べられます。協会の会員(登録業者)を名乗る勧誘や偽のサイトについて、日本暗号資産等取引業協会が注意を呼びかけており、金融庁の利用者向けページからも案内されています。
金融庁「暗号資産交換業者登録一覧」(令和8年9月1日現在) ↗ 金融庁「暗号資産の利用者のみなさまへ」 ↗金融庁は、無登録で暗号資産交換業を行っていた国内・海外の業者に警告書を出し、名前を公表しています。ただし、載っていない業者でも無登録の場合があると金融庁は書いています。
金融庁「警告書の発出を行った無登録の国内業者」 ↗ 金融庁「警告書の発出を行った無登録の海外所在業者」 ↗ 金融庁「暗号資産・電子決済手段関係」 ↗消費者庁・金融庁・警察庁は連名で、暗号資産の交換と関連付けて投資を持ち掛けるトラブルへの注意を呼びかけています。警察庁の統計でも、SNS型投資・ロマンス詐欺で暗号資産を送らせる手口が多く見られます。
消費者庁「暗号資産(仮想通貨)に関するトラブルにご注意ください!」(消費者庁・金融庁・警察庁の連名) ↗ 警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」 ↗ 国民生活センター「【20代要注意!】暗号資産のもうけ話」(2024年1月23日) ↗国民生活センターには、出金しようとしたら追加入金や税金を求められたという相談が寄せられています。先にお金を払わせる話には応じないでください。
国民生活センター「暗号資産(仮想通貨)」各種相談の件数や傾向 ↗消費者庁は2026年9月1日、投資系トラブルにあった人に「返金を受けるには別の投資商品を買う必要がある」「返金手続を代行する」などと持ち掛け、お金を求める二次被害に注意するよう呼びかけました。
消費者庁「投資系トラブルの二次被害にご注意ください!」(2026年9月1日) ↗いいえ。暗号資産には満期も返す約束もありません。お金に戻すには、そのときの値段で売る必要があります。金融庁は、価格が急落して損をする可能性があると説明しています。
今のしくみでは差し引けません。国税庁によると、雑所得の損失は給与所得など他の所得と通算できません。分離課税への見直しでは3年間の繰越控除を認める方針ですが、始まるのは改正金融商品取引法の施行日が属する年の翌年1月1日以後です。
かかることがあります。国税庁は、暗号資産Aを暗号資産Bと交換した場合、Aで Bを買ったことになるので、Aを手放したことによる所得を計算する必要があるとしています。
業者には利用者の財産を分けて管理する義務があり、倒産時に預かった暗号資産を利用者に優先して返すための規定もあります。ただし、全額が必ず戻ると定めた公的な説明は確認できていません。2026年の法改正では、不正流出に備えた責任準備金の積み立てが加わります。
日付はまだ決まっていません。税制改正大綱では、改正金融商品取引法の施行日が属する年の翌年1月1日以後とされています。その施行日は、原則として公布から1年以内に政令で決まります。
このページの事実は2026-10-05に一次資料で確かめたものです。制度や金利は変わることがあります。
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