株式投資型クラウドファンディングの記事は、たいてい5社の特徴を並べて終わります。 この記事は違う作りです。5社が2017年から2026年5月までに取り扱った839案件・665社を1件ずつ集計し、 成立率・調達額・その後の出口を数字で出しました。 結論から書くと、成立率は72.9%、累計調達額は170.4億円、出口が判明しているのは8件だけです。 そして登録上は5社ありますが、直近で新規案件が出ているのは2社でした。
5社839案件を集計して分かったこと
- 成立55365.9%
- 不成立20624.6%
- 結果が未確定809.5%
この市場の全体像は、これだけの規模です。10年弱かけて839件、170.4億円。 不動産型クラウドファンディングは1社だけで累計1,000億円を超える事業者が複数あるので、 株式投資型は市場全体でその6分の1程度ということになります。
そして206件が不成立です。募集を出しても4件に1件以上は目標額に届かずに終わっています。 企業単位で見ると、170社が一度も成立を経験していません。 「クラウドファンディングで資金調達」と言えば集まるように聞こえますが、実態は選別されています。
プラットフォーム別の取扱件数と成立率
取扱件数の多い順です。成立率は、結果が公表されている案件だけを分母にしています。
- FUNDINNO696件(83%)
- イークラウド62件(7%)
- ユニコーン40件(5%)
- CF Angels36件(4%)
- AngelNavi5件(1%)
- AngelNavi100.0%(5/5件)
- イークラウド88.7%(47/53件)
- FUNDINNO72.5%(455/628件)
- ユニコーン64.1%(25/39件)
- CF Angels61.8%(21/34件)
点線は72.9%
| # | プラットフォーム | 取扱件数 | 成立率 | 累計調達額 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | FUNDINNO2026年5月が直近の募集開始 | 696件 | 72.5% | 142.7億円 |
| 2 | イークラウド2026年4月が直近の募集開始 | 62件 | 88.7% | 13.2億円 |
| 3 | ユニコーン2022年10月が直近の募集開始 新規なし | 40件 | 64.1% | 10.1億円 |
| 4 | CF Angels2024年11月が直近の募集開始 新規なし | 36件 | 61.8% | 3.9億円 |
| 5 | AngelNavi2023年5月が直近の募集開始 新規なし | 5件 | 100.0% | 5,058万円 |
件数の83%、調達額の84%をFUNDINNOが占めます。 この市場を語ることは、ほぼFUNDINNOを語ることです。 一方で成立率が最も高いのはイークラウドの88.7%で、 件数は62件と少ないものの、出した募集はほぼ埋まっています。 掲載する企業を絞り込んでいる分、失敗が少ない構造です。
実際に動いているのは2社
日本証券業協会の一覧には5社が載っています。ところが募集実績を並べると、 ユニコーンは2022年10月、CF Angelsは2024年11月、AngelNaviは2023年5月を最後に新規案件が確認できません。
各社ともサービス自体は続いていて、既存株主への継続開示は行われています。 募集が止まっている理由は公表されていないため、休止なのか実質的な撤退なのかは判断できません。 ただ「国内5社から選べる」という前提で口座を作ると、実際に投資できる案件が出てくるのはFUNDINNOとイークラウドの2社だという点は、 先に知っておいた方がいい事実です。
年別の推移と、2023年に起きたこと
- 201717
- 201839
- 201953
- 202099
- 2021165
- 2022162
- 202382
- 202495
- 202599
- 202628
| 年 | 合計 | FUNDINNO | イークラウド | ユニコーン | CF Angels | AngelNavi |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2026年 | 28件 | 24 | 4 | — | — | — |
| 2025年 | 99件 | 86 | 13 | — | — | — |
| 2024年 | 95件 | 74 | 16 | — | 5 | — |
| 2023年 | 82件 | 65 | 13 | — | 2 | 2 |
| 2022年 | 162件 | 137 | 7 | 8 | 8 | 2 |
| 2021年 | 165件 | 125 | 7 | 18 | 15 | — |
| 2020年 | 99件 | 77 | 2 | 13 | 6 | 1 |
| 2019年 | 53件 | 52 | — | 1 | — | — |
| 2018年 | 39件 | 39 | — | — | — | — |
| 2017年 | 17件 | 17 | — | — | — | — |
2021年の165件をピークに、翌年は162件と 2%減。その後も戻っていません。 件数を落としたのはFUNDINNOで、2021年の125件から 2022年は137件になりました。
同じ時期に、ユニコーンとCF Angelsの募集も細っています。 市場全体が2022年を境に縮んだという見方が、数字とは整合します。 スタートアップの資金調達環境が締まった時期と重なるため、 エクイティ全体の冷え込みがこの市場にも出た、と読むのが自然です。
カテゴリ別の成立率
案件数の多い10カテゴリです。分類は各案件のテーマ表記を寄せたもので、 1社が複数のテーマにまたがる場合は主たるものを取っています。
- 医療・ヘルスケア・バイオ115件 成立率72%
- 食・農林水産96件 成立率85%
- プラットフォーム・その他91件 成立率70%
- IT・ソフトウェア87件 成立率64%
- 広告・メディア・エンタメ78件 成立率61%
- 小売・EC・D2C72件 成立率70%
- 旅行・スポーツ・生活サービス70件 成立率68%
- IoT・ロボット・ハードウェア60件 成立率78%
- 人材・教育46件 成立率77%
- AI・データ33件 成立率81%
| # | カテゴリ | 件数 | 成立率 | 累計調達額 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 医療・ヘルスケア・バイオ | 115件 | 72% | 22.9億円 |
| 2 | 食・農林水産 | 96件 | 85% | 21.2億円 |
| 3 | プラットフォーム・その他 | 91件 | 70% | 18億円 |
| 4 | IT・ソフトウェア | 87件 | 64% | 14.5億円 |
| 5 | 広告・メディア・エンタメ | 78件 | 61% | 12.4億円 |
| 6 | 小売・EC・D2C | 72件 | 70% | 10.5億円 |
| 7 | 旅行・スポーツ・生活サービス | 70件 | 68% | 11.1億円 |
| 8 | IoT・ロボット・ハードウェア | 60件 | 78% | 17.2億円 |
| 9 | 人材・教育 | 46件 | 77% | 9.7億円 |
| 10 | AI・データ | 33件 | 81% | 9.7億円 |
最も多いのは医療・ヘルスケア・バイオの115件。 成立率で見ると金融・フィンテックが91%と最も高く、 広告・メディア・エンタメが61%と最も低いという並びになりました。 投資家が集まりやすい分野とそうでない分野には、はっきり差があります。
出口が判明している8件の全件
839件のうち、その後どうなったかが公表されているのは8件です。
| # | 企業 | 区分 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 1 | 琉球アスティーダスポーツクラブFUNDINNO | IPO | 東京プロマーケットに2021年3月30日上場。基準の評価額は700円で募集時の1.4倍 |
| 2 | nommocFUNDINNO | バイアウト | 数社の法人が株価1.5倍(50円75円)で相対取引 |
| 3 | 漢方生薬研究所FUNDINNO | バイアウト | 2019年6月に株式が1.5倍(500円→750円)の価格で買い取られた。 |
| 4 | Next Paradigmイークラウド | バイアウト | 株式会社セレスが全株式取得で完全子会社化。2.69倍 |
| 5 | 日本きくらげFUNDINNO | 倒産 | 2023年に破産 |
| 6 | ブレスサービスFUNDINNO | 倒産 | 2019年1月に経営破綻 |
| 7 | ユニボットFUNDINNO | 倒産 | 2020年2月破産(精算) |
| 8 | ブレスサービスFUNDINNO | 倒産 | 2019年1月に経営破綻 |
プラスの出口が4件、倒産が4件。残りは出口が立っていません。 未上場株式に流通市場がない以上、IPOかM&Aが起きるまで換金できないので、 「まだ分からない」が831件あるのは仕組み上そうなります。 ただし10年弱でプラスの出口が4件しか確認できていないという事実は、 この投資の期待値を考えるうえで外せません。
「回収事例の中央値1.4倍」を分母で見直す
株式投資型の回収事例は「中央値1.4倍」「最大4.4倍」として紹介されることがあります。 当サイトのEXIT実績の記事でも、公表されている11件を並べてその数字を出しています。 ただしこれは回収できた案件だけを集めた数字です。
分母を839件に置き直すと、景色が変わります。 プラスの出口が確認できたのは4件で全体の0.5%、 倒産が4件で0.5%。 残りは、企業が存続していても投資家の資金は動いていない状態です。
これは株式投資型を否定する数字ではありません。未上場株式への投資とは本来そういうもので、 ベンチャーキャピタルも同じ構造で回っています。 問題は、倍率だけを見て「元本割れしにくい」と誤解することです。 206件の不成立と4件の倒産を含めて見れば、これが分散前提の投資だと分かります。
目標額に対して、実際いくら集まったのか
株式投資型の募集には目標額と上限額があります。目標に届けば成立、上限に達すればそこで締め切りです。成立した553件のうち、両方の数字が取れた553件で達成率(調達額÷目標額)を計算しました。
- 目標未満11件
- 目標ちょうど〜 1.2倍74件
- 1.2〜 2倍190件
- 2〜 5倍248件
- 5倍以上30件
| 達成率 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 目標未満 | 11件 | 2% |
| 目標ちょうど〜1.2倍 | 74件 | 13% |
| 1.2〜2倍 | 190件 | 34% |
| 2〜5倍 | 248件 | 45% |
| 5倍以上 | 30件 | 5% |
中央値は200%、平均は253%。上限額に到達して締め切られた案件は87件で、成立案件の16%にあたります。
目標額は発行企業と事業者が決めます。低く置けば達成率は上がります。実際、目標額の中央値は1,008万円で、上限額の中央値4,995万円とは倍以上の開きがあります。達成率は『目標の置き方』の指標でもあります。
1件に何人が出資し、1人あたりいくら出しているか
投資家数が分かる545件を数えました。中央値は154人、最大は591人です。
- 50人未満36件
- 50〜 100人117件
- 100〜 200人198件
- 200〜 400人163件
- 400人以上31件
| 投資家数 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 50人未満 | 36件 | 7% |
| 50〜100人 | 117件 | 21% |
| 100〜200人 | 198件 | 36% |
| 200〜400人 | 163件 | 30% |
| 400人以上 | 31件 | 6% |
1人あたりの平均投資額は、公表されている545件で中央値17万円。最低投資額(1口)の中央値は10万円で、多くの人が最低単位の2〜5倍を出していることになります。
1件あたり154人という規模は、未上場企業にとって株主が一度に数百人増えるということです。次の資金調達でVCが入るとき、この株主構成が論点になることがあります。投資家側から見れば、同じ企業に同じ条件で入る人が数百人いるという意味でもあります。
企業価値はどう決まっているのか
募集ページに出ている企業価値(プレバリュー)を819件ぶん集めました。中央値は3.52億円、最小500万円、最大155億円。300倍以上の開きがあります。
- 3億円未満330件
- 3〜 5億円223件
- 5〜 10億円157件
- 10〜 30億円83件
- 30億円以上26件
| プレバリュー | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 3億円未満 | 330件 | 40% |
| 3〜5億円 | 223件 | 27% |
| 5〜10億円 | 157件 | 19% |
| 10〜30億円 | 83件 | 10% |
| 30億円以上 | 26件 | 3% |
1株あたりの価格は中央値10,000円。株価とプレバリューは発行済株式数で結ばれているので、株価が安いことは割安を意味しません。見るべきは「出資額 ÷ ポストバリュー=持分比率」です。
分野によって評価の水準が違う
| 分野 | 件数 | プレバリューの中央値 |
|---|---|---|
| モビリティ・物流 | 8件 | 6.31億円 |
| AI・データ | 33件 | 5.23億円 |
| 金融・フィンテック | 28件 | 5.11億円 |
| 医療・ヘルスケア・バイオ | 113件 | 4.52億円 |
| IoT・ロボット・ハードウェア | 58件 | 4.07億円 |
| 旅行・スポーツ・生活サービス | 65件 | 4.02億円 |
| 広告・メディア・エンタメ | 75件 | 3.75億円 |
| 人材・教育 | 46件 | 3.54億円 |
未上場株の企業価値は、発行企業と事業者の間で決めた数字です。第三者の取引で検証されていません。分野によって中央値が2.71億円から6.31億円まで開くのは、事業の性質の違いであると同時に、評価の慣習の違いでもあります。
投資家は、その会社の何%を持つことになるのか
調達額÷(企業価値+調達額)が、その募集で外部に出る持分の割合です。両方の数字がある570件で計算しました。中央値は6.4%です。
- 1%未満35件
- 1〜 2%34件
- 2〜 3%46件
- 3〜 5%107件
- 5%以上348件
| 放出した持分 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 1%未満 | 35件 | 6% |
| 1〜2% | 34件 | 6% |
| 2〜3% | 46件 | 8% |
| 3〜5% | 107件 | 19% |
| 5%以上 | 348件 | 61% |
つまり1回の募集で会社の数%しか動きません。数百人で分け合うので、1人あたりの持分は0.01%前後になります。議決権としての意味はほぼなく、株主として経営に関与する立場ではないと考えたほうが実態に合います。
放出比率が大きかった案件15件
| 企業 | 放出比率 | 調達額 | 企業価値 | 募集 |
|---|---|---|---|---|
| Gigi | 83.3% | 3,000万円 | 600万円 | 2020/08 |
| SMADONA | 59.3% | 3,210万円 | 2,200万円 | 2020/05 |
| 理研ワールド | 30.1% | 6,084万円 | 1.41億円 | 2020/09 |
| サフィックス | 28.2% | 3,930万円 | 1億円 | 2025/01 |
| グリーンレイズ輻射空調エンジニアリング | 25.9% | 6,980万円 | 2億円 | 2025/06 |
| DEFアニバーサリー | 25.7% | 3,840万円 | 1.11億円 | 2019/07 |
| Circulife | 24.0% | 2,370万円 | 7,500万円 | 2022/06 |
| ロボット応用ジャパン | 22.7% | 3,990万円 | 1.36億円 | 2020/09 |
| スポットツアー | 22.3% | 5,746万円 | 2億円 | 2019/07 |
| Nurse and Craft | 21.7% | 4,020万円 | 1.45億円 | 2025/01 |
| RINDO | 21.1% | 3,210万円 | 1.20億円 | 2025/02 |
| ノビアス | 20.9% | 2,910万円 | 1.10億円 | 2022/09 |
| 海馬 | 20.8% | 3,930万円 | 1.50億円 | 2024/12 |
| UMAMI COLA | 20.0% | 3,000万円 | 1.20億円 | 2022/07 |
| 水龍堂 | 20.0% | 2,500万円 | 1億円 | 2024/05 |
比率が高いのは、企業価値に対して調達額が大きいという意味です。評価額が低いのか、必要資金が大きいのか、どちらの理由かは案件ごとに違います。比率だけでは割安・割高は判断できません。
エンジェル税制は、どれだけ使えるのか
株式投資型の税制優遇は「案件によって使える/使えない」が分かれます。839件の募集ページの記載を数えました。
| エンジェル税制の区分 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 適用なし | 427件 | 51% |
| B | 256件 | 31% |
| A | 149件 | 18% |
| 不明 | 7件 | 1% |
何らかの優遇が適用される案件は0件(0%)。裏を返せば、残りは税制優遇のない案件です。優遇措置Aは投資した年の所得控除、Bは他の株式譲渡益からの控除で、どちらが使えるかは発行企業側の要件(設立年数など)で決まります。投資家がどれだけ税金を払っているかは関係ありません。
株主優待をつける案件もある
優待の記載がある案件は337件。未上場株に優待を付ける発想は上場株の文化から来ていますが、優待は分配ではありません。回収の代わりにはなりません。実例を挙げます。
| 企業 | 優待の内容 |
|---|---|
| ディビイ | あり |
| ディビイ | あり |
| ディビイ | あり |
| ディビイ | あり |
| アドレス | あり |
| アドレス | あり |
| アイ・ティ・イー | あり |
| アイ・ティ・イー | あり |
| LIFEHUB | あり |
| LIFEHUB | あり |
| ZERO EDUCATION&ARTS | あり |
| ZERO EDUCATION&ARTS | あり |
| ZERO EDUCATION&ARTS | あり |
| トルビズオン | あり |
優待の価値は年に数千円から1万円程度のものが中心です。最低投資額10万円前後に対して、回収可能性のほうが桁違いに重い要素になります。優待があるから出す、という順番になっていないかを確認してください。
集めた資金は何に使われるのか
募集ページには資金使途の記載があります。839件から語を切り出して数えると、使い道の傾向が出ます。
| 資金使途に出てくる語 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 広告宣伝費 | 279件 | 33% |
| 人件費 | 200件 | 24% |
| 営業人件費 | 86件 | 10% |
| 研究開発費 | 82件 | 10% |
| 開発人件費 | 62件 | 7% |
| 開発費 | 56件 | 7% |
| システム開発費 | 40件 | 5% |
| 開発外注費 | 31件 | 4% |
| マーケティング費用 | 26件 | 3% |
| 設備投資 | 25件 | 3% |
| 外注費 | 19件 | 2% |
| ソフトウェア開発費 | 18件 | 2% |
| 運転資金 | 15件 | 2% |
| マーケティング費 | 11件 | 1% |
| システム開発 | 10件 | 1% |
| 地代家賃 | 9件 | 1% |
| エンジニア人件費 | 9件 | 1% |
| 人材採用費 | 8件 | 1% |
| マーケティング人件費 | 8件 | 1% |
| 仕入費用 | 8件 | 1% |
| 広告費 | 8件 | 1% |
| 新規人件費 | 7件 | 1% |
上位は広告宣伝費・人件費・営業人件費。人件費と広告費が中心で、設備投資や在庫仕入れは相対的に少ない。これはソフトウェアやサービス業の比率が高いことの裏返しです。
読み方として大事なのは、調達額が何ヶ月ぶんの活動費にあたるかです。調達額の中央値は2,484万円。社員数人の会社で人件費と広告費に充てるなら、1年前後で使い切る規模です。次の調達が必要になる時期が、そのまま次のリスクです。
募集は何日で終わるのか
募集開始から締切までの日数を834件で数えました。中央値は6日です。
- 即日1件
- 1〜 3日295件
- 4〜 7日187件
- 8〜 14日211件
- 15〜 30日128件
- 31日以上12件
| 募集期間 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 即日 | 1件 | 0% |
| 1〜3日 | 295件 | 35% |
| 4〜7日 | 187件 | 22% |
| 8〜14日 | 211件 | 25% |
| 15〜30日 | 128件 | 15% |
| 31日以上 | 12件 | 1% |
事前告知(募集の予告)から開始までは中央値7日。告知を見てから口座を開いても間に合わないことがあるという意味です。株式投資型の口座開設は本人確認と適合性確認があるため、数日かかるのが普通です。
不動産型のように「数分で完売」という世界ではありませんが、人気案件は期間内に上限へ達して早期に締め切られます。逆に、期間いっぱい使って目標に届かなかった案件が206件あります。
1口いくらから買えるのか
最低投資額が分かる839件の分布です。中央値は10万円。
- 5万円以下6件
- 5万円超〜 10万円766件
- 10万円超〜 20万円65件
- 20万円超2件
| 1口の最低投資額 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 5万円以下 | 6件 | 1% |
| 5万円超〜10万円 | 766件 | 91% |
| 10万円超〜20万円 | 65件 | 8% |
| 20万円超 | 2件 | 0% |
上限額(1人が同一案件に出せる最大)は中央値50万円。法令上、同一企業には年間50万円までという制限があるため、1案件でこれを超える設計はできません。
最低投資額が低かった案件20件
| 企業 | 1口 | 上限 | 分野 | 募集 |
|---|---|---|---|---|
| ひろのぶと | 5万円 | 50万円 | 広告・メディア・エンタメ | 2022/05 |
| ハーバルアイ | 5万円 | 50万円 | 医療・ヘルスケア・バイオ | 2020/05 |
| 小笠原商店 | 5万円 | 50万円 | 食・農林水産 | 2023/02 |
| プリベントサイエンス | 5万円 | 50万円 | IoT・ロボット・ハードウェア | 2020/06 |
| シナジーゲート | 5万円 | 50万円 | 小売・EC・D2C | 2023/03 |
| つなげーと | 5万円 | 50万円 | 旅行・スポーツ・生活サービス | 2018/08 |
| パルソラ | 6万円 | 50万円 | IT・ソフトウェア | 2018/05 |
| ドーナッツロボティクス | 7万円 | 49万円 | IoT・ロボット・ハードウェア | 2020/07 |
| デジタルアテンダント | 7万円 | 49万円 | AI・データ | 2018/07 |
| ファイレスキュー | 7万円 | 49万円 | 不動産・建設・まちづくり | 2018/08 |
| テレワーク・テクノロジーズ | 7万円 | 49万円 | プラットフォーム・その他 | 2020/11 |
| Markefan | 7万円 | 49万円 | IT・ソフトウェア | 2020/11 |
| PicUApp | 7万円 | 49万円 | 旅行・スポーツ・生活サービス | 2019/09 |
| ワンダーラスト | 7万円 | 49万円 | 旅行・スポーツ・生活サービス | 2020/09 |
| 住まいるサポート | 7万円 | 49万円 | プラットフォーム・その他 | 2022/03 |
| ディビイ | 8万円 | 48万円 | 医療・ヘルスケア・バイオ | 2022/10 |
| メドリッジ | 8万円 | 48万円 | 医療・ヘルスケア・バイオ | 2023/10 |
| アットドウス | 8万円 | 48万円 | 医療・ヘルスケア・バイオ | 2024/06 |
| デジタルアテンダント | 8万円 | 48万円 | AI・データ | 2022/01 |
| インシュアラボ | 8万円 | 48万円 | IT・ソフトウェア | 2021/07 |
最低額が低い案件は、人数を広く集める設計です。投資家から見れば分散しやすい一方、少額だから安全ということはありません。未上場株である以上、0になる確率は金額と無関係です。
調達額の上位30件
成立した案件を調達額の大きい順に並べました。上位30件だけで、成立案件の調達総額の15%を占めます。
| # | 企業 | 分野 | 調達額 | 投資家数 | 募集 | 事業者 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | EmbodyMe | IT・ソフトウェア | 9,999万円 | 451人 | 2024/03 | FUNDINNO |
| 2 | LIFEHUB | モビリティ・物流 | 9,959万円 | 459人 | 2025/03 | FUNDINNO |
| 3 | アドレス | 旅行・スポーツ・生活サービス | 9,930万円 | 505人 | 2023/07 | イークラウド |
| 4 | アトモフ | プラットフォーム・その他 | 9,900万円 | 428人 | 2024/10 | FUNDINNO |
| 5 | クロスロケーションズ | AI・データ | 9,900万円 | 502人 | 2021/06 | FUNDINNO |
| 6 | イザナギゲームズ | 広告・メディア・エンタメ | 9,897万円 | 480人 | 2024/04 | FUNDINNO |
| 7 | アイル | 食・農林水産 | 9,620万円 | 587人 | 2022/01 | FUNDINNO |
| 8 | Aikomi | IT・ソフトウェア | 9,099万円 | 458人 | 2024/10 | FUNDINNO |
| 9 | ビズリンク | 人材・教育 | 8,958万円 | 510人 | 2022/10 | FUNDINNO |
| 10 | クレバ | IoT・ロボット・ハードウェア | 8,930万円 | 375人 | 2024/11 | FUNDINNO |
| 11 | KOTOBUKI Medical | 医療・ヘルスケア・バイオ | 8,930万円 | 591人 | 2019/06 | FUNDINNO |
| 12 | グッドラックスリー | 金融・フィンテック | 8,910万円 | 578人 | 2020/01 | FUNDINNO |
| 13 | 馬渕工業所 | エネルギー・環境・素材 | 8,910万円 | 478人 | 2025/03 | FUNDINNO |
| 14 | グッドラックスリー | 広告・メディア・エンタメ | 8,629万円 | 409人 | 2024/05 | FUNDINNO |
| 15 | アイ・ティ・イー | エネルギー・環境・素材 | 8,595万円 | 441人 | 2024/07 | FUNDINNO |
| 16 | NPT | 医療・ヘルスケア・バイオ | 8,420万円 | 415人 | 2022/12 | FUNDINNO |
| 17 | TAAS | IT・ソフトウェア | 8,290万円 | 547人 | 2018/07 | FUNDINNO |
| 18 | アイジェックス・ファーマインターナショナル | 医療・ヘルスケア・バイオ | 8,226万円 | 548人 | 2021/03 | FUNDINNO |
| 19 | Each DreaM | プラットフォーム・その他 | 8,100万円 | 474人 | 2021/07 | FUNDINNO |
| 20 | ディビイ | AI・データ | 8,000万円 | 390人 | 2020/10 | ユニコーン |
| 21 | ヴァズ | 食・農林水産 | 8,000万円 | 494人 | 2020/08 | ユニコーン |
| 22 | ビズリンク | IT・ソフトウェア | 7,850万円 | 530人 | 2021/07 | FUNDINNO |
| 23 | ワンダーフューチャーコーポレーション | IoT・ロボット・ハードウェア | 7,572万円 | 429人 | 2025/06 | FUNDINNO |
| 24 | オリゴジェン | 医療・ヘルスケア・バイオ | 7,542万円 | 484人 | 2021/10 | FUNDINNO |
| 25 | レグミン | IoT・ロボット・ハードウェア | 7,212万円 | 289人 | 2025/07 | FUNDINNO |
| 26 | SKR | 小売・EC・D2C | 7,070万円 | 479人 | 2019/12 | FUNDINNO |
| 27 | バリューソリューション | プラットフォーム・その他 | 7,000万円 | 388人 | 2021/01 | FUNDINNO |
| 28 | グッドラックスリー | 金融・フィンテック | 6,999万円 | 240人 | 2021/03 | FUNDINNO |
| 29 | メディギア・インターナショナル | 医療・ヘルスケア・バイオ | 6,993万円 | 427人 | 2021/02 | FUNDINNO |
| 30 | アドレス | 旅行・スポーツ・生活サービス | 6,990万円 | 322人 | 2024/09 | イークラウド |
1件あたりの調達額は中央値2,484万円に対し、上位は1億円に近い水準です。株式投資型の1社あたり年間調達上限は1億円未満と法令で決まっているため、ここが天井になります。
上位に来る案件の共通点は、投資家数も多いことです。金額だけが大きく人数が少ない案件は、特定の投資家に依存しています。募集ページで投資家数が伸びているかどうかは、他の投資家がどう判断したかの近似値になります。
人を集めた案件と、評価額が高かった案件
調達額の大きさと、集まった人数は一致しません。人数が多いのは少額で広く集めた案件です。
投資家数の上位30件
| # | 企業 | 投資家数 | 調達額 | 1人あたり | 募集 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | KOTOBUKI Medical | 591人 | 8,930万円 | 15万円 | 2019/06 |
| 2 | アイル | 587人 | 9,620万円 | 16万円 | 2022/01 |
| 3 | グッドラックスリー | 578人 | 8,910万円 | 15万円 | 2020/01 |
| 4 | アイジェックス・ファーマインターナショナル | 548人 | 8,226万円 | 15万円 | 2021/03 |
| 5 | TAAS | 547人 | 8,290万円 | 15万円 | 2018/07 |
| 6 | ビズリンク | 530人 | 7,850万円 | 15万円 | 2021/07 |
| 7 | ビズリンク | 510人 | 8,958万円 | 18万円 | 2022/10 |
| 8 | アドレス | 505人 | 9,930万円 | 20万円 | 2023/07 |
| 9 | クロスロケーションズ | 502人 | 9,900万円 | 20万円 | 2021/06 |
| 10 | ヴァズ | 494人 | 8,000万円 | 16万円 | 2020/08 |
| 11 | オリゴジェン | 484人 | 7,542万円 | 16万円 | 2021/10 |
| 12 | ユニボット | 483人 | 6,552万円 | 14万円 | 2018/08 |
| 13 | イザナギゲームズ | 480人 | 9,897万円 | 21万円 | 2024/04 |
| 14 | SKR | 479人 | 7,070万円 | 15万円 | 2019/12 |
| 15 | 馬渕工業所 | 478人 | 8,910万円 | 19万円 | 2025/03 |
| 16 | Each DreaM | 474人 | 8,100万円 | 17万円 | 2021/07 |
| 17 | GPE | 468人 | 6,507万円 | 14万円 | 2021/02 |
| 18 | LIFEHUB | 459人 | 9,959万円 | 22万円 | 2025/03 |
| 19 | Aikomi | 458人 | 9,099万円 | 20万円 | 2024/10 |
| 20 | 漢方生薬研究所 | 457人 | 2,925万円 | 6万円 | 2017/12 |
| 21 | EmbodyMe | 451人 | 9,999万円 | 22万円 | 2024/03 |
| 22 | アーティフィス | 448人 | 6,500万円 | 15万円 | 2021/03 |
| 23 | アイ・ティ・イー | 441人 | 8,595万円 | 19万円 | 2024/07 |
| 24 | ユニクス | 433人 | 6,012万円 | 14万円 | 2020/11 |
| 25 | ワンダーフューチャーコーポレーション | 429人 | 7,572万円 | 18万円 | 2025/06 |
| 26 | アトモフ | 428人 | 9,900万円 | 23万円 | 2024/10 |
| 27 | メディギア・インターナショナル | 427人 | 6,993万円 | 16万円 | 2021/02 |
| 28 | NPT | 415人 | 8,420万円 | 20万円 | 2022/12 |
| 29 | ドーナッツロボティクス | 414人 | 5,663万円 | 14万円 | 2020/07 |
| 30 | グッドラックスリー | 409人 | 8,629万円 | 21万円 | 2024/05 |
上位は1人あたり10万円前後で数百人という構成です。株式投資型は同一企業に年間50万円までという上限があるため、金額を積むより人数を集めるほうが現実的な設計になっています。
評価額の上位30件
| # | 企業 | プレバリュー | 1株価格 | 分野 | 募集 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ドーナッツロボティクス | 155億円 | 10000円 | IoT・ロボット・ハードウェア | 2020/05 |
| 2 | アクセルラボ | 105億円 | — | 不動産・建設・まちづくり | 2025/05 |
| 3 | いいオフィス | 83.80億円 | — | 旅行・スポーツ・生活サービス | 2022/02 |
| 4 | アリススタイル | 83.60億円 | — | 旅行・スポーツ・生活サービス | 2025/02 |
| 5 | アイ・ティ・イー | 62.70億円 | — | エネルギー・環境・素材 | 2024/07 |
| 6 | アイジェックス・ファーマインターナショナル | 46億円 | — | 医療・ヘルスケア・バイオ | 2021/03 |
| 7 | NPT | 44.70億円 | 1000円 | 医療・ヘルスケア・バイオ | 2024/08 |
| 8 | アイ・ティ・イー | 43.20億円 | — | エネルギー・環境・素材 | 2023/01 |
| 9 | NPT | 43.20億円 | 1000円 | 医療・ヘルスケア・バイオ | 2022/12 |
| 10 | ipoca | 40.40億円 | — | 広告・メディア・エンタメ | 2021/12 |
| 11 | いいオフィス | 40.20億円 | — | 不動産・建設・まちづくり | 2020/05 |
| 12 | 韓流村 | 40.20億円 | 550円 | 食・農林水産 | 2026/03 |
| 13 | アグリゲート | 40億円 | — | 食・農林水産 | 2025/01 |
| 14 | グッドラックスリー | 38.70億円 | 55円 | 広告・メディア・エンタメ | 2026/04 |
| 15 | グッドラックスリー | 37.80億円 | 55円 | 広告・メディア・エンタメ | 2024/05 |
| 16 | グッドラックスリー | 36.70億円 | 55円 | 金融・フィンテック | 2021/03 |
| 17 | アドレス | 34.30億円 | 500円 | 旅行・スポーツ・生活サービス | 2024/09 |
| 18 | ビズリンク | 33.70億円 | 575円 | 人材・教育 | 2025/09 |
| 19 | アドレス | 33.40億円 | 500円 | 旅行・スポーツ・生活サービス | 2023/07 |
| 20 | グッドラックスリー | 32.40億円 | 50円 | 金融・フィンテック | 2020/01 |
| 21 | グッドラックスリー | 32.30億円 | 50円 | 金融・フィンテック | 2019/11 |
| 22 | PETOKOTO | 31.50億円 | 10円 | 小売・EC・D2C | 2025/05 |
| 23 | イザナギゲームズ | 31.30億円 | 111200円 | 広告・メディア・エンタメ | 2024/04 |
| 24 | ViewSend ICT | 31.20億円 | — | 医療・ヘルスケア・バイオ | 2024/06 |
| 25 | ViewSend ICT | 31.20億円 | — | 医療・ヘルスケア・バイオ | 2023/08 |
| 26 | TakeMe | 30.10億円 | 35円 | 旅行・スポーツ・生活サービス | 2024/01 |
| 27 | アトモフ | 29.90億円 | — | プラットフォーム・その他 | 2026/01 |
| 28 | アトモフ | 29.90億円 | — | プラットフォーム・その他 | 2024/10 |
| 29 | PETOKOTO | 29.50億円 | 10円 | 小売・EC・D2C | 2023/12 |
| 30 | エムバイオテック | 29.10億円 | — | 医療・ヘルスケア・バイオ | 2023/03 |
評価額が高い案件は、すでに売上や提携がある段階の企業が中心です。ただし評価額が高いほど、同じ出口での倍率は小さくなります。10億円の評価で入った企業が20億円で買収されても2倍です。入口の価格が結果を決めるという意味が、この表に出ています。
累計で多く集めた企業30社
複数回の募集を合計した金額です。1回の上限は1億円未満ですが、回を重ねればそれ以上になります。
| # | 企業 | 分野 | 累計調達額 | 募集回数 | 投資家数 | 評価額 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | グッドラックスリー | 金融・フィンテック | 2.55億円 | 5回 | 578人 | 38.70億円 |
| 2 | ディビイ | AI・データ | 2.01億円 | 4回 | 390人 | 17.40億円 |
| 3 | アドレス | 旅行・スポーツ・生活サービス | 1.69億円 | 2回 | 505人 | 34.30億円 |
| 4 | ビズリンク | 人材・教育 | 1.68億円 | 3回 | 530人 | 33.70億円 |
| 5 | TAAS | 広告・メディア・エンタメ | 1.63億円 | 3回 | 547人 | 7.66億円 |
| 6 | SKR | IoT・ロボット・ハードウェア | 1.54億円 | 3回 | 479人 | 15.50億円 |
| 7 | アイ・ティ・イー | エネルギー・環境・素材 | 1.46億円 | 2回 | 441人 | 62.70億円 |
| 8 | LIFEHUB | IoT・ロボット・ハードウェア | 1.45億円 | 2回 | 459人 | 9.26億円 |
| 9 | ロジック・アンド・デザイン | IoT・ロボット・ハードウェア | 1.40億円 | 3回 | 354人 | 7.44億円 |
| 10 | shabell | 人材・教育 | 1.36億円 | 3回 | 220人 | 13.10億円 |
| 11 | ファイナンシャルテクノロジーシステム | AI・データ | 1.32億円 | 3回 | 292人 | 16.10億円 |
| 12 | ZERO EDUCATION&ARTS | 人材・教育 | 1.22億円 | 3回 | 346人 | 5.25億円 |
| 13 | トルビズオン | 旅行・スポーツ・生活サービス | 1.19億円 | 2回 | 350人 | 11.70億円 |
| 14 | NPT | 医療・ヘルスケア・バイオ | 1.09億円 | 2回 | 415人 | 44.70億円 |
| 15 | サケアイ | 食・農林水産 | 1.07億円 | 2回 | 268人 | 3.06億円 |
| 16 | ゆうらホールディングス | 小売・EC・D2C | 1.02億円 | 5回 | 280人 | 4.80億円 |
| 17 | EmbodyMe | IT・ソフトウェア | 9,999万円 | 1回 | 451人 | 13億円 |
| 18 | EVISION | IoT・ロボット・ハードウェア | 9,990万円 | 4回 | 245人 | 9.15億円 |
| 19 | A’Culture | 食・農林水産 | 9,970万円 | 2回 | 377人 | 4.65億円 |
| 20 | バリューソリューション | プラットフォーム・その他 | 9,950万円 | 2回 | 388人 | 5.99億円 |
| 21 | ロジカ・エデュケーション | 人材・教育 | 9,930万円 | 2回 | 289人 | 4.75億円 |
| 22 | NUProtein | 医療・ヘルスケア・バイオ | 9,906万円 | 2回 | 343人 | 6.22億円 |
| 23 | アトモフ | プラットフォーム・その他 | 9,900万円 | 2回 | 428人 | 29.90億円 |
| 24 | クロスロケーションズ | AI・データ | 9,900万円 | 1回 | 502人 | 20億円 |
| 25 | イザナギゲームズ | 広告・メディア・エンタメ | 9,897万円 | 1回 | 480人 | 31.30億円 |
| 26 | ヴァズ | 食・農林水産 | 9,800万円 | 3回 | 494人 | 15.70億円 |
| 27 | アグリゲート | 食・農林水産 | 9,690万円 | 2回 | 315人 | 40億円 |
| 28 | アイル | 食・農林水産 | 9,620万円 | 1回 | 587人 | 12.40億円 |
| 29 | トータルブレインケア | 医療・ヘルスケア・バイオ | 9,422万円 | 2回 | 323人 | 28.40億円 |
| 30 | リンクトラスト・ペイ | 金融・フィンテック | 9,350万円 | 2回 | 330人 | 3億円 |
投資家を多く集めた企業15社
| 企業 | 投資家数 | 累計調達額 | 分野 |
|---|---|---|---|
| KOTOBUKI Medical | 591人 | 8,930万円 | 医療・ヘルスケア・バイオ |
| アイル | 587人 | 9,620万円 | 食・農林水産 |
| グッドラックスリー | 578人 | 2.55億円 | 金融・フィンテック |
| アイジェックス・ファーマインターナショナル | 548人 | 8,226万円 | 医療・ヘルスケア・バイオ |
| TAAS | 547人 | 1.63億円 | 広告・メディア・エンタメ |
| ビズリンク | 530人 | 1.68億円 | 人材・教育 |
| アドレス | 505人 | 1.69億円 | 旅行・スポーツ・生活サービス |
| クロスロケーションズ | 502人 | 9,900万円 | AI・データ |
| ヴァズ | 494人 | 9,800万円 | 食・農林水産 |
| オリゴジェン | 484人 | 7,542万円 | 医療・ヘルスケア・バイオ |
| ユニボット | 483人 | 6,552万円 | IoT・ロボット・ハードウェア |
| イザナギゲームズ | 480人 | 9,897万円 | 広告・メディア・エンタメ |
| SKR | 479人 | 1.54億円 | IoT・ロボット・ハードウェア |
| 馬渕工業所 | 478人 | 8,910万円 | エネルギー・環境・素材 |
| Each DreaM | 474人 | 8,100万円 | プラットフォーム・その他 |
累計で多く集めた企業は、複数回の募集を成立させ続けた企業です。それは市場から評価されたという意味にもなりますが、その分だけ調達に依存してきたという意味にもなります。次の資金が必要になったとき、また個人投資家に頼るのか、VCや金融機関から調達できる段階に進んだのか。そこが分かれ目です。
集まらなかった206件を数える
成立した案件だけを見ると市場を読み違えます。結果が確定した759件のうち206件(27%)が不成立でした。目標額に届かず、募集が終わった案件です。
分野によって不成立率が違う
- 広告・メディア・エンタメ39%(69件中27件)
- IT・ソフトウェア36%(80件中29件)
- 旅行・スポーツ・生活サービス32%(62件中20件)
- プラットフォーム・その他30%(82件中25件)
- 小売・EC・D2C30%(70件中21件)
- 医療・ヘルスケア・バイオ28%(102件中29件)
- エネルギー・環境・素材26%(23件中6件)
- 人材・教育23%(44件中10件)
- IoT・ロボット・ハードウェア22%(58件中13件)
- AI・データ19%(31件中6件)
- モビリティ・物流17%(6件中1件)
- 不動産・建設・まちづくり16%(25件中4件)
- 食・農林水産15%(84件中13件)
- 金融・フィンテック9%(23件中2件)
| 分野 | 結果確定 | 不成立 | 不成立率 |
|---|---|---|---|
| 広告・メディア・エンタメ | 69件 | 27件 | 39% |
| IT・ソフトウェア | 80件 | 29件 | 36% |
| 旅行・スポーツ・生活サービス | 62件 | 20件 | 32% |
| プラットフォーム・その他 | 82件 | 25件 | 30% |
| 小売・EC・D2C | 70件 | 21件 | 30% |
| 医療・ヘルスケア・バイオ | 102件 | 29件 | 28% |
| エネルギー・環境・素材 | 23件 | 6件 | 26% |
| 人材・教育 | 44件 | 10件 | 23% |
| IoT・ロボット・ハードウェア | 58件 | 13件 | 22% |
| AI・データ | 31件 | 6件 | 19% |
| モビリティ・物流 | 6件 | 1件 | 17% |
| 不動産・建設・まちづくり | 25件 | 4件 | 16% |
| 食・農林水産 | 84件 | 13件 | 15% |
| 金融・フィンテック | 23件 | 2件 | 9% |
不成立になった案件の目標額は中央値1,300万円。成立した案件の目標額の中央値1,008万円と比べると、高めです。金額を大きく置いたから落ちた、という単純な話ではありません。
目標額が大きかった不成立案件20件
| 企業 | 分野 | 目標額 | 募集 | 事業者 |
|---|---|---|---|---|
| プリベントサイエンス | IoT・ロボット・ハードウェア | 8,500万円 | 2020/06 | ユニコーン |
| アンクロートフィルム | 広告・メディア・エンタメ | 8,000万円 | 2018/12 | FUNDINNO |
| オイテル | 広告・メディア・エンタメ | 7,506万円 | 2021/07 | FUNDINNO |
| Momo | IoT・ロボット・ハードウェア | 7,500万円 | 2020/06 | ユニコーン |
| ファントムエーアイ | AI・データ | 4,100万円 | 2018/09 | FUNDINNO |
| フォーメック | 医療・ヘルスケア・バイオ | 4,005万円 | 2021/03 | FUNDINNO |
| モノオク | 旅行・スポーツ・生活サービス | 3,897万円 | 2022/08 | FUNDINNO |
| FaroStar | プラットフォーム・その他 | 3,800万円 | 2024/05 | イークラウド |
| アクシオンリサーチ | 医療・ヘルスケア・バイオ | 3,501万円 | 2022/01 | FUNDINNO |
| Flow Solutions | IoT・ロボット・ハードウェア | 3,006万円 | 2025/03 | FUNDINNO |
| otta | IoT・ロボット・ハードウェア | 3,006万円 | 2020/06 | FUNDINNO |
| AI Infinity | AI・データ | 3,000万円 | 2021/06 | CF Angels |
| FanTV | 広告・メディア・エンタメ | 3,000万円 | 2020/07 | ユニコーン |
| ナッジヘルステック | 医療・ヘルスケア・バイオ | 3,000万円 | 2025/05 | FUNDINNO |
| LINKS | プラットフォーム・その他 | 3,000万円 | 2021/12 | FUNDINNO |
| シースリーレーヴ | IT・ソフトウェア | 3,000万円 | 2018/03 | FUNDINNO |
| HIEN Aero Technologies | プラットフォーム・その他 | 3,000万円 | 2024/07 | イークラウド |
| センインテクノロジーズ | IoT・ロボット・ハードウェア | 2,703万円 | 2024/08 | FUNDINNO |
| Curelabo | エネルギー・環境・素材 | 2,700万円 | 2024/04 | FUNDINNO |
| クローバーホールディングス | 医療・ヘルスケア・バイオ | 2,678万円 | 2021/08 | FUNDINNO |
募集が成立しなかった場合、申込金は返還されます。ただしその企業は資金を得られなかったという事実は残ります。同じ企業が後日また募集しているかどうかは、調達企業一覧で追えます。
同じ企業が何度も募集している
665社のうち140社(21%)が2回以上募集しています。最多は5回です。
- 1回525社
- 2回113社
- 3回22社
- 4回3社
- 5回2社
| 募集回数 | 社数 | 割合 |
|---|---|---|
| 1回 | 525社 | 79% |
| 2回 | 113社 | 17% |
| 3回 | 22社 | 3% |
| 4回 | 3社 | 0% |
| 5回 | 2社 | 0% |
2回目以降、企業価値は上がったのか
初回と直近のプレバリューを比べられる139社で計算しました。上がったのが114社、横ばいが18社、下がったのが7社です。
| 企業 | 初回の評価額 | 直近の評価額 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| ノビアス | 2022/09 1.10億円 | 2024/06 23.50億円 | 21.36倍 |
| アグリゲート | 2023/08 5.95億円 | 2025/01 40億円 | 6.72倍 |
| アットドウス | 2024/06 2.10億円 | 2025/11 11.50億円 | 5.48倍 |
| Innovation Farm | 2019/09 2.50億円 | 2021/12 11.60億円 | 4.64倍 |
| ロジック・アンド・デザイン | 2018/11 1.89億円 | 2020/10 7.44億円 | 3.94倍 |
| ビズリンク | 2021/07 9.69億円 | 2025/09 33.70億円 | 3.48倍 |
| Game Server Services | 2021/02 4.50億円 | 2025/01 15.40億円 | 3.42倍 |
| Local Local | 2020/10 1.30億円 | 2025/07 4.21億円 | 3.24倍 |
| ファイナンシャルテクノロジーシステム | 2018/05 5億円 | 2024/01 16.10億円 | 3.22倍 |
| ゆうらホールディングス | 2020/06 1.50億円 | 2025/07 4.80億円 | 3.20倍 |
| ファンスター | 2020/07 4.40億円 | 2021/06 4億円 | 0.91倍 |
| コーンテック | 2019/11 8.50億円 | 2020/06 6.30億円 | 0.74倍 |
| エコデシック | 2020/08 2.91億円 | 2021/08 2億円 | 0.69倍 |
| アクシオンリサーチ | 2022/01 5.91億円 | 2022/11 2.95億円 | 0.50倍 |
| ドーナッツロボティクス | 2020/05 155億円 | 2020/07 15.50億円 | 0.10倍 |
| ブリッツワークス | 2020/04 9,000万円 | 2020/10 900万円 | 0.10倍 |
評価額が上がっていれば、前回の投資家の持分は値上がりしています。同額または下がっていれば、前回の投資家は含み損の状態です。下がった状態での調達をダウンラウンドと呼びます。既存株主の持分がさらに薄まるため、回収の見込みは一段厳しくなります。
分野ごとに、どんな企業が資金を集めたのか
665社を分野で分け、調達額の合計が多い順に並べました。右端は、その分野で最も多く集めた3社です。
- 医療・ヘルスケア・バイオ66社/22.82億円
- 食・農林水産55社/21億円
- IoT・ロボット・ハードウェア34社/19.47億円
- プラットフォーム・その他42社/16.86億円
- IT・ソフトウェア42社/12.03億円
- 旅行・スポーツ・生活サービス32社/11.77億円
- 広告・メディア・エンタメ39社/11.46億円
- 小売・EC・D2C45社/11.05億円
- 人材・教育26社/10.57億円
- AI・データ21社/10.16億円
- 金融・フィンテック13社/7.98億円
- エネルギー・環境・素材16社/7.48億円
- 不動産・建設・まちづくり20社/6.90億円
- モビリティ・物流2社/8,579万円
| 分野 | 社数 | 調達額の合計 | 1社あたり中央値 | 調達額の上位3社 |
|---|---|---|---|---|
| 医療・ヘルスケア・バイオ | 66社 | 22.82億円 | 2,871万円 | NPT(1.09億円)、NUProtein(9,906万円)、トータルブレインケア(9,422万円) |
| 食・農林水産 | 55社 | 21億円 | 2,980万円 | サケアイ(1.07億円)、A’Culture(9,970万円)、ヴァズ(9,800万円) |
| IoT・ロボット・ハードウェア | 34社 | 19.47億円 | 4,995万円 | SKR(1.54億円)、LIFEHUB(1.45億円)、ロジック・アンド・デザイン(1.40億円) |
| プラットフォーム・その他 | 42社 | 16.86億円 | 3,095万円 | バリューソリューション(9,950万円)、アトモフ(9,900万円)、カミーノ(8,406万円) |
| IT・ソフトウェア | 42社 | 12.03億円 | 2,002万円 | EmbodyMe(9,999万円)、Aikomi(9,099万円)、パルソラ(8,672万円) |
| 旅行・スポーツ・生活サービス | 32社 | 11.77億円 | 2,575万円 | アドレス(1.69億円)、トルビズオン(1.19億円)、立志社(9,000万円) |
| 広告・メディア・エンタメ | 39社 | 11.46億円 | 2,169万円 | TAAS(1.63億円)、イザナギゲームズ(9,897万円)、ZATSUDAN(6,840万円) |
| 小売・EC・D2C | 45社 | 11.05億円 | 1,860万円 | ゆうらホールディングス(1.02億円)、Lproof(6,901万円)、クレサヴァ(5,810万円) |
| 人材・教育 | 26社 | 10.57億円 | 2,244万円 | ビズリンク(1.68億円)、shabell(1.36億円)、ZERO EDUCATION&ARTS(1.22億円) |
| AI・データ | 21社 | 10.16億円 | 2,400万円 | ディビイ(2.01億円)、ファイナンシャルテクノロジーシステム(1.32億円)、クロスロケーションズ(9,900万円) |
| 金融・フィンテック | 13社 | 7.98億円 | 5,000万円 | グッドラックスリー(2.55億円)、リンクトラスト・ペイ(9,350万円)、インターメディア研究所(7,560万円) |
| エネルギー・環境・素材 | 16社 | 7.48億円 | 4,075万円 | アイ・ティ・イー(1.46億円)、馬渕工業所(8,910万円)、GPE(6,507万円) |
| 不動産・建設・まちづくり | 20社 | 6.90億円 | 3,682万円 | Minoru(8,860万円)、ライノジャパン(5,930万円)、いいオフィス(5,202万円) |
| モビリティ・物流 | 2社 | 8,579万円 | 4,290万円 | リンクルージョン(6,023万円)、FMG(2,556万円) |
分野によって1社あたりの規模がはっきり違います。設備や在庫を抱える事業(IoT・ハードウェア、エネルギー)は1件あたりが大きく、ソフトウェアやサービスは小さい。同じ「株式投資型」でも、必要な資金量が違う事業が同じ棚に並んでいます。
もう一段細かいテーマで見る
14の分野をさらに分けたテーマ単位です。社数の多い順に26テーマを並べました。
| テーマ | 社数 | 調達額の合計 | 1社あたり中央値 | 主な企業 |
|---|---|---|---|---|
| ソフトウェアサービス | 29社 | 4.52億円 | 1,820万円 | ヴァズ、Aikomi |
| 食品 | 28社 | 8.01億円 | 3,000万円 | サケアイ、アウグスビール |
| テクノロジー | 27社 | 8.68億円 | 3,296万円 | バリューソリューション、カミーノ |
| プラットフォーム | 22社 | 3.70億円 | 3,348万円 | アトモフ、メディカルマスターズ |
| システム開発 | 20社 | 5.63億円 | 2,910万円 | ファイナンシャルテクノロジーシステム、トルビズオン |
| AI | 18社 | 7.69億円 | 2,458万円 | ロジック・アンド・デザイン、クロスロケーションズ |
| コンテンツ制作・配信 | 16社 | 4.90億円 | 1,610万円 | グッドラックスリー、イザナギゲームズ |
| IT | 16社 | 4.02億円 | 4,262万円 | RPAソリューションズ、DX通信 |
| ヘルステック | 15社 | 5.08億円 | 2,912万円 | ディビイ、トータルブレインケア |
| 機械・電気製品 | 14社 | 4.51億円 | 3,125万円 | クレバ、ロボット応用ジャパン |
| バイオ | 13社 | 4.36億円 | 2,853万円 | NUProtein、オリゴジェン |
| IoT | 13社 | 4.17億円 | 4,575万円 | Innovation Farm、MedVigilance |
| シェアリングエコノミー | 12社 | 3.79億円 | 2,662万円 | アドレス、Growther |
| 小売 | 12社 | 2.63億円 | 2,197万円 | ゆうらホールディングス、サフィックス |
| 医療・バイオ | 12社 | 3.53億円 | 4,012万円 | ViewSend ICT、ノビアス |
| 人材関連サービス | 11社 | 4.50億円 | 2,742万円 | ビズリンク、shabell |
| フードテック | 11社 | 2.79億円 | 1,673万円 | アイル、BugMo |
| ヘルスケア | 11社 | 1.59億円 | 2,542万円 | アナムネ、AuB |
| 医療 | 10社 | 3.83億円 | 4,347万円 | KOTOBUKI Medical、アイジェックス・ファーマインターナショナル |
| スポーツ | 10社 | 4,708万円 | 1,130万円 | 琉球アスティーダスポーツクラブ、Fand |
| マーケティング | 8社 | 2.88億円 | 2,488万円 | TAAS、カタリベ |
| 教育・学習支援 | 8社 | 2.91億円 | 3,000万円 | ZERO EDUCATION&ARTS、ロジカ・エデュケーション |
| 教育 | 8社 | 1.99億円 | 2,398万円 | DEFアニバーサリー、ピーシーフェーズ |
| 商品開発 | 8社 | 8,386万円 | 1,480万円 | シリウス、エッジニティ |
| 不動産テック | 7社 | 2.17億円 | 4,000万円 | Minoru、アクセルラボ |
| ファッション | 7社 | 1.77億円 | 2,610万円 | クレサヴァ、オールユアーズ |
同じ「IT・ソフトウェア」でも、SaaSとゲームでは資金の必要量も出口の形も違います。分野の平均値で語ると、この差が消えます。投資を検討するときは、その企業が属するテーマで似た企業を探し、何社が資金を集め、その後どうなったかを見るほうが実際的です。
事業者ごとに、扱っている案件の性格が違う
同じ数字を事業者別に出すと、どこが何を扱っているかが見えます。
| 事業者 | 取扱件数 | 成立率 | 調達額の中央値 | 投資家数の中央値 | 評価額の中央値 | 最低投資額の中央値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| FUNDINNO | 696件 | 72% | 2,500万円 | 157人 | 3.38億円 | 10万円 |
| イークラウド | 62件 | 89% | 2,744万円 | 154人 | 5.08億円 | 10万円 |
| ユニコーン | 40件 | 64% | 3,024万円 | 201人 | 3.28億円 | 10万円 |
| CF Angels | 36件 | 62% | 1,600万円 | 83人 | 4.59億円 | 10万円 |
| AngelNavi | 5件 | 100% | 588万円 | 59人 | 3.75億円 | 10万円 |
件数の多い事業者ほど不成立も多く出ます。逆に件数が少ない事業者は成立率が高く見えますが、母数が小さいので比率の意味は弱くなります。評価額の中央値が高い事業者は、それだけ進んだ段階の企業を扱っているということです。同じ出口でも倍率は伸びにくくなります。
事業者ごとに、扱う分野が偏っている
| 事業者 | 取扱件数 | 多い分野 |
|---|---|---|
| FUNDINNO | 696件 | 医療・ヘルスケア・バイオ(84件)、IT・ソフトウェア(81件)、食・農林水産(79件)、広告・メディア・エンタメ(72件) |
| イークラウド | 62件 | 医療・ヘルスケア・バイオ(12件)、プラットフォーム・その他(12件)、旅行・スポーツ・生活サービス(8件)、食・農林水産(8件) |
| ユニコーン | 40件 | 医療・ヘルスケア・バイオ(10件)、AI・データ(7件)、プラットフォーム・その他(7件)、食・農林水産(4件) |
| CF Angels | 36件 | 医療・ヘルスケア・バイオ(9件)、小売・EC・D2C(7件)、プラットフォーム・その他(6件)、食・農林水産(5件) |
| AngelNavi | 5件 | 小売・EC・D2C(2件)、人材・教育(1件)、プラットフォーム・その他(1件)、IT・ソフトウェア(1件) |
取扱件数が多い事業者ほど分野は広がりますが、それでも上位の分野に偏りがあります。どの事業者で口座を開くかは、どの分野の案件に出会うかを決めます。特定の分野に関心があるなら、その分野を多く扱っている事業者を見るのが先です。
10年でどう変わったか
募集開始の年で並べ直しました。件数だけでなく、1件あたりの調達額と評価額を並べると、市場の温度が見えます。
| 年 | 募集件数 | 成立率 | 調達額の合計 | 1件あたり中央値 | 評価額の中央値 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2017年 | 17件 | 88% | 4.59億円 | 3,238万円 | 3.04億円 |
| 2018年 | 38件 | 79% | 10.77億円 | 3,764万円 | 3.90億円 |
| 2019年 | 53件 | 60% | 10億円 | 2,520万円 | 3.15億円 |
| 2020年 | 98件 | 77% | 21.97億円 | 2,652万円 | 3.10億円 |
| 2021年 | 164件 | 76% | 39.47億円 | 2,490万円 | 3.39億円 |
| 2022年 | 162件 | 59% | 24.41億円 | 2,268万円 | 3.26億円 |
| 2023年 | 82件 | 79% | 18.48億円 | 2,426万円 | 4億円 |
| 2024年 | 95件 | 82% | 25.03億円 | 2,440万円 | 3.97億円 |
| 2025年 | 98件 | 75% | 14.07億円 | 2,130万円 | 3.43億円 |
| 2026年 | 27件 | — | — | — | 3.69億円 |
件数のピークは2021年の164件。その後は減りますが、1件あたりの調達額は落ちていません。件数で薄く広げる市場から、通る案件に集まる市場に変わったと読めます。
評価額の中央値も年ごとに動きます。2021年前後の資金調達環境が緩かった時期と、その後で水準が違うことは、投資家側が知っておくべき前提です。同じ企業でも、いつ募集したかで入口の価格が変わります。
設立から何年の会社が募集しているのか
設立年と初回募集の年が分かる657社で数えました。
- 2年未満122社
- 2〜 3年171社
- 4〜 5年128社
- 6〜 10年143社
- 11年以上93社
| 設立からの年数 | 社数 | 割合 |
|---|---|---|
| 2年未満 | 122社 | 19% |
| 2〜3年 | 171社 | 26% |
| 4〜5年 | 128社 | 19% |
| 6〜10年 | 143社 | 22% |
| 11年以上 | 93社 | 14% |
中央値は4年。「創業したばかりの会社が資金を集める場」というイメージより、数年動いてから来る企業が多いのが実態です。エンジェル税制の優遇措置A(設立5年未満)が使える企業が限られるのは、この分布のためでもあります。
資本金が分かる659社では中央値1,165万円。資本金は過去の増資の積み上げなので、調達を重ねた企業ほど大きくなります。設立年数と合わせて見ると、その企業がどの段階にいるかの目安になります。
出口が判明している8件
839件の募集に対して、その後の結末が公表されているのは8件だけです。内訳はIPOが1件、バイアウトが3件、倒産が4件。
| 企業 | 結末 | 内容 | 事業者 |
|---|---|---|---|
| 日本きくらげ | 倒産 | 2023年に破産 | FUNDINNO |
| 琉球アスティーダスポーツクラブ | IPO | 東京プロマーケットに2021年3月30日上場。基準の評価額は700円で募集時の1.4倍 | FUNDINNO |
| ブレスサービス | 倒産 | 2019年1月に経営破綻 | FUNDINNO |
| ユニボット | 倒産 | 2020年2月破産(精算) | FUNDINNO |
| nommoc | バイアウト | 数社の法人が株価1.5倍(50円75円)で相対取引 | FUNDINNO |
| 漢方生薬研究所 | バイアウト | 2019年6月に株式が1.5倍(500円→750円)の価格で買い取られた。 | FUNDINNO |
| ブレスサービス | 倒産 | 2019年1月に経営破綻 | FUNDINNO |
| Next Paradigm | バイアウト | 株式会社セレスが全株式取得で完全子会社化。2.69倍 | イークラウド |
ここで見るべきは倍率ではなく分母です。839件のうち結末が分かっているのが8件ということは、残りは出口が来ていないか、公表されていないということです。投資家から見れば、出資したまま何も起きていない状態が大多数を占めます。
倒産4件は、いずれも公表されているものです。実際には静かに解散した企業や、事業を畳んだ企業がこれ以外にもあると考えるのが自然です。「倒産は4件だけ」と読まないでください。公表された倒産が4件、というだけです。
IPOやM&Aは事業者がプレスリリースを出すので記事になります。倒産や解散は誰も発表しません。この非対称が、株式投資型の期待値を実際より高く見せています。
まだ結果が確定していない80件
募集中、または結果が公表されていない案件です。集計では成立・不成立のどちらにも数えていません。
| 企業 | 分野 | 目標額 | 募集 | 事業者 |
|---|---|---|---|---|
| エンドユーザー | プラットフォーム・その他 | 1,020万円 | 2026/05 | FUNDINNO |
| SAMURAI Security | AI・データ | 806万円 | 2026/05 | FUNDINNO |
| Tabi Life | 旅行・スポーツ・生活サービス | 1,507万円 | 2026/04 | FUNDINNO |
| HiSR | IT・ソフトウェア | 990万円 | 2026/04 | FUNDINNO |
| CargoLabo | IT・ソフトウェア | 500万円 | 2026/04 | イークラウド |
| meeting technology | IT・ソフトウェア | 504万円 | 2026/04 | FUNDINNO |
| NOAA | モビリティ・物流 | 702万円 | 2026/04 | FUNDINNO |
| CRAFTED JAPAN | 食・農林水産 | 999万円 | 2026/04 | FUNDINNO |
| グッドラックスリー | 広告・メディア・エンタメ | 1,000万円 | 2026/04 | FUNDINNO |
| ヒカリッチアソシエイツ | 食・農林水産 | 990万円 | 2026/04 | FUNDINNO |
| ビジュアライズ | 広告・メディア・エンタメ | 1,330万円 | 2026/04 | FUNDINNO |
| スナップディッシュ | IT・ソフトウェア | 660万円 | 2026/04 | FUNDINNO |
| AoyamaLab | 食・農林水産 | 504万円 | 2026/03 | FUNDINNO |
| NextStairs | IT・ソフトウェア | 792万円 | 2026/03 | FUNDINNO |
| 韓流村 | 食・農林水産 | 3,942万円 | 2026/03 | FUNDINNO |
| Kamanova | 食・農林水産 | 990万円 | 2026/03 | FUNDINNO |
| EVISION | 広告・メディア・エンタメ | 505万円 | 2026/03 | FUNDINNO |
| あっと | 医療・ヘルスケア・バイオ | 1,296万円 | 2026/02 | FUNDINNO |
この80件を成立に数えるか不成立に数えるかで、成立率は数ポイント動きます。どこかで見る「成立率○%」という数字は、この扱いで変わります。当サイトは確定した759件だけを分母にしています。
募集ページは、どんな言葉で書かれているか
839件のタイトルから語を数えました。どういう売り文句が使われる市場なのかが見えます。
| タイトルに出てくる語 | 件数 |
|---|---|
| 第2回 | 52件 |
| 第3回 | 10件 |
| 2027年IPO準備開始 | 6件 |
| グッドラックスリー | 5件 |
| EVISION | 5件 |
| 急成長ベンチャー | 5件 |
| ディビイ | 4件 |
| 第2回 | 4件 |
| Bizlink | 4件 |
| IPO準備中 | 4件 |
| に挑む | 4件 |
| 次世代二次元コード | 4件 |
| JAPAN | 4件 |
| NEXTユニコーン | 3件 |
| からの調達実績あり | 3件 |
| BtoB広告の新領域 | 3件 |
| e-Pod | 3件 |
| Digital | 3件 |
| shabell | 3件 |
| FTS | 3件 |
| ゼロ高 | 3件 |
| SF世界を実現する東大発 | 3件 |
| Technologies | 3件 |
| 日本きくらげ | 3件 |
| IoT | 3件 |
| JPNEAZY | 3件 |
成長率・提携・特許・受賞といった第三者の評価を示す語と、創業者の経歴や社会課題を示す語が並びます。どれも事実であれば重要な情報ですが、タイトルは募集のための文章です。数字が入っている場合は、それが売上なのか見込みなのか、どの期間の比較なのかを本文で必ず確認してください。
この記事の数字を読むための用語
これを超えると募集が成立する金額。発行企業と事業者が決めます。低く置けば達成率は上がります。
これに達すると募集を締め切る金額。1社が年間に集められるのは1億円未満です。
実際に集まった金額。成立案件で中央値2,484万円。
今回の調達前の企業価値。募集ページの評価額は通常これです。中央値3.52億円。
プレバリュー+調達額。持分比率は出資額÷ポストバリューで計算します。
プレバリュー÷発行済株式数。株価が安いことと割安は別です。
一定の要件を満たす企業への投資で、所得税が軽くなる制度。優遇措置A・B・プレシード特例の3種類があります。
未上場企業が出すこともありますが、分配ではありません。回収の代わりにはなりません。
目標額に届かず募集が終わること。申込金は返還されます。
前回より低い評価額での調達。前回の投資家は含み損になります。
株式を他人に譲るのに発行企業の承認が要る定め。未上場株のほとんどに付いています。
投資した資金が現金に戻る出来事。IPO・M&A・買取のいずれか。
四半期ごとの動き
年単位では見えない波があります。直近20四半期を並べました。
| 四半期 | 募集 | 成立 | 成立率 | 調達額 |
|---|---|---|---|---|
| 2021年Q3 | 45件 | 32件 | 71% | 11.06億円 |
| 2021年Q4 | 46件 | 32件 | 70% | 8.10億円 |
| 2022年Q1 | 43件 | 24件 | 57% | 6.73億円 |
| 2022年Q2 | 38件 | 22件 | 58% | 5.21億円 |
| 2022年Q3 | 42件 | 27件 | 64% | 6.19億円 |
| 2022年Q4 | 39件 | 22件 | 56% | 6.28億円 |
| 2023年Q1 | 24件 | 15件 | 62% | 3.40億円 |
| 2023年Q2 | 14件 | 12件 | 86% | 3.33億円 |
| 2023年Q3 | 21件 | 19件 | 90% | 6.43億円 |
| 2023年Q4 | 23件 | 18件 | 82% | 5.32億円 |
| 2024年Q1 | 18件 | 16件 | 89% | 5.51億円 |
| 2024年Q2 | 30件 | 25件 | 83% | 7.15億円 |
| 2024年Q3 | 18件 | 11件 | 61% | 4.24億円 |
| 2024年Q4 | 29件 | 25件 | 89% | 8.13億円 |
| 2025年Q1 | 27件 | 20件 | 74% | 7.15億円 |
| 2025年Q2 | 23件 | 17件 | 74% | 4.49億円 |
| 2025年Q3 | 29件 | 8件 | 80% | 2.43億円 |
| 2025年Q4 | 19件 | 0件 | — | — |
| 2026年Q1 | 15件 | 0件 | — | — |
| 2026年Q2 | 12件 | 0件 | — | — |
募集が集中する四半期と、ほとんど動かない四半期があります。事業者側の営業サイクルと、発行企業の決算期が影響していると考えられます。投資する側から見ると、案件が出ない時期に無理に動く必要はないということです。
事業者ごとの、年別の募集件数
どの事業者がいつ動いていたかが分かります。0が続いている行は、その期間は募集がなかったということです。
| 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 2026年 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| FUNDINNO | 52 | 76 | 125 | 137 | 65 | 74 | 85 | 24 |
| イークラウド | 0 | 2 | 7 | 7 | 13 | 16 | 13 | 3 |
| ユニコーン | 1 | 13 | 18 | 8 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| CF Angels | 0 | 6 | 14 | 8 | 2 | 5 | 0 | 0 |
| AngelNavi | 0 | 1 | 0 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 |
登録が残っていても募集が出ていない事業者があります。口座を開く前に、直近1年の募集件数を見てください。この表はそのための材料です。
初回の募集から、何年経っているのか
出資してから回収までの時間を考えるうえで、すでに何年経っている案件がどれだけあるかは重要な数字です。
| 初回募集からの経過 | 社数 | 割合 |
|---|---|---|
| 1年未満 | 15社 | 2% |
| 1〜2年 | 140社 | 21% |
| 3〜4年 | 201社 | 30% |
| 5〜6年 | 209社 | 32% |
| 7年以上 | 95社 | 14% |
5年以上経っていて、出口が公表されていない企業は297社あります。IPOは5〜10年かかるのが普通なので、この297社がすべて失敗ということではありません。ただし投資家から見れば、5年以上動いていない資金です。
株式投資型に出すお金は、最低でも5年は戻ってこない前提で考えるのが、この分布から言えることです。途中で売ることもできません。
1株の値段はいくらか
株価が分かる618件の分布です。中央値は10,000円。
| 1株あたりの価格 | 件数 | 割合 | 企業価値の中央値 |
|---|---|---|---|
| 100円以下 | 35件 | 6% | 3.83億円 |
| 101〜500円 | 59件 | 10% | 3.75億円 |
| 501〜1,000円 | 56件 | 9% | 2.52億円 |
| 1,001〜5,000円 | 98件 | 16% | 3.10億円 |
| 5,001円以上 | 370件 | 60% | 3.03億円 |
表を見ると、株価の帯が違っても企業価値の中央値はそれほど変わりません。株価は発行済株式数で割った結果にすぎず、100円の株が500円の株より割安ということはありません。比べるべきは企業価値であり、さらに言えばその企業価値が何を根拠に決まったかです。
募集ページで確認する順番は、①企業価値(プレバリュー)→②調達額→③自分の出資額÷ポストバリュー=持分比率、です。株価はその途中に出てくる数字でしかありません。
事業者ごとに、1件の規模はどれくらい違うか
成立した案件の調達額を、事業者ごとに小さい順に並べて四分位で見ます。
| 事業者 | 成立件数 | 最小 | 下位25% | 中央値 | 上位25% | 最大 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| FUNDINNO | 455件 | 229万円 | 1,728万円 | 2,500万円 | 4,005万円 | 9,999万円 |
| イークラウド | 47件 | 200万円 | 1,370万円 | 2,744万円 | 3,861万円 | 9,930万円 |
| ユニコーン | 25件 | 1,027万円 | 1,990万円 | 3,024万円 | 5,746万円 | 8,000万円 |
| CF Angels | 21件 | 370万円 | 1,010万円 | 1,600万円 | 2,680万円 | 3,260万円 |
| AngelNavi | 5件 | 315万円 | 570万円 | 588万円 | 760万円 | 2,825万円 |
中央値が近くても、最大値には差があります。大型案件を扱えるかどうかは、事業者の審査体制と、集められる投資家の数で決まります。投資家側から見ると、大型案件が多い事業者ほど1件あたりの募集枠が大きく、申し込みが通りやすい傾向があります。
14分野を、6つの指標で並べる
分野ごとの性格を1枚にまとめました。成立率だけでなく、金額・人数・評価額・最低投資額まで並べると、同じ「株式投資型」の中でも違う市場が並んでいることが分かります。
| 分野 | 案件数 | 成立率 | 調達額の中央値 | 投資家数の中央値 | 評価額の中央値 | 最低投資額の中央値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 医療・ヘルスケア・バイオ | 115件 | 72% | 2,830万円 | 164人 | 4.52億円 | 10万円 |
| 食・農林水産 | 96件 | 85% | 2,490万円 | 153人 | 2.80億円 | 10万円 |
| プラットフォーム・その他 | 91件 | 70% | 2,800万円 | 171人 | 3.15億円 | 10万円 |
| IT・ソフトウェア | 87件 | 64% | 2,003万円 | 134人 | 3.10億円 | 10万円 |
| 広告・メディア・エンタメ | 78件 | 61% | 2,380万円 | 139人 | 3.75億円 | 10万円 |
| 小売・EC・D2C | 72件 | 70% | 1,728万円 | 102人 | 2.71億円 | 10万円 |
| 旅行・スポーツ・生活サービス | 70件 | 68% | 2,219万円 | 136人 | 4.02億円 | 10万円 |
| IoT・ロボット・ハードウェア | 60件 | 78% | 3,374万円 | 215人 | 4.07億円 | 10万円 |
| 人材・教育 | 46件 | 77% | 2,244万円 | 116人 | 3.54億円 | 10万円 |
| AI・データ | 33件 | 81% | 3,974万円 | 256人 | 5.23億円 | 10万円 |
| エネルギー・環境・素材 | 30件 | 74% | 4,060万円 | 223人 | 2.85億円 | 10万円 |
| 金融・フィンテック | 28件 | 91% | 2,960万円 | 171人 | 5.11億円 | 10万円 |
| 不動産・建設・まちづくり | 25件 | 84% | 2,730万円 | 175人 | 3.46億円 | 10万円 |
| モビリティ・物流 | 8件 | 83% | 3,204万円 | 186人 | 6.31億円 | 10万円 |
読み方を3つ書いておきます。
- 成立率が高い分野=良い投資先ではありません。投資家に説明しやすい事業ほど資金は集まります。回収できるかは別の話です。
- 評価額の中央値が高い分野は、同じ出口でも倍率が伸びにくい。入口の価格が高いぶん、出口で必要な金額も大きくなります。
- 最低投資額が低い分野は、分散しやすい。ただし1件あたりの重みが小さくなるだけで、リスクの性質は変わりません。
初回の募集と、2回目以降は何が違うか
同じ企業でも、初回と2回目以降では条件が変わります。
| 件数 | 成立率 | 調達額の中央値 | 投資家数の中央値 | 評価額の中央値 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 初回の募集 | 660件 | 71% | 2,420万円 | 154人 | 3.05億円 |
| 2回目以降 | 174件 | 79% | 2,502万円 | 148人 | 4.81億円 |
2回目以降のほうが評価額は高くなります。事業が進んだぶん価格が上がるのは自然です。つまり、後から入るほど同じ出口での倍率は小さくなります。
一方で、2回目以降はその企業がまだ資金を必要としているという情報でもあります。計画どおりに伸びて次の段階に進んだのか、当初の計画に届かず追加の資金が要るのか。募集ページで前回の調達額と、その使途がどうなったかを確認してください。前回の使途に書かれた計画が達成されたかどうかは、企業が自分で書いた約束が守られたかの、数少ない確認材料です。
この839件から作った、募集ページの読み方
集計して分かった水準を、そのまま確認手順にします。平均から外れているものが悪いという意味ではありません。外れている理由が書いてあるかどうかを見る、ということです。
プレバリューの中央値は3.52億円。これより大きく高い案件は、その根拠(売上、提携、特許、既存株主)が本文にあるかを確認します。
調達額の中央値は2,484万円。資金使途に人件費と広告費が並ぶなら、社員数で割っておよその持ち時間が出ます。次の調達が必要な時期が次のリスクです。
成立案件の投資家数は中央値154人。募集期間中の推移は他の投資家の判断の近似値になります。
目標が低く上限が高い設計は、成立しやすく見えます。達成率ではなく、上限に対してどこまで集まったかを見ます。
2回目以降なら前回の評価額と使途の結果を確認します。評価額が下がっていれば前回の投資家は含み損です。
AかBかプレシード特例か、対象外か。対象なら実質的な取得価額が変わります。
公表されている出口は839件中8件だけです。IPOかM&Aか、いつ頃を見込むのかが書かれているかを確認します。
登録があっても募集が止まっている事業者があります。直近1年の件数を見てから口座を開きます。
この8点は、すべて募集ページと当サイトのデータだけで確認できます。逆に言えば、これ以上のことは外部からは分かりません。事業計画の実現性も、経営陣の力量も、投資家には検証できない領域です。そこを引き受けられる金額かどうかが、最後の判断になります。
他の3種別と並べると、どこに位置するのか
同じ「投資型クラウドファンディング」でも、株式投資型だけは他の3つと性質が違います。
| 種別 | 掲載社数 | 最低投資額の中央値 | リターンの形 | 回収までの期間 | 優先劣後 |
|---|---|---|---|---|---|
| 不動産型 | 80社 | 1万円 | 分配金(年利) | 数ヶ月〜数年 | あり |
| 融資型 | 20社 | 1万円 | 分配金(年利) | 数ヶ月〜数年 | なし |
| 株式投資型 | 5社 | 10万円 | 売却差益のみ | 数年〜10年、または来ない | なし |
| ファンド型(事業型) | 5社 | 6万円 | 分配金(年利) | 数ヶ月〜数年 | なし |
不動産型と融資型は利回りで比べる商品です。あらかじめ想定利回りが提示され、期間が決まっていて、不動産型には優先劣後という緩衝もあります。
株式投資型には、そのどれもありません。利回りがなく、期間が決まっておらず、損失を先に引き受ける人もいません。この記事の839件を数えて分かるのは、そのぶんだけ上限が外れているということでもあります。1億円未満という調達上限の中で、企業価値が500万円から155億円まで開く市場です。
どちらが優れているという話ではありません。同じ棚に並べて利回りで比べると読み違える、というだけです。種別ごとの違いははじめての方へにまとめています。
数字の出どころ
この記事の数字は、すべて5社の募集ページに公表されている情報から作っています。案件ごとに次の項目を取り、839件・665社ぶんを表にしました。
- 募集の条件:目標額、上限額、1口の最低投資額、1人あたりの上限額、募集期間、事前告知日
- 結果:調達額、投資家数、1人あたり平均投資額、成立/不成立
- 価格:1株あたりの価格、プレバリュー(調達前の企業価値)
- 制度:エンジェル税制の区分、株主優待の有無
- 企業:商号、設立年、資本金、事業内容、分野とテーマ、自社サイト
- その後:公表されている出口(IPO・M&A・買取・倒産)
集計は2026-09時点です。当サイトが選別したり、評価を加えたりはしていません。元の1社ずつの明細は調達企業665社の一覧で確認できます。数字の取り違いを見つけた場合はお問い合わせからご指摘ください。根拠を確認して直します。
この集計の作り方と、限界
5社の募集ページから、案件ごとに目標額・上限額・調達額・投資家数・株価・企業価値・最低投資額・募集期間・エンジェル税制の適用・資金使途を取り、839件・665社ぶんを表にしています。本文の転載はしていません。
限界を4つ書いておきます。
- 公表されたものだけを数えています。募集ページが削除された案件、公表前に取り下げられた案件は入っていません。
- 結末は追い切れていません。出口が公表されているのは8件だけで、残りが「まだ起きていない」のか「起きたが公表されていない」のかは区別できません。
- 数値の基準日が案件ごとに違います。企業価値も資本金も、その募集の時点の数字です。現在の姿ではありません。
- 分野の分類は当サイトが機械的に付けたものです。事業者の分類とは一致しません。
それでも、この規模で1件ずつ数えた集計は他に見当たりません。元データは調達企業665社の一覧で1社ずつ確認できます。
この集計の作り方と限界
数字の出どころと、できていないことを書いておきます。
- 二次情報です。各社の公式サイトは案件一覧をJavaScriptで描画していて、一覧をそのまま取得できません。 そのため第三者が記録しているアーカイブを1件ずつ辿って構成しました。 企業ごとの内訳は調達企業一覧で確認できます。
- 全件ではありません。FUNDINNOの案件番号は755まで進んでいますが、記録が残っているのは696件で、 59番号ぶんが欠けています。中止された募集なのか単に未記録なのかは判別できていません。
- 成立・不成立は募集の結果です。投資家が利益を得たかどうかとは別の話です。
- 調達額は募集の決定額です。その後の増資・借入・補助金は含みません。
- 出口は公表されているものだけです。相対取引での売却など、公表されない回収は反映できません。
まとめ
839案件を集計して残る事実は3つです。
- 市場は170.4億円、成立率72.9%。206件は目標額に届かずに終わっています。
- 実際に動いているのは2社。登録5社という説明と、投資できる場所の数は違います。
- 出口が判明したのは8件、うちプラスは4件。倍率の話は、ここを踏まえてから。
140社が複数回にわたって調達しています。1回目で集まった企業が2回目も集める傾向があり、 資金が集まる企業と集まらない企業の差は、回を重ねるほど開きます。 個別の企業がどちらだったかは、調達企業一覧で確認できます。

次に読む
同じテーマ
同じテーマ
同じテーマ
同じテーマ