投資総研
小口の事業投資

「利回り◯%」のオーナー制度は、
国債と同じ約束なのか

結論から書くと、違います。オーナー制度の「利回り」は、設備を買った相手の事業者が契約で示す支払いで、国が払う国債の利子とは別物です。事業者が設備を売って、そのまま預かって運営する形は、2022年6月から預託法で原則禁止になっており、消費者庁の確認を受けた事業者はいません。

3段のどこ
攻め

「利回り」は国や銀行の約束ではなく、事業者が契約で示す支払いで、事業者が行き詰まれば止まる

確かめた出典
24件

官公庁・業界団体など

結論

先に結論

しくみ

お金の流れと、4つのリスク

  1. 設備を買う
  2. 業者に預ける・貸す
  3. 業者から収入を受け取る
  4. 業者が払えなくなると収入が止まる
⚠ 「買って預ける」形の販売は、2022年6月から原則禁止です。
●元本割れ元本が減ることがある:あてはまる
●途中換金途中で換金しにくい:あてはまる
○値動き売るときの値段が動く:あてはまらない
○為替為替で円の額が動く:あてはまらない

●あてはまる △条件つき ○あてはまらない(トップの「リスクとリターンの3段」と同じ物差し)

行政処分

消費者庁が行政処分をした例

「設備を買って、業者に預けて(貸して)収入を受け取る」形の取引で、消費者庁が行政処分をした例です。処分を受けたかどうかは、勧誘してきた会社の名前で会社名で調べるでも確かめられます。

公表日事業者法律・処分売っていたもの相手方の数金額出典
2026-03-30株式会社リア・エイド(本店:大阪市)預託法措置命令(預託法第19条第1項第2号・第3号)=違反行為の取りやめ、売買契約・預託等取引契約が第14条第3項により無効であることを踏まえた対応、再発防止策の周知、内閣総理大臣の確認を受けない同様の勧誘・契約締結の禁止クレジットカード決済端末機を販売し、飲食店等に設置して決済事業の運営を受託、端末収益の一部を「運営収益」として支払うとする「クレジットペイメントターミナル事業」(別紙1)650人18.4億円公表 ↗
2026-03-30株式会社リア・エイド(本店:大阪市)預託法措置命令(預託法第19条第1項第2号・第3号)※上と同一処分の別紙2(物品ごと)LEDビジョンを販売し、商業ビル等に設置して広告を放映、広告掲載料の一部を「運営収益」として支払うとする「広告事業用LEDビジョン」事業(別紙2)42人1.1億円公表 ↗
2024-05-16エスアイヘリシス株式会社(本店:東京都千代田区)預託法措置命令(預託法第19条第1項第2号・第3号)=違反行為の取りやめ、原因の調査分析と再発防止策の周知、売買契約・貸主変更契約が第14条第3項により無効であることを踏まえた対応、令和4年6月1日以降の契約者全員への通知ヘリコプターその他航空機の所有権(共有持分)を販売し、借主(合同会社アドバンスサポート)との賃貸借契約の貸主の地位を消費者に譲渡、同社名義で賃料を支払う仕組み——公表 ↗
2021-03VISION株式会社及び株式会社レセプション特定商取引法(訪問販売)業務停止命令(24か月)等+業務禁止命令(VISIONの業務遂行に主導的な役割を果たしている者)アプリが読み込まれたとされる「ライセンスパック」USBメモリを購入者から賃借し、アプリを第三者に利用させた収益から賃借料を支払うとする役務(WILL株式会社らの事業の承継会社)——公表 ↗
2019-07WILL株式会社及びWILL株式会社の関連法人7社特定商取引法(訪問販売)業務停止命令(24か月又は18か月)等+代表取締役等7名に業務禁止命令「PRPシステム」:アプリが読み込まれた「willfonライセンスパック」カード型USBメモリを購入者から賃借し、購入代金相当額を上回る賃借料を支払うとする役務——公表 ↗
2017-12-15ジャパンライフ株式会社(本社:東京都千代田区)預託法/特定商取引法(連鎖販売取引)預託法:業務停止命令(12か月、預託等取引契約の新規勧誘・申込受付・契約締結)+措置命令(第7条第1項、書類の備置き義務違反)/特商法:取引停止命令(12か月、連鎖販売取引)+指示家庭用永久磁石磁気治療器の販売と預託等取引契約(販売預託)——公表 ↗
2017-11-17ジャパンライフ株式会社(本社:東京都千代田区)特定商取引法(業務提供誘引販売取引)取引停止命令(12か月)+指示家庭用永久磁石磁気治療器(購入者自らが使用して行う拡販・宣伝による利益で誘引)——公表 ↗
2017-03-16ジャパンライフ(株)預託法/特定商取引法(訪問販売・連鎖販売取引)特商法:業務停止命令(9か月)+指示(訪問販売・連鎖販売取引)/預託法:業務停止命令等(期間は手元の消費者庁資料に記載なし)家庭用永久磁石磁気治療器——公表 ↗
出典と計算の方法

出典:消費者庁ウェブサイト(https://www.caa.go.jp/)の処分の公表資料・消費者白書・特定商取引法ガイド。表は当サイトがそれらを基に作成しました。人数・金額は公表資料に書かれている場合だけ載せています。2017〜2021年の元の公表資料の一部は消費者庁のサイトから削除されているため、白書などで確かめた範囲です(2026-10-05確認)。

比べる

ほかの投資先と同じ6つの項目で

利回りの目安
事業者が契約で示す支払い(国の約束ではない)事業者ごとに違い、公的な統計は無い
いくらから
契約ごとに異なる最低金額を示す公的な資料は見つからない
元本は誰が守るか
守る仕組みは無い事業者が破綻すると支払いも元本も戻らない例がある(国民生活センター)
途中で換金できるか
中途解約・売却は契約次第取引所のような市場は無い。解約条項を契約書で確かめる
税金
所得の区分は契約の形で変わる減価償却で費用にする。雑所得になると赤字を他の所得と相殺できない
どこで買うか
事業者との直接の契約販売預託の形なら預託法で原則禁止

ほかの投資先と同じ項目で並べた表は投資先の一覧にあります。段は「返す約束があるか」で分けています(攻め(ハイリスク・ハイリターン))。

くわしく

仕組み:設備を買って、運営は事業者に任せる

広告では、トランクルーム・コインランドリー・コンテナ・自動販売機などの設備を買い、運営を事業者に任せたり、事業者に一括で借り上げてもらったりして、毎月の収入を受け取る形が示されます。

詳しく読む

国民生活センターは、商品を買い、同じ事業者に貸す「レンタルオーナー契約」について、買った商品の実在や事業の実態を確かめにくく、事業者が破綻すると支払いが止まり、払ったお金もほとんど戻らないと注意しています。

消費者庁は、預託法で禁止された販売預託に当たるおそれのある取引が、「オーナー商法」などの投資性のあるもうけ話として勧誘されているとして、注意を呼びかけています。

出典と計算の方法

出典:国民生活センター「レンタルオーナー契約によるトラブルにご注意」(2016年9月8日) ↗ 消費者庁「預託等取引に関する法律(預託法)」 ↗ 消費者庁「販売預託は原則禁止!買って、預けちゃダメ!「オーナー商法」にご注意ください!」 ↗

くわしく

預託法:2022年6月から何が変わったか

改正前の預託法は、政令で指定した物品だけが対象でした。指定には「自動販売機、自動サービス機」も入っていました。改正で指定制をやめ、対象を「全ての物品」(有体物である動産)に広げました。

改正前改正後(2022年6月1日〜)
対象の物品政令で指定したもの(貴金属・自動販売機・自動サービス機など)全ての物品(有体物である動産)
販売を伴う預託原則禁止ではなかった(指定物品に規制)原則禁止。確認を受けた事業者だけ可(現時点で確認を受けた事業者は無い)
確認なしの契約—無効
取引停止命令の上限1年2年。役員への業務禁止命令も新設
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販売を伴う預託等取引(販売預託)は原則禁止です。例外は内閣総理大臣(消費者庁)の確認を受けた場合だけで、確認を受けずに結んだ売買契約と預託等取引契約は無効です。違反すると、個人は5年以下の拘禁刑か500万円以下の罰金(併科あり)、法人は5億円以下の罰金です。

消費者庁の通達は、契約の形(賃貸借・寄託・業務委託・リースなど)や名前にかかわらず、実質で判断するとしています。客が所有・賃借する土地に物品を置いていても、それだけで預託でないとはされません。

一方で、預託者が「営業のために又は営業として」契約する場合は、預託法の保護の対象から外れます(同法27条)。通達は、これは実態で判断し、事業者として契約していても、事業活動の実態がほとんどなければ保護の対象になりうるとしています。

出典と計算の方法

出典:消費者庁「預託法の改正(令和3年改正)について」(PDF) ↗ 消費者庁「預託等取引に関する法律の定義規定等に係る考え方」(通達・令和6年11月19日、PDF) ↗ 消費者庁「預託等取引に関する法律(預託法)」 ↗

くわしく

行政処分の例(消費者庁の公表から)

改正後、消費者庁が公表した預託法の措置命令には次のものがあります。どちらも、確認を受けずに販売預託を行ったと認定し、契約が無効であることを踏まえた対応を命じています。

公表対象の物品消費者庁が認定した主な事実
2024年5月(措置命令は5月16日)ヘリコプターその他の航空機販売預託を行った。違反行為の取りやめと再発防止策などを命令
2026年3月31日(措置命令は3月30日)クレジットカード決済端末機・LEDビジョン説明会などで勧誘し、2022年6月1日〜2025年6月下旬に消費者650名と総額18億3,920万円の契約。契約者への通知などを命令
詳しく読む

2026年の例では、事業者は決済端末機を売り、飲食店などに置いて「決済事業の運営」を消費者から受託し、端末の収益の一部を払うとしていました。消費者庁はこの業務委託契約を、3か月以上物品の預託を受けて収益の一部を払う預託等取引に当たると判断しました。

出典と計算の方法

出典:消費者庁「預託等取引業者【エスアイヘリシス株式会社】に対する措置命令について」(令和6年) ↗ 消費者庁「預託法違反の預託等取引業者に対する措置命令について」(令和8年3月31日、PDF) ↗ 消費者庁「預託等取引業者【株式会社リア・エイド】に対する措置命令について」 ↗

くわしく

一括借上げの賃料は下がることがある

賃貸住宅のサブリース(一括借上げ)について、消費者庁と国土交通省などのチラシは、契約書に家賃保証と書いてあっても、借地借家法32条により期間中や更新時に減額を求められる可能性があるとしています。

詳しく読む

同じチラシは、契約書にサブリース業者から解約できる定めがあれば期間中でも解約されうること、原状回復や大規模修繕の費用は原則オーナー負担であること、過去にサブリース業者が破綻した例があることも挙げ、最終的なリスクと責任はオーナーが負うとしています。

これは賃貸住宅向けの注意です。トランクルームやコンテナの借上げ契約に同じ法律がどう当てはまるかは、契約の形によります(当サイトでは確かめられていません)。

出典と計算の方法

出典:消費者庁「サブリース契約に関するトラブルにご注意ください!」 ↗ 消費者庁・国土交通省ほか チラシ「賃貸住宅経営(サブリース方式)に関する契約を締結する前に」(PDF) ↗

くわしく

税金と、当サイトの「減価償却の節税商品」との関係

設備は減価償却資産で、買った年に全額を経費にするのではなく、法定耐用年数にわたって分けて経費にします。

詳しく読む

所得の区分は、国税庁の定義では、土地・建物などの貸付けは不動産所得、事業から生じる所得は事業所得、副業で営利目的の継続的なものは業務に係る雑所得です。どれに当たるかは契約と実態によります。不動産所得と事業所得の赤字は他の所得と損益通算できますが、雑所得の赤字はできません。

令和4年4月1日以後に取得して貸付け(主要な事業として行うものを除く)に使う資産は、10万円未満の全額経費化・20万円未満の3年償却・中小企業者等の少額資産の特例の対象から外れました。少額かどうかは、通常1単位として取引される単位ごとに判定します。

国税庁の資料は、この除外の対象としてコンテナなど特定の設備を名指ししていません。コンテナの節税の仕組みと改正の経緯は、当サイトの /depreciation/(減価償却の節税商品)で扱っています。

出典と計算の方法

出典:国税庁 No.2100 減価償却のあらまし ↗ 国税庁 No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得) ↗ 国税庁 No.1350 事業所得の課税のしくみ ↗ 国税庁 No.1500 雑所得 ↗ 国税庁 No.2250 損益通算 ↗ 国税庁 No.5403 少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示 ↗ 国税庁 No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例 ↗ 国税庁「令和4年度 法人税関係法令の改正の概要」(PDF) ↗

確かめる

勧誘されたとき・契約する前に確かめること

  1. 「買って、同じ会社に預ける」形になっていないか

    消費者庁のチェックシートは、①物品を買う(共同所有も含む)②販売元か関連会社に預ける・管理させる ③3か月以上 ④利益が払われる、のすべてに当たれば販売預託のおそれありとしています。確認を受けた事業者は存在しないため、その場合は違法のおそれがあります。

    消費者庁「それって販売預託?販売預託チェックシート」(PDF) ↗ 消費者庁「販売預託チェックシート(WEB版)」 ↗ 消費者庁「預託等取引に関する法律(預託法)」 ↗
  2. 「元本保証」「高配当」をうのみにしない

    国民生活センターは、元本保証・高配当という勧誘をうのみにせず、事業の実体が確認できない場合や破綻のリスクが理解できない場合は契約しないよう呼びかけています。

    国民生活センター「レンタルオーナー契約によるトラブルにご注意」(2016年9月8日) ↗
  3. 借上げ賃料の見直し条項と、中途解約の条項

    家賃保証と書いてあっても、減額を求められたり、事業者側から解約されたりすることがあります(賃貸住宅のサブリースについての消費者庁・国土交通省の注意)。修繕費の負担も契約書で確かめます。

    消費者庁・国土交通省ほか チラシ「賃貸住宅経営(サブリース方式)に関する契約を締結する前に」(PDF) ↗
  4. 設備は本当に自分のものか、どこに、どう置かれるか

    国民生活センターは、レンタルオーナー契約では買った商品の実在を確かめにくいとしています。コンテナを倉庫として置き続ける場合は建築基準法の建築物に当たり、確認申請が要ります。適合しないと是正指導や是正命令の対象です。

    国民生活センター「レンタルオーナー契約によるトラブルにご注意」(2016年9月8日) ↗ 国土交通省「コンテナを利用した建築物の取扱いについて」 ↗
  5. 「出資」の形なら、金融商品取引業の登録

    事業への出資を募るファンドの形なら、販売・勧誘には第二種金融商品取引業の登録などが要ります。金融庁は、登録や届出の有無を必ず確かめるよう求め、無登録業者の勧誘は詐欺的な商法のおそれが高いとしています。

    金融庁「いわゆるファンド形態での販売・勧誘等業務について」 ↗
  6. 「事業者として」の契約にされていないか

    特定商取引法のクーリング・オフなどは、営業のために結ぶ契約には適用されません。預託法も、営業のための契約を保護の対象から外しています(実態で判断)。

    消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問販売」 ↗ 消費者庁「預託等取引に関する法律の定義規定等に係る考え方」(通達・令和6年11月19日、PDF) ↗
よくある質問

よくある質問

自動販売機やコインランドリーの機械を買って運営を任せるのは、全部違法ですか。

一律に違法とはいえません。消費者庁のチェックシートでは、販売元やその関連会社に3か月以上預け、利益を受け取る形なら販売預託のおそれありとされます。機械設備でも動産なら対象です。最終的には実態で判断されます。

「節税になる」と言われました。

減価償却は、買った金額を耐用年数にわたって経費に分ける仕組みです。令和4年4月以後に取得した貸付け用の少額資産は、一度に経費にする特例から外れました(主要な事業として行う場合を除く)。雑所得と判断されれば、赤字は給与などと相殺できません。

国債とはどこが違いますか。

個人向け国債は、満期の元本と半年ごとの利子を国が払い、元本部分の値段は変わりません。オーナー制度の支払いは事業者の約束で、事業者が行き詰まれば止まります。

契約してしまってから心配になったら、どこに相談しますか。

消費者ホットライン188で身近な消費生活センターを案内しています。預託法の違反が疑われる場合は、消費者庁の「預託法違反被疑情報提供フォーム」から情報を出せます。預託法の担当窓口として各地の経済産業局の消費者相談室も示されています。

このページの事実は2026-10-05に一次資料で確かめたものです。制度や金利は変わることがあります。

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