結論から言うと、地方債は都道府県や市が返すと約束した債券で、満期まで持てば額面で返ってきます。総務省は、国が元利償還の財源を保障する仕組みがあると説明しています。ただし個人向け国債と違い、途中で現金にするには市場で売るしかなく、そのときの値段によっては損が出ます。
都道府県や市が元本と利子を払うと約束する債券。満期まで持てば額面で返るが、途中で売るとそのときの値段になる
官公庁・業界団体など
地方債は「地方公共団体が1会計年度を超えて行う借入れ」です。
総務省「地方債とは」 ↗ 総務省「地方債の商品性」 ↗総務省は、地方財政計画と地方交付税で元利償還の財源を確保し、起債の制限や財政健全化法で早期に是正する仕組みがあると説明しています。
総務省「地方債の安全性」 ↗ 総務省「地方債に関するQ&A」 ↗地方債協会の集計では、住民参加型市場公募地方債の令和7年度の発行は15本・計321億円でした。
地方債協会「住民参加型市場公募地方債 発行実績」 ↗ 地方債協会「令和7年度 発行実績(Excel)」 ↗神戸市は、市民債は満期前でも証券会社などに売って換金できるが、価格は日々変動し、売却損が出ることがあると説明しています。
神戸市「こうべ市民債」 ↗●あてはまる △条件つき ○あてはまらない(トップの「リスクとリターンの3段」と同じ物差し)
個人が買える住民参加型市場公募地方債の、年度ごとの発行の数と額です。
| 年度 | 発行の数 | 発行額 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 令和8年度 | 7本 | 120億円 | 円建ての利率 2.08〜2.394% |
| 令和7年度 | 15本 | 321億円 | 円建ての利率 1.1〜1.839%(外貨建て1本を含む) |
| 令和6年度 | 12本 | 280億円 | 円建ての利率 0.576〜1.008%(外貨建て1本を含む) |
| 令和5年度 | 13本 | 272億円 | 円建ての利率 0.24〜0.87%(外貨建て1本を含む) |
| 令和4年度 | 7本 | 182億円 | 円建ての利率 0.1〜0.439%(外貨建て1本を含む) |
| 令和3年度 | 6本 | 156億円 | 円建ての利率 0.05〜0.16%(外貨建て1本を含む) |
| 令和2年度 | 7本 | 163億円 | 円建ての利率 0.08〜0.2%(外貨建て1本を含む) |
| 令和元年度 | 8本 | 153億円 | 円建ての利率 0.05〜0.2%(外貨建て1本を含む) |
| 平成30年度 | 13本 | 209億円 | 円建ての利率 0.05〜0.3%(外貨建て1本を含む) |
| 平成29年度 | 13本 | 182億円 | 円建ての利率 0.05〜0.25%(外貨建て1本を含む) |
| 平成28年度 | 24本 | 373億円 | 円建ての利率 0.05〜1%(外貨建て1本を含む) |
| 平成27年度 | 64本 | 1,486億円 | 円建ての利率 0.06〜1%(外貨建て1本を含む) |
| 平成26年度 | 72本 | 1,746億円 | 円建ての利率 0.1〜1%(外貨建て1本を含む) |
| 平成25年度 | 79本 | 1,864億円 | 円建ての利率 0.13〜1% |
| 平成24年度 | 81本 | 2,028億円 | 円建ての利率 0.12〜1.2% |
| 平成23年度 | 84本 | 2,137億円 | 円建ての利率 0.22〜1% |
| 平成22年度 | 90本 | 2,441億円 | 円建ての利率 0.23〜1% |
| 平成21年度 | 89本 | 2,488億円 | 円建ての利率 0.36〜1.08% |
| 平成20年度 | 97本 | 2,649億円 | 円建ての利率 0.7〜1.54% |
| 平成19年度 | 114本 | 3,083億円 | 円建ての利率 0.74〜3.3% |
| 平成18年度 | 121本 | 3,513億円 | 円建ての利率 0.9〜1.98% |
| 平成17年度 | 109本 | 3,445億円 | 円建ての利率 0.18〜1.44% |
| 平成16年度 | 93団体(総務省の資料。本数は不明) | 3,280億円 | |
| 平成15年度 | 79団体(総務省の資料。本数は不明) | 2,680億円 | |
| 平成14年度 | 34団体(総務省の資料。本数は不明) | 1,640億円 |
2026年度(令和8年度)に発行されたもの
| 発行体 | 発行日 | 発行額 | 期間 | 利率 |
|---|---|---|---|---|
| 福島県 | 2026-05-29 | 15億円 | 5年 | 2.080% |
| 神戸市 | 2026-07-27 | 25億円 | 5年 | 2.140% |
| 宮城県 | 2026-07-29 | 5億円 | 5年 | 2.148% |
| 兵庫県、姫路市、加古川市、南あわじ市、淡路市 | 2026-08-10 | 20億円 | 5年 | 2.148% |
| 埼玉県 | 2026-08-31 | 40億円 | 5年 | 2.182% |
| 高知県 | 2026-08-31 | 5億円 | 5年 | 2.182% |
| 仙台市 | 2026-09-28 | 10億円 | 5年 | 2.394% |
出典:一般財団法人 地方債協会「住民参加型市場公募地方債 発行実績」(地方債協会調べ)。2002〜2004年度は総務省「地方債の概要と最近の状況 平成18年度」。本数は協会の表の行数(同じ団体の別の回・別の年限も1本と数える)、発行額は表の「発行額計」です。利率の幅と外貨建ての有無は、協会の表を基に当サイトが集計しました。2014年度以降の発行額には、東京都の外貨建て債(1本)が協会の換算額で含まれています。地方債協会 ↗(2026-10-05確認)
ほかの投資先と同じ項目で並べた表は投資先の一覧にあります。段は「返す約束があるか」で分けています(バランス(ミドルリスク・ミドルリターン))。
市場公募地方債は、広く投資家に購入を募る方法で発行される地方債です。地方債協会によると、全国型市場公募地方債を発行する(予定を含む)団体は61団体で、令和8年度の発行計画額は総額5兆9,797億円です(総務省)。
住民参加型市場公募地方債は、主に個人向けに発行される地方債です。神戸市は、こうべ市民債を「個人の方を対象とした満期一括償還、固定金利の債券」で、金融機関の窓口で販売し、集めた資金を公共施設の整備等に使うと説明しています。
総務省と地方債協会は、住民参加型市場公募地方債の継続的な発行に向けた研修会を開いています。
地方債協会の集計では、住民参加型の発行額は令和6年度が12本・280億円、令和7年度が15本・321億円です(どちらも東京都の外貨建て債100億円程度を含む)。
| 発行団体 | 名称 | 発行日 | 発行額(億円) | 年限 | 表面利率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 福島県 | 第8回ふくしま復興・創生県民債 | 令和8年5月29日 | 15 | 5年満期一括 | 2.080% |
| 神戸市 | 令和8年度第1回こうべ市民債 | 令和8年7月27日 | 25 | 5年満期一括 | 2.140% |
| 宮城県 | 宮城県公募公債第1回1号(個人向け) | 令和8年7月29日 | 5 | 5年満期一括 | 2.148% |
| 兵庫県・姫路市など | 令和8年度兵庫県市町共同公募債 | 令和8年8月10日 | 20 | 5年満期一括 | 2.148% |
| 埼玉県 | 埼玉県第2回公募公債(個人向け) | 令和8年8月31日 | 40 | 5年満期一括 | 2.182% |
| 高知県 | 高知県令和8年度第2回公募公債(個人向け) | 令和8年8月31日 | 5 | 5年満期一括 | 2.182% |
| 仙台市 | 仙台市第9回グリーンボンド公募公債 | 令和8年9月28日 | 10 | 5年満期一括 | 2.394% |
総務省が令和8年4月1日に公表した令和8年度の発行予定では、時期と金額が決まっているのが7団体・計85億円で、宮城県・埼玉県・東京都・川崎市・神戸市・兵庫県と県内4市の共同発行は「未定」でした。
令和8年度は9月末までに次の7本が発行されています。
新しく発行される市場公募地方債は、引受機関(募集取扱い機関)である証券会社・金融機関等を通じて買えます。すでに発行された地方債は、証券会社・金融機関に問い合わせます。
神戸市の令和8年度第1回こうべ市民債は、募集期間が7月8日から22日、購入単位10万円、取扱金融機関は銀行2行と証券会社10社でした。神戸市は、事前手続きが要る場合があるので販売開始前に取扱金融機関に問い合わせるよう案内しています。
埼玉県第2回公募公債(個人向け)の発行要項では、各公債の金額は1万円、引受・募集取扱会社は証券会社3社です。
国税庁は、地方債を特定公社債等に含めています。特定公社債等の利子は、受け取るときに15.315%(ほかに地方税5%)が源泉徴収され、申告分離課税の対象ですが、確定申告しないことも選べます。
地方債は「上場株式等」にも含まれ、売ったときの譲渡益は申告分離課税(所得税15%・住民税5%、ほかに復興特別所得税)です。
障害者等に当たる人は、特別マル優で額面350万円までの利子を非課税にできます。
個人向け国債は、発行から1年たてばいつでも中途換金でき、国が額面100円につき100円で買い取ります(直前2回分の利子相当額は差し引かれます)。最低1万円からです。
| 個人向け国債 | 住民参加型の地方債(例) | |
|---|---|---|
| 返す約束をする相手 | 国 | 発行した都道府県・市 |
| 最低金額 | 1万円 | 1万円〜10万円(銘柄による) |
| 途中で換金 | 発行1年後から国が額面で買い取る | 市場で売却(時価。損益が出る) |
| 買える時期 | 毎月発行 | 発行団体ごとに年1〜2回程度、募集期間は短い |
| 利子の税金 | 20.315% | 20.315% |
地方債には、このような発行体による額面での買い取りはありません。途中で現金にするには証券会社などに売ることになり、金利の動きによっては売却損が出ます。
返す約束をしているのは国ではなく自治体です。総務省は、地方債はどの団体が発行しても確実に元利償還が行われる仕組みだと説明しています。
市場公募地方債の発行予定・条件は、総務省、地方債協会、各自治体のサイトで公表されています。勧誘された銘柄が載っているか、利率・年限・発行日が一致するかを確かめます。
総務省「地方債の商品性」 ↗ 地方債協会「住民参加型市場公募地方債 発行実績」 ↗自治体は、サイト上の発行要項は情報提供が目的で、販売・購入の勧誘を目的とするものではないと断っています。買うかどうかは取扱金融機関の説明を受けて決めます。
埼玉県「令和8年度市場公募債発行実績」 ↗総務省は、地方公共団体は破産法の適用がなく、現行法制上は破産しないと説明しています。地方債は当事者間で合意した場合等を除き当初の約定どおり支払われる、というのが政府見解だとしています。
銘柄によります。対象者の条件は発行ごとの募集条件で決まるため、取扱金融機関で確かめてください。
銘柄によって違います。埼玉県の個人向け公募公債は各公債の金額が1万円、神戸市のこうべ市民債は購入単位10万円です。
地方債は特定公社債等に当たり、利子から20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%と地方税5%)が源泉徴収されます。申告分離課税の対象ですが、申告しないことも選べます。
発行のたびに条件が決まるため、一概には言えません。発行条件は地方債協会や各自治体のサイトで、個人向け国債の条件は財務省のサイトで確かめられます。
このページの事実は2026-10-05に一次資料で確かめたものです。制度や金利は変わることがあります。