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住民参加型市場公募地方債とは|25年度分の発行実績と、同じ月の個人向け国債の利率を並べた

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01先に結論

住民参加型市場公募地方債は、都道府県や市が主に個人に向けて発行する地方債です。地方債協会の表では、令和8年度は9月末までに7本・計120億円が発行され、すべて5年満期、表面利率は2.08%〜2.394%でした。

同じ月に発行された個人向け国債(固定5年)と比べると、7本のうち地方債の利率が高かったのが7本、低かったのが0本で、差は+0.198%〜+0.334%でした(地方債協会の表を基に当サイト集計)。

発行の本数は、地方債協会の表で最も多かった平成18年度の121本から、令和3年度には6本まで減り、令和7年度は15本・321億円でした。発行額が最も大きかったのは平成18年度の3,513.086億円です。

満期まで持てば額面で返ってきますが、個人向け国債と違い、発行した自治体が途中で額面で買い取る仕組みはありません。途中で現金にするときは市場で売ることになり、金利が上がっていれば売却損が出ます。この記事では、地方債協会の発行実績と財務省の個人向け国債の利率を並べて、発行の推移、利率、買い方、税金、途中で売るときの損得を確かめます。

02住民参加型市場公募地方債とは

総務省は、地方債を「地方公共団体が1会計年度を超えて行う借入れ」と説明しています。そのうち、広く投資家に購入を募る方法で発行されるのが市場公募地方債で、その中に、全国型市場公募地方債と、主に個人向けに発行される住民参加型市場公募地方債があります。

神戸市は、こうべ市民債を「個人の方を対象とした満期一括償還、固定金利の債券」と説明し、金融機関の窓口で販売して、集めた資金を公共施設の整備などに使うとしています。令和8年度の7本では、名称に「グリーンボンド」「サステナビリティボンド」「復興」のいずれかが入ったものが6本ありました。

返すと約束しているのは発行した自治体です。総務省は、地方財政計画と地方交付税で元利償還の財源を確保し、起債の制限や財政健全化法で早期に是正する仕組みがあると説明しています。また、地方公共団体には破産法が適用されず、現行法制上、破産することはないとしています。

住民参加型の地方債個人向け国債
返す約束をする相手発行した都道府県・市国
発行の頻度発行団体ごとに年1〜2回程度、募集期間は短い毎月
利率固定(発行ごとに決まる)固定3年・固定5年・変動10年
途中で現金にする方法市場で売る(そのときの価格)発行から1年たてば国が額面で買い取る(直前2回分の利子相当額を差し引く)
利子の税金20.315%20.315%

03年度ごとの発行本数と発行額

平成141,640億円平成152,680億円平成163,280億円平成173,445.188億円平成183,513.086億円平成193,083.3億円平成202,649.464億円平成212,487.633億円平成222,441.22億円平成232,137.2億円平成242,028.3億円平成251,863.7857億円平成261,745.757億円平成271,486.255億円平成28372.85億円平成29182.38億円平成30209億円令和元153億円令和2163億円令和3156億円令和4182億円令和5272億円令和6280億円令和7321億円令和8120億円
  • 平成141,640億円
  • 平成152,680億円
  • 平成163,280億円
  • 平成173,445.188億円
  • 平成183,513.086億円
  • 平成193,083.3億円
  • 平成202,649.464億円
  • 平成212,487.633億円
  • 平成222,441.22億円
  • 平成232,137.2億円
  • 平成242,028.3億円
  • 平成251,863.7857億円
  • 平成261,745.757億円
  • 平成271,486.255億円
  • 平成28372.85億円
  • 平成29182.38億円
  • 平成30209億円
  • 令和元153億円
  • 令和2163億円
  • 令和3156億円
  • 令和4182億円
  • 令和5272億円
  • 令和6280億円
  • 令和7321億円
  • 令和8120億円
住民参加型市場公募地方債の発行額(億円)。平成14〜16年度は総務省、平成17年度以降は地方債協会

地方債協会の年度別の表(平成17年度〜)と、総務省の資料(平成14〜16年度)の数字を、そのまま並べました。本数は協会の表の行の数で、同じ団体の年2回の発行や、5年と10年の同時発行は別々に数えています。平成14〜16年度は銘柄の本数が分からず、総務省の資料にある発行団体数を載せています。

年度本数発行額(億円)表面利率(円建て)うち外貨建て出典
平成14年度(団体数34)1,640——総務省
平成15年度(団体数79)2,680——総務省
平成16年度(団体数93)3,280——総務省
平成17年度109本3,445.1880.18〜1.44%—地方債協会
平成18年度121本3,513.0860.9〜1.98%—地方債協会
平成19年度114本3,083.30.74〜3.3%—地方債協会
平成20年度97本2,649.4640.7〜1.54%—地方債協会
平成21年度89本2,487.6330.36〜1.08%—地方債協会
平成22年度90本2,441.220.23〜1%—地方債協会
平成23年度84本2,137.20.22〜1%—地方債協会
平成24年度81本2,028.30.12〜1.2%—地方債協会
平成25年度79本1,863.78570.13〜1%—地方債協会
平成26年度72本1,745.7570.1〜1%1本地方債協会
平成27年度64本1,486.2550.06〜1%1本地方債協会
平成28年度24本372.850.05〜1%1本地方債協会
平成29年度13本182.380.05〜0.25%1本地方債協会
平成30年度13本2090.05〜0.3%1本地方債協会
令和元年度8本1530.05〜0.2%1本地方債協会
令和2年度7本1630.08〜0.2%1本地方債協会
令和3年度6本1560.05〜0.16%1本地方債協会
令和4年度7本1820.1〜0.439%1本地方債協会
令和5年度13本2720.24〜0.87%1本地方債協会
令和6年度12本2800.576〜1.008%1本地方債協会
令和7年度15本3211.1〜1.839%1本地方債協会
令和8年度7本1202.08〜2.394%—地方債協会
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平成17年度は、協会の表で109本・3,445.188億円、総務省の資料で3,450億円・105団体です。本数と団体数、億円の丸め方の違いで、数字は一致しません。

平成19年度の最高3.3%は、飯舘村の「までいな次世代育成村民債」(0.1億円・3年)の表面利率で、同じ年度のほかの銘柄は0.74〜1.98%です。地方債協会の表のとおりに載せていますが、転記の誤りの可能性もあります。

令和8年度は年度の途中で、7本・120億円は9月末までの発行分です。

04発行の規模を、当サイトで集計した

ここからの数字は、地方債協会の表を基に当サイト集計です。外貨建ての東京都債は円換算の概算で発行額に入っているので、円建てだけの本数・発行額と、1本あたりの平均を出しました。右端の列は、本数が最も多かった年度を100%としたときの比です。

年度円建ての本数円建ての発行額1本あたりの平均発行額に占める外貨建て本数(最多の年度=100%)
平成17年度109本3,445.188億円31.6億円—90.1%
平成18年度121本3,513.086億円29.0億円—100.0%
平成19年度114本3,083.3億円27.0億円—94.2%
平成20年度97本2,649.464億円27.3億円—80.2%
平成21年度89本2,487.633億円28.0億円—73.6%
平成22年度90本2,441.22億円27.1億円—74.4%
平成23年度84本2,137.2億円25.4億円—69.4%
平成24年度81本2,028.3億円25.0億円—66.9%
平成25年度79本1,863.7857億円23.6億円—65.3%
平成26年度71本1,695.757億円23.9億円2.9%59.5%
平成27年度63本1,386.255億円22.0億円6.7%52.9%
平成28年度23本272.85億円11.9億円26.8%19.8%
平成29年度12本82.38億円6.9億円54.8%10.7%
平成30年度12本109億円9.1億円47.8%10.7%
令和元年度7本53億円7.6億円65.4%6.6%
令和2年度6本63億円10.5億円61.3%5.8%
令和3年度5本56億円11.2億円64.1%5.0%
令和4年度6本82億円13.7億円54.9%5.8%
令和5年度12本172億円14.3億円36.8%10.7%
令和6年度11本180億円16.4億円35.7%9.9%
令和7年度14本221億円15.8億円31.2%12.4%
令和8年度7本120億円17.1億円—5.8%
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円建て1本あたりの平均は、平成17年度の31.6億円から、令和7年度は15.8億円でした。平成17年度から令和7年度までの21年度を足すと、1,118本・29,172.4億円です(地方債協会の表を基に当サイト集計)。

前の年度からの本数の減り方が最も大きかったのは平成28年度で、平成27年度の64本から24本になりました。減った理由を地方債協会の表から読み取ることはできません。同じ時期の個人向け国債を見ると、固定5年は平成28年度から令和3年度まで、年度中の全回が下限の0.05%でした。

05国債の利率が低い年度ほど、本数は少なかったか

固定5年の募集が年度を通してあった12年度(平成26年度以降・令和7年度まで)について、その年度に発行された固定5年の利率の平均と、住民参加型の本数を、平均の低い順に並べました(地方債協会の表を基に当サイト集計)。

年度固定5年の回数固定5年の利率の平均住民参加型の本数発行額(億円・協会の表)
平成28年度12回0.050%24本372.85
平成29年度12回0.050%13本182.38
平成30年度12回0.050%13本209
令和元年度12回0.050%8本153
令和2年度12回0.050%7本163
令和3年度12回0.050%6本156
平成27年度12回0.056%64本1,486.255
令和4年度12回0.071%7本182
平成26年度12回0.104%72本1,745.757
令和5年度12回0.192%13本272
令和6年度12回0.556%12本280
令和7年度12回1.156%15本321
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固定5年の平均が中央値より低い6年度の本数の平均は11.8本、中央値以上の6年度は30.5本でした。一方、12年度全体での相関係数は-0.12で、はっきりした直線の関係は見えません。固定5年の平均が0.05%だった年度の中でも本数は6本〜24本と幅があり、平均が最も高かった令和7年度の本数(15本)は、平成26年度の72本に届いていません。

これは同じ時期に起きたことを並べただけです。本数が減った時期には、金利のほかにも、発行団体の資金調達の方法の変化など、表に出てこない事情が重なっている可能性があります。金利が本数を決めたとは言えません。

0625年度を3つの時期に分けると

地方債協会の表がある平成17年度以降を、本数が大きく減る前・利率が低かった時期・利率が上がり始めた時期の3つに分け、年度あたりの平均を出しました(地方債協会の表を基に当サイト集計)。表面利率の幅は円建てで、年限の違う銘柄が混ざります。固定5年は、その時期に発行された全回の利率の平均です(財務省の公表値から計算)。

時期年度数年度あたりの本数年度あたりの発行額表面利率の幅(円建て)固定5年の利率の平均(回数)外貨建ての本数(合計)
平成17年度〜平成27年度11年度90.9本2,443.7億円0.06〜3.3%0.264%(50回)2本
平成28年度〜令和4年度7年度11.1本202.6億円0.05〜1%0.053%(84回)7本
令和5年度〜令和7年度3年度13.3本291.0億円0.24〜1.839%0.634%(36回)3本
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年度あたりの本数は、平成17年度〜平成27年度の90.9本から、平成28年度〜令和4年度は11.1本、令和5年度〜令和7年度は13.3本でした。利率が上がり始めてからも、本数は最初の時期の水準からは遠いままです。

令和8年度の7本の発行団体は、県が4本、市が2本、県と県内の市による共同発行が1本です。1本の発行額は5億円から40億円まで幅があります(地方債協会の表を基に当サイト集計)。

07年限の構成

年度ごとの年限の内訳です(地方債協会の表を基に当サイト集計)。右端は、その年度の本数に占める5年の割合です。

年度3年4年5年6年7年10年5年の割合
平成17年度9本1本93本—4本2本85.3%
平成18年度9本1本102本1本3本5本84.3%
平成19年度13本—95本—1本5本83.3%
平成20年度11本—85本—1本—87.6%
平成21年度11本—78本———87.6%
平成22年度11本—79本———87.8%
平成23年度13本—71本———84.5%
平成24年度11本—69本——1本85.2%
平成25年度10本—67本1本—1本84.8%
平成26年度10本—62本———86.1%
平成27年度9本—55本———85.9%
平成28年度1本—23本———95.8%
平成29年度——13本———100.0%
平成30年度——13本———100.0%
令和元年度——8本———100.0%
令和2年度——7本———100.0%
令和3年度——6本———100.0%
令和4年度——6本——1本85.7%
令和5年度——11本——2本84.6%
令和6年度——10本——2本83.3%
令和7年度——15本———100.0%
令和8年度——7本———100.0%
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平成17年度以降の1,125本のうち、5年は975本(86.7%)、3年は118本、10年は19本でした。3年が最後に出たのは平成28年度です。全銘柄が5年だった年度は7年度(平成29年度・平成30年度・令和元年度・令和2年度・令和3年度・令和7年度・令和8年度)あります。

08表面利率と、同じ年度の個人向け国債

地方債協会の表にある円建ての表面利率の幅(最低〜最高)と、同じ年度(4月〜翌年3月)に発行された個人向け国債の利率の幅を並べました。国債は財務省の公表値で、変動10年は発行時の初回の利率です。

地方債の利率の幅には、年限の違う銘柄が混ざる年度があります。年限がそろわないものは比べないことにして、全銘柄が5年だった年度だけ、固定5年との位置関係を右端に書きました。

年度地方債(円建て)固定5年固定5年が下限0.05%だった回固定3年変動10年(初回)全銘柄5年の年度の位置関係
平成17年度0.18〜1.44%———0.45%〜0.73%—
平成18年度0.9〜1.98%———0.84%〜1.10%—
平成19年度0.74〜3.3%———0.68%〜1.01%—
平成20年度0.7〜1.54%0.80%〜1.22%4回中0回—0.57%〜1.00%—
平成21年度0.36〜1.08%0.44%〜0.82%4回中0回—0.45%〜0.73%—
平成22年度0.23〜1%0.23%〜0.48%4回中0回—0.25%〜0.53%—
平成23年度0.22〜1%0.32%〜0.52%4回中0回0.17%〜0.32%0.51%〜0.77%—
平成24年度0.12〜1.2%0.13%〜0.27%4回中0回0.05%〜0.14%0.48%〜0.64%—
平成25年度0.13〜1%0.06%〜0.30%6回中0回0.05%〜0.14%0.40%〜0.57%—
平成26年度0.1〜1%0.05%〜0.15%12回中3回0.05%〜0.08%0.20%〜0.42%—
平成27年度0.06〜1%0.05%〜0.09%12回中10回0.05%〜0.05%0.05%〜0.34%—
平成28年度0.05〜1%0.05%〜0.05%12回中12回0.05%〜0.05%0.05%〜0.06%—
平成29年度0.05〜0.25%0.05%〜0.05%12回中12回0.05%〜0.05%0.05%〜0.06%幅が重なる
平成30年度0.05〜0.3%0.05%〜0.05%12回中12回0.05%〜0.05%0.05%〜0.09%幅が重なる
令和元年度0.05〜0.2%0.05%〜0.05%12回中12回0.05%〜0.05%0.05%〜0.05%幅が重なる
令和2年度0.08〜0.2%0.05%〜0.05%12回中12回0.05%〜0.05%0.05%〜0.05%地方債の最低が固定5年の最高を上回る
令和3年度0.05〜0.16%0.05%〜0.05%12回中12回0.05%〜0.05%0.05%〜0.11%幅が重なる
令和4年度0.1〜0.439%0.05%〜0.18%12回中9回0.05%〜0.05%0.11%〜0.33%—
令和5年度0.24〜0.87%0.05%〜0.42%12回中1回0.05%〜0.19%0.28%〜0.60%—
令和6年度0.576〜1.008%0.33%〜0.89%12回中0回0.16%〜0.74%0.47%〜0.83%—
令和7年度1.1〜1.839%0.83%〜1.66%12回中0回0.66%〜1.39%0.84%〜1.48%幅が重なる
令和8年度2.08〜2.394%1.58%〜2.39%8回中0回1.34%〜2.07%1.40%〜2.05%幅が重なる
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全銘柄が5年だった7年度のうち、地方債の最低の利率が、同じ年度の固定5年の最高の利率を上回っていたのは1年度(令和2年度)でした。固定5年が年度中ずっと下限の0.05%だった年度は6年度(平成28年度・平成29年度・平成30年度・令和元年度・令和2年度・令和3年度)あります。

全銘柄が5年だった年度について、同じ年度の固定5年の各回が、地方債の利率の幅より下・幅の中・幅より上のどこにあったかを数えました(地方債協会の表を基に当サイト集計)。

年度地方債(円建て)固定5年の回数幅より下幅の中幅より上
平成29年度0.05〜0.25%12回0回12回0回
平成30年度0.05〜0.3%12回0回12回0回
令和元年度0.05〜0.2%12回0回12回0回
令和2年度0.08〜0.2%12回12回0回0回
令和3年度0.05〜0.16%12回0回12回0回
令和7年度1.1〜1.839%12回6回6回0回
令和8年度2.08〜2.394%8回6回2回0回
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令和7年度は、固定5年12回のうち、地方債の幅より下が6回、幅の中が6回、幅より上が0回でした。

令和8年度は、固定5年8回のうち、地方債の幅より下が6回、幅の中が2回、幅より上が0回でした。

固定5年が下限だった年度は、地方債の最低の利率も0.05%まで下がり、固定5年の0.05%と同じ水準の銘柄がありました。利率が上がり始めた年度は、地方債の利率の幅が固定5年の各回より上に寄っています。年度の中でも、固定5年の利率は毎月変わります。地方債の利率が年度の途中で上がったり下がったりするのも、同じ理由です。

年度の幅どうしの比較なので、同じ月に出たもの同士の比較ではありません。同じ月で比べられるのは、銘柄ごとの発行日が分かる令和8年度だけです。次の節で扱います。

09令和8年度の7本を、同じ月の個人向け国債と並べる

令和8年度に発行された7本を、発行日と同じ月に発行された個人向け国債と並べました。地方債の欄は地方債協会の表のままです。「差」と「100万円・5年の税引後の利子の差」は地方債協会の表を基に当サイト集計で、利子は単利・税率20.315%で計算しています。

発行団体名称発行日発行額年限表面利率固定5年(同じ月)固定3年(同じ月)変動10年(同じ月・初回)地方債−固定5年100万円・5年の税引後の利子の差
福島県第8回ふくしま復興・創生県民債2026年5月29日15億円5年2.08%1.79%1.51%1.55%+0.290%+11,554円
神戸市令和8年度第1回こうべ市民債~森の未来都市 神戸~2026年7月27日25億円5年2.14%1.86%1.51%1.74%+0.280%+11,156円
宮城県宮城県公募公債第1回1号(5年・サステナビリティボンド・個人向け)2026年7月29日5億円5年2.148%1.86%1.51%1.74%+0.288%+11,475円
兵庫県、姫路市、加古川市、南あわじ市、淡路市令和8年度兵庫県市町共同公募債(グリーンボンド)2026年8月10日20億円5年2.148%1.95%1.56%1.80%+0.198%+7,889円
埼玉県埼玉県第2回公募公債 (サステナビリティボンド・5年・個人向け)2026年8月31日40億円5年2.182%1.95%1.56%1.80%+0.232%+9,243円
高知県高知県令和8年度第2回公募公債(グリーンボンド・5年・個人向け)2026年8月31日5億円5年2.182%1.95%1.56%1.80%+0.232%+9,243円
仙台市仙台市第9回グリーンボンド公募公債2026年9月28日10億円5年2.394%2.06%1.71%1.87%+0.334%+13,307円
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7本のうち、同じ月の固定5年より利率が高かったのは7本、低かったのは0本でした。7本の表面利率の中央値は2.148%です(地方債協会の表を基に当サイト集計)。

国債の利率は「発行の月」で合わせています。個人向け国債は前の月に募集し、地方債も発行日より前に募集期間があります。利率が決まった日は同じではないので、差は目安です。

国債を合わせる月を1か月前後にずらしても、差の向きが変わらないかを確かめました。かっこの中は「地方債−固定5年」です(地方債協会の表を基に当サイト集計)。右の2列は、同じ月の固定3年・変動10年(初回)との差です。

発行団体表面利率固定5年(前の月)固定5年(同じ月)固定5年(次の月)地方債−固定3年地方債−変動10年
福島県2.08%1.58%(+0.500%)1.79%(+0.290%)1.89%(+0.190%)+0.570%+0.530%
神戸市2.14%1.89%(+0.250%)1.86%(+0.280%)1.95%(+0.190%)+0.630%+0.400%
宮城県2.148%1.89%(+0.258%)1.86%(+0.288%)1.95%(+0.198%)+0.638%+0.408%
兵庫県、姫路市、加古川市、南あわじ市、淡路市2.148%1.86%(+0.288%)1.95%(+0.198%)2.06%(+0.088%)+0.588%+0.348%
埼玉県2.182%1.86%(+0.322%)1.95%(+0.232%)2.06%(+0.122%)+0.622%+0.382%
高知県2.182%1.86%(+0.322%)1.95%(+0.232%)2.06%(+0.122%)+0.622%+0.382%
仙台市2.394%1.95%(+0.444%)2.06%(+0.334%)2.24%(+0.154%)+0.684%+0.524%
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前後の月を含めた21通りの組み合わせのうち、地方債の方が高かったのは21通りでした。固定3年との差は+0.570%〜+0.684%、変動10年(初回)との差は+0.348%〜+0.530%です。年限が違うものとの差は、長い期間の金利が短い期間より高いぶんを含むので、そのまま「上乗せ」とは読めません。

100万円を買った場合の利子を、銘柄ごとに計算しました(単利・税率20.315%。地方債協会の表を基に当サイト集計)。

発行団体表面利率1年分(税引前)1年分(税引後)5年分(税引後)満期に受け取る合計(元本+税引後の利子)
福島県2.08%20,800円16,574円82,872円1,082,872円
神戸市2.14%21,400円17,053円85,263円1,085,263円
宮城県2.148%21,480円17,116円85,582円1,085,582円
兵庫県、姫路市、加古川市、南あわじ市、淡路市2.148%21,480円17,116円85,582円1,085,582円
埼玉県2.182%21,820円17,387円86,936円1,086,936円
高知県2.182%21,820円17,387円86,936円1,086,936円
仙台市2.394%23,940円19,077円95,383円1,095,383円
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同じ年度の固定5年は、回ごとに次のように動いています。

回発行の月基準金利利率同じ月に発行された住民参加型
第180回2026年4月1.63%1.58%—
第181回2026年5月1.84%1.79%福島県
第182回2026年6月1.94%1.89%—
第183回2026年7月1.91%1.86%神戸市、宮城県
第184回2026年8月2.00%1.95%兵庫県、姫路市、加古川市、南あわじ市、淡路市、埼玉県、高知県
第185回2026年9月2.11%2.06%仙台市
第186回2026年10月2.29%2.24%—
第187回2026年11月2.44%2.39%—
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10これから満期を迎える本数の目安

地方債協会の表の年度と年限から、満期を迎える年度ごとの本数を数えました(地方債協会の表を基に当サイト集計)。発行年度に年限を足しただけの目安で、実際の償還日は銘柄ごとに違います。外貨建ても含みます。

満期を迎える年度(目安)本数
2024年度(令和6年度)8本
2025年度(令和7年度)7本
2026年度(令和8年度)6本
2027年度(令和9年度)6本
2028年度(令和10年度)11本
2029年度(令和11年度)10本
2030年度(令和12年度)15本
2031年度(令和13年度)7本
2032年度(令和14年度)1本
2033年度(令和15年度)2本
2034年度(令和16年度)2本

令和8年度の7本について、発行日から5年後を満期の目安として並べました(当サイトの計算。正式な償還日は各銘柄の発行要項で確かめてください)。

発行団体発行日満期の目安満期の年度(目安)発行額
福島県2026年5月29日2031年5月29日ごろ2031年度(令和13年度)15億円
神戸市2026年7月27日2031年7月27日ごろ2031年度(令和13年度)25億円
宮城県2026年7月29日2031年7月29日ごろ2031年度(令和13年度)5億円
兵庫県、姫路市、加古川市、南あわじ市、淡路市2026年8月10日2031年8月10日ごろ2031年度(令和13年度)20億円
埼玉県2026年8月31日2031年8月31日ごろ2031年度(令和13年度)40億円
高知県2026年8月31日2031年8月31日ごろ2031年度(令和13年度)5億円
仙台市2026年9月28日2031年9月28日ごろ2031年度(令和13年度)10億円
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7本とも、満期の目安は2031年度に入ります。

2027年度以降に満期を迎える目安の本数は、合わせて54本です。満期が来た地方債の償還金を、次にどこに置くかを考える人が毎年出る、ということです。償還の日程と金額は、発行団体の公表資料や取扱金融機関からの案内で確かめてください。

11外貨建ての東京都債

地方債協会の表には、平成26年度から、東京都の外貨建ての個人向け債が含まれています。発行額は協会による円換算の概算です。外貨建ては、利子も償還も外貨で、円で受け取る額は為替相場で変わります。円建ての地方債とは別のものとして、利率も分けて載せました。

年度外貨建ての本数外貨建ての発行額(円換算の概算)外貨建ての表面利率同じ年度の円建ての表面利率
平成26年度1本50億円3.57%0.1〜1%
平成27年度1本100億円3.13%0.06〜1%
平成28年度1本100億円2.74%0.05〜1%
平成29年度1本100億円2.55%0.05〜0.25%
平成30年度1本100億円2.91%0.05〜0.3%
令和元年度1本100億円1.6%0.05〜0.2%
令和2年度1本100億円0.41%0.08〜0.2%
令和3年度1本100億円1.83%0.05〜0.16%
令和4年度1本100億円3.63%0.1〜0.439%
令和5年度1本100億円4.06%0.24〜0.87%
令和6年度1本100億円3.88%0.576〜1.008%
令和7年度1本100億円4.22%1.1〜1.839%
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外貨建てが含まれる年度は12年度で、外貨建ての本数は合わせて12本、発行額(円換算の概算)は合わせて1,150.0億円です(地方債協会の表を基に当サイト集計)。

外貨建ての利率は、その通貨の金利で決まるので、円建てと並べて高い・低いを比べることはできません。円に戻すときの相場によっては、受け取る円が払った円を下回ります。令和8年度の7本には、9月末の時点で外貨建ては含まれていません。

12買い方

総務省によると、新しく発行される市場公募地方債は、引受や募集の取り扱いをする証券会社・金融機関を通じて買えます。すでに発行された地方債を買うときは、証券会社・金融機関に問い合わせます。

  1. 発行の予定を知る:総務省が年度の初めに発行予定を公表し、発行団体のサイトにも募集の案内が出ます。
  2. 取扱金融機関を確かめる:銘柄ごとに、扱う銀行・証券会社が決まっています。
  3. 募集期間に申し込む:神戸市の例では募集期間は約2週間でした。口座開設などの事前手続きが要る場合があります(神戸市)。
  4. 発行日に代金を払い、満期まで持つか、途中で売るかを決める。

実際の例を挙げます。神戸市の令和8年度第1回こうべ市民債は、募集期間が7月8日から22日、購入単位は10万円で、取扱金融機関は銀行2行と証券会社10社でした。埼玉県第2回公募公債(個人向け)の発行要項では、各公債の金額は1万円、引受・募集取扱会社は証券会社3社です。買える単位も、扱う金融機関の数も、銘柄によって違います。

発行日を月ごとに数えると次のとおりです(地方債協会の表を基に当サイト集計)。

発行の月本数発行額
2026年5月1本15億円
2026年7月2本30億円
2026年8月3本65億円
2026年9月1本10億円

総務省の「令和8年度住民参加型市場公募地方債の発行予定」では、10〜11月に名古屋市20億円・北九州市15億円・三重県10億円、令和9年3月に倉敷市10億円などが予定され、時期と金額が決まっている分の合計は85億円でした。金額や時期が「未定」の団体もあります。

自治体のサイトにある発行要項は、情報の提供が目的で、販売や購入の勧誘ではないと断っている自治体があります(埼玉県)。住んでいる人だけが買えるかどうかも、銘柄ごとの募集条件で決まります。買うかどうかは、取扱金融機関の説明と書面を見て決めます。

13税金:特定公社債として扱われる

国税庁は、地方債を「特定公社債等」に含めています(タックスアンサーNo.1310)。特定公社債等の利子は、受け取るときに所得税・復興特別所得税15.315%と地方税5%が源泉徴収され、申告分離課税の対象ですが、確定申告をしないことも選べます。令和9年分以後は防衛特別所得税が創設されますが、国税庁は防衛特別所得税と復興特別所得税の合計税率は変わらないとしています。

地方債は、税の上では「上場株式等」にも含まれます(No.1463)。途中で売って出た譲渡益は、上場株式等に係る譲渡所得等として、所得税15%・住民税5%(ほかに復興特別所得税)の申告分離課税です。国税庁は、譲渡所得等の総収入金額に「償還、解約により交付を受ける金銭等の額」を含めるとしています。

売って損が出た場合、金融商品取引業者等を通じて売ったことで生じた上場株式等の譲渡損失は、確定申告で、申告分離課税を選んだ上場株式等の利子・配当と損益通算でき、引ききれない分は翌年以後3年間繰り越せます(No.1474)。相対取引で生じた譲渡損失は対象外です。

障害者等に当たる人は、特別マル優で、元本350万円までの公債の利子を非課税にできます(No.1310)。

利子途中で売った差益
所得の区分利子所得(特定公社債等の利子)上場株式等に係る譲渡所得等
税率20.315%(源泉徴収)20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税)
申告申告分離課税。申告しないことも選べる申告分離課税
損失—上場株式等の利子・配当と損益通算、3年繰越

100万円・表面利率2.148%で計算してみます(利払いは年2回と置き、1円未満の税は切り捨てて計算しました。実際の端数処理は取扱金融機関によります)。

項目金額
半年ごとの利子(税引前)10,740円
所得税・復興特別所得税(15.315%)1,644円
地方税(5%)537円
受け取る額8,559円

1年後に利回りが1%上がっていて売った場合、上の試算では売却損が37,309円です。その年に受け取った利子(税引前21,480円)について申告分離課税を選び、売却損と損益通算すると、通算できるのは21,480円までで、源泉徴収された税のうち最大で約4,364円が戻る計算です。引ききれない15,829円は、翌年以後3年間に繰り越せます(それぞれ確定申告が必要です)。反対に、利回りが0.5%下がっていて売った場合の売却益19,278円には、20.315%で約3,916円の税がかかります。

満期の償還で差益が出る場合の扱いについて、神戸市のFAQは「雑収入として総合課税」としていますが、当サイトは国税庁の資料で地方債の償還差益を名指しした記載を確かめられていません。発行時に額面(100円)で買って満期まで持てば、償還差益は生じません。令和8年度の7本の発行価格は、表ではすべて「100円00銭」です。

14満期前に売るとき:価格の試算

神戸市は、市民債は満期前でも証券会社などに売って換金できるが、価格は日々変動し、売却損が出ることがあると説明しています。個人向け国債のように、発行体が額面で買い取る仕組みはありません。

どれくらい動くかを、当サイトで試算しました。表面利率は令和8年度の7本の中央値2.148%、年限5年、額面で買ったとします。売るときの市場の利回りが表面利率から上下した場合の、額面100円あたりの価格と、100万円分を売ったときの差額です。利払いは年2回、利払日に売ると置いた計算で、売買の手数料や買い手の付ける値幅は含めていません(銘柄ごとの利払日は発行要項で確かめてください)。

売る時期利回り−0.50%利回り±0利回り+0.50%利回り+1.00%利回り+1.50%利回り+2.00%
1年後に売る(残り4年)101.93円(+19,278円)100.00円(±0円)98.11円(−18,859円)96.27円(−37,309円)94.46円(−55,360円)92.70円(−73,022円)
2年後に売る(残り3年)101.46円(+14,577円)100.00円(±0円)98.57円(−14,329円)97.16円(−28,414円)95.77円(−42,261円)94.41円(−55,875円)
3年後に売る(残り2年)100.98円(+9,797円)100.00円(±0円)99.03円(−9,678円)98.08円(−19,237円)97.13円(−28,680円)96.20円(−38,009円)
4年後に売る(残り1年)100.49円(+4,939円)100.00円(±0円)99.51円(−4,902円)99.02円(−9,769円)98.54円(−14,599円)98.06円(−19,395円)
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利回りが表面利率と同じなら、価格は100円です。利回りが上がるほど、また残りの期間が長いほど、価格は下がります。たとえば1年後に利回りが1%上がっていると、価格は96.27円、100万円分で−37,309円です。4年後なら残りが1年なので、同じ1%の上昇でも99.02円にとどまります。

利回りが1%上がったとき、額面100円あたりの価格がどれだけ下がるかを、残りの期間と表面利率ごとに計算しました(当サイトの試算。利払い年2回)。

残りの期間表面利率0.5%表面利率1%表面利率2.148%表面利率3%
残り1年−0.99円−0.99円−0.98円−0.97円
残り2年−1.96円−1.95円−1.92円−1.90円
残り3年−2.92円−2.90円−2.84円−2.80円
残り4年−3.87円−3.83円−3.73円−3.66円
残り5年−4.80円−4.74円−4.59円−4.49円
残り7年−6.62円−6.50円−6.24円−6.05円
残り10年−9.25円−9.02円−8.52円−8.18円
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価格の下がり方を決めるのは、主に残りの期間です。残り1年なら1%の上昇で−0.98円ですが、残り10年なら−8.52円です。10年の住民参加型が発行された年度もあり(年限の構成の節)、長い年限ほど、途中で売るときの価格の振れは大きくなります。

令和8年度の各銘柄を、今月(固定5年の第187回が発行された月)に売ったとしたらどうなるかも試算しました。市場の利回りは、発行月から今月までの固定5年の利率の変化と同じだけ動いたと置いています。固定5年の利率は5年の国債の利回りをもとに決まるので、目安にはなりますが、地方債の市場の利回りそのものではありません。残りの期間は今月の固定5年の発行日(2026年11月16日)から数え、価格は経過した分の利子を除いた額です。実際の売買では、経過した分の利子の受け渡しが別にあります。

発行団体表面利率発行からの月数残りの期間固定5年の利率の変化価格(試算)100万円分の差額
福島県2.08%6か月4.53年+0.60%97.46円−25,445円
神戸市2.14%4か月4.69年+0.53%97.68円−23,248円
宮城県2.148%4か月4.70年+0.53%97.67円−23,269円
兵庫県、姫路市、加古川市、南あわじ市、淡路市2.148%3か月4.73年+0.44%98.05円−19,491円
埼玉県2.182%3か月4.79年+0.44%98.03円−19,697円
高知県2.182%3か月4.79年+0.44%98.03円−19,697円
仙台市2.394%2か月4.87年+0.33%98.50円−14,958円
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実際の売却価格は、そのときの買い手(証券会社など)が付ける値段で決まり、この試算とは違います。住民参加型の銘柄を、取扱金融機関が実際にどう買い取っているかは、当サイトでは確かめられていません。

15途中で現金にするなら、国債の中途換金とどちらが軽いか

個人向け国債(固定5年)は、発行から1年たてば、直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685を差し引いて、国が額面で買い取ります(財務省)。今月の固定5年の利率2.39%で100万円なら、差し引かれるのは19,045円です。

一方、地方債を売ったときの損は、利回りがどれだけ上がったかで決まります。上の試算の地方債(2.148%・5年)で、売却損が国債の中途換金の差し引き(19,045円)と同じになる利回りの上昇幅を計算しました。

売る時期残りの期間国債の中途換金の差し引き(100万円)これと同じ売却損になる利回りの上昇そのときの利回り
1年後残り4年19,045円+0.50%2.65%
2年後残り3年19,045円+0.67%2.81%
3年後残り2年19,045円+0.99%3.14%
4年後残り1年19,045円+1.96%4.11%
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残りの期間が長いうちは、わずかな利回りの上昇で、国債の中途換金の差し引きを上回る売却損になります。残りが短くなるほど、価格は額面に近づき、差は小さくなります。逆に、利回りが下がっていれば、地方債は額面より高く売れることがあります。国債の中途換金は、金利が下がっていても額面で買い取られるだけです。

なお、この比較は税を考えていません。国債の差し引きは税引後の利子に相当する額で、地方債の売却損は、上の節のとおり上場株式等の利子・配当と損益通算できる場合があります。

参考に、令和8年度の各銘柄が発行された月の固定5年の利率と、今月の固定5年の利率を並べます。利率がどれだけ動いたかの目安です(市場の利回りそのものではありません)。

発行団体発行月の固定5年今月の固定5年差
福島県1.79%2.39%+0.60%
神戸市1.86%2.39%+0.53%
宮城県1.86%2.39%+0.53%
兵庫県、姫路市、加古川市、南あわじ市、淡路市1.95%2.39%+0.44%
埼玉県1.95%2.39%+0.44%
高知県1.95%2.39%+0.44%
仙台市2.06%2.39%+0.33%
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どの銘柄も、発行月から今月までに固定5年の利率は+0.33%〜+0.60%動いています。発行から数か月でも、途中で売るときの価格はこれだけの金利の動きの影響を受けます。

16途中で売った人の手取りを、国債を中途換金した人と比べる

前の節は売却損と中途換金の差し引きだけを比べました。ここでは、それまでに受け取った利子も含めた手取りの合計で比べます。地方債は表面利率2.148%(令和8年度の7本の中央値)、国債は今月の固定5年2.39%で、どちらも100万円を発行時に買い、途中で現金にしたとします。利子は税引後、地方債の売却益には20.315%をかけ、売却損は他と通算しない(税が戻らない)と置いた当サイトの試算です。かっこの中は国債との差です。

現金にする時期国債(中途換金)地方債:利回り±0地方債:利回り+0.5%地方債:利回り+1%地方債:利回り+2%
1年後1,000,000円1,017,116円(+17,116円)998,257円(−1,743円)979,807円(−20,193円)944,095円(−55,905円)
2年後1,019,045円1,034,233円(+15,188円)1,019,904円(+859円)1,005,818円(−13,226円)978,358円(−40,687円)
3年後1,038,089円1,051,349円(+13,260円)1,041,671円(+3,582円)1,032,112円(−5,978円)1,013,340円(−24,749円)
4年後1,057,134円1,068,465円(+11,331円)1,063,563円(+6,429円)1,058,697円(+1,562円)1,049,071円(−8,063円)
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国債を1年後に中途換金すると、それまでに受け取った税引後の利子と同じ額(19,045円)が差し引かれるので、手取りは元本の1,000,000円になります。

利回りが変わらなければ、地方債は額面で売れるので、国債の中途換金で差し引かれる分だけ地方債の手取りが多くなります(利率の差の分は別です)。利回りが上がると、早い時期に売るほど地方債の手取りは減ります。国債の中途換金は、金利が上がっても下がっても差し引きの計算が変わりません。

どちらが多くなるかは、売るときの金利しだいで、買うときには分かりません。満期まで持つつもりのお金かどうかが、選ぶときの分かれ目になります。

17買う前に確かめること

18よくある質問

住民参加型市場公募地方債は元本保証ですか。

満期まで持てば額面で償還されます。途中で売ると、そのときの価格になり、額面を下回ることがあります。

自治体が破綻したらどうなりますか。

総務省は、地方公共団体には破産法の適用がなく、現行法制上は破産しないと説明しています。元利償還の財源は地方財政計画と地方交付税で確保する仕組みです。

その自治体に住んでいないと買えませんか。

銘柄によります。購入できる人の条件は発行ごとの募集条件で決まるので、取扱金融機関で確かめてください。

個人向け国債と、利率はどちらが高いですか。

発行のたびに違います。令和8年度の7本では、同じ月の固定5年より高かったのが7本、低かったのが0本でした。

利子の税金はいくらですか。

特定公社債等の利子として20.315%が源泉徴収されます。申告分離課税の対象ですが、申告しないことも選べます。

いつ買えますか。

発行団体ごとに募集の時期が決まっていて、毎月買える個人向け国債とは違います。総務省が年度の初めに発行予定を公表し、発行団体と取扱金融機関が募集の案内を出します。

いくらから買えますか。

銘柄によります。埼玉県の個人向け公募公債は各公債の金額が1万円、神戸市のこうべ市民債は購入単位10万円でした。

途中で売ると税金はどうなりますか。

上場株式等に係る譲渡所得等として、差益に20.315%の申告分離課税です。損が出た場合は、上場株式等の利子・配当と損益通算できる場合があります。

19この記事の数字は、どこから取ったか

使ったのは次の資料です。

地方債協会は、出所を明示した引用・転載を認める一方で、内容の無断の改変を認めていません。そのため、協会の表にある本数・発行額・表面利率は表のままの値で載せ、当サイトが足したり割ったりした数字には「地方債協会の表を基に当サイト集計」と書いています。平成14〜16年度は協会の年度別の表を取得できなかったため、総務省の資料の発行額と発行団体数を使いました(銘柄の本数ではありません)。

地方債協会の表は2026-10-05に確かめた内容です。国債との差、平均の発行額、年限の割合、価格の試算は、このページを作るときにデータから計算し直しています。

この記事は特定の地方債・金融機関の勧誘ではありません。利率や価格の試算は当サイトの計算で、実際の売買の価格ではありません。

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