01譲渡所得とは
譲渡所得は、資産を譲渡したことによる所得です。株式投資型クラウドファンディングで取得した未上場株式を売却した場合、この区分になります。
株式等の譲渡所得は申告分離課税で、税率は一律20.315%(所得税15%+復興特別所得税+住民税5%)。他の所得と合算されないので、所得の高い人にとっては雑所得より有利です。
注意が必要なのは、株式等が「上場株式等」と「一般株式等」に分かれていることです。株式投資型で取得する未上場株式は一般株式等で、上場株式等とは別々に計算されます。上場株式の損益と直接は通算できません。
02譲渡所得は、どこに書かれているか
この言葉が出てくる場所と、そこでの書かれ方を並べます。
| どこに出てくるか | 書かれ方 | 見るときの注意 |
|---|---|---|
| 確定申告書 | 株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書 | 自分で作成する |
| 取得の記録 | 会社名、株数、1株あたりの取得価額、取得日 | 売るまで保存する |
| 譲渡の記録 | 譲渡価額、譲渡日 | — |
| エンジェル税制の書類 | 控除を受けた場合の調整後の取得価額 | — |
03譲渡所得で、誤解されやすい点
| よくある誤解 | 実際は |
|---|---|
| 特定口座で完結する | 未上場株式は特定口座に入れられない |
| 上場株式の損と相殺できる | 区分が違う。原則としてできない |
| 損失を3年繰り越せる | 一般株式等は繰越控除の対象外 |
| 取得価額は証券会社が管理している | 自分で記録する。証明できないと売却代金の5%とみなされることがある |
| 倒産すれば自動的に損失になる | 清算の結了など一定の要件が要る |
04株式投資型の募集データ
当サイトが収集した株式投資型の募集は839件、調達した企業は665社、公表されているEXITと倒産は8件です。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 募集の件数 | 839件 |
| 成立 | 759件 |
| 不成立 | 206件 |
| 調達した企業 | 665社 |
| 1件あたりの調達額の中央値 | 2,448万円 |
| プレバリューの中央値 | 3.5億円 |
| 1社あたりの投資の上限 | 年間50万円(金商法) |
| 公表されているEXIT・倒産 | 8件 |
| 企業 | プラットフォーム | 何が起きたか | 公表されている内容 |
|---|---|---|---|
| 日本きくらげ | FUNDINNO | 倒産 | 2023年に破産 |
| 琉球アスティーダスポーツクラブ | FUNDINNO | IPO | 東京プロマーケットに2021年3月30日上場。基準の評価額は700円で募集時の1.4倍 |
| ブレスサービス | FUNDINNO | 倒産 | 2019年1月に経営破綻 |
| ユニボット | FUNDINNO | 倒産 | 2020年2月破産(精算) |
| nommoc | FUNDINNO | バイアウト | 数社の法人が株価1.5倍(50円75円)で相対取引 |
| 漢方生薬研究所 | FUNDINNO | バイアウト | 2019年6月に株式が1.5倍(500円→750円)の価格で買い取られた。 |
| ブレスサービス | FUNDINNO | 倒産 | 2019年1月に経営破綻 |
| Next Paradigm | イークラウド | バイアウト | 株式会社セレスが全株式取得で完全子会社化。2.69倍 |
05譲渡所得と一緒に読む語
この記事は法令の定めと公表されている数字だけで書いています。譲渡所得の実際の扱いは契約締結前交付書面(不動産型では契約成立前書面)に書かれていて、募集ページの表現と食い違う場合は書面が優先します。制度は改正されることがあります。
06よくある質問
この用語は、どこで確認できますか。
契約締結前交付書面(不動産型では契約成立前書面)です。法令で交付が義務づけられていて、記載すべき事項も決まっています。
募集ページと書面で書き方が違う場合は。
書面が優先します。募集ページは広告で、書面は契約の説明です。
用語が分からないまま投資してもよいですか。
おすすめしません。分からない言葉があるまま同意すると、あとで「知らなかった」と主張するのが難しくなります。
元本は保証されますか。
されません。どの種別にも公的な元本補償の仕組みはなく、出資について元本を保証することは出資法で禁じられています。
用語の一覧はありますか。
用語集のページにまとめています。この記事からも関連する語に移動できます。
07この記事の数字は、どこから取ったか
会社名を挙げて処分や事故を書くにあたっては、照合を法人番号の完全一致に限りました。社名の部分一致で突き合わせると、似た社名の別会社の記録を拾ってしまいます。当サイトが実際に試したところ、82件が一致したように見えてそのほとんどが別会社でした。
できていないことも書きます。不動産特定共同事業者への監督処分は国土交通省・都道府県の所管で、この事例集には含まれていません。また償還後の実績は、事業型を除いてどの事業者も公表していないため、不動産型・融資型については「戻らなかった件数」を外から数えられません。
数字はいずれも元本を保証するものではなく、この記事は特定の商品の勧誘ではありません。

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