オペレーティングリース
主に法人- 何をする
- 航空機・船舶・コンテナなどを貸す事業に、匿名組合などを通じて出資する
- 税の効果
- 事業を営む側が資産を償却し、初めの数年に損失が出る。出資者はその損失の分配を受ける
- 出口
- 資産の売却や契約の終了で利益の分配を受け、そこで課税される
- 主なリスク
- 資産の中古価格、為替、借り手の倒産。法人でも出資額を超える損失は経費にならない
「節税になります」と勧められる商品の多くは、減価償却を使っています。今年の税は減りますが、売るときや契約が終わるときに、その分を払い直す「先送り」がほとんどです。「今年いくら減るか」ではなく「最後にいくら残るか」で考えられるように、しくみを絵と数字で、ひとつずつ説明します。税の記述は、国税庁と法令の原文で確かめたものだけです。
1,000万円を4年で経費に(税率30%の例)
5年目に800万円で売った場合
差し引き
●あてはまる △条件つき ○あてはまらない(トップの「リスクとリターンの3段」と同じ物差し)
税が減る税が増える差し引き
4年で税は300万円減りますが、売るときに240万円増えるので、本当に減ったのは60万円です。もし1,000万円のまま売れたら、300万円減って300万円増え、差し引き0。得が出るのは「今の税率が高く、売る年の税率が低い」ときと、「払うのを先に延ばせる」ことに価値がある場合です(帳簿に残る1円などは省いています)。
1,000万円の木造アパートを買ったら、何年に分けて経費にする?
同じ1,000万円でも、中古なら1年あたりの経費が約5.5倍。これが「中古の資産で節税」と言われる理由です(建物部分だけ。土地は経費になりません)。
1,000万円の設備を買っても、その年に1,000万円を経費にはしません。使える年数に分けて、毎年少しずつ経費にします。 これが減価償却です。何年に分けるかは、資産の種類ごとに国が決めています(法定耐用年数)。
経費が増えると利益が減り、税が減ります。中古の資産は分ける年数が短くなるので、早く・たくさん経費にできます。 たとえば築22年を過ぎた木造住宅は、最短4年で経費にできます。
経費にするたびに、帳簿の上の価値は減っていきます。帳簿の価値が0に近い資産を売ると、売った額のほとんどが利益になり、そこで税がかかります。 先に減った税を、売るときに払い直す形です。
足場・ドローンなど資産ごとの法定耐用年数は、この表には載せていません。耐用年数省令の別表で個別に確かめてください。
例を選ぶか、勧められた商品の数字を入れてください。左上の「今年減る税」は売り文句になりやすい数字で、右上が出口の税と時間の価値まで引いた、何もしない場合と比べた差です。
計算の例は実際の商品の条件ではなく、税率も例です。経費にした額は投資額と同じで、出口の時点で帳簿の価値は0、手数料は経費にならないもの、毎年の事業の利益は今の税率で課税されるものとして計算しています。所得税の税率は国税庁 No.2260 ↗、法人税の税率は国税庁 No.5759 ↗で確かめられます。
国税庁 タックスアンサー No.5404(簡便法)と耐用年数省令 別表第一の年数です。改修などの支出が取得価額の50%を超える場合は簡便法を使えません。国税庁 No.5404 ↗ 耐用年数省令 ↗
✕経費にすれば、その分の税は消える
○税は消えず、多くは後ろにずれるだけ
経費にした分だけ帳簿の価値が減り、売るときにその分が利益になって課税されます。✕今年減る税が大きいほど、得をする
○最後に手元にいくら残るかで決まる
手数料、資産の値下がり、出口の年の税率で、何もしない場合より手元のお金が減ることもあります。✕個人でも法人でも、同じように使える
○契約の形と、個人か法人かで扱いが違う
個人が匿名組合から受ける分配は原則として雑所得で、その損失は給与などと相殺できません。法人でも、出資額を超える損失は経費になりません。✕即時償却は、どんな設備でも使える
○要件と対象外が細かく決まっている
売電が主な目的の発電設備、委託型のコインランドリー、マイニング、貸付け用・中古の資産などは対象外です。今年減る税の額ではなく、売却・分配・償還のときにいくら戻り、そのときいくら課税されるかを先に聞いてください。上の計算機に入れると、本当の得が出ます。
組成・仲介・管理の手数料は、税の効果から直接差し引かれます。
貸す相手・資産の所在・稼働の状況を書面で確かめます。
形によって、損失を他の所得と相殺できるかどうかが変わります。個人が匿名組合から受ける分配は原則として雑所得で、その損失は損益通算できません。
今の税率が高く、出口の年の税率が低いときに得が出やすくなります。同じなら、残るのは税の先送りの価値だけです。
個別の商品が自分に当てはまるかは、契約の前に税理士に確認してください。
即時償却の要件や改正の歴史など、詳しく知りたい人向けです。押すと開きます。
| 資産 | 売り文句の型 | 耐用年数・扱い | 注意 |
|---|---|---|---|
| 系統用蓄電池 | 即時償却を売り文句に | 耐用年数の区分を明示した国税庁の文書は確認できず | 売電が主な目的の発電設備等は経営強化税制の対象外。市場価格で収益が動く |
| マイニングマシン | 即時償却・短い年数を売り文句に | パソコン4年・その他の電子計算機5年(区分は機械による) | 暗号資産マイニング業の資産は経営強化税制の対象外と明記 |
| コインランドリー | 即時償却 | 洗濯業用設備13年(器具備品との線引きは確認中) | 管理のおおむね全部を他に委託する型は経営強化税制の対象外と明記 |
| 自動販売機 | 短い年数 | 5年(器具及び備品) | 置き場所・売上の見込み。貸付けとして扱われる形か |
| LED照明 | 少額資産・短い年数 | 照明設備は建物附属設備。器具一式の扱いは確認中 | 貸付け用の少額資産は一括経費化の特例の対象外(令和4年4月〜) |
| トレーラーハウス | 建物でなく車両として年数を短く | 建物か車両かを示した国税庁の文書は確認できず | 扱いは国税庁の文書で確かめられなかった。売り手の説明だけで判断せず税理士に確認 |
| 美術品 | 減価償却できる範囲 | 平成27年1月1日以後の取得で1点100万円未満は、原則として減価償却資産 | 時の経過で価値が減らないことが明らかなものは除く |
| 競走馬 | 短い年数 | 4年(競走用の馬) | 賞金は成績しだい。維持費がかかる |
耐用年数は耐用年数省令の別表、美術品は国税庁 美術品等についての減価償却資産の判定FAQ ↗。「蓄電池電源設備(6年)」は停電時用の設備を指し、系統用蓄電池には当たりません(耐用年数通達2-2-2 ↗)。「確認できず」「確認中」のものは、国税庁の文書で扱いを確かめられなかったもので、当サイトは断定していません。
蓄電池・コインランドリー・マイニングマシンなどは、買った年に全額を経費にできる(即時償却)ことを売り文句に勧められることが多い資産です。 その根拠になるのが「中小企業経営強化税制」です。使えれば効果は大きい一方、要件と対象外のものが細かく決まっています。
中小企業庁 税制措置・金融支援活用の手引き(PDF) ↗ 国税庁 No.5434 ↗ 国税庁 令和8年度 法人税関係法令の改正の概要(PDF) ↗。 認定を受けても、税の要件を満たさなければ適用は受けられません。取得の前に、計画の認定と税の要件の両方を確かめてください。
暗号資産の採掘機を買い、採掘の報酬を得る事業です。短い耐用年数や即時償却を売り文句にした商品がありますが、 中小企業経営強化税制の手引きは「暗号資産マイニング業の用に供する資産」を対象外と明記しています。
暗号資産の価格、電気代、採掘の難しさ(ほかの採掘者との競争)。どれも自分では決められません。
新しい機種が出ると、古い機種は採算が合わなくなります。出口で売れる額は小さくなりがちです。
海外の施設に置く商品もあります。国内で使うことが税制の条件なので、置き場所は特に確かめてください。
国税庁は、マイニングで得た暗号資産の扱いと、採掘にかかった費用を経費にできることを示しています。所得の区分は状況で変わるので、税理士に確認してください。
平成10年4月1日以後に取得した建物は、定率法が使えず定額法だけになりました。出典 ↗
法人が組合を通じて受ける損失のうち、出資額を超える部分は経費になりません(同 第67条の12。現行法では匿名組合も対象)。e-Gov法令 ↗
業務の重要な決定に関わらない個人の組合員は、民法組合などから生じた不動産所得の損失を、給与などと損益通算できなくなりました(租税特別措置法 第41条の4の2)。e-Gov法令 ↗
平成24年4月1日以後に取得した資産の定率法は、定額法の償却率の2倍になりました。出典 ↗
平成28年4月1日以後の取得分から。出典 ↗
簡便法などで短い耐用年数を使った国外中古建物について、不動産所得の損失のうち償却費に当たる部分は「生じなかったもの」とみなされます。出典 ↗
10万円未満・20万円未満の資産と中小企業の少額資産の特例から、貸付けの用に供したもの(主要な事業として行う場合を除く)が外れました。国税庁(PDF) ↗
中小企業の少額資産の特例は、現在は1点40万円未満(令和11年3月31日まで)です。上の除外は、この特例にも及びます。
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