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航空機リースの節税の仕組み|船舶リースとの違いを耐用年数・償却の速さで計算

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01先に結論

航空機と船舶は、どちらも耐用年数省令の別表第一に年数が書かれています。原文の行を数えると、航空機は6行で年数は5・8・10年、船舶は26行で年数は4年から15年までに分かれます。最大離陸重量130トン超の飛行機(主として金属製)は10年、船舶法の適用を受ける鋼船の「その他のもの」で総トン数2,000トン以上は15年で、法定の年数だけで比べると船が1.5倍長い資産です。

中古で買うと差は縮みます。経過6年の大型機は簡便法で5年、経過8年の鋼船は8年になり、200%定率法で償却すると、3年目までに経費になる割合は飛行機78.4%・船57.8%です。同じ金額を出しても、損失が前の年に寄るのは飛行機の方です。

もう一つの違いは期間です。償却が短く終わる資産は、出口も早く来ます。この記事の例では、出口までの年数を飛行機7年・船10年と置き、ドル建てで出資額と同じ額が戻る場合に、損をしない為替の水準を計算すると飛行機187円・船200円でした(出資時150円・税率30%・手数料50万円の計算の例)。期間が長い方が税を先に延ばす価値は大きい一方、為替と中古価格の変動に長くさらされます。

仕組みそのもの(匿名組合で出資し、初めの数年に損失を受け、出口で利益の分配として課税される流れ)はオペレーティングリースの解説にまとめています。この記事は、その中で「飛行機か船か」を選ぶときに数字が変わるところだけを扱います。

02別表第一の行を、原文の階層どおりに読む

耐用年数は、耐用年数省令の別表第一「機械及び装置以外の有形減価償却資産の耐用年数表」にあります。航空機と船舶は、表の中で「種類」「構造又は用途」「細目」の3段に分かれていて、どの段の「その他のもの」なのかを取り違えると、年数を読み違えます。まず航空機です。

種類構造又は用途細目耐用年数
飛行機主として金属製最大離陸重量が130トンを超えるもの10年
飛行機主として金属製最大離陸重量が130トン以下で、5.7トンを超えるもの8年
飛行機主として金属製最大離陸重量が5.7トン以下のもの5年
飛行機その他のもの—5年
その他のものヘリコプター及びグライダー—5年
その他のものその他のもの—5年
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「主として金属製」の飛行機は、最大離陸重量で3段に分かれます。130トンを超える大型機が10年、5.7トン超130トン以下が8年、5.7トン以下が5年です。ヘリコプターは重さに関係なく5年です。

船舶は、まず「船舶法第4条から第19条までの適用を受ける」かどうかで分かれ、次に材質(鋼船・木船・軽合金船・強化プラスチック船など)、用途、総トン数の順に分かれます。

区分用途細目(総トン数など)耐用年数
船舶法の適用を受ける鋼船漁船総トン数500トン以上12年
船舶法の適用を受ける鋼船漁船総トン数500トン未満9年
船舶法の適用を受ける鋼船油そう船総トン数2,000トン以上13年
船舶法の適用を受ける鋼船油そう船総トン数2,000トン未満11年
船舶法の適用を受ける鋼船薬品そう船—10年
船舶法の適用を受ける鋼船その他のもの総トン数2,000トン以上15年
船舶法の適用を受ける鋼船その他のもの(2,000トン未満)しゅんせつ船及び砂利採取船10年
船舶法の適用を受ける鋼船その他のもの(2,000トン未満)カーフェリー11年
船舶法の適用を受ける鋼船その他のもの(2,000トン未満)その他のもの14年
船舶法の適用を受ける木船漁船—6年
船舶法の適用を受ける木船薬品そう船—8年
船舶法の適用を受ける木船その他のもの—10年
船舶法の適用を受ける軽合金船(他の項に掲げるものを除く)—9年
船舶法の適用を受ける強化プラスチック船——7年
船舶法の適用を受ける水中翼船及びホバークラフト——8年
その他のもの(鋼船)しゅんせつ船及び砂利採取船—7年
その他のもの(鋼船)発電船及びとう載漁船—8年
その他のもの(鋼船)ひき船—10年
その他のもの(鋼船)その他のもの—12年
その他のもの(木船)とう載漁船—4年
その他のもの(木船)しゅんせつ船及び砂利採取船—5年
その他のもの(木船)動力漁船及びひき船—6年
その他のもの(木船)薬品そう船—7年
その他のもの(木船)その他のもの—8年
その他のもの(その他)モーターボート及びとう載漁船—4年
その他のもの(その他)その他のもの—5年
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船舶の26行を年数ごとに数えると、4年が2行、5年が2行、6年が2行、7年が3行、8年が4行、9年が2行、10年が4行、11年が2行、12年が2行、13年が1行、14年が1行、15年が1行です。最も多いのは8年(4行)で、15年は鋼船の「その他のもの」2,000トン以上の1行だけです。

鋼船の「その他のもの」は2段になっています。総トン数2,000トン以上なら15年です。2,000トン未満は、さらに「しゅんせつ船及び砂利採取船」10年・「カーフェリー」11年・「その他のもの」14年に分かれます。平たく読むと「2,000トン未満のもの」の横に年数が無いように見えるのはこのためで、2,000トン未満の貨物船は14年です。

油そう船は2,000トン以上で13年、未満で11年と、同じ総トン数の「その他のもの」より短く決められています。商品の説明に書かれた年数が、どの行の年数なのかを、船の種類と総トン数で確かめてください。

03区分の境目をまたぐと、何が変わるか

飛行機は最大離陸重量、船は総トン数で年数が分かれるので、境目のすぐ上と下では、ほぼ同じ資産でも年数が変わります。境目の上と下を、新品・経過5年・経過10年で並べました(中古は簡便法、1年目は200%定率法の償却率)。

区分経過境目の上境目の下1年目の差
飛行機(金属製)新品130t超:10年(1年目20.0%)5.7t超130t以下:8年(1年目25.0%)+5.0ポイント
経過5年130t超:6年(1年目33.3%)5.7t超130t以下:4年(1年目50.0%)+16.7ポイント
経過10年130t超:2年(1年目100.0%)5.7t超130t以下:2年(1年目100.0%)+0.0ポイント
飛行機(金属製)新品5.7t超130t以下:8年(1年目25.0%)5.7t以下:5年(1年目40.0%)+15.0ポイント
経過5年5.7t超130t以下:4年(1年目50.0%)5.7t以下:2年(1年目100.0%)+50.0ポイント
経過10年5.7t超130t以下:2年(1年目100.0%)5.7t以下:2年(1年目100.0%)+0.0ポイント
鋼船 その他のもの新品2,000t以上:15年(1年目13.3%)2,000t未満(その他):14年(1年目14.3%)+1.0ポイント
経過5年2,000t以上:11年(1年目18.2%)2,000t未満(その他):10年(1年目20.0%)+1.8ポイント
経過10年2,000t以上:7年(1年目28.6%)2,000t未満(その他):6年(1年目33.3%)+4.7ポイント
鋼船 油そう船新品2,000t以上:13年(1年目15.4%)2,000t未満:11年(1年目18.2%)+2.8ポイント
経過5年2,000t以上:9年(1年目22.2%)2,000t未満:7年(1年目28.6%)+6.4ポイント
経過10年2,000t以上:5年(1年目40.0%)2,000t未満:3年(1年目66.7%)+26.7ポイント
鋼船 漁船新品500t以上:12年(1年目16.7%)500t未満:9年(1年目22.2%)+5.5ポイント
経過5年500t以上:8年(1年目25.0%)500t未満:5年(1年目40.0%)+15.0ポイント
経過10年500t以上:4年(1年目50.0%)500t未満:2年(1年目100.0%)+50.0ポイント
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15通りのうち、境目の上と下で1年目の償却率が同じになったのは2通りで、いずれも経過年数が法定の年数に近づき、簡便法の下限(2年)にそろった場合です。新品や経過の浅い中古では、境目の下の方が年数が短く、1年目の損失が大きくなります。最大離陸重量や総トン数は機体・船ごとの登録の数字なので、年数の前提を確かめるときは、型式の名前ではなくこの数字を見てください。

04中古で買うと何年になるか(簡便法)

中古の資産は、残りの使える年数を見積もることが難しいときに、簡便法で年数を決められます(耐用年数省令3条1項2号)。法定の年数をすべて過ぎたものは法定の年数の20%、一部を過ぎたものは「法定の年数−経過した年数+経過した年数×20%」で、1年未満は切り捨て、2年に満たないときは2年です(同条1項2号・5項)。

経過した年数飛行機 130t超飛行機 5.7t超〜130t鋼船 その他 2,000t以上鋼船 その他 2,000t未満鋼船 油そう船 2,000t以上鋼船 漁船 500t以上
新品10年(法定)8年(法定)15年(法定)14年(法定)13年(法定)12年(法定)
1年9年7年14年13年12年11年
2年8年6年13年12年11年10年
3年7年5年12年11年10年9年
4年6年4年11年10年9年8年
5年6年4年11年10年9年8年
6年5年3年10年9年8年7年
7年4年2年9年8年7年6年
8年3年2年8年7年6年5年
9年2年2年7年6年5年4年
10年2年2年7年6年5年4年
11年2年2年6年5年4年3年
12年2年2年5年4年3年2年
13年2年2年4年3年2年2年
14年2年2年3年2年2年2年
16年2年2年3年2年2年2年
18年2年2年3年2年2年2年
20年2年2年3年2年2年2年
25年2年2年3年2年2年2年
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下限はどこも2年か3年です。法定の年数を過ぎると、飛行機(10年・8年)は2年・2年、鋼船は15年の区分で3年、14年の区分で2年になります。表の18通りの経過年数のうち、大型機(10年)と大型の鋼船(15年)の中古の年数が同じになるのは0通りでした。同じ「築10年」でも、飛行機は法定の年数を使い切っていて、船はまだ3分の1が残っている、という違いです。

経過年数ごとに、3年目までに経費になる割合(200%定率法・期首取得)を並べると、中古の年数の違いがどれだけ損失の前倒しに効くかが見えます。

経過した年数飛行機 130t超飛行機 5.7t超〜130t鋼船 その他 2,000t以上鋼船 その他 2,000t未満
新品48.8%(10年)57.8%(8年)34.8%(15年)37.1%(14年)
2年57.8%(8年)70.3%(6年)39.5%(13年)42.2%(12年)
4年70.3%(6年)87.5%(4年)45.3%(11年)48.8%(10年)
6年78.4%(5年)100.0%(3年)48.8%(10年)52.9%(9年)
8年100.0%(3年)100.0%(2年)57.8%(8年)63.6%(7年)
10年100.0%(2年)100.0%(2年)63.6%(7年)70.3%(6年)
12年100.0%(2年)100.0%(2年)78.4%(5年)87.5%(4年)
15年100.0%(2年)100.0%(2年)100.0%(3年)100.0%(2年)
20年100.0%(2年)100.0%(2年)100.0%(3年)100.0%(2年)
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3年目までの累計が75%を超えるのは、飛行機 130t超が経過6年から、飛行機 5.7t超〜130tが経過3年から、鋼船 その他 2,000t以上が経過12年から、鋼船 その他 2,000t未満が経過11年からでした。飛行機は経過年数が浅くても前倒しが大きく、船は経過年数がかなり進まないと同じ水準に届きません。「中古」とひとくくりにせず、法定の年数に対して何年経過しているかで見てください。

注意が1つあります。事業に使うために支出した改修などの額(資本的支出)が取得価額の50%を超えると、簡便法は使えません(同条1項ただし書)。貨物機への改造や、船の大規模な改装を伴う中古の取得では、この条件で年数が変わります。

05同じ1億円で、何年目までにいくら経費になるか

法人が船舶・航空機の償却の方法を選ばなかった場合は、定率法で償却します(法人税法施行令53条2号イ)。選べるのは定額法か定率法です(同令48条の2第1項2号)。平成24年4月1日以後に取得したものの定率法は200%定率法です。下の表は、1億円の資産を事業年度の初めから使った場合の、200%定率法での償却の累計です(最後は備忘価額1円を残す)。

年目中古の飛行機(130t超・経過6年→5年)中古の鋼船(その他2,000t以上・経過8年→8年)新品の飛行機(130t超・10年)新品の鋼船(その他2,000t以上・15年)
1年目40.0%25.0%20.0%13.3%
2年目64.0%43.8%36.0%24.8%
3年目78.4%57.8%48.8%34.8%
4年目89.2%68.4%59.0%43.5%
5年目100.0%76.3%67.2%51.0%
6年目100.0%84.2%73.8%57.5%
7年目100.0%92.1%80.3%63.2%
8年目100.0%100.0%86.9%68.1%
9年目100.0%100.0%93.4%72.6%
10年目100.0%100.0%100.0%77.2%
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中古の飛行機は1年目に40.0%、中古の船は25.0%が経費になります。累計が半分を超えるのは、中古の飛行機が2年目、中古の船が3年目、新品の飛行機が4年目、新品の船が5年目です。

定額法を選んだ場合と並べると、差は初めの数年に集中します。

資産年数定率法の償却率定額法の償却率1年目(定率)1年目(定額)3年目までの累計(定率)3年目までの累計(定額)半分を超える年(定率)半分を超える年(定額)
中古の飛行機(130t超・経過6年→5年)5年40.0%20.0%40.0%20.0%78.4%60.0%2年目3年目
中古の鋼船(その他2,000t以上・経過8年→8年)8年25.0%12.5%25.0%12.5%57.8%37.5%3年目4年目
新品の飛行機(130t超・10年)10年20.0%10.0%20.0%10.0%48.8%30.0%4年目5年目
新品の鋼船(その他2,000t以上・15年)15年13.3%6.7%13.3%6.7%34.8%20.1%5年目8年目
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匿名組合で出資する場合、償却をするのは資産を持つ営業者で、出資者はその損益の分配を受けます。どちらの方法で償却するかは営業者の決めることなので、商品の説明で「何年・どの方法で償却する前提か」を確かめてください。前提が定額法なら、上の定率法の数字より損失は後ろにずれます。

06取得した月で、1年目の経費がどれだけ変わるか

事業年度の途中で使い始めた資産は、1年目の償却が月割りになります(法人税法施行令59条)。年末近くに資産を買う形の商品では、この月割りで1年目の損失が小さくなります。中古の飛行機(5年)と中古の船(8年)を1億円で取得した場合です。

使い始めた時期飛行機の1年目割合船の1年目割合飛行機の償却が終わる期船の償却が終わる期
期首から使った(12か月)4,000万円40.0%2,500万円25.0%5期8期
期首から9か月使った3,000万円30.0%1,875万円18.8%5期8期
期首から6か月使った2,000万円20.0%1,250万円12.5%6期8期
期首から3か月使った1,000万円10.0%625万円6.2%6期8期
期首から1か月使った333万円3.3%208万円2.1%6期8期
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期末の1か月前に使い始めると、中古の飛行機の1年目の償却は333万円で、期首から使った場合(4,000万円)の12分の1です。経費にならなかった分は消えるのではなく、翌期以降に回ります。「今期に損失を出したい」という目的なら、取得と事業に使い始める時期が、自社の決算のどこに入るかが効いてきます。あとで出てくる計算期間の話と合わせて確かめてください。

07借入を使う形では、出資額を超える損失は今期の経費にならない

出資だけでなく借入を合わせて資産を買う形の事業では、償却は資産全体に対して行うので、出資額に比べて大きな損失が出ることがあります。

ここで効くのが租税特別措置法67条の12です。法人が「特定組合員」(組合事業の重要な財産の処分や多額の借財の業務執行の決定に関与し、かつ契約の交渉など重要な部分を自ら執行する組合員など、政令で定める者以外の組合員)に当たり、かつ債務を弁済する責任の限度が実質的に組合財産の価額とされている場合その他政令で定める場合には、組合事業による損失のうち出資の価額を基礎として計算した金額を超える部分は、その事業年度の損金に算入しません(同条1項)。匿名組合契約もこの「組合契約」に含まれます(同条3項1号・2号)。超えた分は、後の年度にその組合事業から利益が出たときに、その利益の額に達するまで損金に算入します(同条2項)。また、組合事業の損益が実質的に欠損とならないと見込まれる場合として政令で定める場合には、損失の全額が損金に算入されません(同条1項かっこ書き)。

下の表は、資産100に対して出資の割合を20%・30%・50%、償却前の純収入(利用料から利息などを引いたもの)を資産の0%・4%と置き、配られる損失の累計が出資額の何%になるかを計算した例です(200%定率法・期首取得)。

資産出資の割合純収入(資産比・年)1年目の累計損失/出資2年目3年目出資額を超える年
中古の飛行機(130t超・経過6年→5年)20%0%200%320%392%1年目
20%4%180%280%332%1年目
30%0%133%213%261%1年目
30%4%120%187%221%1年目
50%0%80%128%157%2年目
50%4%72%112%133%2年目
中古の鋼船(その他2,000t以上・経過8年→8年)20%0%125%219%289%1年目
20%4%105%179%229%1年目
30%0%83%146%193%2年目
30%4%70%119%153%2年目
50%0%50%88%116%3年目
50%4%42%72%92%4年目
新品の飛行機(130t超・10年)20%0%100%180%244%2年目
20%4%80%140%184%2年目
30%0%67%120%163%2年目
30%4%53%93%123%3年目
50%0%40%72%98%4年目
50%4%32%56%74%6年以内は超えない
新品の鋼船(その他2,000t以上・15年)20%0%67%124%174%2年目
20%4%47%84%114%3年目
30%0%44%83%116%3年目
30%4%31%56%76%5年目
50%0%27%50%70%5年目
50%4%19%34%46%6年以内は超えない
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営業者が定率法を使うか定額法を使うかで、3年目までに配られる損失と、そのうち出資額(資産100あたり20)までで損金にできる額がどう変わるかも計算しました(純収入4%)。

資産営業者の償却方法3年目までに配られる損失損金にできる額(上限20)繰り越す額
中古の飛行機(130t超・経過6年→5年)定率法66.420.046.4
定額法48.020.028.0
中古の鋼船(その他2,000t以上・経過8年→8年)定率法45.820.025.8
定額法25.520.05.5
新品の飛行機(130t超・10年)定率法36.820.016.8
定額法18.018.00.0
新品の鋼船(その他2,000t以上・15年)定率法22.820.02.8
定額法8.18.10.0
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4つの資産のうち2つは、定率法でも定額法でも3年目までに上限にかかりました。出資の割合が小さい商品では、償却の方法の違いより、上限の方が「今期に損金にできる額」を決めています。

24通りのうち、1年目から出資額を超えるのは6通り、6年以内に超えないのは2通りでした。借入の割合が大きく、年数の短い中古の飛行機ほど、早い年に上限にかかります。上限を超えた分はその年の経費にならず、翌年以降の組合事業の利益と相殺する形で後ろにずれるので、「1年目に出資額の何倍の損失」という説明は、法人の税務上はそのままの額にはなりません。

08上限は年ごとに計算し直される(調整出資等金額)

上限になる「出資の価額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額」は、租税特別措置法施行令39条の31第5項で「調整出資等金額」と呼ばれ、出資した金銭の額に、前の事業年度までにその組合事業から益金・損金にした額の差(利益積立金額のうち組合事業に帰せられる部分)を加え、受け取った分配(利益の分配や出資の払戻し)を差し引いて計算します。つまり、損失を損金にするたびに上限は小さくなり、利益を益金にすると大きくなります。

匿名組合で出資する法人にとって大事なのは、同条3項3号です。組合員が「組合債務を直接に負担するものでない場合」は、法67条の12第1項の「政令で定める場合」に当たります。匿名組合員は営業者の借入を自分で負うわけではないので、重要な業務の執行の決定に関与し自ら執行する組合員(同条2項1号)に当たらない限り、上限の計算の対象になると読めます。なお、契約の終了や脱退などで組合員でなくなった事業年度の損失には、この上限は適用されません(同条8項)。

中古の飛行機(5年)・出資の割合20%・純収入を資産の4%とした場合の、年ごとの動きを単純化して計算しました(資産100あたり。分配はないものとし、上限は「出資額+益金にした額−損金にした額」とみなしています)。

年目償却組合事業の損益損金にできた額上限を超えた額利益と相殺して戻した額繰り越している額年末の上限の残り
1年目40.0-36.020.016.00.016.00.0
2年目24.0-20.00.020.00.036.00.0
3年目14.4-10.40.010.40.046.40.0
4年目10.8-6.80.06.80.053.20.0
5年目9.8-5.80.05.80.059.00.0
6年目0.0+4.00.00.04.055.00.0
7年目0.0+4.00.00.04.051.00.0
8年目0.0+4.00.00.04.047.00.0
9年目0.0+4.00.00.04.043.00.0
10年目0.0+4.00.00.04.039.00.0
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3年目までに配られた損失は資産100あたり66.4で、そのうち損金にできたのは20.0(出資の20)でした。同じ条件の中古の船(8年)では、配られた損失45.8のうち20.0です。繰り越した額が戻り始めるのは、償却が終わって組合事業が利益に変わる6年目からで、10年目の終わりでもなお39.0が繰り越されたままです。上限を超える損失は、出口の年(契約が終わる年は上限が適用されない)か、それまでの利益の年にならないと損金になりません。

出口の年には、資産の売却で利益が出ます。上の条件のまま、出口の年に資産を売った額(資産100あたり)を変えて、繰り越していた額がどれだけ売却の利益と相殺されるかを計算しました(償却は出口の前に終わっていて、売った額がそのまま利益になる単純化)。

資産出口売った額出口の前までに繰り越した額出口の年の利益相殺した額課税される利益なお残る繰越し
中古の飛行機7年目1055.014.014.00.041.0
7年目2055.024.024.00.031.0
7年目3055.034.034.00.021.0
7年目4055.044.044.00.011.0
中古の船10年目1043.014.014.00.029.0
10年目2043.024.024.00.019.0
10年目3043.034.034.00.09.0
10年目4043.044.043.01.00.0
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8通りのうち、出口の年の利益で繰越しを使い切れなかったのは7通りでした。売った額が小さいと、損金にできなかった損失が残ります。契約が終わった後に残った繰越しがどう扱われるかは、この記事では確かめていません。上限にかかる商品では、出口の売却額の見込みが、税の効果そのものを左右します。

この計算は条文の仕組みを見るための単純化で、実際の調整出資等金額は、分配の額や現物出資の有無、事業年度と計算期間のずれで変わります。特定組合員に当たる法人は、確定申告書に組合等損失額や調整出資等金額の計算の明細書を添付します(同条16項・17項)。

09組合の形で、上限の扱いは変わるか

租税特別措置法67条の12の「組合契約」には、民法の組合契約、投資事業有限責任組合契約、外国のこれらに類する契約(外国の有限責任事業組合契約に類する契約を含む)と、匿名組合契約等が含まれます(同条3項1号・2号、同法施行令39条の31第11項・12項)。飛行機か船かで扱いが変わることはなく、変わるのは組合員としての関わり方です。

上限の対象から外れるのは、重要な財産の処分・譲受けや多額の借財の業務執行の決定に関与し、かつ契約の交渉など重要な部分を自ら執行する組合員です(同令39条の31第2項1号)。ほかに、組合事業と同種の事業を主要な事業として営んでいる組合員も外れますが、この除外は匿名組合契約等を締結している組合員には使えません(同項2号かっこ書き)。匿名組合で出資する法人が上限の対象から外れるのは、1号のとおり重要な業務の執行の決定に関与し、交渉などを自ら執行している場合に限られます。

10税が減る年と、税が戻る年を並べる

上限にかからない(出資額と同じ額の損失が配られる)場合に、税が減る年と戻る年を並べます。出資1,000万円、税率30%、出口で1,000万円が戻り、その全額が出口の年に課税される前提です。

年目飛行機:経費飛行機:税の増減飛行機:出口の税船:経費船:税の増減船:出口の税
1年目400万円−120万円—250万円−75万円—
2年目150万円−45万円—107万円−32万円—
3年目150万円−45万円—107万円−32万円—
4年目150万円−45万円—107万円−32万円—
5年目150万円−45万円—107万円−32万円—
6年目0万円——107万円−32万円—
7年目0万円—300万円107万円−32万円—
8年目0万円——107万円−32万円—
9年目0万円——0万円——
10年目0万円——0万円±0万円300万円
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経費の累計が出資の半分を超えるのは、飛行機が2年目、船が4年目です。どちらも、減った税の合計(300万円)と出口の税(300万円)は同じ額で、違うのは税が戻るまでの年数だけです。税率が変わらない限り、繰り延べの効果は「減った税を、戻るまでの間、手元で使える」ことの価値に限られます。

11中古の年数は、見積もるのが先で簡便法はその次

耐用年数省令3条1項は、中古資産の年数として、まず1号で「事業の用に供した時以後の使用可能期間の年数」(見積もった年数)を挙げ、2号の簡便法は「前号の年数を見積もることが困難なもの」に限っています。整備の記録や残りの使用計画から残りの年数が見積もれる資産では、見積もった年数を使うのが条文の順番です。

中古の飛行機(経過6年・簡便法で5年)について、見積もった年数が違った場合の1億円あたりの償却です(200%定率法)。

使う年数1年目の割合3年目までの累計償却が終わる年
5年(簡便法と同じ)40.0%78.4%5年
6年33.3%70.3%6年
7年28.6%63.6%7年
8年25.0%57.8%8年
10年20.0%48.8%10年
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簡便法の年数は、見積もることが難しい場合の「できる」規定です。商品の説明が簡便法の年数を前提にしている場合は、営業者がどちらの方法で年数を決めているかを確かめてください。年数が1年違うだけで、初めの数年の損失の大きさが変わります。

もう1つ、200%定率法は途中で計算が切り替わります。期首の帳簿価額に償却率を掛けた額が、取得価額に保証率を掛けた「償却保証額」を下回った年から、改定取得価額×改定償却率の均等な額になります(法人税法施行令48条の2第1項2号・5項)。5年の資産は4年目から、8年の資産は6年目から、10年の資産は7年目から、15年の資産は9年目から、切り替わりの後は毎年同じ額になります。

12為替:出口の円換算で結果がどれだけ動くか

資産の売買や利用料がドル建ての場合を考えます。法人が外貨建取引を行った場合、その金額は取引を行った時の為替相場で円に換算します(法人税法61条の8第1項)。出口で戻る額が同じドル建ての金額でも、円での額と、そこにかかる税は、そのときの為替で変わります。

ここからは、上限にかからず出資額と同じ額の損失が配られる場合で計算します。下の表は、出資1,000万円(出資時1ドル150円)、手数料50万円、税率は入口・出口とも30%、お金の時間の価値年2%とし、飛行機は1年目40%・残りを4年・出口7年後、船は1年目25%・残りを7年・出口10年後に経費にする前提で、出口でドル建てで出資額と同じ額が戻る場合の結果を、出口の為替ごとに計算しました(当サイトの繰り延べ計算機と同じ式。為替の水準は仮の値です)。

出口の為替(1ドル)戻る額(円)戻る額の税引後飛行機:本当の得(損)船:本当の得(損)飛行機:税を延ばした価値船:税を延ばした価値
80円533万円373万円−434万円−461万円+12万円+12万円
90円600万円420万円−393万円−422万円+15万円+15万円
100円667万円467万円−352万円−384万円+17万円+19万円
110円733万円513万円−312万円−346万円+20万円+23万円
120円800万円560万円−271万円−308万円+22万円+26万円
130円867万円607万円−231万円−269万円+25万円+30万円
140円933万円653万円−190万円−231万円+28万円+33万円
150円1,000万円700万円−149万円−193万円+30万円+37万円
160円1,067万円747万円−109万円−154万円+33万円+41万円
170円1,133万円793万円−68万円−116万円+35万円+44万円
180円1,200万円840万円−27万円−78万円+38万円+48万円
190円1,267万円887万円+13万円−40万円+41万円+51万円
200円1,333万円933万円+54万円−1万円+43万円+55万円
210円1,400万円980万円+94万円+37万円+46万円+58万円
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損も得もしない出口の為替は、飛行機で187円、船で200円でした。出資時と同じ150円なら、手数料とお金を寝かせるコストの分だけマイナスになります。出口の為替が1円動くと、戻る額の税引後は約4.7万円動きます(1,000万円÷150×(1−30%))。

ドル建てで戻る額そのものが減る場合(中古価格の下落)と、為替を組み合わせると次のとおりです。

ドル建てで戻る額飛行機・120円飛行機・150円飛行機・170円船・120円船・150円船・170円
出資額の100%(ドル建て)−271万円−149万円−68万円−308万円−193万円−116万円
出資額の90%(ドル建て)−320万円−210万円−137万円−354万円−250万円−181万円
出資額の80%(ドル建て)−369万円−271万円−206万円−399万円−308万円−246万円
出資額の70%(ドル建て)−417万円−332万円−275万円−445万円−365万円−311万円
出資額の60%(ドル建て)−466万円−393万円−344万円−491万円−422万円−376万円
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逆に、損をしないためにはドル建てで出資額の何%が戻ればよいかを、出口の為替と出口の年ごとに計算しました(出口を3年遅らせた場合も並べています)。

出口の為替飛行機・7年後飛行機・10年後船・10年後船・13年後
110円170%180%182%193%
130円144%152%154%164%
150円124%132%134%142%
170円110%117%118%125%
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出資時と同じ150円で出口を迎える場合、飛行機(7年後)はドル建てで出資額の124%、船(10年後)は134%が戻らないと、手数料とお金を寝かせるコストを取り戻せません。期間が長いほど、必要な戻りの割合は大きくなります。中古の資産を長く貸した後で、買った値段以上で売れることを前提にした計算になっていないか、という見方ができます。

出口の年を遅らせると、損をしない為替の水準も動きます(ドル建てで出資額と同じ額が戻る場合)。

出口の遅れ飛行機の出口飛行機:損をしない為替船の出口船:損をしない為替
基準7年後187円10年後200円
+1年8年後190円11年後204円
+2年9年後194円12年後208円
+3年10年後198円13年後213円
+4年11年後202円14年後217円
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船の例では、出口が1年遅れるごとに、損をしない為替の水準が平均で約4.1円ずつ上がりました。期間が延びるほど、円安で戻ることを前提にした計算になっていきます。

ドル建ての価格が2割下がっても、円安で出口を迎えれば埋まる場合があり、逆も起こります。為替は、税の繰り延べとは関係なく元本に効く要素なので、「税の効果で元が取れる」という説明とは切り分けて見てください。為替を固定する契約(先物外国為替契約等)を営業者が結んでいるかどうかも、確かめる項目です。

13期間:出口が遅いほど得になるわけではない

同じ出資1,000万円・戻る額1,000万円(円)で、出口の年だけを動かした計算です。出口の年の税率が入口と同じ30%の場合と、20%に下がる場合を並べました。

出口飛行機(出口30%)飛行機(出口20%)船(出口30%)船(出口20%)
5年後−125万円−34万円——
6年後−137万円−48万円——
7年後−149万円−62万円——
8年後−161万円−76万円−170万円−84万円
9年後−173万円−89万円−181万円−98万円
10年後−184万円−102万円−193万円−111万円
11年後−196万円−115万円−204万円−124万円
12年後−207万円−128万円−215万円−136万円
13年後−218万円−140万円−226万円−149万円
14年後−228万円−152万円−236万円−161万円
15年後−239万円−164万円−247万円−173万円
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出口の税率が入口と同じなら、出口を遅らせるほど「税を先に延ばした価値」は増えますが、戻るまでお金を寝かせるコストも増え、手数料を取り戻せないまま差は小さく動くだけです。先ほどの前提(飛行機7年・船10年)では、税を先に延ばした価値が飛行機+30万円・船+37万円、戻るまで寝かせるコストが飛行機−129万円・船−180万円でした。

出口の為替が150円のままの場合(飛行機7年・船10年)の内訳です。当サイトの繰り延べ計算機と同じ分け方です。

内訳飛行機船船−飛行機
① 税率の差の効果±0万円±0万円±0万円
② 税を先に延ばした価値+30万円+37万円+7万円
③ 元本の増減(税引後)と手数料−50万円−50万円±0万円
④ 戻るまでお金を寝かせるコスト−129万円−180万円−50万円
合計(本当の得・損)−149万円−193万円−43万円
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入口と出口の税率が同じなので①はゼロ、③は手数料の分だけです。②の「延ばした価値」は船の方が大きい一方、④の「寝かせるコスト」は期間に比例してそれ以上に大きくなり、合計では船の方が小さくなりました。寝かせるコストは、同じお金を別に使った場合に得られた利回り(ここでは年2%)で決まるので、その利回りを低く見る人ほど、期間の長い船の不利は小さくなります。

では、出口の年の税率がいくらまで下がれば損をしないのか。入口の税率30%のまま、出口の年の税率だけを動かして、損得がゼロになる税率を求めました(戻る額はドル建てで出資額と同じ)。

出口の為替飛行機・7年後飛行機・10年後船・10年後船・13年後
130円0%でも届かない0%でも届かない0%でも届かない0%でも届かない
150円12.9%以下7.5%以下6.5%以下0.8%以下
170円23.1%以下18.4%以下17.5%以下12.5%以下
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150円で出口を迎える場合、損をしないのは出口の年の税率が飛行機で12.9%以下、船で6.5%以下のときでした。期間が長い船の方が、お金を寝かせるコストが大きい分、出口の年の税率をより低くしないと届きません。ここでの「税率」は、戻る額にかかる税を戻る額で割った平均の率で、出口の年に他の損失がどれだけあるかで決まります。

結果を大きく変えるのは期間より出口の年の税率です。出口の年に赤字が見込める、役員の退職金を払う年に合わせる、といった「出口の年の利益を小さくできる事情」があるかどうかで、同じ商品の評価が変わります。船は期間が長い分、その年の自社の利益を読むのが難しくなります。

14損失が決算に入る時期は、営業者の計算期間で決まる

法人が匿名組合員である場合、匿名組合の営業について生じた損益は、現実に分配を受けていなくても、契約により負担すべき部分の金額をその計算期間の末日の属する事業年度の損金(益金)に算入します(法人税基本通達14-1-3)。自社の決算の直前に出資しても、営業者の計算期間の末日が決算の後なら、その損失は翌期に入ります。

出資した月営業者の計算期間の末日末日まで損失が入る決算(3月決算の法人)
4月に出資12月末8か月後出資から11か月後の3月決算
4月に出資3月末11か月後出資から11か月後の3月決算
4月に出資6月末2か月後出資から11か月後の3月決算
4月に出資9月末5か月後出資から11か月後の3月決算
7月に出資12月末5か月後出資から8か月後の3月決算
7月に出資3月末8か月後出資から8か月後の3月決算
7月に出資6月末11か月後出資から20か月後の3月決算
7月に出資9月末2か月後出資から8か月後の3月決算
10月に出資12月末2か月後出資から5か月後の3月決算
10月に出資3月末5か月後出資から5か月後の3月決算
10月に出資6月末8か月後出資から17か月後の3月決算
10月に出資9月末11か月後出資から17か月後の3月決算
1月に出資12月末11か月後出資から14か月後の3月決算
1月に出資3月末2か月後出資から2か月後の3月決算
1月に出資6月末5か月後出資から14か月後の3月決算
1月に出資9月末8か月後出資から14か月後の3月決算
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3月決算の法人で並べると、損失が入る決算は出資から2か月後から20か月後までばらつきました。1月に出資して計算期間の末日が3月なら同じ期に入りますが、末日が12月なら、損失が入るのは12月末を含む期、つまり出資から14か月後の決算です。「今期の利益に当てたい」目的なら、計算期間の末日を契約書で確かめてください。

15個人が出資する場合

個人が匿名組合契約で出資して受ける利益の分配は、原則として雑所得です(所得税基本通達36・37共-21)。雑所得の損失は給与などと損益通算できないので、航空機でも船舶でも、個人にとって「損失を他の所得と相殺する」使い方はできません。この点は資産の種類で変わりません。

国税不服審判所の公表裁決にも、飛行機と船の両方の例があります。航空機リース事業の匿名組合の地位を譲り受けた個人が損失を不動産所得として申告した事例では、損失の分担は計算上のもので不動産所得に当たらず雑所得だとされました(平成20年8月21日裁決、裁決事例集No.76)。船舶の賃貸事業を営む民法上の任意組合に出資した会社員の事例では、借入分は実質的に請求人の投資ではなく、出資額の範囲でしかリスクを負わない構造だとして、各年の収入・必要経費は発生していないとされました(平成16年3月30日裁決、同No.67)。詳しくは税務調査の裁決例にまとめています。

16飛行機か船かを比べるときに確かめること

項目確かめる中身この記事で扱った節
別表第一のどの行か飛行機は最大離陸重量、船は船舶法の適用・材質・用途・総トン数別表第一の行を読む節
中古の経過年数と改修の額簡便法の年数。改修が取得価額の50%超なら簡便法は使えない中古の年数の節
償却の方法営業者が定額法か定率法か。前提で損失の年がずれる1億円の償却の節
取得と使い始めの月1年目は月割り取得した月の節
借入の割合と責任の範囲出資額を超える損失は今期の損金にならない(措法67条の12)出資額を超える損失の節
通貨と為替の手当てドル建てか、為替を固定しているか為替の節
出口の年と自社の利益出口の年の税率が結果を最も動かす期間の節
営業者の計算期間の末日損失が入る決算が決まる(法基通14-1-3)損失が決算に入る時期の節
確定申告書の明細書特定組合員に当たる法人は、組合等損失額などの明細書を添付措令39条の31第17項
出口の売却額の見込み繰り越した損失を使い切れるか出口の年の節

リースの相手(航空会社・海運会社)の信用や、中古市場の価格は、この記事の計算に入れていません。数字は計算の例で、実際の商品の条件ではありません。自社の数字で試すときは繰り延べ計算機に入れてください。

17よくある質問

飛行機と船、どちらが節税になりますか。

「今年の損失」だけなら、年数の短い飛行機の方が前の年に寄ります(この記事の例で3年目までに78.4%と57.8%)。ただし出口で戻る額に課税されるので、得かどうかは出口の年の税率・為替・手数料で決まります。

中古の船の耐用年数は何年になりますか。

簡便法なら「法定の年数−経過年数+経過年数×20%」(1年未満切り捨て、最低2年)です。鋼船のその他2,000トン以上(15年)で経過8年なら8年です。改修の額が取得価額の50%を超えると簡便法は使えません。

出資額より大きい損失が配られたら、全部経費にできますか。

法人が特定組合員に当たり、責任の限度が実質的に組合財産の価額とされている場合などは、出資の価額を基礎とした金額を超える部分はその年度の損金になりません(措法67条の12第1項)。超えた分は後の年度の組合事業の利益の範囲で損金になります(同条2項)。

為替で損をすることはありますか。

あります。この記事の例では、ドル建てで出資額と同じ額が戻っても、出口の為替が飛行機で187円、船で200円を下回ると、手数料と時間の価値を含めてマイナスでした(計算の例)。

船の方が期間が長い分、有利ですか。

税を先に延ばす期間は長くなりますが、お金を寝かせるコストも増えます。この記事の例では、出口の為替150円で損をしない出口の年の税率は、飛行機12.9%以下・船6.5%以下で、船の方が条件が厳しくなりました。

中古の年数は、必ず簡便法で計算するのですか。

いいえ。耐用年数省令3条1項は、まず使用可能期間を見積もった年数(1号)を挙げ、簡便法(2号)は見積もることが困難な場合に限っています。

ヘリコプターの耐用年数は何年ですか。

耐用年数省令の別表第一で、航空機の「その他のもの」のうち「ヘリコプター及びグライダー」は5年です。重さでは分かれません。

タンカーと貨物船で年数は違いますか。

違います。船舶法の適用を受ける鋼船のうち、油そう船は2,000トン以上13年・未満11年、その他のもの(貨物船など)は2,000トン以上15年・未満のその他14年です。

契約が終わる年に、繰り越していた損失はどうなりますか。

組合員でなくなった事業年度の損失には、出資額を基礎とする上限は適用されません(措令39条の31第8項)。上限を超えて繰り越していた額は、組合事業の利益の範囲で損金に算入されます(措法67条の12第2項)。

中古の飛行機と新品の飛行機では、どちらが損失が大きいですか。

年数が短い中古の方が前の年に寄ります。この記事の例(200%定率法)で1年目に経費になる割合は、中古(5年)が40.0%、新品(10年)が20.0%でした。

船の償却の年数は、商品の説明どおりと考えてよいですか。

船舶法の適用の有無、材質、用途、総トン数で別表第一の行が決まります。説明の年数がどの行のものか、船の登録の数字で確かめてください。

決算の直前に出資すれば、今期の経費になりますか。

なるとは限りません。匿名組合の損益は、営業者の計算期間の末日が属する事業年度に入ります(法人税基本通達14-1-3)。末日が決算の後なら翌期です。

18この記事の数字は、どこから取ったか

法令は e-Gov 法令検索の現行の条文で、国税庁の資料は公表されているページで、2026年9月30日に確かめました。税制は毎年改正されます。

為替の水準・出資の割合・純収入・手数料・税率は、仕組みの違いを見るための仮の値で、市場の実勢や特定の商品の条件ではありません。

表の数字は、この記事の中で条文の式どおりに計算した「計算の例」で、実際の商品の条件ではありません(繰り延べ計算機の式を使った表は、/depreciation/ の計算機と同じ式です)。この記事は特定の商品の勧誘ではなく、個別の税務判断は税理士に確認してください。

自分の数字で確かめる:節税商品の本当の得

慣れてきたら

    「計算の例」は実際の商品の条件ではありません。出口(売却・契約終了)で戻る額は、帳簿の価値がほぼ0になっているので、そのまま利益として課税されるとしています。 法人は実効税率30%の例です。手数料・出口の額・出口の税率を変えた詳しい計算は減価償却の繰り延べ計算で。

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