電力の系統につないだ蓄電池で、電気の市場で充放電して収益を得る事業です。接続の申込みは数年で急増し、設備を買って即時償却する節税商品としても、クラウドファンディングの案件としても売られています。収益は固定価格ではなく市場で決まり、即時償却の特例が使えるかにも条件があります。国の資料とサイトの案件データで整理しました。
2025年度(2022年度は約600件)
2025年度(2022年度は約40件)
当サイトが集めた実案件
中央値・運用10か月
系統用蓄電池は、電気が安い時間に充電して高い時間に放電したり、電力の需給を調整する力を提供したりして収益を得ます。主な収益源は卸電力市場・需給調整市場・容量市場で、長期脱炭素電源オークションも使われます。太陽光のような固定価格の買取ではないので、収益は市場の価格と制度の設計で変わります。
国の審議会の資料は、導入コストに対して収益が見合わない状況があることを指摘しています(2024年時点)。
節税商品として勧められるときの根拠は、多くが中小企業経営強化税制の即時償却です。手引きでは、売電の割合が2分の1を超える発電設備は対象外で、「発電設備等」には併設の蓄電装置も含まれ、全量を売る場合は電気業として扱われると書かれています。
単体の系統用蓄電池が対象になるかを直接書いた国の文書は、当サイトでは確認できていません。経営力向上計画の認定と税の要件の両方を、取得の前に税理士と確かめてください。耐用年数の区分も、国税庁の文書では確認できていません。
中小企業庁 手引き(PDF) ↗ 国税庁 No.5434 ↗ 「蓄電池電源設備(6年)」は停電時用の設備で、系統用蓄電池には当たりません(耐用年数通達2-2-2 ↗)。
クラウドファンディングの案件は系統用蓄電池の案件一覧で全件見られます(TORCHESが18件)。
蓄電池の例を入れた計算機です。即時償却で初年度に全額を経費にしても、設備を売る・事業を終えるときに戻る額は課税されます。毎年の事業の利益は⑤に入ります。例の300万円は仮の数字なので、売り手の収益の試算を入れ、出口で戻る額とあわせて確かめてください。
計算の例は実際の商品の条件ではなく、税率も例です。
卸電力や需給調整の価格が下がると、収益が減ります。蓄電池が増えるほど、価格差は小さくなりやすくなります。
充放電を繰り返すと容量が落ち、稼げる量が減ります。交換の費用も見込む必要があります。
接続の申込みが急増しており、つなげる時期や条件が変わることがあります。市場の制度も見直しが続いています。
即時償却が使えなかった場合、通常の年数で経費にすることになり、売り文句の節税額は出ません。
即時償却の特例の要件、ほかの資産との比較、改正の年表は減価償却の節税商品にまとめています。