投資総研
系統用蓄電池

系統用蓄電池は、
即時償却で売られることが多い

電力の系統につないだ蓄電池で、電気の市場で充放電して収益を得る事業です。接続の申込みは数年で急増し、設備を買って即時償却する節税商品としても、クラウドファンディングの案件としても売られています。収益は固定価格ではなく市場で決まり、即時償却の特例が使えるかにも条件があります。国の資料とサイトの案件データで整理しました。

接続検討の申込み
約2.5万件

2025年度(2022年度は約600件)

契約申込み
約3,900件

2025年度(2022年度は約40件)

クラファンの案件
59件

当サイトが集めた実案件

クラファンの想定利回り
18%

中央値・運用10か月

収益

何で稼ぐのか

系統用蓄電池は、電気が安い時間に充電して高い時間に放電したり、電力の需給を調整する力を提供したりして収益を得ます。主な収益源は卸電力市場・需給調整市場・容量市場で、長期脱炭素電源オークションも使われます。太陽光のような固定価格の買取ではないので、収益は市場の価格と制度の設計で変わります。

国の審議会の資料は、導入コストに対して収益が見合わない状況があることを指摘しています(2024年時点)。

資源エネルギー庁 資料(2026年8月・PDF) ↗ 蓄電システムに関する資料(2024年・PDF) ↗

税金

即時償却は使えるのか

節税商品として勧められるときの根拠は、多くが中小企業経営強化税制の即時償却です。手引きでは、売電の割合が2分の1を超える発電設備は対象外で、「発電設備等」には併設の蓄電装置も含まれ、全量を売る場合は電気業として扱われると書かれています。

単体の系統用蓄電池が対象になるかを直接書いた国の文書は、当サイトでは確認できていません。経営力向上計画の認定と税の要件の両方を、取得の前に税理士と確かめてください。耐用年数の区分も、国税庁の文書では確認できていません。

中小企業庁 手引き(PDF) ↗ 国税庁 No.5434 ↗ 「蓄電池電源設備(6年)」は停電時用の設備で、系統用蓄電池には当たりません(耐用年数通達2-2-2 ↗)。

比べる

クラファンで出資するか、設備として買うか

クラウドファンディング
設備を買う(節税商品)
お金の使われ方
開発段階の用地・工事の資金が多い(運用期間の中央値10か月)
完成した設備を持ち、長く運用する
利回りの表示
想定利回りの中央値18%(59件)
市場の収益しだい。売り手の試算
税の効果
なし(分配は課税される)
即時償却が使えれば初年度に大きな経費。出口で取り戻される
必要な金額
1万円から
設備1基分
主なリスク
開発の遅れ・事業者の倒産
市場価格・劣化・制度の変更・税の要件

クラウドファンディングの案件は系統用蓄電池の案件一覧で全件見られます(TORCHESが18件)。

計算機

出口まで計算する

蓄電池の例を入れた計算機です。即時償却で初年度に全額を経費にしても、設備を売る・事業を終えるときに戻る額は課税されます。毎年の事業の利益は⑤に入ります。例の300万円は仮の数字なので、売り手の収益の試算を入れ、出口で戻る額とあわせて確かめてください。

売り文句になりやすい数字:今年減る税—
出口の税まで引いた、本当の得(損)—
  • 経費にした額による、税の減少(合計)—
  • 出口で戻る額にかかる税—
  • ① 税率の差の効果—
  • ② 税を先に延ばした価値—
  • ③ 元本の増減(税引後)と手数料—
  • ④ 戻るまでお金を寝かせるコスト—
  • ⑤ 毎年の事業の利益(税引後・割引後)—
  • ①〜⑤の合計=本当の得(損)—

計算の例は実際の商品の条件ではなく、税率も例です。

リスク

リスク

  1. 市場価格

    卸電力や需給調整の価格が下がると、収益が減ります。蓄電池が増えるほど、価格差は小さくなりやすくなります。

  2. 劣化

    充放電を繰り返すと容量が落ち、稼げる量が減ります。交換の費用も見込む必要があります。

  3. 系統への接続と制度

    接続の申込みが急増しており、つなげる時期や条件が変わることがあります。市場の制度も見直しが続いています。

  4. 税の要件

    即時償却が使えなかった場合、通常の年数で経費にすることになり、売り文句の節税額は出ません。

もっと詳しく

ほかの型と比べる

即時償却の特例の要件、ほかの資産との比較、改正の年表は減価償却の節税商品にまとめています。

関連するページ

関連するページ

蓄電池のクラウドファンディング案件を見る。

想定利回り・運用期間・事業者で並べています。

系統用蓄電池の案件へ →