法定耐用年数(22年)を過ぎた木造の住宅は、中古で買うと耐用年数が最短4年になります。建物部分を4年で経費にすると不動産所得が赤字になり、給与などと相殺できる——これが個人の節税として勧められる理由です。ただし経費にした分は、売却のときに売却益として取り戻されます。
耐用年数省令 別表第一
22年×20%=4.4年→4年
建物部分・定額法
2021年分から損益通算に使えない
中古の資産は、法定耐用年数をすべて経過していると法定耐用年数×20%を耐用年数にでき(簡便法)、1年未満の端数は切り捨てます。木造・合成樹脂造の住宅用建物は法定22年なので、22×20%=4.4年で4年です。建物は定額法だけなので、毎年ほぼ25%ずつ経費になります。
国税庁 No.5404 ↗ 耐用年数省令 ↗ 国税庁 No.2100 ↗。経費にできるのは建物部分だけで、土地は減価償却の対象になりません。
アパートの貸付けは不動産所得になり、不動産所得の赤字は給与所得などと損益通算できます。建物を4年で経費にすると、家賃収入より経費が大きくなって赤字が出やすく、その分だけ給与にかかる税が戻ります。
同じ仕組みを海外の中古建物で行うことは、2021年分から塞がれています。簡便法などで短い耐用年数を使った国外中古建物の償却費に当たる損失は「生じなかったもの」とみなされ、損益通算に使えません。
売却の利益は「売った額−取得費」で計算し、取得費は買った額から経費にした償却の累計を引いた額です。4年で建物をほぼ経費にしていれば、売却のときにその分がまるごと売却益に加わります。給与と相殺したときの税率(累進)と、売却益にかかる税率(分離課税で所有期間により異なる)の差が、この型で得が出るかどうかを決めます。
計算の例は実際の物件の条件ではなく、税率も例です。自分の課税所得に応じた税率を入れてください。
築年数が古いほど、屋根・外壁・設備の修繕が大きくなります。修繕の費用は家賃の収入を削ります。
古い木造は、入居者が決まりにくく、家賃も下がりやすくなります。
出口で想定どおりに売れないと、税の効果より元本の目減りが大きくなります。
給与の税率と売却時の税率に差がなければ、残るのは税の先送りの価値だけです。
オペレーティングリース・貸付事業・中古車との比較と改正の年表は、減価償却の節税商品にまとめています。1室だけを買う区分マンション投資は区分マンション投資で扱っています。