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中古資産の耐用年数の計算(簡便法)|経過月数からの式と、建物・設備・備品の早見表

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この記事に出てくる言葉REIT損益通算

01先に結論

中古資産の耐用年数の簡便法は、月数に直すと「法定の月数−経過月数×0.8」(法定耐用年数を全部過ぎていれば法定の月数×0.2)を12で割り、1年未満を切り捨てる計算です。2年に満たなければ2年です(耐用年数省令3条1項2号・5項)。

経過は月数で数えます。国税庁の設例は「264か月−79か月+79か月×20%=200.8か月→16年」と計算し、端数の切捨ては最後に行うと注記しています。経過を先に年単位へ切り捨ててから計算すると、法定2〜50年・経過1か月〜法定年数の15,288通りのうち6,832通り(45%)で結果が1年以上ずれ、そのすべてで年数が長く出ました(6,832通り)。

この記事では、耐用年数省令 別表第一の建物26行・建物附属設備16行・器具備品35行について、経過年数ごとの簡便法の年数を並べ、建物の年間の償却額がどう変わるか、改修費をかけた場合にどこで簡便法が使えなくなるかまで計算しました。

02条文の形:見積法が先、簡便法はその代わり

耐用年数省令3条1項は、中古資産の耐用年数として2つの年数を並べています。

2号を使えるのは、別表第一(建物・車両・器具備品など)、別表第二(機械及び装置)、別表第五・第六の資産で、見積もりが困難なものに限られます。「見積もりが困難」とは、見積もりに必要な資料がなく技術者が特別の調査をしなければならない場合や、見積もりに多額の費用がかかる場合をいいます(耐用年数通達1-5-4)。

どちらも「よることができる」規定で、法定耐用年数をそのまま使ってもかまいません。ただし、その資産を事業に使った事業年度に算定しなかったときは、後の事業年度で算定することはできません(耐用年数通達1-5-1、タックスアンサー No.5404)。3条は「個人において使用され、又は法人において事業の用に供された」資産を対象にしていて、個人事業主にも法人にも同じ式が使われます。

03経過は月数で数え、切り捨ては最後

年数は暦に従って計算し、1年に満たない端数は切り捨てます(耐用年数省令3条5項)。国税庁の No.2108 の質疑では、新築から取得までを「6年7か月→79か月」と月数にし、「(264か月−79か月)+79か月×20/100=200.8か月→16.7年→16年」と計算して、「1年未満の端数の切捨ては、最後に行います」と注記しています。

経過を先に年単位へ切り捨ててしまうと、結果がずれます。いくつかの組み合わせで比べました。

法定耐用年数経過月数での計算月数で計算(正)経過を年に切り捨ててから計算結果
22年6年7か月200.8か月16年17年違う
22年2年6か月240.0か月20年20年同じ
47年10年5か月464.0か月38年39年違う
47年20年10か月364.0か月30年31年違う
34年8年4か月328.0か月27年27年同じ
19年5年10か月172.0か月14年15年違う
6年3年4か月40.0か月3年3年同じ
15年4年2か月140.0か月11年11年同じ
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法定2〜50年のそれぞれについて、経過1か月から法定の月数までを1か月刻みで全部試すと、15,288通りのうち6,832通りで結果が違いました。違いが出るのは、経過の端数の月の0.8倍が、年数の端数を1年の境目の下へ押し下げる場合です。経過が年単位ちょうどの場合は、どちらの計算も同じになります。

法定耐用年数の帯ごとに数えると、次のとおりです。

法定耐用年数試した組み合わせ結果が違った割合
2〜10年648通り264通り41%
11〜20年1,860通り862通り46%
21〜30年3,060通り1,382通り45%
31〜40年4,260通り1,902通り45%
41〜50年5,460通り2,422通り44%
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04法定耐用年数ごとの早見

別表第一の建物に出てくる法定耐用年数について、経過年数(年単位ちょうど)ごとの簡便法の年数です。「—」は経過年数が法定耐用年数以上で、右端の「全部経過」の列を見る場合です。

法定耐用年数経過5年経過10年経過15年経過20年経過25年経過30年経過40年全部経過
50年46年42年38年34年30年26年18年10年
47年43年39年35年31年27年23年15年9年
41年37年33年29年25年21年17年9年8年
39年35年31年27年23年19年15年—7年
38年34年30年26年22年18年14年—7年
36年32年28年24年20年16年12年—7年
34年30年26年22年18年14年10年—6年
31年27年23年19年15年11年7年—6年
30年26年22年18年14年10年——6年
29年25年21年17年13年9年——5年
27年23年19年15年11年7年——5年
24年20年16年12年8年———4年
22年18年14年10年6年———4年
20年16年12年8年————4年
19年15年11年7年————3年
17年13年9年5年————3年
15年11年7年—————3年
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全部経過した資産は法定耐用年数×20%で、法定14年以下の資産は、全部経過すると2年の下限に当たります。経過が法定耐用年数に近づくほど、1年経過するごとに簡便法の年数は0.8年ずつ短くなり、全部経過したところで法定耐用年数の20%で止まります。

05建物:構造と用途ごとに

建物の法定耐用年数は、構造と用途の組み合わせで決まります(別表第一)。26の組み合わせについて、築5年から30年まで5年刻みと、全部経過の場合を並べました。築年数が法定耐用年数以上の欄は、全部経過の年数です。

構造用途法定耐用年数築5年築10年築15年築20年築25年築30年全部経過
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造事務所用50年46年42年38年34年30年26年10年
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造住宅用47年43年39年35年31年27年23年9年
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造店舗用39年35年31年27年23年19年15年7年
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造病院用39年35年31年27年23年19年15年7年
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造公衆浴場用31年27年23年19年15年11年7年6年
れんが造・石造・ブロック造事務所用41年37年33年29年25年21年17年8年
れんが造・石造・ブロック造店舗用・住宅用38年34年30年26年22年18年14年7年
れんが造・石造・ブロック造旅館用・ホテル用・病院用36年32年28年24年20年16年12年7年
金属造(骨格材の肉厚4mm超)事務所用38年34年30年26年22年18年14年7年
金属造(骨格材の肉厚4mm超)店舗用・住宅用34年30年26年22年18年14年10年6年
金属造(骨格材の肉厚4mm超)飲食店用31年27年23年19年15年11年7年6年
金属造(骨格材の肉厚4mm超)旅館用・ホテル用・病院用29年25年21年17年13年9年5年5年
金属造(3mm超4mm以下)事務所用30年26年22年18年14年10年6年6年
金属造(3mm超4mm以下)店舗用・住宅用27年23年19年15年11年7年5年5年
金属造(3mm超4mm以下)旅館用・ホテル用・病院用24年20年16年12年8年4年4年4年
金属造(3mm以下)事務所用22年18年14年10年6年4年4年4年
金属造(3mm以下)店舗用・住宅用19年15年11年7年3年3年3年3年
金属造(3mm以下)旅館用・ホテル用・病院用17年13年9年5年3年3年3年3年
木造・合成樹脂造事務所用24年20年16年12年8年4年4年4年
木造・合成樹脂造店舗用・住宅用22年18年14年10年6年4年4年4年
木造・合成樹脂造飲食店用20年16年12年8年4年4年4年4年
木造・合成樹脂造旅館用・ホテル用・病院用17年13年9年5年3年3年3年3年
木骨モルタル造事務所用22年18年14年10年6年4年4年4年
木骨モルタル造店舗用・住宅用20年16年12年8年4年4年4年4年
木骨モルタル造飲食店用19年15年11年7年3年3年3年3年
木骨モルタル造旅館用・ホテル用・病院用15年11年7年3年3年3年3年3年
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築30年の時点で法定耐用年数を全部過ぎている組み合わせは26のうち15でした。鉄筋コンクリート造の住宅(47年)は築30年でも23年、木造の住宅(22年)は築22年を過ぎると4年です。同じ築20年でも、鉄筋コンクリート造の住宅は31年、骨格材4mm超の金属造の住宅は18年、木造の住宅は6年、骨格材3mm以下の金属造の住宅は3年で、構造によって簡便法の年数は大きく違います。

用途は、その建物を実際に何に使っているかで判断します。住宅として建てられた建物を事務所として使う場合などは、別表の区分を当てはめ直す必要があります。この記事では、用途の判定の細かな基準は扱っていません。

06建物の年間の償却額はどう変わるか

平成10年4月1日以後に取得した建物は、定額法しか使えません(タックスアンサー No.2100、法人税法施行令48条の2第1項1号)。定額法の償却費は「取得価額×耐用年数に応じた償却率(別表第八)」なので、耐用年数が短くなるほど毎年の額が大きくなります。建物部分の取得価額を3,000万円として、構造ごとに新築と築10・20・30年を比べました。

建物築年数簡便法の年数定額法の償却率1年分の償却費1円になるまで
木造・合成樹脂造・店舗用・住宅用(22年)新築22年0.046138.0万円22年
木造・合成樹脂造・店舗用・住宅用(22年)築10年14年0.072216.0万円14年
木造・合成樹脂造・店舗用・住宅用(22年)築20年6年0.167501.0万円6年
木造・合成樹脂造・店舗用・住宅用(22年)築30年4年0.250750.0万円4年
金属造(3mm以下)・店舗用・住宅用(19年)新築19年0.053159.0万円19年
金属造(3mm以下)・店舗用・住宅用(19年)築10年11年0.091273.0万円11年
金属造(3mm以下)・店舗用・住宅用(19年)築20年3年0.3341,002.0万円3年
金属造(3mm以下)・店舗用・住宅用(19年)築30年3年0.3341,002.0万円3年
金属造(骨格材の肉厚4mm超)・店舗用・住宅用(34年)新築34年0.03090.0万円34年
金属造(骨格材の肉厚4mm超)・店舗用・住宅用(34年)築10年26年0.039117.0万円26年
金属造(骨格材の肉厚4mm超)・店舗用・住宅用(34年)築20年18年0.056168.0万円18年
金属造(骨格材の肉厚4mm超)・店舗用・住宅用(34年)築30年10年0.100300.0万円10年
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)新築47年0.02266.0万円46年
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)築10年39年0.02678.0万円39年
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)築20年31年0.03399.0万円31年
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)築30年23年0.044132.0万円23年
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毎年の償却費は、築年数が進むほど大きくなり、その代わり早く終わります。3,000万円を何年かけて費用にするかが変わるだけで、合計は同じです。中古の建物を買うときの価格の配分(土地と建物)は、この表の前提になる数字ですが、配分の決め方はこの記事では扱っていません。

07建物附属設備も、別に簡便法で計算できる

電気設備・給排水設備・冷暖房設備・昇降機設備などの建物附属設備は、別表第一で建物とは別の耐用年数が定められています。附属設備も別表第一の資産なので、簡便法の対象です。平成28年4月1日以後に取得した建物附属設備は、定額法だけです(タックスアンサー No.2100、法人税法施行令48条の2第1項1号ロ)。

設備細目法定耐用年数経過3年経過5年経過10年全部経過
電気設備(照明設備を含む)蓄電池電源設備6年3年2年2年2年
電気設備(照明設備を含む)その他のもの15年12年11年7年3年
給排水・衛生設備、ガス設備—15年12年11年7年3年
冷房・暖房・通風・ボイラー設備冷暖房設備(冷凍機の出力22kW以下)13年10年9年5年2年
冷房・暖房・通風・ボイラー設備その他のもの15年12年11年7年3年
昇降機設備エレベーター17年14年13年9年3年
昇降機設備エスカレーター15年12年11年7年3年
消火・排煙・災害報知設備、格納式避難設備—8年5年4年2年2年
エヤーカーテン・ドアー自動開閉設備—12年9年8年4年2年
アーケード・日よけ設備主として金属製のもの15年12年11年7年3年
アーケード・日よけ設備その他のもの8年5年4年2年2年
店用簡易装備—3年2年2年2年2年
可動間仕切り簡易なもの3年2年2年2年2年
可動間仕切りその他のもの15年12年11年7年3年
前掲以外・区分によらないもの主として金属製のもの18年15年14年10年3年
前掲以外・区分によらないものその他のもの10年7年6年2年2年
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法定15年の電気設備や給排水設備は、経過10年で7年、全部経過すると3年です。法定17年のエレベーターは経過10年で9年、全部経過で3年になります。16行のうち、経過5年の時点ですでに2年になっているのは3行(蓄電池電源設備・店用簡易装備・簡易なもの)です。中古の建物の購入価格を建物本体と附属設備に分けられれば、附属設備の部分は短い年数で償却できますが、どう分けるかの根拠が要ります。

08構築物:駐車場の舗装や塀、看板

土地に定着した工作物は「構築物」で、これも別表第一の資産なので簡便法を使えます。中古の建物と一緒に買うことの多い舗装・塀・広告塔などの行を並べました。平成28年4月1日以後に取得した構築物は、定額法だけです(タックスアンサー No.2100)。

種類構造・用途法定耐用年数経過3年経過5年経過10年全部経過
広告用のもの金属造のもの20年17年16年12年4年
広告用のものその他のもの10年7年6年2年2年
緑化施設及び庭園工場緑化施設7年4年3年2年2年
緑化施設及び庭園その他の緑化施設及び庭園20年17年16年12年4年
舗装道路及び舗装路面コンクリート敷・ブロック敷・れんが敷・石敷15年12年11年7年3年
舗装道路及び舗装路面アスファルト敷・木れんが敷10年7年6年2年2年
舗装道路及び舗装路面ビチューマルス敷3年2年2年2年2年
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造(前掲以外)高架道路・製塩用ちんでん池・飼育場・へい30年27年26年22年6年
コンクリート造・コンクリートブロック造(前掲以外)下水道・飼育場・へい15年12年11年7年3年
金属造(前掲以外)つり橋・煙突・焼却炉・打込み井戸・へい・街路灯・ガードレール10年7年6年2年2年
金属造(前掲以外)露天式立体駐車設備15年12年11年7年3年
合成樹脂造(前掲以外)—10年7年6年2年2年
木造(前掲以外)岸壁・さん橋・防壁・堤防・防波堤・トンネル・水そう・引湯管・へい10年7年6年2年2年
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この記事で表にした建物・附属設備・構築物・器具備品の90行のうち、法定耐用年数を全部経過すると2年の下限に当たるのは48行でした。法定14年以下の資産は、全部経過すると必ず2年になります(14年×20%=2.8年→2年)。

09器具備品:数年で2年の下限に届く

器具及び備品は法定耐用年数がもともと短く、中古で買うとすぐに2年の下限に届きます。

品目法定耐用年数経過1年経過2年経過3年全部経過
事務机・事務いす・キャビネット(主として金属製)15年14年13年12年3年
事務机・事務いす・キャビネット(その他)8年7年6年5年2年
応接セット(接客業用)5年4年3年2年2年
陳列だな・陳列ケース(冷凍機付・冷蔵機付)6年5年4年3年2年
ラジオ・テレビ・音響機器5年4年3年2年2年
冷房用・暖房用機器6年5年4年3年2年
電気冷蔵庫・電気洗濯機など6年5年4年3年2年
カーテン・寝具などの繊維製品3年2年2年2年2年
食事・ちゅう房用品(陶磁器製・ガラス製)2年2年2年2年2年
パーソナルコンピュータ(サーバー用を除く)4年3年2年2年2年
電子計算機(その他のもの)5年4年3年2年2年
複写機・金銭登録機・タイムレコーダーなど5年4年3年2年2年
インターホーン・放送用設備6年5年4年3年2年
時計10年9年8年7年2年
カメラ・映写機・望遠鏡5年4年3年2年2年
引伸機・焼付機・乾燥機・顕微鏡など8年7年6年5年2年
看板・ネオンサイン・気球3年2年2年2年2年
マネキン人形・模型2年2年2年2年2年
大型コンテナー(長さ6m以上)7年6年5年4年2年
手さげ金庫5年4年3年2年2年
金庫(手さげ金庫以外)20年19年18年17年4年
理容・美容機器5年4年3年2年2年
医療機器:消毒殺菌用機器4年3年2年2年2年
医療機器:手術機器5年4年3年2年2年
医療機器:血液透析・血しょう交換用機器7年6年5年4年2年
医療機器:調剤機器6年5年4年3年2年
医療機器:歯科診療用ユニット7年6年5年4年2年
医療機器:ファイバースコープ6年5年4年3年2年
医療機器:レントゲンなど電子装置を使う機器(移動式・救急医療用・自動血液分析器)4年3年2年2年2年
医療機器:レントゲンなど電子装置を使う機器(その他)6年5年4年3年2年
スポーツ具3年2年2年2年2年
パチンコ器・ビンゴ器など2年2年2年2年2年
楽器5年4年3年2年2年
自動販売機(手動のものを含む)5年4年3年2年2年
焼却炉5年4年3年2年2年
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35品目のうち、経過2年で簡便法の年数が2年になるのは9品目でした。10万円未満の資産や、20万円未満で一括償却を選ぶ資産は、そもそも耐用年数を使わずに処理します(法人税法施行令133条・133条の2)。簡便法の年数が意味を持つのは、それより高い中古の器具備品です。

法人が中古の器具備品を定率法で償却すると、簡便法で年数が短くなるほど償却率が上がり、1期目(12か月)に償却できる割合が大きくなります。品目ごとに、経過年数別の「簡便法の年数・定率法の償却率」を並べました(左の括弧は新品の償却率)。

品目法定耐用年数(新品の定率)経過1年経過2年経過3年経過5年
パーソナルコンピュータ4年(0.500)3年・66.7%2年・100.0%2年・100.0%2年・100.0%
複写機・金銭登録機など5年(0.400)4年・50.0%3年・66.7%2年・100.0%2年・100.0%
冷房用・暖房用機器6年(0.333)5年・40.0%4年・50.0%3年・66.7%2年・100.0%
歯科診療用ユニット7年(0.286)6年・33.3%5年・40.0%4年・50.0%3年・66.7%
引伸機・顕微鏡など8年(0.250)7年・28.6%6年・33.3%5年・40.0%4年・50.0%
時計10年(0.200)9年・22.2%8年・25.0%7年・28.6%6年・33.3%
事務机など(主として金属製)15年(0.133)14年・14.3%13年・15.4%12年・16.7%11年・18.2%
金庫(手さげ以外)20年(0.100)19年・10.5%18年・11.1%17年・11.8%16年・12.5%
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簡便法で2年になると償却率は1.000で、期首から使えば1期で1円を残して償却が終わります。途中の期から使った場合の月割りは、新品と同じです。

車両は別表第一の「車両及び運搬具」で、普通の乗用車は法定6年です。経過月数ごとの計算と、売ったときの税は中古ベンツ4年落ちの節税は、出口で何が起きるかで扱っています。

10機械及び装置(別表第二)も簡便法の対象

中古の機械を買う場合も、別表第二の資産は簡便法を使えます。別表第二は業種ごとの「設備の種類」で耐用年数を決めていて、細目のない37の設備について、経過3年・5年・10年と全部経過の場合を並べました(細目で年数が分かれる設備は省いています)。

番号設備の種類法定耐用年数経過3年経過5年経過10年全部経過
1食料品製造業用設備10年7年6年2年2年
2飲料、たばこ又は飼料製造業用設備10年7年6年2年2年
4木材又は木製品(家具を除く。)製造業用設備8年5年4年2年2年
5家具又は装備品製造業用設備11年8年7年3年2年
6パルプ、紙又は紙加工品製造業用設備12年9年8年4年2年
9石油製品又は石炭製品製造業用設備7年4年3年2年2年
10プラスチック製品製造業用設備(他の号に掲げるものを除く。)8年5年4年2年2年
11ゴム製品製造業用設備9年6年5年2年2年
12なめし革、なめし革製品又は毛皮製造業用設備9年6年5年2年2年
13窯業又は土石製品製造業用設備9年6年5年2年2年
17はん用機械器具12年9年8年4年2年
19業務用機械器具7年4年3年2年2年
21電気機械器具製造業用設備7年4年3年2年2年
22情報通信機械器具製造業用設備8年5年4年2年2年
23輸送用機械器具製造業用設備9年6年5年2年2年
24その他の製造業用設備9年6年5年2年2年
25農業用設備7年4年3年2年2年
26林業用設備5年2年2年2年2年
27漁業用設備(次号に掲げるものを除く。)5年2年2年2年2年
28水産養殖業用設備5年2年2年2年2年
30総合工事業用設備6年3年2年2年2年
33熱供給業用設備17年14年13年9年3年
34水道業用設備18年15年14年10年3年
35通信業用設備9年6年5年2年2年
36放送業用設備6年3年2年2年2年
37映像、音声又は文字情報制作業用設備8年5年4年2年2年
39道路貨物運送業用設備12年9年8年4年2年
40倉庫業用設備12年9年8年4年2年
41運輸に附帯するサービス業用設備10年7年6年2年2年
42飲食料品卸売業用設備10年7年6年2年2年
44飲食料品小売業用設備9年6年5年2年2年
47宿泊業用設備10年7年6年2年2年
48飲食店業用設備8年5年4年2年2年
49洗濯業、理容業、美容業又は浴場業用設備13年10年9年5年2年
50その他の生活関連サービス業用設備6年3年2年2年2年
53自動車整備業用設備15年12年11年7年3年
54その他のサービス業用設備12年9年8年4年2年
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37の設備のうち、全部経過すると2年の下限に当たるものは34でした。機械の設備の種類は、その機械を使ってどの業種の製品やサービスを作っているかで決まり、機械そのものの種類では決まりません。同じ機械でも、使う業種が違えば年数が違うことがあります。

11公害防止用・開発研究用の資産(別表第五・第六)

簡便法の対象には、公害防止用減価償却資産(別表第五)と開発研究用減価償却資産(別表第六)も入っています(耐用年数省令3条1項2号)。どちらも法定耐用年数が短いので、中古で取得するとすぐ2年に届きます。

別表種類細目法定耐用年数経過2年全部経過
別表第五(公害防止用)構築物—18年16年3年
別表第五(公害防止用)機械及び装置—5年3年2年
別表第六(開発研究用)建物及び建物附属設備建物の全部又は一部を低温室、恒温室、無響室、電磁しやへい室、放射性同位元素取扱室その他の特殊室にするために特に施設した内部造作又は建物附属設備5年3年2年
別表第六(開発研究用)構築物風どう、試験水そう及び防壁5年3年2年
別表第六(開発研究用)構築物ガス又は工業薬品貯そう、アンテナ、鉄塔及び特殊用途に使用するもの7年5年2年
別表第六(開発研究用)工具4年2年2年
別表第六(開発研究用)器具及び備品試験又は測定機器、計算機器、撮影機及び顕微鏡4年2年2年
別表第六(開発研究用)機械及び装置汎はん用ポンプ、汎はん用モーター、汎はん用金属工作機械、汎はん用金属加工機械その他これらに類するもの7年5年2年
別表第六(開発研究用)機械及び装置その他のもの4年2年2年
別表第六(開発研究用)ソフトウエア3年2年2年
横にスクロールすると残りの列が見えます

別表第五は汚水処理・ばい煙処理の用に供されている資産、別表第六は開発研究の用に供されている資産に使う表です(耐用年数省令2条)。用途がこれに当たるかどうかで、そもそもの法定耐用年数が変わります。

12何か月目に1年短くなるか

簡便法の年数は、経過が1か月増えるごとに0.8か月ずつ短くなり、12か月分たまるたびに1年下がります。代表的な建物について、それぞれの年数になる経過の範囲を並べました。売買の時期が境目の近くなら、取得の月が1か月違うだけで年数が変わります。

建物簡便法の年数取得までの経過
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)46年1か月〜1年3か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)45年1年4か月〜2年6か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)44年2年7か月〜3年9か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)43年3年10か月〜5年
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)42年5年1か月〜6年3か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)41年6年4か月〜7年6か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)40年7年7か月〜8年9か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)39年8年10か月〜10年
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)38年10年1か月〜11年3か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)37年11年4か月〜12年6か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)36年12年7か月〜13年9か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)35年13年10か月〜15年
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)34年15年1か月〜16年3か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)33年16年4か月〜17年6か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)32年17年7か月〜18年9か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)31年18年10か月〜20年
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)30年20年1か月〜21年3か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)29年21年4か月〜22年6か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)28年22年7か月〜23年9か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)27年23年10か月〜25年
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)26年25年1か月〜26年3か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)25年26年4か月〜27年6か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)24年27年7か月〜28年9か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)23年28年10か月〜30年
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)22年30年1か月〜31年3か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)21年31年4か月〜32年6か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)20年32年7か月〜33年9か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)19年33年10か月〜35年
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)18年35年1か月〜36年3か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)17年36年4か月〜37年6か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)16年37年7か月〜38年9か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)15年38年10か月〜40年
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)14年40年1か月〜41年3か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)13年41年4か月〜42年6か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)12年42年7か月〜43年9か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)11年43年10か月〜45年
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)10年45年1か月〜46年3か月
鉄筋コンクリート造・住宅用(47年)9年46年4か月以上
金属造4mm超・住宅用(34年)33年1か月〜1年3か月
金属造4mm超・住宅用(34年)32年1年4か月〜2年6か月
金属造4mm超・住宅用(34年)31年2年7か月〜3年9か月
金属造4mm超・住宅用(34年)30年3年10か月〜5年
金属造4mm超・住宅用(34年)29年5年1か月〜6年3か月
金属造4mm超・住宅用(34年)28年6年4か月〜7年6か月
金属造4mm超・住宅用(34年)27年7年7か月〜8年9か月
金属造4mm超・住宅用(34年)26年8年10か月〜10年
金属造4mm超・住宅用(34年)25年10年1か月〜11年3か月
金属造4mm超・住宅用(34年)24年11年4か月〜12年6か月
金属造4mm超・住宅用(34年)23年12年7か月〜13年9か月
金属造4mm超・住宅用(34年)22年13年10か月〜15年
金属造4mm超・住宅用(34年)21年15年1か月〜16年3か月
金属造4mm超・住宅用(34年)20年16年4か月〜17年6か月
金属造4mm超・住宅用(34年)19年17年7か月〜18年9か月
金属造4mm超・住宅用(34年)18年18年10か月〜20年
金属造4mm超・住宅用(34年)17年20年1か月〜21年3か月
金属造4mm超・住宅用(34年)16年21年4か月〜22年6か月
金属造4mm超・住宅用(34年)15年22年7か月〜23年9か月
金属造4mm超・住宅用(34年)14年23年10か月〜25年
金属造4mm超・住宅用(34年)13年25年1か月〜26年3か月
金属造4mm超・住宅用(34年)12年26年4か月〜27年6か月
金属造4mm超・住宅用(34年)11年27年7か月〜28年9か月
金属造4mm超・住宅用(34年)10年28年10か月〜30年
金属造4mm超・住宅用(34年)9年30年1か月〜31年3か月
金属造4mm超・住宅用(34年)8年31年4か月〜32年6か月
金属造4mm超・住宅用(34年)7年32年7か月〜33年9か月
金属造4mm超・住宅用(34年)6年33年10か月以上
木造・住宅用(22年)21年1か月〜1年3か月
木造・住宅用(22年)20年1年4か月〜2年6か月
木造・住宅用(22年)19年2年7か月〜3年9か月
木造・住宅用(22年)18年3年10か月〜5年
木造・住宅用(22年)17年5年1か月〜6年3か月
木造・住宅用(22年)16年6年4か月〜7年6か月
木造・住宅用(22年)15年7年7か月〜8年9か月
木造・住宅用(22年)14年8年10か月〜10年
木造・住宅用(22年)13年10年1か月〜11年3か月
木造・住宅用(22年)12年11年4か月〜12年6か月
木造・住宅用(22年)11年12年7か月〜13年9か月
木造・住宅用(22年)10年13年10か月〜15年
木造・住宅用(22年)9年15年1か月〜16年3か月
木造・住宅用(22年)8年16年4か月〜17年6か月
木造・住宅用(22年)7年17年7か月〜18年9か月
木造・住宅用(22年)6年18年10か月〜20年
木造・住宅用(22年)5年20年1か月〜21年3か月
木造・住宅用(22年)4年21年4か月以上
金属造3mm以下・住宅用(19年)18年1か月〜1年3か月
金属造3mm以下・住宅用(19年)17年1年4か月〜2年6か月
金属造3mm以下・住宅用(19年)16年2年7か月〜3年9か月
金属造3mm以下・住宅用(19年)15年3年10か月〜5年
金属造3mm以下・住宅用(19年)14年5年1か月〜6年3か月
金属造3mm以下・住宅用(19年)13年6年4か月〜7年6か月
金属造3mm以下・住宅用(19年)12年7年7か月〜8年9か月
金属造3mm以下・住宅用(19年)11年8年10か月〜10年
金属造3mm以下・住宅用(19年)10年10年1か月〜11年3か月
金属造3mm以下・住宅用(19年)9年11年4か月〜12年6か月
金属造3mm以下・住宅用(19年)8年12年7か月〜13年9か月
金属造3mm以下・住宅用(19年)7年13年10か月〜15年
金属造3mm以下・住宅用(19年)6年15年1か月〜16年3か月
金属造3mm以下・住宅用(19年)5年16年4か月〜17年6か月
金属造3mm以下・住宅用(19年)4年17年7か月〜18年9か月
金属造3mm以下・住宅用(19年)3年18年10か月以上

1年下がる間隔は15か月(12÷0.8)です。つまり、築年数が15か月増えるごとに、簡便法の年数は1年ずつ短くなります。

13個人は、簡便法を使わない方がよい場合もある

簡便法は「よることができる」規定なので、法定耐用年数を使うこともできます。個人の所得税は所得が大きいほど税率が上がる累進課税なので(所得税法89条)、短い期間に大きな償却費を集めると、低い税率の部分まで削ってしまい、長く分けた場合より税の合計が大きくなることがあります。

築22年を過ぎた木造住宅の建物部分3,000万円を、簡便法(4年)と法定耐用年数(22年)で定額法で償却した場合の、22年間の所得税+住民税の合計です。償却前の課税所得は毎年同じと置き、所得税は速算表、復興特別所得税2.1%、住民税所得割10%で計算しました(控除・損益通算の細部は入れていません)。

償却前の毎年の課税所得簡便法4年:22年間の税法定22年:22年間の税差(名目)差(年2%で割り引いた現在価値)
800万円3,683万円3,481万円+202万円+48万円
1,200万円6,988万円6,774万円+214万円+10万円
2,000万円14,721万円14,564万円+157万円−77万円
3,000万円25,749万円25,749万円±0万円−229万円
横にスクロールすると残りの列が見えます

4つの所得の水準のうち、名目の合計で簡便法(4年)の方が税が大きくなったのは3つ(800万円・1,200万円・2,000万円)でした。4年の間は大きな償却費で上の段階の税率の所得を消し切り、下の段階の所得まで削ってしまうためです。償却前の所得が大きく、償却しても同じ税率の段階にとどまる場合は、名目の差はなくなります。年2%で割り引いた現在価値で見ると、簡便法の方が有利になったのは2つ(2,000万円・3,000万円)で、先に税を減らす効果が名目の差を上回るかどうかは所得の水準しだいです。個人は一度決めた年数で毎年償却費を計上する必要があるので、使う前に、何年にわたってどの税率の所得を削るかを確かめておくと安全です。個人の税率の段階ごとの計算は個人事業主が使える減価償却の節税にまとめています。

14年の途中から貸すと、4年が5年分の申告にまたがる

個人が年の途中で建物を業務に使い始めると、1年目の償却費は「1年分÷12×使った月数」です(所得税法施行令132条1項1号、1か月未満は1か月)。簡便法で4年になった木造住宅(建物部分3,000万円)を、何月から貸し始めたかで並べました。比べるために法定22年の場合を置いています。

貸し始めた月1年目の月数簡便法4年:1年目同 2年目償却が続く年分の数法定22年:1年目償却が続く年分の数
1月12か月750.0万円750.0万円4年分138.0万円22年分
4月9か月562.5万円750.0万円5年分103.5万円22年分
7月6か月375.0万円750.0万円5年分69.0万円23年分
10月3か月187.5万円750.0万円5年分34.5万円23年分
12月1か月62.5万円750.0万円5年分11.5万円23年分
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簡便法4年の場合、1月から貸すと償却は4年分で終わり、それ以外の月から始めると5年分にまたがります。法定22年の場合は、償却率0.046×22年が1をわずかに超えるので、4月始まりまでなら22年分に収まり、7月以降に始めると23年分になります。売却や建て替えの時期を考えるときは、償却の終わる年分がいつになるかも確かめておくと、出口の年の所得の見通しが立てやすくなります。

15見積法の起点は、個人と法人で少し違う

見積法(耐用年数省令3条1項1号)の年数は、その資産を「その用に供した時以後の使用可能期間」です。ただし個人が取得した後すぐに業務に使わなかった場合は、「取得した時から引き続き業務の用に供したものとして見込まれる当該取得の時以後の使用可能期間」とされていて、起点は取得の時です。簡便法の経過年数も、業務に使っていない期間を含めず、取得の時までで数えます(No.2108)。

法人は取得してすぐ事業に使わない資産を減価償却資産として扱わない(法人税法施行令13条は事業の用に供していないものを除いている)ので、事業に使い始めた時が起点になります。個人・法人とも、どの時点から数えたかを記録しておくことが、年数の根拠になります。

16改修費をかけると、簡便法が使えなくなる

中古資産を事業に使うために支出した資本的支出が、その資産の取得価額の50%を超えると、簡便法は使えません(耐用年数省令3条1項ただし書)。資本的支出が再取得価額(同じ新品を取得する場合の価額)の50%を超えると、法定耐用年数によります(耐用年数通達1-5-2、No.5404)。その間の場合は、次の算式で計算した年数(1年未満切り捨て)が認められています(耐用年数通達1-5-6、No.5404の質疑)。

(取得価額+資本的支出)÷(取得価額÷簡便法の年数+資本的支出÷法定耐用年数)

国税庁の計算例は、法定22年・経過10年(簡便法14年)の中古資産を1,000万円(再取得価額2,200万円)で取得し、800万円の資本的支出をした場合で、1,800万円÷(1,000万円÷14年+800万円÷22年)=16.70→16年です。同じ条件で資本的支出の額を変えました。

資本的支出取得価額に対する割合再取得価額に対する割合使える方法耐用年数
2,000,000円20.0%9.1%簡便法14年
5,000,000円50.0%22.7%簡便法14年
5,000,001円50.0%22.7%通達1-5-6の算式(または見積法)15年(15.93)
8,000,000円80.0%36.4%通達1-5-6の算式(または見積法)16年(16.70)
11,000,000円110.0%50.0%通達1-5-6の算式(または見積法)17年(17.29)
11,000,001円110.0%50.0%法定耐用年数22年
15,000,000円150.0%68.2%法定耐用年数22年
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資本的支出が取得価額のちょうど50%までは簡便法、1円でも超えると算式、再取得価額の50%を超えると法定耐用年数、と段階的に長くなります。一つの計画で何年かに分けて支出した場合も、合計で判定します(耐用年数通達1-5-3)。

17経過年数が分からないとき、1年違うとどうなるか

経過年数が不明なときは、構造・形式・表示されている製作の時期などから適正に見積もります(耐用年数通達1-5-5)。見積もった経過年数が1年違うと、簡便法の年数がどれだけ動くかを並べました。

法定耐用年数経過(1年短く)経過(見積もり)経過(1年長く)簡便法(1年短く)簡便法(見積もり)簡便法(1年長く)
22年14年15年16年10年10年9年
34年19年20年21年18年18年17年
47年29年30年31年23年23年22年
19年11年12年13年10年9年8年
6年2年3年4年4年3年2年
横にスクロールすると残りの列が見えます

経過が法定耐用年数より短い間は、経過1年あたり0.8年ずつ動きます。端数の切り捨てがあるので、1年の違いで簡便法の年数が変わらないこともあれば、1年変わることもあります。建物なら登記の新築年月、機械なら銘板の製造年など、記録で経過を示せるものを使うのが確実です。

18法定耐用年数が改正されたとき

簡便法で年数を決めた後に、その資産の法定耐用年数が短くなる改正があった場合は、改正後の法定耐用年数を基に簡便法で計算し直すことが認められています。このときの経過年数は、取得した時点の経過年数を使います(耐用年数通達1-5-7)。

19個人が私用の建物を貸し始めたとき:国税庁の設例を検算する

個人が私用で持っていた資産を業務に使い始めた場合、経過年数は「新築等から取得した時まで」で、業務に使っていなかった期間は含めません(タックスアンサー No.2108)。国税庁の設例(木造住宅・取得価額1,000万円・平成21年6月10日新築・平成28年1月10日取得・令和5年4月1日から賃貸)を、この記事の計算で検算しました。

項目国税庁の設例この記事の計算
私用の期間の減価の額(22年×1.5=33年・旧定額法0.031・7年)1,953,000円1,953,000円
賃貸を始めた日の未償却残高8,047,000円8,047,000円
経過年数(新築から取得まで)79か月79か月
簡便法の年数16年16年
定額法の償却率0.0630.063
令和5年分の償却費(9か月)472,500円472,500円

私用の期間が7年あっても、簡便法の経過年数は取得までの79か月だけです。私用の期間の減価は、別に「法定耐用年数の1.5倍・旧定額法」で計算して未償却残高から引きます(所得税法施行令85条・135条)。

20国外の中古建物は、個人の損益通算に制限がある

個人が簡便法などで耐用年数を計算した国外の中古建物は、不動産所得の損失のうち償却費に当たる部分がなかったものとみなされます(租税特別措置法41条の4の3、令和3年分以後)。国内の建物にはこの制限はありません。改正の経緯は減価償却の節税商品の年表にまとめています。

21よくある質問

簡便法を使うのに届出は要りますか。

届出の定めは耐用年数省令3条にはありません。その資産を事業に使った事業年度(個人は年分)の償却の計算で、簡便法の年数を使います。その年度に使わなかった場合、後から簡便法に変えることはできません。

築年数が法定耐用年数ちょうどのときは、どちらの式ですか。

経過が法定耐用年数に達していれば「全部を経過した資産」で、法定耐用年数×20%です。木造住宅なら築22年ちょうどから4年です。

簡便法の年数に下限はありますか。

2年です。計算した年数が2年に満たないときは2年とします(耐用年数省令3条1項2号)。法定4年の資産なら、経過がわずかでも2年や3年になります。

中古で買った機械にも使えますか。

別表第二(機械及び装置)の資産も簡便法の対象です。この記事では、細目のない設備の種類について表にしています。細目で年数が分かれる設備は、別表第二の該当する行の年数で同じように計算します。

中古で買ったソフトウエアにも簡便法を使えますか。

簡便法(耐用年数省令3条1項2号)を使えるのは別表第一・第二・第五・第六の資産です。一般のソフトウエアなど無形減価償却資産を定めた別表第三は含まれていません。開発研究に使うソフトウエア(別表第六・3年)は、条文上は対象の別表に入っています。

中古の土地付き建物では、土地の分も年数を計算しますか。

土地は時の経過で価値が減らない資産で、減価償却資産ではありません(タックスアンサー No.2100)。簡便法の計算は建物(と附属設備・構築物)の部分だけです。

簡便法の年数は、取得価額の大きさで変わりますか。

変わりません。簡便法の年数は法定耐用年数と経過年数だけで決まります。取得価額が関係するのは、資本的支出が取得価額の50%を超えるかどうかの判定と、年間の償却費の額です。

中間申告の期間では法定耐用年数を使ってしまいました。本決算で簡便法にできますか。

できます。仮決算の中間申告の期間に取得した中古資産に法定耐用年数を使っていても、その期間を含む事業年度では見積法や簡便法による年数を使えることが、耐用年数通達1-5-1の注に書かれています。

再取得価額とは何ですか。

その中古資産と同じ新品のものを取得する場合の取得価額です(タックスアンサー No.5404)。資本的支出がこの額の50%を超えるかどうかで、法定耐用年数によるかどうかが決まります。

見積法と簡便法で年数が違ったら、どちらを使えばいいですか。

見積法が原則で、見積もりが困難なときに簡便法を使えます。見積法で年数を決めるなら、その根拠の資料が必要です。

22この記事の数字は、どこから取ったか

法令は e-Gov 法令検索の現行の条文で、国税庁の資料は公表されているページで、2026年9月30日に確かめました。税制は毎年改正されます。

表の数字は、この記事の中で条文の式どおりに計算した「計算の例」で、実際の商品の条件ではありません(繰り延べ計算機の式を使った表は、/depreciation/ の計算機と同じ式です)。この記事は特定の商品の勧誘ではなく、個別の税務判断は税理士に確認してください。

自分の数字で確かめる:中古は何年で経費に

慣れてきたら

中古資産の耐用年数の簡便法(耐用年数省令 第3条、国税庁 No.5404)です。建物は定額法だけです。土地は経費になりません。 資本的支出が取得価額の50%を超える場合などは簡便法を使えません。ほかの資産と詳しい条件

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