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定率法と定額法どっちが得?使い分けを同じ資産の償却額で比べる

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01先に結論

定率法と定額法は、同じ資産を最後に1円残すまで償却する点は同じで、償却費の合計は変わりません。違うのは、どの年に多く経費にするかだけです。耐用年数10年の1,000万円の資産なら、1年目の償却費は定率法200.0万円・定額法100.0万円、累計が半分に届くのは定率法が4年目・定額法が5年目です。

先に経費にした分だけ税を先に減らせますが、その価値は大きくありません。税率30%・年2%で割り引くと、10年の資産での差は1,000万円あたり6.4万円でした。途中で売れば、定率法の方が帳簿の価値が小さい分だけ売却益が大きくなり、差は出口で戻ります。

そもそも選べない資産もあります。平成10年4月1日以後に取得した建物、平成28年4月1日以後に取得した建物附属設備・構築物は定額法だけです。選べる資産でも、届出をしなかった場合の方法(法定償却方法)は、法人が定率法、個人が定額法です。

022つの計算式

平成19年4月1日以後に取得した資産の計算は、法人税法施行令48条の2第1項1号イに定められています(個人は所得税法施行令120条の2に同じ形の規定があります)。

平成24年4月1日以後に取得した資産の定率法の償却率は、定額法の償却率の2倍(200%定率法)です。平成19年4月1日から平成24年3月31日までに取得した資産は2.5倍(250%定率法、別表第九)です(同号イ(2)、耐用年数省令5条)。どちらの方法も、有形の資産は取得価額から1円を引いた額まで償却します(タックスアンサー No.2106)。

03国税庁の設例で、切り替えの仕組みを追う

国税庁 No.2106 の設例(取得価額100万円・耐用年数6年・定率法)を、年ごとに追いました。6年の償却率は0.333、改定償却率は0.334、保証率は0.09911で、償却保証額は99,110円です。

年期首帳簿価額調整前償却額償却保証額使う計算この記事の計算国税庁の設例
1年目1,000,000円333,000円99,110円通常333,000円333,000円
2年目667,000円222,111円99,110円通常222,111円222,111円
3年目444,889円148,148円99,110円通常148,148円148,148円
4年目296,741円98,815円99,110円改定99,111円99,111円
5年目197,629円65,811円99,110円改定99,111円99,111円
6年目98,518円32,806円99,110円改定98,517円98,517円
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4年目に調整前償却額(98,815円)が償却保証額を下回るので、4年目の期首帳簿価額を改定取得価額にして、以後は同じ額を償却します。最後の年は1円を残すところまでです。6年すべての金額が国税庁の設例と一致しました。この記事の定率法の表は、すべてこの計算で出しています。

04耐用年数ごとの率と、半分・9割に届く年

耐用年数省令の別表第八(定額法)と別表第十(定率法)の率を、表にある耐用年数2〜100年のすべてについて並べ、1,000万円を1年目から12か月使った場合に、償却費の累計が取得価額の50%・90%に届く年を計算しました。

耐用年数定額法定率法改定償却率保証率定率÷定額改定に切り替わる年定率が定額を下回る年累計50%(定率/定額)累計90%(定率/定額)
2年0.5001.000——2.00倍——1年目/1年目1年目/2年目
3年0.3340.6671.0000.110892.00倍3年目2年目1年目/2年目3年目/3年目
4年0.2500.5001.0000.124992.00倍4年目3年目1年目/2年目4年目/4年目
5年0.2000.4000.5000.108002.00倍4年目3年目2年目/3年目5年目/5年目
6年0.1670.3330.3340.099111.99倍4年目3年目2年目/3年目5年目/6年目
7年0.1430.2860.3340.086802.00倍5年目4年目3年目/4年目6年目/7年目
8年0.1250.2500.3340.079092.00倍6年目4年目3年目/4年目7年目/8年目
9年0.1120.2220.2500.071261.98倍6年目4年目3年目/5年目8年目/9年目
10年0.1000.2000.2500.065522.00倍7年目5年目4年目/5年目9年目/9年目
11年0.0910.1820.2000.059922.00倍7年目5年目4年目/6年目10年目/10年目
12年0.0840.1670.2000.055661.99倍8年目5年目4年目/6年目11年目/11年目
13年0.0770.1540.1670.051802.00倍8年目6年目5年目/7年目12年目/12年目
14年0.0720.1430.1670.048541.99倍9年目6年目5年目/7年目12年目/13年目
15年0.0670.1330.1430.045651.99倍9年目6年目5年目/8年目13年目/14年目
16年0.0630.1250.1430.042941.98倍10年目7年目6年目/8年目14年目/15年目
17年0.0590.1180.1250.040382.00倍10年目7年目6年目/9年目15年目/16年目
18年0.0560.1110.1120.038841.98倍10年目7年目6年目/9年目16年目/17年目
19年0.0530.1050.1120.036931.98倍11年目8年目7年目/10年目17年目/17年目
20年0.0500.1000.1120.034862.00倍12年目8年目7年目/10年目18年目/18年目
21年0.0480.0950.1000.033351.98倍12年目8年目7年目/11年目19年目/19年目
22年0.0460.0910.1000.031821.98倍13年目9年目8年目/11年目19年目/20年目
23年0.0440.0870.0910.030521.98倍13年目9年目8年目/12年目20年目/21年目
24年0.0420.0830.0840.029691.98倍13年目9年目8年目/12年目21年目/22年目
25年0.0400.0800.0840.028412.00倍14年目10年目9年目/13年目22年目/23年目
26年0.0390.0770.0840.027161.97倍15年目10年目9年目/13年目23年目/24年目
27年0.0380.0740.0770.026241.95倍15年目10年目10年目/14年目24年目/24年目
28年0.0360.0710.0720.025681.97倍15年目11年目10年目/14年目24年目/25年目
29年0.0350.0690.0720.024631.97倍16年目11年目10年目/15年目25年目/26年目
30年0.0340.0670.0720.023661.97倍17年目11年目10年目/15年目26年目/27年目
31年0.0330.0650.0670.022861.97倍17年目12年目11年目/16年目27年目/28年目
32年0.0320.0630.0670.022161.97倍18年目12年目11年目/16年目28年目/29年目
33年0.0310.0610.0630.021611.97倍18年目12年目12年目/17年目29年目/30年目
34年0.0300.0590.0630.020971.97倍19年目13年目12年目/17年目30年目/30年目
35年0.0290.0570.0590.020511.97倍19年目13年目12年目/18年目31年目/32年目
36年0.0280.0560.0590.019742.00倍20年目14年目13年目/18年目31年目/33年目
37年0.0280.0540.0560.019501.93倍20年目13年目13年目/18年目32年目/33年目
38年0.0270.0530.0560.018821.96倍21年目14年目13年目/19年目33年目/34年目
39年0.0260.0510.0530.018601.96倍21年目14年目14年目/20年目34年目/35年目
40年0.0250.0500.0530.017912.00倍22年目15年目14年目/20年目35年目/36年目
41年0.0250.0490.0500.017411.96倍22年目15年目14年目/20年目36年目/36年目
42年0.0240.0480.0500.016942.00倍23年目16年目15年目/21年目37年目/38年目
43年0.0240.0470.0480.016641.96倍23年目15年目15年目/21年目37年目/38年目
44年0.0230.0450.0460.016641.96倍23年目16年目16年目/22年目38年目/40年目
45年0.0230.0440.0460.016341.91倍24年目16年目16年目/22年目39年目/40年目
46年0.0220.0430.0440.016011.95倍24年目17年目16年目/23年目40年目/41年目
47年0.0220.0430.0440.015321.95倍25年目17年目16年目/23年目41年目/41年目
48年0.0210.0420.0440.014992.00倍26年目18年目17年目/24年目42年目/43年目
49年0.0210.0410.0420.014751.95倍26年目17年目17年目/24年目43年目/43年目
50年0.0200.0400.0420.014402.00倍27年目18年目17年目/25年目43年目/45年目
51年0.0200.0390.0400.014221.95倍27年目18年目18年目/25年目44年目/45年目
52年0.0200.0380.0390.014221.90倍27年目18年目18年目/25年目45年目/45年目
53年0.0190.0380.0390.013702.00倍28年目19年目18年目/27年目46年目/48年目
54年0.0190.0370.0380.013701.95倍28年目19年目19年目/27年目47年目/48年目
55年0.0190.0360.0380.013371.89倍29年目19年目19年目/27年目47年目/48年目
56年0.0180.0360.0380.012882.00倍30年目20年目19年目/28年目48年目/50年目
57年0.0180.0350.0360.012811.94倍30年目20年目20年目/28年目49年目/50年目
58年0.0180.0340.0350.012811.89倍30年目20年目21年目/28年目50年目/50年目
59年0.0170.0340.0350.012402.00倍31年目22年目21年目/30年目51年目/53年目
60年0.0170.0330.0340.012401.94倍31年目21年目21年目/30年目52年目/53年目
61年0.0170.0330.0340.012011.94倍32年目21年目21年目/30年目53年目/53年目
62年0.0170.0320.0330.012011.88倍32年目21年目22年目/30年目53年目/53年目
63年0.0160.0320.0330.011652.00倍33年目23年目22年目/32年目54年目/57年目
64年0.0160.0310.0320.011651.94倍33年目23年目23年目/32年目55年目/57年目
65年0.0160.0310.0320.011301.94倍34年目23年目23年目/32年目56年目/57年目
66年0.0160.0300.0310.011301.88倍34年目22年目23年目/32年目57年目/57年目
67年0.0150.0300.0310.010972.00倍35年目24年目23年目/34年目58年目/60年目
68年0.0150.0290.0300.010971.93倍35年目24年目24年目/34年目59年目/60年目
69年0.0150.0290.0300.010651.93倍36年目24年目24年目/34年目59年目/60年目
70年0.0150.0290.0300.010341.93倍37年目24年目24年目/34年目60年目/60年目
71年0.0150.0280.0290.010341.87倍37年目23年目25年目/34年目61年目/60年目
72年0.0140.0280.0290.010062.00倍38年目26年目25年目/36年目62年目/65年目
73年0.0140.0270.0270.010631.93倍36年目25年目26年目/36年目63年目/65年目
74年0.0140.0270.0270.010351.93倍37年目25年目26年目/36年目64年目/65年目
75年0.0140.0270.0270.010071.93倍38年目25年目26年目/36年目64年目/65年目
76年0.0140.0260.0270.009801.86倍39年目25年目27年目/36年目65年目/65年目
77年0.0130.0260.0270.009542.00倍40年目28年目27年目/39年目66年目/70年目
78年0.0130.0260.0270.009292.00倍41年目28年目27年目/39年目67年目/70年目
79年0.0130.0250.0260.009291.92倍41年目27年目28年目/39年目68年目/70年目
80年0.0130.0250.0260.009071.92倍42年目27年目28年目/39年目69年目/70年目
81年0.0130.0250.0260.008841.92倍43年目27年目28年目/39年目70年目/70年目
82年0.0130.0240.0240.009291.85倍41年目27年目29年目/39年目71年目/70年目
83年0.0130.0240.0240.009071.85倍42年目27年目29年目/39年目72年目/70年目
84年0.0120.0240.0240.008852.00倍43年目30年目29年目/42年目73年目/75年目
85年0.0120.0240.0240.008642.00倍44年目30年目29年目/42年目73年目/75年目
86年0.0120.0230.0230.008851.92倍43年目29年目30年目/42年目74年目/75年目
87年0.0120.0230.0230.008641.92倍44年目29年目30年目/42年目75年目/75年目
88年0.0120.0230.0230.008441.92倍45年目29年目30年目/42年目76年目/75年目
89年0.0120.0220.0220.008631.83倍44年目29年目32年目/42年目77年目/75年目
90年0.0120.0220.0220.008441.83倍45年目29年目32年目/42年目78年目/75年目
91年0.0110.0220.0220.008252.00倍46年目33年目32年目/46年目79年目/82年目
92年0.0110.0220.0220.008072.00倍47年目33年目32年目/46年目79年目/82年目
93年0.0110.0220.0220.007902.00倍48年目33年目32年目/46年目80年目/82年目
94年0.0110.0210.0210.008071.91倍47年目32年目33年目/46年目81年目/82年目
95年0.0110.0210.0210.007901.91倍48年目32年目33年目/46年目82年目/82年目
96年0.0110.0210.0210.007731.91倍49年目32年目33年目/46年目83年目/82年目
97年0.0110.0210.0210.007571.91倍50年目32年目33年目/46年目84年目/82年目
98年0.0110.0200.0200.007731.82倍49年目31年目35年目/46年目85年目/82年目
99年0.0110.0200.0200.007571.82倍50年目31年目35年目/46年目86年目/82年目
100年0.0100.0200.0200.007422.00倍51年目36年目35年目/50年目87年目/90年目
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別表の値どうしの比は2倍前後で、2倍から0.02以上ずれるのは99の耐用年数のうち60(21年・22年・23年・24年・26年・27年・28年・29年・30年・31年・32年・33年・34年・35年・37年・38年・39年・41年・43年・44年・45年・46年・47年・49年・51年・52年・54年・55年・57年・58年・60年・61年・62年・64年・65年・66年・68年・69年・70年・71年・73年・74年・75年・76年・79年・80年・81年・82年・83年・86年・87年・88年・89年・90年・94年・95年・96年・97年・98年・99年)でした。どちらの率も小数第3位までで定められているためです。耐用年数2年は、定率法の償却率が1.000で改定償却率がなく、1年目に全額(1円を残す)です。

累計50%に届く年は、耐用年数が長くなるほど定率法と定額法の差が開きます。一方、9割に届く年は、定率法の方が遅くなる耐用年数が10ありました(最短は71年)。定率法は後半の償却費が小さく、長い尻尾を引くためです。表は別表にあるすべての年数を並べたもので、平成10年4月以後の建物や平成28年4月以後の構築物など、定額法しか使えない資産の年数も含んでいます。

05同じ1,000万円の資産を、年ごとに並べる(4年)

パソコン(4年)のような短い資産です。差は1年目に最も大きく、累計の差は2年目以降に縮んで、最後に0になります。

年定率法定額法差定率法の累計定額法の累計累計の差
1年目500.0万円250.0万円+250.0万円500.0万円250.0万円+250.0万円
2年目250.0万円250.0万円±0万円750.0万円500.0万円+250.0万円
3年目125.0万円250.0万円−125.0万円875.0万円750.0万円+125.0万円
4年目125.0万円250.0万円−125.0万円1,000.0万円1,000.0万円±0万円
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068年の資産

年定率法定額法差定率法の累計定額法の累計累計の差
1年目250.0万円125.0万円+125.0万円250.0万円125.0万円+125.0万円
2年目187.5万円125.0万円+62.5万円437.5万円250.0万円+187.5万円
3年目140.6万円125.0万円+15.6万円578.1万円375.0万円+203.1万円
4年目105.5万円125.0万円−19.5万円683.6万円500.0万円+183.6万円
5年目79.1万円125.0万円−45.9万円762.7万円625.0万円+137.7万円
6年目79.3万円125.0万円−45.7万円842.0万円750.0万円+92.0万円
7年目79.3万円125.0万円−45.7万円921.2万円875.0万円+46.2万円
8年目78.8万円125.0万円−46.2万円1,000.0万円1,000.0万円±0万円
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累計の差が最も大きくなるのは、定率法の償却費が定額法の償却費を下回る直前の年です。そこから先は、定額法が追いついていきます。

0715年の資産

年定率法定額法差定率法の累計定額法の累計累計の差
1年目133.0万円67.0万円+66.0万円133.0万円67.0万円+66.0万円
2年目115.3万円67.0万円+48.3万円248.3万円134.0万円+114.3万円
3年目100.0万円67.0万円+33.0万円348.3万円201.0万円+147.3万円
4年目86.7万円67.0万円+19.7万円435.0万円268.0万円+167.0万円
5年目75.1万円67.0万円+8.1万円510.1万円335.0万円+175.1万円
6年目65.2万円67.0万円−1.8万円575.3万円402.0万円+173.3万円
7年目56.5万円67.0万円−10.5万円631.8万円469.0万円+162.8万円
8年目49.0万円67.0万円−18.0万円680.7万円536.0万円+144.7万円
9年目45.7万円67.0万円−21.3万円726.4万円603.0万円+123.4万円
10年目45.7万円67.0万円−21.3万円772.0万円670.0万円+102.0万円
11年目45.7万円67.0万円−21.3万円817.7万円737.0万円+80.7万円
12年目45.7万円67.0万円−21.3万円863.4万円804.0万円+59.4万円
13年目45.7万円67.0万円−21.3万円909.0万円871.0万円+38.0万円
14年目45.7万円67.0万円−21.3万円954.7万円938.0万円+16.7万円
15年目45.3万円62.0万円−16.7万円1,000.0万円1,000.0万円±0万円
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累計の差の最大は、4年の資産で250.0万円、8年で203.1万円、15年で175.1万円でした。耐用年数が長いほど最大の差は小さくなりますが、差が残る年数は長くなります。「定率法の方が節税になる」と言われるのは、この累計の差の期間だけ税を先に減らせることを指しています。

08先に減らす税に、どれだけの価値があるか

累計の差は、どこかで必ず0に戻ります。先に減らした税の価値は、お金の時間の価値(割引率)でしか測れません。1,000万円の資産で、定率法で減る税の現在価値から定額法で減る税の現在価値を引いた額です(税率30%の例、1年目から12か月使用)。

耐用年数割引率1%割引率2%割引率3%割引率5%割引率8%
3年+1.6万円+3.2万円+4.8万円+7.8万円+11.9万円
4年+1.8万円+3.6万円+5.3万円+8.6万円+13.1万円
5年+2.1万円+4.1万円+6.0万円+9.6万円+14.5万円
6年+2.3万円+4.5万円+6.6万円+10.4万円+15.5万円
8年+2.8万円+5.5万円+7.9万円+12.4万円+18.0万円
10年+3.3万円+6.4万円+9.2万円+14.1万円+20.1万円
12年+3.7万円+7.1万円+10.1万円+15.3万円+21.4万円
15年+4.4万円+8.3万円+11.7万円+17.4万円+23.7万円
20年+5.7万円+10.5万円+14.6万円+20.9万円+27.1万円
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割引率1〜3%の欄では、1,000万円の資産で差は1.6万円から14.6万円でした。割引率が高い会社(借入の金利が高い、手元資金を事業に回すと高い利益が出る)ほど、定率法で税を先に減らす価値は大きくなります。

09毎年同じ資産を買い続ける会社では、差はやがて消える

1つの資産だけを見ると定率法が先に多く経費にしますが、会社は毎年のように資産を買い替えます。耐用年数8年・1,000万円の資産を毎年1つずつ買い続けた場合の、その年の償却費の合計です(どれも1年目から12か月使用)。

年定率法の償却費の合計定額法の償却費の合計差
1年目250.0万円125.0万円+125.0万円
2年目437.5万円250.0万円+187.5万円
3年目578.1万円375.0万円+203.1万円
4年目683.6万円500.0万円+183.6万円
5年目762.7万円625.0万円+137.7万円
6年目842.0万円750.0万円+92.0万円
7年目921.2万円875.0万円+46.2万円
8年目1,000.0万円1,000.0万円±0万円
9年目1,000.0万円1,000.0万円±0万円
10年目1,000.0万円1,000.0万円±0万円
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10年目の合計は定率法1,000.0万円・定額法1,000.0万円で、8年目以降はどちらの方法でも毎年の合計がほぼ同じになります。毎年同じ額を買い続ける会社では、定率法の効果は最初の数年に税を先に減らしたところで止まり、その後はどちらでも変わりません。

10投資額が増え続ける会社では、定率法の差が残る

逆に、買う額が毎年増えていく会社では、新しい資産ほど1年目の償却費が大きい定率法の方が、毎年の償却費の合計が定額法を上回り続けます。8年の資産を、1年目1,000万円から毎年一定の割合で増やして買った場合の、償却費の合計の比(定率÷定額)です。

買う額の伸び3年目5年目10年目15年目
年0%ずつ増える1.54倍1.22倍1.00倍1.00倍
年5%ずつ増える1.56倍1.25倍1.05倍1.05倍
年10%ずつ増える1.57倍1.29倍1.10倍1.10倍
年20%ずつ増える1.59倍1.34倍1.19倍1.19倍
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買う額が増えないなら、比は8年目以降1.00倍に戻ります。伸びが大きいほど、定率法で先に減らした税が戻ってこない状態が続きます。定率法の効果が長く残るのは、この表のように投資を増やし続けている間です。

11途中で売ると、差は出口で戻る

耐用年数10年・1,000万円の資産を、取得価額の50%で売った場合です。定率法は帳簿の価値が小さい分、売却益が大きくなります。「償却費の累計−売却益」はどちらも同じで、税の上での合計は変わりません。

売る時期方法償却費の累計売るときの帳簿価額売却益(マイナスは売却損)償却費−売却益
1年使って売る定率法200.0万円800.0万円−300.0万円500.0万円
1年使って売る定額法100.0万円900.0万円−400.0万円500.0万円
2年使って売る定率法360.0万円640.0万円−140.0万円500.0万円
2年使って売る定額法200.0万円800.0万円−300.0万円500.0万円
3年使って売る定率法488.0万円512.0万円−12.0万円500.0万円
3年使って売る定額法300.0万円700.0万円−200.0万円500.0万円
5年使って売る定率法672.3万円327.7万円+172.3万円500.0万円
5年使って売る定額法500.0万円500.0万円±0万円500.0万円
7年使って売る定率法803.4万円196.6万円+303.4万円500.0万円
7年使って売る定額法700.0万円300.0万円+200.0万円500.0万円
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右端の列が、定率法と定額法で同じになっていることを確かめてください。どちらの方法を選んでも、買ってから売るまでに経費になる額は「取得価額−売値」で、違うのはその配分の時期だけです。

12税率が年によって違うと、差は名目でも出る

税率がずっと同じなら、名目の減税額の合計は定率法と定額法で同じです。税率が年によって違うと、償却費を多く計上した年の税率で減税額が決まるので、名目でも差が出ます。10年・1,000万円の資産で、税率の筋書きを変えました(税率は例)。

税率の筋書き定率法で減る税(名目)定額法で減る税(名目)定率−定額
毎年30%300.0万円300.0万円±0万円
4年目から20%→30%に上がる251.2万円270.0万円−18.8万円
4年目から30%→20%に下がる248.8万円230.0万円+18.8万円
1〜2年目は赤字で税率0%、3年目から30%192.0万円240.0万円−48.0万円
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これから利益が増えて税率が上がる見込みなら定額法、これから税率が下がる見込みなら定率法の方が、名目の減税額が大きくなります。赤字の年に償却費を計上しても、その年の税は減りません(法人は欠損金を繰り越せますが、この表では入れていません)。

13よくある資産で並べる

別表第一・第二の資産から、中小企業がよく買う資産を選び、1年目(12か月)と3年間の累計で、取得価額の何%を償却できるかを並べました。

資産(別表の区分)法定耐用年数定率法 1年目定額法 1年目定率法 3年累計定額法 3年累計
パーソナルコンピュータ(別表第一)4年50.0%25.0%87.5%75.0%
電子計算機・その他のもの(別表第一)5年40.0%20.0%78.4%60.0%
冷房用・暖房用機器(別表第一)6年33.3%16.7%70.3%50.1%
乗用車「その他のもの」(別表第一)6年33.3%16.7%70.3%50.1%
小型車0.66L以下(別表第一)4年50.0%25.0%87.5%75.0%
貨物自動車・その他(別表第一)5年40.0%20.0%78.4%60.0%
事務机など主として金属製(別表第一)15年13.3%6.7%34.8%20.1%
総合工事業用設備(別表第二 30)6年33.3%16.7%70.3%50.1%
農業用設備(別表第二 25)7年28.6%14.3%63.6%42.9%
飲食店業用設備(別表第二 48)8年25.0%12.5%57.8%37.5%
食料品製造業用設備(別表第二 1)10年20.0%10.0%48.8%30.0%
宿泊業用設備(別表第二 47)10年20.0%10.0%48.8%30.0%
洗濯業・理容業・美容業・浴場業用設備(別表第二 49)13年15.4%7.7%39.5%23.1%
自動車整備業用設備(別表第二 53)15年13.3%6.7%34.8%20.1%
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耐用年数4年の資産は、定率法なら3年で取得価額の87.5%を償却します。15年の資産でも、3年累計は定率法34.8%・定額法20.1%です。機械装置の耐用年数は業種で決まるので、自社がどの設備の種類に当たるかを先に確かめてください。

14軽減税率のある会社:前倒しが裏目に出る水準

中小法人の法人税には、年800万円までの所得に15%、それより上に23.2%という2段の税率があります(租税特別措置法42条の3の2、法人税法66条)。10年で償却する5,000万円の設備を買い、償却前の利益が10年間ずっと同じだったと置きます。定率法は前半の年の所得を800万円の線より下まで押し下げ、後半の年は線より上に戻すので、同じ額の損金が、前半は15%、後半は23.2%の所得を減らすことになります。国税の法人税だけを10年分足し、赤字が出た年はその分を翌年の所得から差し引いて比べました。

毎年の償却前の利益定率法:10年間の法人税定額法:10年間の法人税定率−定額
800万円450.0万円450.0万円±0万円
1,200万円1,079.7万円1,050.0万円+29.7万円
1,600万円1,912.4万円1,896.0万円+16.4万円
3,000万円5,144.0万円5,144.0万円±0万円
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4つの利益の水準のうち、定率法の方が10年間の法人税が大きくなったのは2つで、定率法の方が小さくなった水準はありませんでした。償却前の利益が800万円付近かそれを少し上回る会社では、定率法の方が名目の税が大きくなることがあります。どの年も所得が800万円を超えている会社や、どの年も800万円以下の会社では、差は出ません(地方税は含めていません)。

15個人は、累進課税で差が出る

個人の所得税は5%から45%の7段階で(所得税法89条)、住民税の所得割は標準で10%です(地方税法35条・314条の3)。償却費を初めの年に集めると、高い段階の所得を削る年と低い段階の所得を削る年が分かれます。耐用年数10年・1,000万円の資産で、償却前の課税所得が毎年同じ個人の、10年間の所得税(復興特別所得税2.1%を含む)+住民税の合計です。

毎年の償却前の課税所得定率法(届出が必要)定額法(法定償却方法)定率−定額
300万円313.4万円304.7万円+8.8万円
600万円1,084.4万円1,084.5万円−0.1万円
900万円2,029.2万円2,029.3万円−0.1万円
1,800万円5,859.4万円5,859.6万円−0.1万円
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4つの所得の水準のうち、定率法の方が10年間の税が大きくなったのは1つでした。税率の段階の境目の近くにいる人ほど、定率法で初めの年に大きく償却すると、税率の低い段階の所得まで削ってしまいます。個人は届出をしなければ定額法なので、定率法に変えるかどうかは、この差と時間の価値を比べて決めることになります。

161年目を空けた会社の、その後の限度額

会社は、帳簿で償却費として処理した額が限度額に届かなくても問題はなく、処理した額だけが損金になります(法人税法31条1項)。ここで2つの方法の性質の違いが出ます。定率法の限度額は毎年「期首の帳簿価額×率」なので、空けた年の分だけ期首の帳簿価額が大きいまま残り、翌年の限度額がそのぶん大きくなります。定額法の限度額は「取得価額×率」で固定なので、空けた年の分は取り戻せず、償却の終わりが後ろに1年ずれます。10年・1,000万円の資産で、1年目を丸ごと空けた場合を比べました。

方法1年目も償却した場合の1年目1年目を償却しなかった場合の2年目償却の年数(通常)償却の年数(1年目なし)3年間の累計(通常)3年間の累計(1年目なし)
定率法200.0万円200.0万円10年11年488.0万円360.0万円
定額法100.0万円100.0万円10年11年300.0万円200.0万円
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個人事業主は、計算した償却費をその年の必要経費にする必要があり、このような調整はできません(所得税法49条1項)。

17途中で定額法に変えたら、残りはどう計算するか

承認を受けて定率法から定額法に変えた場合、変えた事業年度開始の日の帳簿価額を取得価額とみなし、耐用年数は法人の選択で、(イ)定められている耐用年数か、(ロ)定められている耐用年数から経過年数を引いた年数(2年未満なら2年)のどちらかを使います(法人税基本通達7-4-4。平成19年4月1日以後に取得した資産の場合)。逆に定額法から定率法に変えた場合は、変えた事業年度開始の日の帳簿価額などを基礎に、定められている耐用年数の償却率で計算します(同7-4-3)。

耐用年数10年・1,000万円を定率法で期首から使い、何年か後に定額法へ変えた場合です。(ロ)の経過年数は、期首から使った年数と同じと置いています。

変えた時点その時の帳簿価額(イ)の耐用年数(償却率)(イ)の毎年の償却費(イ)で終わるまで(ロ)の耐用年数(償却率)(ロ)の毎年の償却費(ロ)で終わるまで
2年使った後640.0万円10年(0.100)64.0万円10年8年(0.125)80.0万円8年
4年使った後409.6万円10年(0.100)41.0万円10年6年(0.167)68.4万円6年
6年使った後262.1万円10年(0.100)26.2万円10年4年(0.250)65.5万円4年
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(イ)を選ぶと、残りの帳簿価額を改めて10年かけて償却することになり、償却の期間は通算で10年を大きく超えます。(ロ)なら、残りの年数で償却を終えます。変更の申請は、今の方法を採用してから相当期間を経過していないときなどに却下されることがあるので(法人税法施行令52条3項)、利益の見通しに合わせて毎年のように変える使い方は認められないことがあります。

18税率がどれだけ上がれば、定額法の方が得か

時間の価値を入れると、税率が同じなら定率法の方が有利です。では、4年目から税率が上がる見込みがあるとき、どこまで上がれば定額法の方が有利になるか。年2%で割り引いた減税額の現在価値が定率法と定額法で等しくなる、4年目以降の税率を計算しました(1,000万円・1年目から12か月使用)。

耐用年数今15%の場合今23.2%の場合今30%の場合
5年16.2%25.1%32.4%
8年16.5%25.5%33.0%
10年16.9%26.2%33.9%
15年18.5%28.7%37.1%
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表の損益分岐の税率は、今の税率より1.2〜7.1ポイント高いだけです。これを超えて上がる見込みがあれば、定額法の方が現在価値でも有利になります。税率の見通しは、会社なら所得が800万円を超えるかどうか、個人なら所得の段階がどう動くかで決まります。

19250%定率法の資産が残っている場合

平成19年4月1日から平成24年3月31日までに取得した資産は、定率法の償却率が定額法の2.5倍(別表第九)です。今も償却が続いている古い資産や、その期間に取得した中古資産の計算では、こちらの率を使います。

耐用年数250%の償却率200%の償却率250%:1年目200%:1年目250%:3年累計200%:3年累計
3年0.8330.667833.0万円667.0万円1,000.0万円1,000.0万円
4年0.6250.500625.0万円500.0万円947.3万円875.0万円
5年0.5000.400500.0万円400.0万円875.0万円784.0万円
6年0.4170.333417.0万円333.0万円801.8万円703.3万円
8年0.3130.250313.0万円250.0万円675.8万円578.1万円
10年0.2500.200250.0万円200.0万円578.1万円488.0万円
15年0.1670.133167.0万円133.0万円422.0万円348.3万円
20年0.1250.100125.0万円100.0万円330.1万円271.0万円
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20定率法を使えない資産

次の資産は、取得した時期によって定額法しか選べません(法人税法施行令48条・48条の2、タックスアンサー No.2100)。

機械及び装置・船舶・航空機・車両及び運搬具・工具・器具及び備品は、定額法と定率法から選べます(同項2号)。選ぶ単位は資産の種類ごと(設備の種類などの区分ごと)で、二つ以上の事業所があれば事業所ごとに選べます(法人税法施行令51条1項)。

21届け出なかったら、どちらになるか

法人個人事業主
届出がないときの方法(法定償却方法)定率法(法人税法施行令53条2号イ)定額法(所得税法施行令125条2号イ)
方法を選ぶ届出の期限設立した事業年度などの確定申告書の提出期限(同令51条2項)業務を始めた年分の確定申告期限(同令123条2項)
方法を変えるとき新しい方法を使う事業年度の開始の日の前日までに申請し、税務署長の承認(同令52条)新しい方法を使う年の3月15日までに申請し、承認(同令124条)
承認されないことがある場合今の方法を採用してから相当期間を経過していないときなど(同令52条3項)同様の定め(同令124条)

法人と個人で、何もしなかったときの方法が逆です。個人事業主が車や器具備品を定率法で償却したいなら、届出が要ります(タックスアンサー No.2100 は、新たに業務を始めた場合は翌年3月15日までと案内しています)。

22期の途中から使った場合

期の途中から使った場合は、1年目がどちらの方法でも月割りになります(法人税法施行令59条、所得税法施行令132条)。10年・1,000万円を期の7か月目から使うと、1年目は定率法100.0万円・定額法50.0万円で、償却の終わる年は定率法が10年目、定額法が11年目になります。使い始めた月と耐用年数を組み合わせて、1年目に償却できる割合と、償却が終わる年を並べました。

耐用年数使い始めた月定率法 1年目定額法 1年目定率法が終わる年定額法が終わる年
4年1か月目50.0%25.0%4年目4年目
4年4か月目37.5%18.8%4年目5年目
4年7か月目25.0%12.5%4年目5年目
4年10か月目12.5%6.2%4年目5年目
4年12か月目4.2%2.1%4年目5年目
6年1か月目33.3%16.7%6年目6年目
6年4か月目25.0%12.5%7年目7年目
6年7か月目16.7%8.3%7年目7年目
6年10か月目8.3%4.2%7年目7年目
6年12か月目2.8%1.4%7年目7年目
10年1か月目20.0%10.0%10年目10年目
10年4か月目15.0%7.5%10年目11年目
10年7か月目10.0%5.0%10年目11年目
10年10か月目5.0%2.5%10年目11年目
10年12か月目1.7%0.8%10年目11年目
15年1か月目13.3%6.7%15年目15年目
15年4か月目10.0%5.0%15年目16年目
15年7か月目6.7%3.4%16年目16年目
15年10か月目3.3%1.7%16年目16年目
15年12か月目1.1%0.6%16年目16年目
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定額法は、1年目が月割りになった分だけ最後の年に残りが回り、終わる年が1年延びるのが基本です。定率法は2年目以降の計算が期首帳簿価額に対して行われるので、1年目が短くても、終わる年が延びない場合があります。決算直前に買った場合の税の効果は決算直前に買って節税できるのはいくらかで資産ごとに計算しています。

23年末の帳簿価額は、取得価額の何%か

売るときの売却益や、捨てるときの除却損は、そのときの帳簿価額で決まります。1年目から12か月使った場合の、各年末の帳簿価額(取得価額に対する割合、定率法/定額法)です。

耐用年数1年後2年後3年後5年後
4年50%/75%25%/50%12%/25%0%/0%
5年60%/80%36%/60%22%/40%0%/0%
6年67%/83%44%/67%30%/50%10%/16%
8年75%/88%56%/75%42%/62%24%/38%
10年80%/90%64%/80%51%/70%33%/50%
12年83%/92%69%/83%58%/75%40%/58%
15年87%/93%75%/87%65%/80%49%/66%
20年90%/95%81%/90%73%/85%59%/75%
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定率法では、帳簿価額が取得価額の半分以下になるのは、4年の資産で1年後、10年の資産で4年後、20年の資産で7年後です。中古市場で値がつく資産を途中で売る予定があるなら、売る時点の帳簿価額と見込みの売値の差が、その年の益金(または損金)になることを先に見ておくと、出口の年の税を見積もれます。

24途中で壊れて捨てたとき

資産を途中で除却(廃棄)すると、そのときの帳簿価額が損失として損金になります(法人税法22条3項3号)。定率法は帳簿価額が早く小さくなるので、除却したときの損失は定額法より小さくなります。耐用年数10年・1,000万円の資産の例です。

除却の時期定率法:償却費の累計定率法:除却損定額法:償却費の累計定額法:除却損
1年使って除却200.0万円800.0万円100.0万円900.0万円
3年使って除却488.0万円512.0万円300.0万円700.0万円
5年使って除却672.3万円327.7万円500.0万円500.0万円
8年使って除却868.9万円131.1万円800.0万円200.0万円
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どちらの方法でも「償却費の累計+除却損」は取得価額と同じです。売却と同じく、方法の違いは損金になる時期の違いだけです。

25選ぶときに確かめる順番

確かめることどちらに傾くかこの記事の該当箇所
その資産は定率法を選べる種類か(建物・附属設備・構築物は不可)選べなければ定額法定率法を使えない資産
届出をしているか(法人は未届なら定率法、個人は定額法)届出がなければ法定償却方法届け出なかったら、どちらになるか
これからの税率(利益)の見通し上がる見込みなら定額法、下がる見込みなら定率法税率が年によって違うと
所得が税率の段階の境目の近くか近いなら、定率法で低い段階を削らないか確かめる中小法人・個人の段差の表
投資を増やしている時期か増やしているなら定率法の差が続く投資額が増え続ける会社
途中で売る・捨てる予定があるかどちらでも合計は同じ。時期だけが変わる途中で売ると・壊れて捨てたとき
お金の時間の価値(割引率)高いほど定率法の価値が大きい先に減らす税の価値

どの項目も、償却費の合計が変わらないことが前提です。定率法を選ぶ理由は「税を先に減らす時間の価値」か「税率の低い年を避けて償却する」ことのどちらかで、合計の税をなくす仕組みではありません。

26よくある質問

定率法と定額法、どちらが得ですか。

税率がずっと同じなら、償却費の合計も減る税の合計も同じで、定率法は税を先に減らせる分だけ時間の価値があります。これから税率が上がる見込みなら定額法の方が名目の減税額が大きくなることもあります。

途中で定率法から定額法に変えられますか。

法人は新しい方法を使う事業年度の開始の日の前日までに、個人はその年の3月15日までに申請し、税務署長の承認を受ければ変えられます。今の方法を採用してから相当期間を経過していないときなどは、却下されることがあります。

中古の資産でも定率法を使えますか。

建物・建物附属設備・構築物などの定額法しか使えない資産を除き、選べます。耐用年数を簡便法で短くした場合は、その年数の償却率を使います。

耐用年数2年の資産は、どちらを選ぶと違いが大きいですか。

定率法の償却率は1.000で、期首から使えば1年目に1円を残して全額を償却します。定額法は0.500で、2年に分かれます。中古車のように簡便法で2年になった資産では、方法の違いがそのまま1年目の額の違いになります。

個人事業主が定率法の届出をすると、今持っている資産も変わりますか。

届出は資産の種類(区分)ごとで、その区分に属する資産の償却方法になります。届出の期限や、すでに方法を選んでいる区分の変更には、所得税法施行令123条・124条の手続があります。個別の資産にどう当てはまるかは税務署か税理士に確認してください。

リースで借りている設備はどうなりますか。

所有権移転外リース取引で取得したとされる資産は、リース期間定額法です(法人税法施行令48条の2第1項6号)。定率法と定額法の選択の対象ではありません。

定率法の「保証率」とは何ですか。

定率法で毎年の償却費が小さくなりすぎないようにするための率です。取得価額×保証率(償却保証額)を下回った年から、改定償却率で毎年同じ額を償却します。

償却率は変わることがありますか。

平成24年4月1日以後の取得分から、定率法の償却率が定額法の2.5倍から2倍に変わりました。取得した時期の表を使います。

27この記事の数字は、どこから取ったか

法令は e-Gov 法令検索の現行の条文で、国税庁の資料は公表されているページで、2026年9月30日に確かめました。税制は毎年改正されます。

表の数字は、この記事の中で条文の式どおりに計算した「計算の例」で、実際の商品の条件ではありません(繰り延べ計算機の式を使った表は、/depreciation/ の計算機と同じ式です)。この記事は特定の商品の勧誘ではなく、個別の税務判断は税理士に確認してください。

自分の数字で確かめる:節税商品の本当の得

慣れてきたら

    「計算の例」は実際の商品の条件ではありません。出口(売却・契約終了)で戻る額は、帳簿の価値がほぼ0になっているので、そのまま利益として課税されるとしています。 法人は実効税率30%の例です。手数料・出口の額・出口の税率を変えた詳しい計算は減価償却の繰り延べ計算で。

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