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不動産小口化の節税と減価償却|任意組合型で建物の償却はどこまで効くか

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この記事の内容28の見出し

01先に結論

任意組合型の不動産小口化で、個人が建物の償却を使って減らせる税は、その組合から生じる不動産所得の範囲までです。組合事業の業務の重要な決定に関与せず、自ら執行もしない個人(特定組合員)は、組合から生じた不動産所得の損失を「生じなかったもの」とみなされ、給与などとの損益通算も、ほかの不動産所得との通算もできません(租税特別措置法41条の4の2)。

この記事の計算の例(出資100万円・建物の割合40%・償却前の利益が出資の4%)では、10種類の建物のうち、償却が利益を上回って「使えない損失」が出たのは、利益の水準を3〜5%と置いた30通り中8通りでした。築22年超の木造は年100,000円の償却になりますが、使えるのは利益の40,000円までです。

それでも効果が残るのは、税率の置き換えです。償却で減らした不動産所得には、所得税・復興特別所得税・住民税を合わせた限界税率がかかっていたはずで、その分は売却のときに譲渡所得として取り戻されますが、所有期間が5年を超えていれば税率は20.315%です。所得税の税率区分7段のうち、合計の税率が20.315%を上回るのは5段です。築20年のRC造・住宅用で6年持ち、所得税33%の人の例では、減った税34,605円に対して出口の税が16,089円で、差は18,515円(割り引いて18,019円)でした。

相続税の評価は、この記事では扱いません。所得税の話に絞っています。

02任意組合型とは何か:条文の言葉で確かめる

不動産特定共同事業法は、不動産特定共同事業契約として、次の形を挙げています(同法2条3項)。

号契約の形条文の要旨
1号任意組合型各当事者が出資し、共同の事業として、そのうちの一人又は数人に業務の執行を委任して不動産取引を営み、収益を分配する契約
2号匿名組合型一方が相手方の行う不動産取引のため出資し、相手方がその財産で不動産取引を営み、利益を分配する契約
3号賃貸型一方が自らの共有に属する不動産の賃貸をし又は賃貸の委任をし、相手方がその不動産で不動産取引を営み、収益を分配する契約
4号・5号外国の契約など前3号に相当する外国法令に基づく契約、政令で定める契約

1号の任意組合型は、民法667条1項の組合契約の形です。組合契約では、組合事業から生じる利益・損失は、分配割合に応じて各組合員に直接帰属します(所得税基本通達36・37共-19)。建物の償却も、組合員それぞれの不動産所得の計算に入ります。これが「建物の償却を取り込める」と説明される理由です。

3号の賃貸型は、共有の不動産を賃貸(又は賃貸の委任)する契約で、民法667条1項の組合契約とは条文の形が違います。租税特別措置法41条の4の2の対象は、同条2項1号の「組合契約」(民法の組合契約・投資事業有限責任組合契約・外国のこれらに類する契約)です。賃貸型がこの規定の対象になるかどうかは、この記事では確かめていません。

2号の匿名組合型では、個人が受ける利益の分配は原則として雑所得です(所得税基本通達36・37共-21)。建物の償却は営業者の計算の中で行われ、出資者の不動産所得にはなりません。この記事の計算は、1号の任意組合型を前提にしています。

03「特定組合員」に当たるかどうか

租税特別措置法41条の4の2は、組合契約を締結している組合員のうち、組合事業に係る重要な財産の処分若しくは譲受け又は多額の借財に関する業務の執行の決定に関与し、かつ、その業務のうち契約を締結するための交渉その他の重要な部分を自ら執行する組合員以外の者を「特定組合員」とし、平成18年以後の各年について、その組合事業から生ずる不動産所得の損失の金額を、所得税法26条2項と69条1項その他の規定の適用上「生じなかったもの」とみなします(同条1項)。

判定のしかたは施行令にあります。

任意組合型の不動産特定共同事業契約は、条文上「そのうちの一人又は数人の者にその業務の執行を委任して」営む形です(不動産特定共同事業法2条3項1号)。委任が業務の執行の全部に及ぶ契約なら、出資した個人は施行令3項により特定組合員に当たります。契約書で、業務の執行をどこまで委任しているかを確かめてください。

国税庁のタックスアンサー No.2250は、この損失について「他の不動産から生ずる不動産所得との内部通算(いわゆる所得内通算)もできません」と明記しています。自分で持っているアパートの黒字とも相殺できない、ということです。

04出資100万円あたり、建物の償却はいくらになるか

個人の建物(平成19年4月1日以後の取得)の償却は定額法だけです(所得税法施行令120条の2第1項1号ロ)。土地は減価償却資産に含まれません(同令6条)。中古の建物は、簡便法で年数を短くできます(耐用年数省令3条1項2号)。出資100万円のうち建物に当たる割合を20〜60%と置いて、1年分の償却を計算しました。

建物使う年数定額法の償却率建物20%建物30%建物40%建物50%建物60%
RC造・住宅用・新築47年0.0224,400円6,600円8,800円11,000円13,200円
RC造・住宅用・築20年31年0.0336,600円9,900円13,200円16,500円19,800円
RC造・住宅用・築47年超9年0.11222,400円33,600円44,800円56,000円67,200円
RC造・事務所用・築30年26年0.0397,800円11,700円15,600円19,500円23,400円
RC造・店舗用・築15年27年0.0387,600円11,400円15,200円19,000円22,800円
金属造(肉厚4mm超)・住宅用・築20年18年0.05611,200円16,800円22,400円28,000円33,600円
RC造・事務所用・新築50年0.0204,000円6,000円8,000円10,000円12,000円
金属造(肉厚3mm超4mm以下)・住宅用・築10年19年0.05310,600円15,900円21,200円26,500円31,800円
木骨モルタル造・住宅用・築20年超4年0.25050,000円75,000円100,000円125,000円150,000円
木造・住宅用・築22年超4年0.25050,000円75,000円100,000円125,000円150,000円
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建物の年数は、耐用年数省令 別表第一の「建物」の行から取りました。鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造は、住宅用47年・事務所用50年・店舗用39年、金属造(骨格材の肉厚4mm超)の住宅用は34年、木造の住宅用は22年です。同じ建物の割合でも、構造と築年数で償却は数倍から十数倍変わります。

建物と土地の割合は、組合が物件を取得したときの価額の区分で決まります。建物の割合が大きい商品ほど償却は大きくなりますが、次の節のとおり、それがそのまま税の効果にはなりません。

05償却が利益を上回ると、上回った分は消える

建物の割合を40%とし、償却前の利益(賃料から管理費・修繕費・固定資産税などを引いたもの)を出資の3%・4%・5%と置いて、組合から生じる不動産所得を計算しました。

建物償却(年)利益3%利益4%利益5%
RC造・住宅用・新築8,800円21,200円31,200円41,200円
RC造・住宅用・築20年13,200円16,800円26,800円36,800円
RC造・住宅用・築47年超44,800円-14,800円(使えない損失)-4,800円(使えない損失)5,200円
RC造・事務所用・築30年15,600円14,400円24,400円34,400円
RC造・店舗用・築15年15,200円14,800円24,800円34,800円
金属造(肉厚4mm超)・住宅用・築20年22,400円7,600円17,600円27,600円
RC造・事務所用・新築8,000円22,000円32,000円42,000円
金属造(肉厚3mm超4mm以下)・住宅用・築10年21,200円8,800円18,800円28,800円
木骨モルタル造・住宅用・築20年超100,000円-70,000円(使えない損失)-60,000円(使えない損失)-50,000円(使えない損失)
木造・住宅用・築22年超100,000円-70,000円(使えない損失)-60,000円(使えない損失)-50,000円(使えない損失)
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30通りのうち、不動産所得が赤字になったのは8通りです。赤字の部分は、特定組合員にとっては「生じなかったもの」です。給与の税は減らず、翌年に繰り越すこともできません。償却が大きいことが売り文句になる商品でも、個人の特定組合員にとって意味があるのは、組合の利益を0円まで下げるところまでです。

国外の中古建物には別の制限(令和3年分以後、簡便法などで計算した償却費に当たる損失は生じなかったものとみなす。国税庁 No.2250)もありますが、任意組合を通じて持つ国内の建物で問題になるのは41条の4の2です。

06利益をちょうど0にする建物の割合

特定組合員にとって、償却が利益を上回る分は使えません。逆に言えば、償却前の利益をちょうど0円にする建物の割合があり、それを超える建物の割合は、所得税の上では意味を持ちません。構造・築年数ごとに、その割合を計算しました(利益÷定額法の償却率)。

建物使う年数利益3%利益4%利益5%
RC造・住宅用・新築47年100%を超える100%を超える100%を超える
RC造・住宅用・築20年31年91%100%を超える100%を超える
RC造・住宅用・築47年超9年27%36%45%
RC造・事務所用・築30年26年77%100%を超える100%を超える
RC造・店舗用・築15年27年79%100%を超える100%を超える
金属造(肉厚4mm超)・住宅用・築20年18年54%71%89%
RC造・事務所用・新築50年100%を超える100%を超える100%を超える
金属造(肉厚3mm超4mm以下)・住宅用・築10年19年57%75%94%
木骨モルタル造・住宅用・築20年超4年12%16%20%
木造・住宅用・築22年超4年12%16%20%
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利益4%の場合、建物の割合が40%より低い水準で利益が0円になるのは、10種類のうち3種類でした。築年数の古い建物ほど、少ない建物の割合で上限に届きます。商品を比べるときは、償却の大きさそのものではなく、「償却前の利益のうち、償却で消せる割合」を見る方が実態に合います。

07赤字の年と黒字の年が混ざると

特定組合員の損失は「生じなかったもの」とみなされ、所得税の法令の規定の適用上なかったことになるので、翌年以後の黒字と相殺することもできません。利益の出方だけが違い、4年の利益の合計が近い3つの筋書きで、築20年のRC造・住宅用(建物40%・償却年13,200円)の4年間を比べました。

利益の出方(出資比)4年の利益の合計4年の不動産所得の合計課税された額の合計使えなかった損失余分にかかった税(所得税20%の人)
毎年2%8%27,200円27,200円0円0円
1年目に大規模修繕(−4%)、以後4%8%27,200円80,400円53,200円16,183円
2年目に空室(−1%)、他は3%8%27,200円50,400円23,200円7,057円
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修繕や空室で赤字の年があると、その年の赤字は捨てられ、翌年以降の黒字はそのまま課税されます。4年の合計が同じでも、課税される額は利益の出方で変わります。大規模修繕の時期が決まっている築古の物件では、修繕の年の赤字が使えないことを前提に見てください。

08出資額と所得ごとに、実際に減る税

ここまでの表は、限界税率を一律に掛けた概算です。実際には、償却で課税所得が減ると税率の区分をまたぐことがあります。築20年のRC造・住宅用(建物40%、利益4%で償却はすべて使える)に、出資額を変えて入れた場合の1年分の税の減り方を、所得税法89条の累進どおりに計算しました(控除は入れていません)。右端は6年分の減った税から、6年後に長期で売ったときに償却の累計にかかる税を引いた差です。

課税総所得金額出資額使える償却(年)1年で減る税償却に対する割合6年の差(出口の税を引いた後)
500万円300万円39,600円12,046円30.42%24,009円
1,000万円132,000円40,154円30.42%80,032円
3,000万円396,000円120,463円30.42%240,095円
700万円300万円39,600円13,259円33.48%31,287円
1,000万円132,000円41,686円31.58%89,221円
3,000万円396,000円121,995円30.81%249,284円
920万円300万円39,600円17,302円43.69%55,546円
1,000万円132,000円57,675円43.69%185,154円
3,000万円396,000円153,013円38.64%435,392円
1,830万円300万円39,600円20,133円50.84%72,527円
1,000万円132,000円67,109円50.84%241,758円
3,000万円396,000円194,465円49.11%684,107円
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12行のうち4行で、償却に対する税の割合が、償却前の所得の限界税率より低くなりました。いずれも償却で課税所得が区分の境目(695万円・900万円・1,800万円)を下回った行で、境目の下の低い税率の部分が混ざるためです。出資額を増やすほど、この「境目をまたぐ」部分が大きくなり、償却1円あたりの効果は下がります。

09附属設備を分けると償却は増えるが、使えるとは限らない

建物の取得価額のうち、電気設備・給排水設備などの建物附属設備を分けて計上すると、設備は建物本体より短い年数で償却します(別表第一:電気設備(その他のもの)15年、給排水又は衛生設備及びガス設備15年、エレベーター17年など)。平成28年4月1日以後に取得した建物附属設備も、個人は定額法です(所得税法施行令120条の2第1項1号ロ)。

建物の割合40%のうち、設備を0〜40%に分けた場合の1年目の償却と、利益4%との差です(設備は15年の区分、中古は簡便法)。

建物設備に分けた割合年数償却(年)利益4%との差使えない損失
RC造・住宅用・新築0%躯体47年・設備15年8,800円31,200円0円
20%躯体47年・設備15年12,400円27,600円0円
30%躯体47年・設備15年14,200円25,800円0円
40%躯体47年・設備15年16,000円24,000円0円
RC造・住宅用・築20年0%躯体31年・設備3年13,200円26,800円0円
20%躯体31年・設備3年37,280円2,720円0円
30%躯体31年・設備3年49,320円-9,320円(使えない)9,320円
40%躯体31年・設備3年61,360円-21,360円(使えない)21,360円
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新築では設備を分けても利益の範囲に収まりますが、築20年の中古では、設備が簡便法で3年になり、償却が利益を大きく上回ります。個人の特定組合員には、上回った分の効果はありません。設備の区分けは、利益の小さい年の損失を大きくするだけの結果になりえます。

10分配のうち、税がかからない部分

償却は現金が出ていかない経費なので、分配として受け取る現金と、課税される所得の額に差が出ます。償却前の利益4%をそのまま分配すると置いた場合です(建物40%)。

建物分配(年)課税される所得税引後(所得税20%の人)税引後(所得税33%の人)
RC造・住宅用・新築40,000円31,200円30,509円26,368円
RC造・住宅用・築20年40,000円26,800円31,847円28,290円
RC造・住宅用・築47年超40,000円0円40,000円40,000円
RC造・事務所用・築30年40,000円24,400円32,578円29,339円
RC造・店舗用・築15年40,000円24,800円32,456円29,164円
金属造(肉厚4mm超)・住宅用・築20年40,000円17,600円34,646円32,310円
RC造・事務所用・新築40,000円32,000円30,266円26,018円
金属造(肉厚3mm超4mm以下)・住宅用・築10年40,000円18,800円34,281円31,786円
木骨モルタル造・住宅用・築20年超40,000円0円40,000円40,000円
木造・住宅用・築22年超40,000円0円40,000円40,000円
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償却が利益以上になる建物では、分配を受けてもその年の所得税・住民税はかかりません。その代わり、償却した分だけ建物の取得費が小さくなり、売るときの譲渡所得が大きくなります(所得税法38条2項1号)。「非課税の分配」ではなく、「課税を売るときまで後ろにずらした分配」です。

11出口の税率は5年で変わる:税率の置き換え

土地・建物を売ったときの譲渡所得は分離課税で、譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えるものは長期譲渡所得(所得税15%)、5年以下は短期譲渡所得(所得税30%)です(租税特別措置法31条1項・32条1項)。国税庁のタックスアンサー(No.3208・No.3211)は、住民税5%・9%と、平成25年から令和29年までの各年分は基準所得税額の2.1%の復興特別所得税を示していて、合わせると長期20.315%・短期39.63%です。

一方、償却で減らした不動産所得は総合課税で、所得税は5%から45%まで7段階の累進です(所得税法89条)。住民税の所得割は標準税率で道府県民税4%・市町村民税6%で、指定都市に住む人は2%・8%と配分が変わりますが、合計は同じ10%です(地方税法35条・314条の3)。所得税の区分ごとに、復興特別所得税と住民税を足した限界税率と、出口の税率との差を計算しました。

課税総所得金額所得税合計の限界税率長期譲渡との差償却10万円あたりの差(長期)短期譲渡との差
195万円以下5%15.105%-5.210%-5,210円-24.525%
195万円超〜330万円以下10%20.210%-0.105%-105円-19.420%
330万円超〜695万円以下20%30.420%10.105%10,105円-9.210%
695万円超〜900万円以下23%33.483%13.168%13,168円-6.147%
900万円超〜1,800万円以下33%43.693%23.378%23,378円4.063%
1,800万円超〜4,000万円以下40%50.840%30.525%30,525円11.210%
4,000万円超45%55.945%35.630%35,630円16.315%
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長期で売るなら、合計の税率が20.315%を超える5段の人に、差の分だけ得が残ります。短期(5年以下)で売ると、39.63%を上回るのは7段のうち3段で、残りの4段では差がマイナスです。償却で減らした税を、売るときにより高い税率で払い直すことになります。

最も低い区分(課税総所得金額195万円以下)の合計の税率は15.105%で、長期譲渡の税率を下回り、償却を使うほど税が増える計算になります。

121月1日の判定:取得した月で、長期になる日が変わる

所有期間は、取得をした日の翌日から引き続き所有していた期間で(租税特別措置法施行令20条2項)、長期かどうかは譲渡した年の1月1日で判定します。2026年に取得した場合、どの月に取得しても、長期になるのは2032年1月1日以後の譲渡です。

取得した月短期になる譲渡長期になる最初の譲渡長期になるまでに実際に持つ期間
2026年1月2031年12月31日までの譲渡2032年1月1日以後の譲渡6年0か月
2026年3月2031年12月31日までの譲渡2032年1月1日以後の譲渡5年10か月
2026年6月2031年12月31日までの譲渡2032年1月1日以後の譲渡5年7か月
2026年9月2031年12月31日までの譲渡2032年1月1日以後の譲渡5年4か月
2026年12月2031年12月31日までの譲渡2032年1月1日以後の譲渡5年1か月
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募集の資料にある「運用期間○年」の終わりに売る場合で、取得した月と運用期間の組み合わせごとに、長期になるかを並べました。

取得した月運用期間5年運用期間6年運用期間7年
2026年1月2031年1月:短期2032年1月:長期2033年1月:長期
2026年4月2031年4月:短期2032年4月:長期2033年4月:長期
2026年7月2031年7月:短期2032年7月:長期2033年7月:長期
2026年10月2031年10月:短期2032年10月:長期2033年10月:長期
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運用期間5年で終わる場合は、どの月に取得しても短期です。6年以上なら、2032年1月1日以後の売却になって長期です。運用期間は目安で、実際の売却の時期は組合の決定で前後することがあるので、その幅も確かめてください。

12月に取得すると、実際には5年1か月持てば長期になり、1月に取得すると6年近く持つ必要があります。組合型の商品では、運用期間の終わりに物件を売る時期が組合の決定で決まるので、募集の資料にある運用期間が、この日付に届いているかを確かめてください。組合が物件を取得した日と、自分が組合に加入した日のどちらを基準に数えるかは、この記事では確かめていません。

136年持った場合と4年で売った場合

建物40%・利益4%として、6年持って長期で売った場合と、4年で売って短期になった場合の、減った税と出口の税を比べます。売った額は取得した額と同じ(値上がりも値下がりもしない)とし、償却した分だけが譲渡所得になる前提です。「割引後」は年2%で割り引いた値です。

建物所得税の区分6年:減った税6年:出口の税(長期)6年:差6年:差(割引後)4年:減った税4年:出口の税(短期)4年:差
RC造・住宅用・築20年所得税10%(合計20.21%)16,006円16,089円-83円656円10,671円20,925円-10,254円
所得税20%(合計30.42%)24,093円16,089円8,003円8,205円16,062円20,925円-4,863円
所得税33%(合計43.69%)34,605円16,089円18,515円18,019円23,070円20,925円2,145円
所得税40%(合計50.84%)40,265円16,089円24,176円23,304円26,844円20,925円5,919円
金属造(肉厚4mm超)・住宅用・築20年所得税10%(合計20.21%)27,162円27,303円-141円1,113円18,108円35,508円-17,400円
所得税20%(合計30.42%)40,884円27,303円13,581円13,924円27,256円35,508円-8,252円
所得税33%(合計43.69%)58,723円27,303円31,420円30,578円39,149円35,508円3,640円
所得税40%(合計50.84%)68,329円27,303円41,026円39,545円45,553円35,508円10,044円
木造・住宅用・築22年超所得税10%(合計20.21%)32,336円81,260円-48,924円-41,375円32,336円158,520円-126,184円
所得税20%(合計30.42%)48,672円81,260円-32,588円-25,824円48,672円158,520円-109,848円
所得税33%(合計43.69%)69,909円81,260円-11,351円-5,608円69,909円158,520円-88,611円
所得税40%(合計50.84%)81,344円81,260円84円5,277円81,344円158,520円-77,176円
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表の12行のうち、6年(長期)で差がプラスになったのは7行、4年(短期)でプラスになったのは4行でした。償却の効果は、限界税率が高く、長期で売れる人に偏っています。

木造・築22年超の例では、償却は年100,000円ですが、利益4%(40,000円)を上回る分は使えません。所得税33%の人が6年持った場合、減った税は69,909円、出口の税は81,260円で、差は-11,351円です。所得税法38条2項1号は、取得費から差し引く額を「必要経費に算入される償却費の額の累積額」としていて、措法41条の4の2は損失の金額を「生じなかったもの」とみなす規定であり、償却費を必要経費に入れないとはしていません。文言どおりに読むと、損失として使えなかった分の償却費も取得費から差し引かれ、出口で課税される計算になります。この点を国税庁の文書で直接確かめることはできていないので、実際の申告は税理士に確認してください。

14建物の割合を変えると、6年の差はどう動くか

建物の割合が大きいほど償却は大きくなりますが、利益を超えた分は使えず、それでも取得費からは差し引かれる(前節の読み方による)ので、出口の税だけが増えます。所得税33%の人が6年持って長期で売る前提で、建物の割合ごとの差(減った税−出口の税)を計算しました(利益4%)。

建物建物20%建物30%建物40%建物50%建物60%
RC造・住宅用・新築6,172円9,258円12,344円15,429円18,515円
RC造・住宅用・築20年9,258円13,887円18,515円23,144円27,773円
RC造・住宅用・築47年超31,420円47,130円50,256円36,605円22,953円
RC造・事務所用・築30年10,941円16,411円21,882円27,352円32,823円
RC造・店舗用・築15年10,660円15,991円21,321円26,651円31,981円
金属造(肉厚4mm超)・住宅用・築20年15,710円23,565円31,420円39,275円47,130円
RC造・事務所用・新築5,611円8,416円11,221円14,027円16,832円
金属造(肉厚3mm超4mm以下)・住宅用・築10年14,868円22,303円29,737円37,171円44,605円
木骨モルタル造・住宅用・築20年超29,279円8,964円-11,351円-31,666円-51,981円
木造・住宅用・築22年超29,279円8,964円-11,351円-31,666円-51,981円
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10種類のうち3種類で、差が最も大きくなる建物の割合は60%より小さい水準でした。RC造・住宅用・築47年超は40%、木骨モルタル造・住宅用・築20年超は20%、木造・住宅用・築22年超は20%、で差が最大です。償却の年数が短い建物では、建物の割合が大きいことがかえって不利に働きます。

15持つ年数で、差はどう変わるか

同じ条件(建物40%・利益4%・所得税33%)で、持つ年数だけを3年から8年まで変えました。5年以下で売ると短期、6年以上なら長期として計算しています(取得した年の翌年から数えて6年目の年の1月1日に5年を超える前提の単純化)。

建物3年4年5年6年7年8年
RC造・住宅用・築20年1,609円2,145円2,682円18,515円21,601円24,687円
金属造(肉厚4mm超)・住宅用・築20年2,730円3,640円4,551円31,420円36,657円41,893円
木造・住宅用・築22年超-66,458円-88,611円-88,611円-11,351円-11,351円-11,351円
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5年目と6年目の間で、差の符号や大きさが変わります。運用期間の短い商品では、償却で減った税をより高い短期の税率で払い直すことになるので、「償却で得をする」説明は運用期間とセットで確かめてください。

16償却が終わった後の年

簡便法で年数が短い建物は、償却が数年で終わります。その後は利益がそのまま課税されます。建物40%・利益4%で、課税される不動産所得を年ごとに並べました。

年目RC造・住宅用・築20年金属造(肉厚4mm超)・住宅用・築20年木造・住宅用・築22年超
1年目26,800円17,600円0円
2年目26,800円17,600円0円
3年目26,800円17,600円0円
4年目26,800円17,600円0円
5年目26,800円17,600円40,000円
6年目26,800円17,600円40,000円
7年目26,800円17,600円40,000円
8年目26,800円17,600円40,000円
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築22年超の木造は、4年間は課税される所得が0円ですが、そのうち利益を上回った償却は使えずに消えています。5年目からは、償却がなくなった分だけ課税される所得が増えます。「最初の数年は分配に税がかからない」という説明は、その後の年の課税と、売るときの取得費の減少とセットで見てください。

176年後、建物の取得費はどこまで下がるか

出資100万円のうち建物に当たる400,000円が、6年間の償却でいくらになるかです(定額法。償却は1円まで)。売るときは、この残りが建物の取得費になります(所得税法38条2項1号)。

建物使う年数建物の取得価額6年の償却の累計6年後の取得費取得価額に対する割合
RC造・住宅用・新築47年400,000円52,800円347,200円86.8%
RC造・住宅用・築20年31年400,000円79,200円320,800円80.2%
RC造・住宅用・築47年超9年400,000円268,800円131,200円32.8%
RC造・事務所用・築30年26年400,000円93,600円306,400円76.6%
RC造・店舗用・築15年27年400,000円91,200円308,800円77.2%
金属造(肉厚4mm超)・住宅用・築20年18年400,000円134,400円265,600円66.4%
RC造・事務所用・新築50年400,000円48,000円352,000円88.0%
金属造(肉厚3mm超4mm以下)・住宅用・築10年19年400,000円127,200円272,800円68.2%
木骨モルタル造・住宅用・築20年超4年400,000円399,999円1円0.0%
木造・住宅用・築22年超4年400,000円399,999円1円0.0%
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短い年数で償却した建物ほど、売るときの取得費が小さく、譲渡所得が大きくなります。長期譲渡の税率で払い直すことを前提にした計算が、この記事の「税率の置き換え」です。

18利益の水準で、使えない損失は変わる

償却の大きい建物では、利益の水準で「使えない損失」の大きさが変わり、6年の差(減った税−出口の税)も変わります。利益を出資の3〜6%と置いて計算しました(建物40%・6年・長期)。

建物利益(出資比)所得税20%の人所得税33%の人所得税40%の人
RC造・住宅用・築47年超3%149円24,041円36,905円
4%18,401円50,256円67,409円
5%27,162円62,840円82,051円
6%27,162円62,840円82,051円
木造・住宅用・築22年超3%-44,756円-28,828円-20,252円
4%-32,588円-11,351円84円
5%-20,420円6,126円20,420円
6%-8,252円23,603円40,756円
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利益が大きいほど、償却を使い切れる割合が増え、差はプラスに近づきます。償却の大きい建物を選ぶほど、利益の見込みが外れたときの影響が大きい、ということでもあります。

19所得税の区分と持つ年数で、差を並べる

築20年のRC造・住宅用(建物40%・利益4%)で、所得税の区分ごとに、持つ年数を6年・8年・10年・15年として差(減った税−出口の長期譲渡の税)を計算しました。

所得税の区分6年8年10年15年
所得税5%-4,126円-5,502円-6,877円-10,316円
所得税10%-83円-111円-139円-208円
所得税20%8,003円10,671円13,339円20,008円
所得税23%10,429円13,905円17,382円26,073円
所得税33%18,515円24,687円30,859円46,288円
所得税40%24,176円32,234円40,293円60,439円
所得税45%28,219円37,625円47,032円70,547円
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7区分のうち2区分では、何年持っても差はマイナスでした。合計の税率が長期譲渡の20.315%を下回る区分では、持つ年数を延ばしても、償却の累計が増える分だけ出口の税も増えるので、差は広がる一方です。

20特定組合員でなかったら、どれだけ違うか

比較のために、組合の損失を給与などと損益通算できたと仮定した場合(特定組合員に当たらない場合)と並べます。償却の大きい2つの建物(建物40%・利益4%)で、6年分(償却が6年より短く終わる建物はその年数分)の償却から減る税を比べました。

建物所得税の区分特定組合員:減る税損益通算できた場合:減る税41条の4の2で使えない分出口の税(長期・どちらも同じ)
RC造・住宅用・築47年超20%73,008円81,769円8,761円54,607円
33%104,863円117,447円12,584円54,607円
40%122,016円136,658円14,642円54,607円
木造・住宅用・築22年超20%48,672円121,680円73,008円81,260円
33%69,909円174,772円104,863円81,260円
40%81,344円203,360円122,016円81,260円
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出口の税は、償却の累計にかかるのでどちらも同じです。特定組合員の場合は、減る税だけが小さくなります。業務の執行に関与しない出資者にとって、償却の大きい建物は、出口の税だけを確実に増やす形になりえます。

21この記事の計算の前提

項目置いた前提
出資と物件出資100万円がそのまま物件(土地と建物)の持分に当たり、借入はない
建物の割合20〜60%(断りのない表は40%)
償却前の利益賃料から管理費・修繕費・固定資産税などを引いた額を出資の3〜6%(断りのない表は4%)。分配は利益と同額
税率所得税の区分の税率×1.021+住民税10%。控除は入れない
出口取得した額と同じ額で売る(値動きの表を除く)。5年以下は短期、6年以上は長期
組合員個人の特定組合員。計算方法は総額方式(純額方式の節を除く)

22建物の割合は何で決まるか:裁決の例

土地と建物を一括で買った場合の建物の価額について、国税不服審判所は、売買契約書の内訳が過剰に建物へ配分されていたとして、固定資産税評価額の比で按分し直した処分を維持した例があります(令和4年9月9日裁決、裁決事例集No.128)。別の事例では、路線価を基にした差引きを合理的でないとし、不動産鑑定の積算価格の比を合理的と認めたものもあります(令和5年6月21日裁決、同No.131)。組合が物件を取得したときの建物と土地の区分が、どの根拠によるかは、償却の大きさを左右します。詳しくは税務調査の裁決例で整理しています。

23売った額が上下したら

築20年のRC造・住宅用(31年)、建物40%、所得税33%の人が6年持って長期で売る例で、売った額が取得した額から上下した場合です。

売った額の変化償却の累計譲渡所得出口の税(長期)減った税差
-20%79,200円-120,800円0円34,605円34,605円
-10%79,200円-20,800円0円34,605円34,605円
+0%79,200円79,200円16,089円34,605円18,515円
+10%79,200円179,200円36,404円34,605円-1,800円
+20%79,200円279,200円56,719円34,605円-22,115円
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売った額が取得費を下回って譲渡損失になった場合、長期譲渡所得の損失は、給与など他の所得と通算できません(租税特別措置法31条1項後段で「生じなかつたもの」とみなされる)。値下がりの損は、税の上でも取り返せないということです。

値下がりした分は譲渡所得を小さくするので、出口の税も小さくなります。ただし、元本が減った分は税の差では埋まりません。この例の税の差(18,515円)は、出資100万円の1割の変動(100,000円)の19%です。

24組合の計算方法で、出口の所得の区分が変わりうる

所得税基本通達36・37共-20は、組合員の利益・損失の計算方法として、(1)組合事業の収入・支出・資産・負債などを分配割合に応じて各組合員のものとして計算する方法(総額方式)を原則とし、(1)が困難で継続して適用している場合に限り、(2)収入・原価・費用・損失だけを按分する方法、(3)組合事業の利益・損失の額を按分する方法(純額方式)を認めています。

(3)の方法では、各組合員に按分される利益の額又は損失の額は「当該組合事業の主たる事業の内容に従い、不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得のいずれか一の所得に係る収入金額又は必要経費とする」と書かれています。文言どおりに読むと、物件を売った年の利益も、主たる事業(不動産の貸付け)に従って不動産所得に含まれることになり、長期譲渡所得の税率は使えません。

建物所得税の区分6年分の償却の累計長期譲渡所得として不動産所得として(限界税率)差
RC造・住宅用・築20年20%79,200円16,089円24,093円8,003円
33%79,200円16,089円34,605円18,515円
40%79,200円16,089円40,265円24,176円
木造・住宅用・築22年超20%400,000円81,260円121,680円40,420円
33%400,000円81,260円174,772円93,512円
40%400,000円81,260円203,360円122,100円
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どの方法で計算しているかは、組合から届く計算書の形で分かります。収入・経費・資産の内訳まで分けて届くなら(1)、利益の額だけなら(3)に近い形です。通達の(注)は、報告の状況などから収入・支出・資産・負債などを明らかにできない場合は「(1)の方法により計算することが困難と認められる場合」に当たるとしています。出口の年の扱いは、申告の前に税理士に確認してください。

25組合の損益は、いつの年分に入るか

組合事業の利益・損失は、原則としてその年分の各種所得の計算に入れますが、組合事業の損益を毎年1回以上一定の時期に計算し、かつ個々の損益の帰属が発生後1年以内である場合は、組合の計算期間を基に計算し、その計算期間の終了する日の属する年分に入れます(所得税基本通達36・37共-19の2)。計算期間が12月末で終わらない組合では、物件を売った日と、その利益が入る年分がずれることがあります。1月1日の判定(長期か短期か)は譲渡した年で行うので、この2つを混同しないでください。

26小口化を検討するときに確かめること

項目確かめる中身根拠
契約の形任意組合型(1号)か、匿名組合型(2号)か、賃貸型(3号)か不動産特定共同事業法2条3項
業務の執行の委任全部を委任していれば特定組合員措令26条の6の2第3項
建物の割合・構造・築年数償却の大きさ耐用年数省令 別表第一・3条
償却前の利益の見込み償却が利益を上回った分は使えない措法41条の4の2
自分の限界税率長期譲渡の20.315%より高いか所得税法89条・措法31条
運用期間の終わりの日付譲渡の年の1月1日で5年超か措法31条・措令20条
組合の計算方法総額方式か純額方式か所得税基本通達36・37共-20

表の数字は、建物の割合・利益・税率を仮に置いた計算の例で、特定の商品の条件ではありません。ほかの資産との比較は繰り延べ計算機、自分で木造アパートを持つ場合(組合を通さないので損益通算の制限が違う)は築古の木造アパートで扱っています。

27よくある質問

任意組合型の小口化で、給与の税は減りますか。

業務の執行を全部委任している個人(特定組合員)は、組合から生じた不動産所得の損失を「生じなかったもの」とみなされるので、給与と相殺できません(措法41条の4の2、措令26条の6の2第3項)。

ほかに持っているアパートの黒字とは相殺できますか。

できません。国税庁のタックスアンサー No.2250は、他の不動産所得との内部通算もできないと明記しています。

では節税の効果はないのですか。

組合の不動産所得を償却で小さくし、その分を売るときの長期譲渡所得(20.315%)に置き換える効果は残ります。限界税率がそれより高い人ほど差が出ます。

5年を超えて持てば長期になりますか。

譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えている必要があります(措法31条1項)。2026年に取得したなら、2032年1月1日以後の譲渡です。

運用期間が5年の商品でも長期譲渡になりますか。

譲渡した年の1月1日で所有期間が5年を超えている必要があるので、取得から5年ちょうどで売ると短期です。この記事の表では、5年以下で売る場合を短期として計算しています。

修繕で赤字になった年の損失は、翌年に繰り越せますか。

特定組合員の損失は「生じなかったもの」とみなされるので、繰り越すことも、翌年の黒字と相殺することもできません。

築年数の古い建物ほど有利ですか。

償却は大きくなりますが、個人の特定組合員は利益を上回った分を使えません。この記事の例では、利益4%・所得税33%で6年持った場合、築22年超の木造は差がマイナスでした。

組合から届く計算書で何を見ればよいですか。

収入・経費・資産の内訳が分かるか(計算方法が総額方式か純額方式か)、償却費の額、損失になっていないかを見ます。損失の年は、特定組合員にとってその年の損失はなかったものになります。

値下がりして売った場合の損失は、給与と相殺できますか。

土地・建物の長期譲渡所得の損失は「生じなかったもの」とみなされ、他の所得と通算できません(措法31条1項後段)。

建物の割合は自分で決められますか。

組合が物件を取得したときの価額の区分によります。一括購入した土地建物の価額は、合理的な基準で按分すべきとした裁決(令和4年9月9日など)があります。

運用期間5年の商品で、償却の効果は残りますか。

運用期間の終わりに売ると短期譲渡(39.63%)になるので、限界税率がそれより低い人は、減った税より出口の税の方が大きくなります。この記事の区分別の表で確かめてください。

土地の分は償却できますか。

できません。減価償却資産は所得税法施行令6条に列挙されたもので、土地は含まれません。

匿名組合型の小口化でも建物の償却は使えますか。

匿名組合員が受ける分配は原則として雑所得で(所得税基本通達36・37共-21)、建物の償却は営業者の計算の中で行われます。出資者の不動産所得として償却を取り込む形にはなりません。

28この記事の数字は、どこから取ったか

法令は e-Gov 法令検索の現行の条文で、国税庁の資料は公表されているページで、2026年9月30日に確かめました。税制は毎年改正されます。

建物の割合・償却前の利益・売った額は仮の値です。限界税率は所得税の区分に復興特別所得税(所得税額の2.1%)と住民税10%を足したもので、各種控除や住民税の均等割は入れていません。

表の数字は、この記事の中で条文の式どおりに計算した「計算の例」で、実際の商品の条件ではありません(繰り延べ計算機の式を使った表は、/depreciation/ の計算機と同じ式です)。この記事は特定の商品の勧誘ではなく、個別の税務判断は税理士に確認してください。

自分の数字で確かめる:節税商品の本当の得

慣れてきたら

    「計算の例」は実際の商品の条件ではありません。出口(売却・契約終了)で戻る額は、帳簿の価値がほぼ0になっているので、そのまま利益として課税されるとしています。 法人は実効税率30%の例です。手数料・出口の額・出口の税率を変えた詳しい計算は減価償却の繰り延べ計算で。

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