投資総研
オペレーティングリース

オペレーティングリースは、
法人の利益の先送り

航空機・船舶・コンテナなどを貸す事業に出資し、初めの数年に出る損失を受け取る仕組みです。減った税は、資産の売却や契約の終了のときに利益の分配として戻り、そこで課税されます。誰が使えて、出口で何が起き、どこにリスクがあるかを、法令と国税庁の資料で整理しました。

主な出資者
法人

個人は損失を他の所得と相殺できない

大型の飛行機
10年

法定耐用年数(130トン超)

中型の飛行機
8年

5.7トン超〜130トン以下

損失の上限(法人)
出資額まで

租税特別措置法 第67条の12

しくみ

仕組み

  1. 出資する

    投資家は、資産を持って貸す事業(多くは特別目的会社)に、匿名組合などの契約で出資します。

  2. 初めの数年に損失が出る

    事業を営む側が資産を償却するため、利用料の収入より経費が大きい年が続き、出資の割合に応じて損失が配分されます。法人の出資者は、この損失を自社の利益と相殺できます(出資額を超える部分を除く)。

  3. 後半は利益が出る

    償却が進むと経費が減り、利益の分配を受ける年に変わります。

  4. 出口で課税される

    資産の売却や契約の終了で受け取る分配は、帳簿の価値が小さくなっているぶん、大きな利益として課税されます。

一般的な仕組みです。実際の契約の形・期間・出口の条件は商品ごとに違います。

対象

法人と個人で扱いが違う

法人が出資
個人が出資
損失の扱い
出資額までは経費にできる。超える部分は経費にならない(第67条の12)
匿名組合の分配は原則として雑所得。雑所得の損失は給与などと損益通算できない
使われ方
利益が大きく出た年の利益を、先の年に送る
節税の効果はほぼ期待できない

租税特別措置法(e-Gov法令) ↗ 所得税基本通達 36・37共-21 ↗ 国税庁 No.2250 ↗

計算機

出口まで計算する

オペレーティングリースの例を入れた計算機で、今年減る税と、出口の税まで含めた差を比べてください。今の税率と出口の年の税率が同じなら、残るのは税の先送りの価値だけで、手数料とお金を寝かせるコストで消えることがあります。

売り文句になりやすい数字:今年減る税—
出口の税まで引いた、本当の得(損)—
  • 経費にした額による、税の減少(合計)—
  • 出口で戻る額にかかる税—
  • ① 税率の差の効果—
  • ② 税を先に延ばした価値—
  • ③ 元本の増減(税引後)と手数料—
  • ④ 戻るまでお金を寝かせるコスト—
  • ⑤ 毎年の事業の利益(税引後・割引後)—
  • ①〜⑤の合計=本当の得(損)—

計算の例は実際の商品の条件ではありません。

リスク

リスク

  1. 出口の資産価格

    中古の航空機・船舶の価格は、需要や燃費規制で大きく変わります。出口で戻る額が想定を下回ると、元本が減ります。

  2. 為替

    資産や利用料が外貨建ての場合、円に戻すときの為替で分配が変わります。

  3. 借り手の倒産

    航空会社・海運会社の経営が悪化すると、利用料の支払いが止まることがあります。

  4. 出口の年の自社の利益

    分配を受ける年に赤字なら税は小さく済みますが、利益が大きいと、先に減った税をまとめて払うことになります。

もっと詳しく

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