01任意組合とは
任意組合は、民法に定められた組合です。複数の人が出資して共同で事業を行い、財産は組合員の共有になります。
不動産特定共同事業の任意組合型では、投資家は不動産の共有持分を持ちます。匿名組合型と違い、物件そのものの一部が自分のものになります。
この違いが、税と相続で効きます。所得は不動産所得になり、減価償却を計上でき、損失を他の所得と損益通算できる場合があります。相続税の評価も不動産としての評価になります。その代わり最低投資額が大きく(100万円単位が通例)、扱っている事業者も限られます。
02任意組合は、どこに書かれているか
この言葉が出てくる場所と、そこでの書かれ方を並べます。
| どこに出てくるか | 書かれ方 | 見るときの注意 |
|---|---|---|
| 契約締結前交付書面 | 「任意組合契約」 | 契約の名称を確認 |
| 募集ページ | 「共有持分」「組合」 | — |
| 登記 | 共有持分として登記される場合がある | — |
| 税の説明 | 「不動産所得」「減価償却」 | — |
03任意組合で、誤解されやすい点
| よくある誤解 | 実際は |
|---|---|
| 匿名組合と同じ | 根拠法も、財産の帰属も、税も違う |
| 責任は出資額まで | 民法上は無限責任。契約で限定しているのが通例。書面で確認 |
| 少額から出せる | 100万円単位が通例 |
| どの事業者にもある | 扱っている事業者は限られる |
| 手続きが同じ | 登記や組合の運営が加わり、重くなる |
04任意組合型と匿名組合型を、条件で並べる
同じ不動産クラウドファンディングでも、契約の形が違えば別の商品です。
| 匿名組合型 | 任意組合型 | |
|---|---|---|
| 根拠法 | 商法 | 民法 |
| 投資家が持つもの | 出資持分 | 不動産の共有持分 |
| 登記 | されない | される場合がある |
| 所得区分 | 雑所得 | 不動産所得 |
| 減価償却 | できない | できる |
| 損益通算 | できない | できる場合がある |
| 源泉徴収 | 20.42% | 原則なし |
| 最低投資額 | 1万円から | 100万円単位が通例 |
| 相続税評価 | 出資持分として | 不動産として |
| 責任 | 出資額まで | 民法上は無限責任(契約で限定するのが通例) |
| 事業者が破綻したとき | 分別管理の実効性が争点 | 共有持分は投資家のもの |
| 手続きの重さ | 軽い | 重い |
最低投資額の差が、実務では最大の分かれ目です。任意組合型は100万円単位が通例なので、1万円から分散したい人には合いません。
| こう考えるなら | 向いている |
|---|---|
| 少額から分散したい | 匿名組合型 |
| 損益通算で税を軽くしたい | 任意組合型 |
| 相続を考えている | 任意組合型(税理士に相談のうえ) |
| 手続きを簡単にしたい | 匿名組合型 |
| 物件そのものを持ちたい | 任意組合型 |
05任意組合と一緒に読む語
この記事は法令の定めと公表されている数字だけで書いています。任意組合の実際の扱いは契約締結前交付書面(不動産型では契約成立前書面)に書かれていて、募集ページの表現と食い違う場合は書面が優先します。制度は改正されることがあります。
06よくある質問
この用語は、どこで確認できますか。
契約締結前交付書面(不動産型では契約成立前書面)です。法令で交付が義務づけられていて、記載すべき事項も決まっています。
募集ページと書面で書き方が違う場合は。
書面が優先します。募集ページは広告で、書面は契約の説明です。
用語が分からないまま投資してもよいですか。
おすすめしません。分からない言葉があるまま同意すると、あとで「知らなかった」と主張するのが難しくなります。
元本は保証されますか。
されません。どの種別にも公的な元本補償の仕組みはなく、出資について元本を保証することは出資法で禁じられています。
用語の一覧はありますか。
用語集のページにまとめています。この記事からも関連する語に移動できます。
07この記事の数字は、どこから取ったか
会社名を挙げて処分や事故を書くにあたっては、照合を法人番号の完全一致に限りました。社名の部分一致で突き合わせると、似た社名の別会社の記録を拾ってしまいます。当サイトが実際に試したところ、82件が一致したように見えてそのほとんどが別会社でした。
できていないことも書きます。不動産特定共同事業者への監督処分は国土交通省・都道府県の所管で、この事例集には含まれていません。また償還後の実績は、事業型を除いてどの事業者も公表していないため、不動産型・融資型については「戻らなかった件数」を外から数えられません。
数字はいずれも元本を保証するものではなく、この記事は特定の商品の勧誘ではありません。

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