01匿名組合とは
匿名組合は、商法に定められた契約です。出資者(匿名組合員)が営業者に出資し、営業者がその資金で事業を行い、利益を分配します。
重要なのは、出資した財産は営業者に帰属することです。投資家が持つのは「営業者に対する契約上の権利」であって、物件そのものではありません。名前が表に出ないので「匿名」といいます。
投資型クラウドファンディングの多くがこの形をとっています。手続きが軽く、1万円から募集できるのはこの仕組みのおかげです。その代わり、分配は雑所得になり、損失を他の所得と損益通算できません。
02匿名組合は、どこに書かれているか
この言葉が出てくる場所と、そこでの書かれ方を並べます。
| どこに出てくるか | 書かれ方 | 見るときの注意 |
|---|---|---|
| 契約締結前交付書面 | 「匿名組合契約」 | 契約の名称を確認 |
| 募集ページ | 「匿名組合出資」 | — |
| 年間取引報告書 | 「匿名組合分配金」 | 所得区分の判断に使う |
| 税の説明 | 「雑所得」「20.42%の源泉徴収」 | — |
03匿名組合で、誤解されやすい点
| よくある誤解 | 実際は |
|---|---|
| 投資家が物件を持っている | 持っていない。営業者に帰属する |
| 損益通算できる | できない。雑所得 |
| 登記される | されない |
| 営業者が破綻しても持分は守られる | 分別管理の実効性が争点になる |
| 任意組合と同じ | 根拠法も、財産の帰属も、税も違う |
04匿名組合と一緒に読む語
この記事は法令の定めと公表されている数字だけで書いています。匿名組合の実際の扱いは契約締結前交付書面(不動産型では契約成立前書面)に書かれていて、募集ページの表現と食い違う場合は書面が優先します。制度は改正されることがあります。
05よくある質問
この用語は、どこで確認できますか。
契約締結前交付書面(不動産型では契約成立前書面)です。法令で交付が義務づけられていて、記載すべき事項も決まっています。
募集ページと書面で書き方が違う場合は。
書面が優先します。募集ページは広告で、書面は契約の説明です。
用語が分からないまま投資してもよいですか。
おすすめしません。分からない言葉があるまま同意すると、あとで「知らなかった」と主張するのが難しくなります。
元本は保証されますか。
されません。どの種別にも公的な元本補償の仕組みはなく、出資について元本を保証することは出資法で禁じられています。
用語の一覧はありますか。
用語集のページにまとめています。この記事からも関連する語に移動できます。
06この記事の数字は、どこから取ったか
会社名を挙げて処分や事故を書くにあたっては、照合を法人番号の完全一致に限りました。社名の部分一致で突き合わせると、似た社名の別会社の記録を拾ってしまいます。当サイトが実際に試したところ、82件が一致したように見えてそのほとんどが別会社でした。
できていないことも書きます。不動産特定共同事業者への監督処分は国土交通省・都道府県の所管で、この事例集には含まれていません。また償還後の実績は、事業型を除いてどの事業者も公表していないため、不動産型・融資型については「戻らなかった件数」を外から数えられません。
数字はいずれも元本を保証するものではなく、この記事は特定の商品の勧誘ではありません。

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