01実績利回りとは
実績利回りは、運用が終わったあとに、実際に分配された額から計算した利回りです。想定利回りが「見込み」なのに対して、こちらは「結果」です。
ところが、この数字はほとんど公表されていません。運用が終わった案件について「想定6.0%に対して実績6.0%だった」と一覧で出している事業者は、ごくわずかです。
外から確かめられるのは、自分が出した案件の運用報告と、事業型の一部で公表されている償還率だけです。だから「この事業者の実績利回りは何%か」という問いに、外から答えることはできません。
02実績利回りは、どこに書かれているか
この言葉が出てくる場所と、そこでの書かれ方を並べます。
| どこに出てくるか | 書かれ方 | 見るときの注意 |
|---|---|---|
| 運用報告 | 実際に分配された額 | 自分が出した案件のみ |
| 事業者の実績ページ | 「全案件が想定どおり償還」といった表現 | 個別の数字が出ていないことが多い |
| 事業型の一部 | 償還率(出資額に対して戻った割合) | 1件ずつ公表されている |
| 年間取引報告書 | その年に受け取った分配の合計 | 自分の実績 |
03実績利回りで、誤解されやすい点
| よくある誤解 | 実際は |
|---|---|
| 事業者が公表している | ほとんど公表されていない |
| 想定利回り=実績利回り | 下振れも上振れもある |
| 「元本毀損ゼロ」は実績利回りのこと | 違う。元本が戻ったかどうかで、分配額の話ではない |
| 償還率と実績利回りは同じ | 償還率は元本+分配の合計の割合。利回りとは別の数字 |
04実際に戻った割合(償還率)が公表されている系列
投資型クラウドファンディングで「実際にいくら戻ったか」が1件ずつ公表されているのは、事業型の一部だけです。当サイトが取得できたのは733件でした。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 償還率が分かる案件 | 733件 |
| 平均 | 93.5% |
| 中央値 | 101.4% |
| 100%未満(元本割れ) | 289件(39.4%) |
| 0%(全損) | 1件 |
| 最高 | 194.9% |
- 0%1
- 1〜50%75
- 50〜90%135
- 90〜100%78
- 100〜110%275
- 110%以上169
この数字を他の種別に当てはめてはいけません。事業型は担保も劣後出資もないものが多く、リスクの形が違います。ただし「元本割れは起きうる」という事実の確認にはなります。
05実績利回りと一緒に読む語
この記事は法令の定めと公表されている数字だけで書いています。実績利回りの実際の扱いは契約締結前交付書面(不動産型では契約成立前書面)に書かれていて、募集ページの表現と食い違う場合は書面が優先します。制度は改正されることがあります。
06よくある質問
この用語は、どこで確認できますか。
契約締結前交付書面(不動産型では契約成立前書面)です。法令で交付が義務づけられていて、記載すべき事項も決まっています。
募集ページと書面で書き方が違う場合は。
書面が優先します。募集ページは広告で、書面は契約の説明です。
用語が分からないまま投資してもよいですか。
おすすめしません。分からない言葉があるまま同意すると、あとで「知らなかった」と主張するのが難しくなります。
元本は保証されますか。
されません。どの種別にも公的な元本補償の仕組みはなく、出資について元本を保証することは出資法で禁じられています。
用語の一覧はありますか。
用語集のページにまとめています。この記事からも関連する語に移動できます。
07この記事の数字は、どこから取ったか
会社名を挙げて処分や事故を書くにあたっては、照合を法人番号の完全一致に限りました。社名の部分一致で突き合わせると、似た社名の別会社の記録を拾ってしまいます。当サイトが実際に試したところ、82件が一致したように見えてそのほとんどが別会社でした。
できていないことも書きます。不動産特定共同事業者への監督処分は国土交通省・都道府県の所管で、この事例集には含まれていません。また償還後の実績は、事業型を除いてどの事業者も公表していないため、不動産型・融資型については「戻らなかった件数」を外から数えられません。
数字はいずれも元本を保証するものではなく、この記事は特定の商品の勧誘ではありません。

次に読む
同じテーマ
同じテーマ
同じテーマ
同じテーマ