01想定利回りとは
想定利回りは、運用が計画どおりに進んだ場合に受け取れると見込まれる、年率換算の利回りです。募集ページでいちばん大きく表示される数字です。
重要なのは2点あります。ひとつは「想定」であって保証ではないこと。賃料が入らない、売却価格が想定に届かない、貸付先が返済できない、といった事情で下振れします。
もうひとつは「年率」であること。運用期間が3ヶ月の案件で想定利回り10%なら、実際に受け取るのは10万円あたり2,500円(税引前)で、1万円ではありません。この読み違いは非常に多く起きます。
02想定利回りは、どこに書かれているか
この言葉が出てくる場所と、そこでの書かれ方を並べます。
| どこに出てくるか | 書かれ方 | 見るときの注意 |
|---|---|---|
| 募集ページ | 「想定利回り 6.0%(年率)」 | 年率であることを確認 |
| 契約締結前交付書面 | 分配の方法と、想定される分配額 | — |
| 比較サイト | 「利回り」の列 | 会社の上限値が載っていることが多い |
| 運用報告 | 実際の分配額 | 想定との差が分かる |
03想定利回りで、誤解されやすい点
| よくある誤解 | 実際は |
|---|---|
| もらえる金額 | 想定であって、保証ではない |
| 表示のとおりの金額がもらえる | 年率。運用期間が12ヶ月未満なら、その割合になる |
| 高いほどよい | 高い理由が説明されているかを見る |
| 税引後の数字 | 税引前。20.42%が源泉徴収されることが多い |
| 会社の「想定利回り」がその案件の値 | 会社の表示は幅や上限。案件ごとに違う |
04実案件の想定利回りの分布
当サイトが取得した実案件515件の想定利回りです。中央値は6.0%、最小1.0%、最大27.0%でした。
- 3%未満6
- 3〜4%36
- 4〜5%106
- 5〜6%101
- 6〜8%114
- 8〜10%75
- 10〜15%44
- 15%以上33
| 種別 | 件数 | 最小 | 中央値 | 最大 |
|---|---|---|---|---|
| 不動産型 | 425件 | 2.4% | 5.5% | 27.0% |
| 融資型 | 90件 | 1.0% | 7.0% | 12.3% |
| 想定利回り | 10万円・3ヶ月 | 6ヶ月 | 12ヶ月 | 12ヶ月・税引後 |
|---|---|---|---|---|
| 3% | 750円 | 1,500円 | 3,000円 | 2,387円 |
| 4% | 1,000円 | 2,000円 | 4,000円 | 3,183円 |
| 5% | 1,250円 | 2,500円 | 5,000円 | 3,978円 |
| 6% | 1,500円 | 3,000円 | 6,000円 | 4,774円 |
| 7% | 1,750円 | 3,500円 | 7,000円 | 5,570円 |
| 8% | 2,000円 | 4,000円 | 8,000円 | 6,366円 |
| 10% | 2,500円 | 5,000円 | 10,000円 | 7,957円 |
| 12% | 3,000円 | 6,000円 | 12,000円 | 9,549円 |
| 15% | 3,750円 | 7,500円 | 15,000円 | 11,937円 |
05想定利回りと一緒に読む語
この記事は法令の定めと公表されている数字だけで書いています。想定利回りの実際の扱いは契約締結前交付書面(不動産型では契約成立前書面)に書かれていて、募集ページの表現と食い違う場合は書面が優先します。制度は改正されることがあります。
06よくある質問
この用語は、どこで確認できますか。
契約締結前交付書面(不動産型では契約成立前書面)です。法令で交付が義務づけられていて、記載すべき事項も決まっています。
募集ページと書面で書き方が違う場合は。
書面が優先します。募集ページは広告で、書面は契約の説明です。
用語が分からないまま投資してもよいですか。
おすすめしません。分からない言葉があるまま同意すると、あとで「知らなかった」と主張するのが難しくなります。
元本は保証されますか。
されません。どの種別にも公的な元本補償の仕組みはなく、出資について元本を保証することは出資法で禁じられています。
用語の一覧はありますか。
用語集のページにまとめています。この記事からも関連する語に移動できます。
07この記事の数字は、どこから取ったか
会社名を挙げて処分や事故を書くにあたっては、照合を法人番号の完全一致に限りました。社名の部分一致で突き合わせると、似た社名の別会社の記録を拾ってしまいます。当サイトが実際に試したところ、82件が一致したように見えてそのほとんどが別会社でした。
できていないことも書きます。不動産特定共同事業者への監督処分は国土交通省・都道府県の所管で、この事例集には含まれていません。また償還後の実績は、事業型を除いてどの事業者も公表していないため、不動産型・融資型については「戻らなかった件数」を外から数えられません。
数字はいずれも元本を保証するものではなく、この記事は特定の商品の勧誘ではありません。

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