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2000万円を取り崩すと何年もつ?182通りの実データで検証

読む目安:「先に結論」だけなら1分/全部で約35分(21千字)

データの時点2026年9月まで財務省(国債金利)・OECD(株価指数)・世界銀行(金)・FRB(為替)・総務省(物価)の公表データ・毎週月曜に自動で更新

20年4か月国債+株 半々でもった年数(真ん中)

2,000万円から毎月10万円(年6%)を取り崩すと、現金のままなら16年8か月で底をつきます。国債と株を半分ずつで運用しても、182通りの始め方の真ん中で20年4か月でした。毎月7万円(年4.2%)なら、日本の株だけを除くすべての置き場所で、ほぼ全部の始め方が25年もっています。

現金 0%0%現金国債 0%0%国債国債+株 半々 0%0%国債+株半々株多め 3%3%株多め国債+米株+金 53%53%国債+米株+金米国の株だけ 73%73%米国の株だけ日本の株だけ 0%0%日本の株だけ
毎月10万円を取り崩して、25年もった始め方の割合(182通り)
この記事の内容46の見出し

01先に結論

退職金や貯金の2,000万円を、毎月10万円ずつ使っていくと何年もつか。現金のままなら計算は簡単で、200か月(16年8か月)です。では、残りのお金を国債や株で運用しながら取り崩すと、どれだけ延びるのか。1986年8月から2001年9月まで、取り崩しを始めた月を1か月ずつずらして、182通りを全部計算しました。

公的年金、税、手数料は入れていません。過去の結果は、これからの結果を約束しません。使い方は人それぞれなので、自分の金額と仮の利回りでの計算は、取り崩すと何年もつ?でできます。

02置き場所ごとの結果

2,000万円から、毎月の初めに10万円を取り崩し、残りをそれぞれの置き場所で運用した場合です。始めた月を1986年8月から2001年9月までずらした182通りで、25年後にお金が残っていた始め方を数えました。「20年後の残り」は、20年たった時点の残高の真ん中です。

置き場所もった年数(真ん中)25年もった始め方いちばん短かったその始め方20年後の残り(真ん中)
現金・普通預金(利息なし)16年8か月0通り/182通り(0%)16年8か月1986年8月0万円
個人向け国債(変動10年の計算式)19年0通り/182通り(0%)17年10か月2001年4月0万円
国債50%・日米の株50%20年4か月0通り/182通り(0%)16年6か月1999年8月46万円
国債30%・日米の株70%20年2か月6通り/182通り(3%)15年5か月1999年8月30万円
国債50%・米国の株30%・金20%25年以上96通り/182通り(53%)19年8か月1998年8月520万円
米国の株だけ25年以上132通り/182通り(73%)13年10か月1998年8月1,437万円
日本の株だけ13年1か月0通り/182通り(0%)8年10か月1990年1月0万円
横にスクロールすると残りの列が見えます

現金のままでは、どの月に始めても同じ200か月で底をつきます。毎月10万円は2,000万円の年6%にあたり、この期間の日本の金利や株の上がり方では、多くの置き場所で25年もちませんでした。いちばん長くもったのは米国の株だけですが、その中でもいちばん短い始め方は13年10か月でした。株の割合が大きい置き場所ほど、もった年数の幅が大きく開いています。

03残りのお金の動きを、グラフで見る

いちばん古い始め方(1986年8月)で、残高がどう動いたかです。

現金国債国債+株 半々株多め米国の株だけ
0万円1,000万円2,000万円3,000万円1987198819891990199119921993199419951996199719981999200020012002200320042005200620072008200920102011201220132014201520162017201820192020202120222023202420252026米国の株だけ 969万円株多め 8万円国債+株 半々 6万円国債 3万円現金 0万円

次は、株多めの置き場所にとって、いちばん短かった始め方(1999年8月)です。同じ置き場所でも、始めた時期でこれだけ違う線になります。

現金国債国債+株 半々株多め米国の株だけ日本の株だけ
0万円500万円1,000万円1,500万円2,000万円2,500万円200020012002200320042005200620072008200920102011201220132014201520162017米国の株だけ 7万円国債 6万円日本の株だけ 6万円国債+株 半々 5万円株多め 1万円現金 0万円

04取り崩し始めた年ごとに、何年もったか

毎年同じ月に始めた場合だけを抜き出して並べました。「残った」は、データの終わり(2026年9月)まで、お金が残っていた始め方です。

始めた月国債国債+株 半々株多め国債+米株+金米国の株だけ日本の株だけ
1986年8月22年3か月24年6か月24年11か月24年残った17年4か月
1987年8月21年11か月21年2か月20年4か月21年3か月29年4か月13年4か月
1988年8月21年7か月22年21年10か月25年2か月残った12年
1989年8月21年3か月19年8か月18年11か月23年8か月残った10年
1990年8月20年9か月19年2か月18年5か月22年6か月残った10年5か月
1991年8月20年1か月20年3か月20年1か月23年6か月残った12年1か月
1992年8月19年7か月22年5か月23年7か月25年1か月残った16年11か月
1993年8月19年2か月21年2か月21年9か月27年4か月残った13年1か月
1994年8月18年11か月21年11か月23年31年9か月残った12年9か月
1995年8月18年6か月23年8か月26年2か月残った残った15年4か月
1996年8月18年4か月19年7か月19年10か月26年5か月残った12年7か月
1997年8月18年2か月17年10か月17年3か月23年5か月24年12年10か月
1998年8月18年1か月16年10か月15年11か月19年8か月13年10か月14年4か月
1999年8月18年16年6か月15年5か月22年10か月15年12年6か月
2000年8月17年11か月16年9か月15年10か月25年4か月18年3か月11年7か月
2001年8月17年10か月17年11か月17年5か月25年1か月16年8か月14年7か月
横にスクロールすると残りの列が見えます

同じ置き場所でも、始めた年が数年違うだけで、もった年数が10年以上違うことがあります。取り崩しを始めた直後に大きな値下がりが来たかどうかが、結果を左右しています。

05最初の5年が、結果を決める

取り崩しを始めてから最初の5年の値動きで始め方を並べ、悪かった2割と良かった2割で、25年もった割合を比べました。

置き場所最初の5年が悪かった2割:もった割合最初の5年が良かった2割:もった割合悪かった2割の5年の値動き(真ん中)良かった2割(真ん中)
株多め0%14%−12%+43%
米国の株だけ36%100%−10%+164%
日本の株だけ0%0%−37%+20%
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取り崩しをしていると、値下がりした時期にも決まった額を売ることになります。安いときに多くの口数を売るので、あとで値段が戻っても、売った分は戻りません。同じ平均の利回りでも、悪い年が最初に来るか後に来るかで、お金のもち方が変わります。これを「順番のリスク」と呼ぶことがあります。

積み立てる側では、最後の5年が大事でした(毎月3万円を20年積み立てたら?)。取り崩す側では、最初の5年が大事になります。

06毎月いくらなら、もつか

毎月取り崩す額を変えて、25年もった始め方の割合を並べました。かっこの中は、2,000万円に対する1年の取り崩しの割合です。

毎月(年率)現金国債国債+株 半々株多め国債+米株+金米国の株だけ日本の株だけ
5万円(3.0%)100%100%100%100%100%100%58%
6万円(3.6%)100%100%100%100%100%100%26%
7万円(4.2%)0%100%100%100%100%99%5%
8万円(4.8%)0%41%70%69%100%93%1%
10万円(6.0%)0%0%0%3%53%73%0%
12万円(7.2%)0%0%0%0%1%58%0%
横にスクロールすると残りの列が見えます

取り崩す割合が小さいほど、どの置き場所でももつ割合は上がります。毎月7万円(年4.2%)以下では、日本の株だけを除くすべての置き場所で、ほとんどの始め方がもちました。取り崩す額を決めるときは、「何%まで」という割合で考えると、2,000万円以外の金額にも当てはめられます。

07物価に合わせて、取り崩す額を増やすと

10万円で買える物は、物価が上がると減っていきます。毎月の取り崩しを、物価の上がり方に合わせて増やした場合と比べました(総務省の消費者物価指数)。

置き場所毎月10万円のまま物価に合わせて増やす差
現金0%0%+0ポイント
国債0%0%+0ポイント
国債+株 半々0%0%+0ポイント
株多め3%3%-1ポイント
国債+米株+金53%36%-16ポイント
米国の株だけ73%71%-1ポイント
日本の株だけ0%0%+0ポイント
横にスクロールすると残りの列が見えます

物価に合わせて増やすと、取り崩す額が年々大きくなるので、もつ割合は下がります。現金のままの場合は、物価が上がった分だけ早く底をつきます。物価の上がり方に負けない置き場所が必要になるのは、取り崩しの時期も同じです。

08下がった年に、取り崩しを少し減らすと

ずっと同じ額を取り崩すのではなく、運用している中身の値段(取り崩しの分を除いた値動き)が、それまでの高値から2割以上下がっている間だけ、取り崩しを10万円から8万円に減らした場合です。

置き場所いつも10万円値段が高値から2割下がった間は8万円に
国債+株 半々0%3%
株多め3%14%
米国の株だけ73%75%
日本の株だけ0%0%

値下がりした時期に売る量を少し減らすだけで、もつ割合が上がった置き場所があります。値下がりの時期にたくさん売らずに済むように、すぐ使うお金を別に置いておく考え方もあります。たとえば1割を現金で持ち、残りを国債40%・日米の株50%にした場合は、25年もったのが0通り(0%)でした(国債+株 半々は0通り)。

0920年で区切ると

25年分のデータがある始め方は2001年9月までですが、20年で区切ると2006年9月に始めた場合まで数えられます。20年もった割合と並べました。

置き場所20年もった始め方(242通り)25年もった始め方(182通り)
現金0通り(0%)0通り(0%)
国債64通り(26%)0通り(0%)
国債+株 半々137通り(57%)0通り(0%)
株多め138通り(57%)6通り(3%)
国債+米株+金241通り(100%)96通り(53%)
米国の株だけ186通り(77%)132通り(73%)
日本の株だけ20通り(8%)0通り(0%)

始め方を新しい時期まで広げると、結果が変わる置き場所があります。どの期間を数えるかで割合が動くので、1つの数字だけで「この置き場所なら安心」と決めることはできません。

1065歳から取り崩し始めたら、何歳まで

65歳から毎月10万円の取り崩しを始めたとして、底をついた年齢を並べました。「残った」は、データの終わりまでお金が残っていた始め方です。

置き場所いちばん早く底をついた早いほうから1割真ん中いちばん遅い
現金81歳81歳81歳81歳
国債82歳83歳84歳87歳
国債+株 半々81歳82歳85歳89歳
株多め80歳81歳85歳93歳
国債+米株+金84歳87歳90歳残った
米国の株だけ78歳82歳残った残った
日本の株だけ73歳75歳78歳83歳
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同じ置き場所でも、底をつく年齢は始めた時期で大きく違います。平均寿命より長く生きることも考えると、「真ん中」だけでなく、早いほうの始め方の年齢も見ておく必要があります。

11国債だけで取り崩すと

国債(変動10年の計算式)は、元本が値下がりしないので、もった期間はその間の利率だけで決まります。始めた月の利率が年3%以上だった始め方(85通り)では、もった年数の真ん中が20年11か月、年1.5%未満だった始め方(48通り)では18年でした。

毎月10万円は2,000万円の年6%です。国債の利率がそれより低いと、利息だけでは取り崩しに追いつかず、元本が少しずつ減っていきます。この期間の日本の金利は年6%に届かない時期がほとんどだったため、国債だけではどの始め方でも元本が減り続けました。それでも、値下がりがないので、底をつくまでの年数は前もって見当がつきやすいのが特徴です。

12株を混ぜると、どこが変わったか

国債と株を半分ずつにした場合、もった年数の真ん中は20年4か月、株を多めにすると20年2か月でした。国債だけ(19年)と比べると、真ん中は延びましたが、いちばん短かった始め方は16年6か月(国債+株 半々)、15年5か月(株多め)で、国債だけ(17年10か月)より短くなっています。

株を混ぜると、値上がりした時期には残高が増えて長くもちますが、値下がりした時期には、取り崩しで売る口数が増えて早く減ります。日本の株を半分含むこの置き場所は、この期間の日本の株の低迷の影響を強く受けました。

13金を混ぜた置き場所が、長くもった理由

国債50%・米国の株30%・金20%の置き場所は、25年もった始め方が96通りで、国債と日米の株を半分ずつにした場合(0通り)より多くなりました。金を混ぜた置き場所だけがもった始め方は96通りあります。

この期間は、米国の株と金がどちらも長い目で見て大きく値上がりしました。金は、取り崩しを始めてから10年間で、真ん中で+9%動いています。日本の株を含めなかったことと、値動きの違うものを混ぜたことが効いた形です。ただし、これは過去の特定の期間の結果で、同じ組み合わせがこれからも長くもつとは限りません。

14米国の株だけ、日本の株だけ

米国の株だけで取り崩した場合、もった年数の真ん中は25年以上でした。一方で、いちばん短い始め方は13年10か月(1998年8月に開始)です。日本の株だけでは、真ん中が13年1か月、いちばん短い始め方は8年10か月でした。

1つの国の株だけで取り崩すと、その国の株が長く低迷した時期に当たったときの影響を、まともに受けます。米国の株は、円で見ると為替の動きも重なります。この期間に米国の株だけが長くもった始め方が多かったのは、米国の株そのものが長い目で見て大きく値上がりしたためで、同じことがこれからも起きるとは限りません。

15何年もったかを、数で見る

182通りの始め方を、もった年数で分けて数えました。

もった年数現金国債国債+株 半々株多め国債+米株+金米国の株だけ日本の株だけ
15年未満000005147
15〜18年18218374401934
18〜20年010045401161
20〜22年05259441180
22〜25年01241487420
25年以上000680140
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現金はどの始め方でも同じ16年8か月なので、1つの欄に集まります。値動きのある置き場所ほど、もった年数が広く散らばっています。取り崩しの計画を立てるときは、真ん中の年数だけでなく、短いほうの欄にどれだけ入っているかを見ておくと、思ったより早く減ったときの備えを考えやすくなります。

16物価に合わせて増やした場合を、始めた年ごとに

毎月の取り崩しを物価に合わせて増やした場合の、始めた年ごとのもった期間です(毎年同じ月に始めた場合)。

始めた月(物価に合わせて増やす)国債国債+株 半々株多め国債+米株+金米国の株だけ日本の株だけ
1986年8月19年8か月21年9か月22年4か月20年5か月31年1か月16年3か月
1987年8月19年4か月18年2か月17年6か月17年11か月24年1か月11年11か月
1988年8月19年1か月19年6か月19年5か月21年5か月残った10年9か月
1989年8月19年2か月17年8か月16年7か月20年9か月34年9年4か月
1990年8月19年3か月17年11か月16年11か月20年6か月30年9年9か月
1991年8月19年4か月19年6か月19年4か月22年2か月残った11年9か月
1992年8月19年2か月21年10か月22年10か月24年3か月残った16年8か月
1993年8月19年2か月21年2か月21年9か月27年1か月残った13年
1994年8月18年10か月21年10か月22年11か月30年9か月残った12年8か月
1995年8月18年6か月23年5か月25年10か月残った残った15年3か月
1996年8月18年3か月19年7か月19年9か月26年残った12年6か月
1997年8月18年6か月18年4か月17年9か月23年11か月24年9か月13年
1998年8月18年4か月17年3か月16年3か月20年1か月14年1か月14年6か月
1999年8月18年4か月16年11か月15年11か月23年4か月15年7か月12年9か月
2000年8月18年2か月17年1か月16年2か月25年4か月18年8か月11年9か月
2001年8月17年11か月18年17年7か月24年7か月16年11か月14年10か月
横にスクロールすると残りの列が見えます

上の、取り崩しを10万円のままにした表と比べると、どの置き場所でも、もった期間が短くなっています。物価の上がり方が小さかった時期が長いこの期間でも、差は出ています。

17物価に合わせるが、下がった年の翌年は据え置く

物価に合わせて毎年取り崩す額を増やすと、もつ割合が下がりました。そこで、運用が前の1年で下がった年の翌年だけは、取り崩しを増やさずに据え置く決まりにした場合です。

置き場所10万円のまま毎年物価に合わせる下がった年の翌年は据え置く
国債+株 半々0%0%0%
株多め3%3%3%
国債+米株+金53%36%36%
米国の株だけ73%71%72%
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据え置くと、物価に合わせて増やし続けた場合より、もつ割合が少し戻る置き場所がありました。1年据え置いても、物価に合わせて増やす分はもともと小さいので、効き目は限られます。取り崩しを大きく延ばすには、取り崩す額そのものを決め直すほうが効きます。

18ほかの組み合わせでは

この記事の7つの置き場所のほかに、いくつかの組み合わせでも同じ計算をしました。

組み合わせ25年もった割合もった年数(真ん中)いちばん短い
国債50%・米国の株50%69%25年以上16年8か月
国債50%・金50%30%21年8か月14年9か月
国債70%・米国の株30%38%24年3か月17年6か月
国債34%・米国の株33%・金33%68%25年以上18年2か月
米国の株50%・日本の株50%8%19年8か月13年7か月
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組み合わせによって、もった割合と、いちばん短い始め方の長さが変わります。この期間では、日本の株を含む組み合わせが短くなりやすく、金や米国の株を含む組み合わせが長くなりやすい結果でした。これはこの期間の値動きによるもので、別の期間では入れ替わることもあります。

19残高が半分になるまで

2,000万円が1,000万円を切るまでに、どれだけかかったかです。半分を切ったころに「このままで大丈夫か」と見直す人が多いので、目安として並べました。

置き場所残高が1,000万円を切るまで(いちばん早い)真ん中
現金8年5か月8年5か月
国債9年5か月10年5か月
国債+株 半々7年5か月11年10か月
株多め5年4か月11年8か月
国債+米株+金10年2か月15年4か月
米国の株だけ4年2か月半分にならなかった
日本の株だけ1年9か月4年8か月

現金なら、毎月10万円の取り崩しで、8年半ほどで1,000万円を切ります。運用していると、それより早く半分を切る始め方と、なかなか切らない始め方に分かれました。半分を切るのが早かった始め方は、取り崩しを始めてすぐに値下がりに当たったものです。

20毎月8万円なら、始めた年ごとに

毎月の取り崩しを8万円(年4.8%)にした場合の、始めた年ごとのもった期間です。10万円の表と見比べると、2万円減らしただけでどれだけ延びるかが分かります。

始めた月(毎月8万円)国債国債+株 半々株多め国債+米株+金米国の株だけ日本の株だけ
1986年8月29年33年34年1か月35年6か月残った21年5か月
1987年8月28年6か月27年2か月25年10か月30年4か月残った15年6か月
1988年8月28年28年11か月28年6か月残った残った14年3か月
1989年8月27年6か月25年3か月23年8か月35年9か月残った12年4か月
1990年8月26年9か月24年8か月23年1か月33年5か月残った12年4か月
1991年8月25年10か月26年11か月26年9か月残った残った14年10か月
1992年8月25年1か月30年11か月残った残った残った19年9か月
1993年8月24年6か月28年11か月31年残った残った16年2か月
1994年8月24年1か月30年3か月残った残った残った15年6か月
1995年8月23年7か月残った残った残った残った18年
1996年8月23年3か月26年7か月27年10か月残った残った14年10か月
1997年8月23年23年11か月23年8か月残った残った15年1か月
1998年8月22年10か月22年6か月21年8か月残った18年8か月18年6か月
1999年8月22年9か月22年1か月21年残った21年8か月15年4か月
2000年8月22年8か月22年8か月21年10か月残った残った14年2か月
2001年8月22年6か月24年11か月残った残った残った20年1か月
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21値下がりした時期に取り崩すと、何が起きるか

同じ10万円を取り崩すにも、値段が下がっている時期は、多くの口数を売らなければなりません。値段が3割下がっていれば、売る口数は値下がりの前の約1.43倍です。その口数は、あとで値段が戻っても戻ってきません。

積み立てるときは、値段が下がった時期に多くの口数を買えるので有利に働きました。取り崩すときは逆に、値段が下がった時期に多くの口数を手放すので不利に働きます。同じ「毎月同じ額」の出し入れでも、入れる側と出す側で、値下がりの効き方が反対になります。

22毎月7万円なら、始めた年ごとに

毎月の取り崩しを7万円(年4.2%)にした場合です。10万円・8万円の表と並べると、取り崩しを減らすほど「残った」が増えていくのが分かります。

始めた月(毎月7万円)国債国債+株 半々株多め国債+米株+金米国の株だけ日本の株だけ
1986年8月33年11か月残った残った残った残った23年7か月
1987年8月33年4か月33年1か月31年8か月残った残った17年
1988年8月32年8か月35年7か月35年11か月残った残った15年5か月
1989年8月31年11か月30年7か月28年9か月残った残った13年6か月
1990年8月31年1か月29年10か月28年1か月残った残った13年6か月
1991年8月29年11か月33年1か月33年9か月残った残った17年3か月
1992年8月29年1か月残った残った残った残った22年2か月
1993年8月28年4か月残った残った残った残った17年10か月
1994年8月27年10か月残った残った残った残った17年1か月
1995年8月27年3か月残った残った残った残った21年1か月
1996年8月26年10か月残った残った残った残った16年2か月
1997年8月26年6か月残った残った残った残った17年1か月
1998年8月26年4か月27年10か月27年2か月残った23年7か月22年4か月
1999年8月26年3か月残った26年5か月残った残った18年4か月
2000年8月26年1か月残った残った残った残った17年
2001年8月残った残った残った残った残った残った
横にスクロールすると残りの列が見えます

23利回りがずっと一定なら、何年もつか

実データではなく、利回りが毎年まったく同じだと仮定した場合に、2,000万円が何年もつかを計算しました。取り崩すと何年もつ?の計算機と同じ考え方です。

利回りがずっと一定なら毎月10万円毎月8万円
年0%16.0年8.0か月20.0年10.0か月
年1%18年2か月23年4か月
年2%20年2か月26年10か月
年3%22年10か月32年3か月
年4%26年11か月43年1か月
年5%34年2か月100年以上
年6%59年6か月100年以上

いま募集している個人向け国債(変動10年・第199回)の利率は年2.05%(税引前)です。この利率がずっと続くと仮定すると、毎月10万円の取り崩しで20年3か月もつ計算です。実際には変動10年の利率は半年ごとに見直されるので、この通りにはなりません。

24平均の利回りで計算すると、実データとずれる

この記事で数えた期間(1986年8月〜2026年9月)を通した1年あたりの平均の利回りは、国債で1.4%、国債+株 半々で3.5%、株多めで4.3%、米国の株だけで7.2%でした。

置き場所期間を通した平均の利回りその利回りが一定なら実データでそれより短かった始め方
国債年1.4%18年10か月83通り/182通り
国債+株 半々年3.5%24年10か月182通り/182通り
株多め年4.3%28年5か月182通り/182通り
米国の株だけ年7.2%100年以上64通り/182通り
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国債と株を半分ずつ持った場合は、平均の利回りが一定なら24年10か月もつ計算ですが、実データでは182通り全部がそれより短くなりました。取り崩しの途中で値下がりに当たると、その時期に多くの口数を売ってしまうので、同じ平均の利回りでも、一定の利回りで計算したときより早く減ります。国債は値下がりしないので、ずれ方は始めた時期の金利の高さで決まります。計算機で一定の利回りを入れるときは、実際より楽観的な結果が出やすいことを知っておくと、使い方を誤りにくくなります。

25始めた年ごとの、20年後の残り

毎月10万円を取り崩して20年たったときに、いくら残っていたかを、始めた年ごとに並べました(単位は万円、0は底をついていたもの)。

始めた月(20年後の残り・万円)国債国債+株 半々株多め国債+米株+金米国の株だけ日本の株だけ
1986年8月2706057144762,2850
1987年8月237154521561,7150
1988年8月1972852806543,5900
1989年8月157004011,2770
1990年8月99002909780
1991年8月2042183841,3370
1992年8月02423065091,3660
1993年8月01412027842,7920
1994年8月02203411,1404,3440
1995年8月04517471,3505,0890
1996年8月0006771,9980
1997年8月0004024580
1998年8月000000
1999年8月00032200
2000年8月00051400
2001年8月00049800
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同じ置き場所でも、20年後に何も残らなかった年と、1,000万円以上残った年があります。取り崩しを始める年は自分で選べないことが多いので、悪いほうの年に当たっても困らない計画にしておくことが大事です。

26お金を残したいなら

子どもに残したい、介護や住まいの修繕に備えたい、という理由で、取り崩しながらも一定の額を残しておきたい人もいます。20年後に残っていた額の真ん中です。

20年後の残り(万円・真ん中)国債国債+株 半々国債+米株+金米国の株だけ
毎月6万円9401,1331,9112,693
毎月8万円4145601,2072,085
毎月10万円0465201,437
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取り崩す額を少し減らすだけで、20年後に残る額は大きく変わります。残したい額が決まっているなら、その分は取り崩しの計算から外して、別に置いておくと考え方がすっきりします。

27年をとるにつれて、株を減らしていくと

はじめは株70%(日米半々)・国債30%で、毎年株を2ポイントずつ減らし、株30%になったらそのままにした場合です。25年もったのは7通り(4%)、もった年数の真ん中は20年3か月、いちばん短い始め方で15年9か月でした。株多めのまま(6通り・真ん中20年2か月)と比べてください。

年とともに株を減らすと、後半の値下がりの影響は小さくなりますが、はじめの数年に株の割合が大きいので、「最初の5年」の運の影響はそのまま受けます。

28残高は、どう減っていったか

置き場所ごとに、5年ごとの残高の真ん中を並べました。0は、その時点で底をついていた始め方が半分以上あったということです。

置き場所(万円・真ん中)5年後10年後15年後20年後25年後
現金1,40080020000
国債1,5801,04248100
国債+株 半々1,6031,228641460
株多め1,5931,244617300
国債+米株+金1,6921,3911,02652017
米国の株だけ1,9512,5912,0381,4371,559
日本の株だけ1,029373000
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はじめの数年は、どの置き場所でも残高の差は小さく見えます。差がはっきりするのは10年をすぎてからで、残高が小さくなるほど、取り崩す10万円の重さが増していきます。

29はじめの金額が1,000万円・3,000万円なら

毎月の取り崩しは10万円のまま、はじめの金額を変えた場合に、25年もった始め方の割合です。かっこの中は、1年の取り崩しの割合です。

はじめの金額(毎月10万円)現金国債国債+株 半々株多め国債+米株+金米国の株だけ日本の株だけ
1,000万円(年12%)0%0%0%0%0%1%0%
2,000万円(年6%)0%0%0%3%53%73%0%
3,000万円(年4%)100%100%100%100%100%100%10%
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はじめの金額が大きいほど、同じ10万円でも割合が小さくなり、もつ割合は上がります。逆に1,000万円から毎月10万円は年12%で、どの置き場所でもほとんどもちません。「いくらあるか」より「その何%を毎年使うか」で考えると、自分の金額に当てはめやすくなります。

30日本の株が高かった1990年1月に始めた場合

日本の株価指数がいちばん高かったころ、1990年1月に取り崩しを始めた場合です。

置き場所もった期間5年後の残り(万円)10年後の残り(万円)
現金16年8か月1,400800
国債21年1か月1,7431,271
国債+株 半々18年9か月1,2671,049
株多め17年4か月1,101930
国債+米株+金22年5か月1,3811,211
米国の株だけ最後まで残った1,2532,418
日本の株だけ8年10か月5150
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この時期に始めると、日本の株を持っていた置き場所は、始めてすぐに大きな値下がりに当たりました。値下がりの最中も毎月10万円を取り崩し続けたため、株の口数が早く減っていきます。「最初の5年が、結果を決める」の典型的な例です。

一方で、日本の株を含まない置き場所は、同じ時期に始めても日本の株の値下がりの影響を受けていません。取り崩しの時期に、1つの国の株に大きく寄せておくと、その国の株の長い低迷にそのまま巻き込まれます。どの国の株がいつ低迷するかは、前もっては分かりません。

31ITバブルの高値のころ、2000年1月に始めた場合

米国の株が大きく値上がりしたあと、2000年から2002年にかけて大きく下がった時期の入り口で取り崩しを始めた場合です。

置き場所もった期間5年後の残り(万円)10年後の残り(万円)
現金16年8か月1,400800
国債18年1,479941
国債+株 半々16年10か月1,304726
株多め15年11か月1,230630
国債+米株+金26年1か月1,6721,380
米国の株だけ20年2か月1,509835
日本の株だけ11年5か月759178
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日本の株が高かった1990年に始めた場合と同じように、始めてすぐに値下がりが来ると、その後に株が戻っても、取り崩しで減った口数は戻りません。米国の株だけで取り崩した場合も、この時期に始めると、ほかの時期より短くなっています。

32株の割合を上げずに、国債から先に使うと

国債と株を半分ずつ持ち、取り崩すときは国債から先に使い、国債がなくなってから株を売る場合です(割合を戻さない)。

この方法では、25年もったのが0通り(0%)、もった年数の真ん中は20年1か月でした。毎月割合を戻す「国債+株 半々」は0通り、真ん中は20年4か月です。

国債から先に使うと、はじめの数年は株を売らずに済みます。その間に株が値上がりすれば、あとで有利になります。反対に、国債を使い切ったころに株が値下がりしていると、残りは値動きの大きい株だけになります。どちらが良いかは、その期間の値動きの順番で変わりました。

33毎月の額ではなく、残高の一定の割合を取り崩すと

毎月10万円と決めるのではなく、その時の残高の年6%(毎月0.5%)を取り崩す方法もあります。残高が減れば取り崩す額も減るので、計算上は底をつきません。そのかわり、毎月使えるお金が動きます。

置き場所1か月目10年目(真ん中)20年目(真ん中)20年目(いちばん少ない始め方)
国債10.0万円6.4万円3.8万円3.4万円
国債+株 半々10.0万円7.3万円4.4万円3.5万円
株多め10.0万円7.4万円4.6万円3.1万円
米国の株だけ10.0万円12.5万円7.0万円4.8万円
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はじめは毎月10万円ですが、値下がりした時期や、年数がたつほど、使えるお金は少なくなります。生活に必要な額を下回ったときにどうするかを、先に決めておく必要があります。年金のように決まった額の収入と組み合わせると、使える額が動く部分を小さくできます。

34運用の費用で、どれだけ変わるか

投資信託などの費用(信託報酬など)を、毎月少しずつ差し引いた場合です。

置き場所(25年もった割合)費用0%年0.5%年1%年1.5%
国債+株 半々0%0%0%0%
株多め3%1%0%0%
国債+米株+金53%18%8%2%
米国の株だけ73%70%69%63%
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取り崩しの期間は長いので、年1%前後の費用の差でも、もつ割合が変わります。退職金の運用で勧められる商品には、費用の高いものもあります。契約する前に、年の費用の合計を確かめることが大事です。

35毎月の額と、年の割合の換算

取り崩す額は、はじめの金額に対する1年の割合で考えると、ほかの金額にも当てはめられます。毎月の額と年の割合の対応です。

毎月の取り崩し1,000万円に対して2,000万円に対して3,000万円に対して
5万円年6.0%年3.0%年2.0%
6万円年7.2%年3.6%年2.4%
8万円年9.6%年4.8%年3.2%
10万円年12.0%年6.0%年4.0%
12万円年14.4%年7.2%年4.8%
15万円年18.0%年9.0%年6.0%
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この記事の「毎月いくらなら、もつか」の表は2,000万円での割合です。たとえば3,000万円から毎月10万円は年4%で、2,000万円から毎月約6.7万円と同じ割合になります。

36年金と合わせて考える

この記事の計算には、公的年金が入っていません。実際には、年金を受け取りながら、足りない分を取り崩す人が多いはずです。年金でまかなえる分が大きいほど、毎月取り崩す額は小さくなり、上の「毎月いくらなら、もつか」の表で、もつ割合の高い行に移ります。

たとえば毎月の生活費が25万円で、年金が19万円なら、取り崩すのは6万円です。2,000万円に対して年3.6%で、表の6万円の行を見ます。自分の年金の見込み額は、日本年金機構の「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確かめられます。

年金で足りない額を取り崩す現金国債国債+株 半々株多め
毎月6万円の不足(年3.6%)100%100%100%100%
毎月8万円の不足(年4.8%)0%41%70%69%
毎月10万円の不足(年6.0%)0%0%0%3%
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年金で足りない額が小さいほど、どの置き場所でも長くもちます。取り崩しを考えるときは、まず年金でまかなえない額がいくらかを出すことが出発点です。

年金は、受け取り始める年齢を遅らせると、毎月の額が増えるしくみがあります。受け取りを遅らせる間は取り崩しが大きくなり、受け取り始めてからは取り崩しが小さくなります。どちらが合うかは、ほかの収入や健康状態で変わるので、日本年金機構の資料や窓口で、自分の場合の額を確かめてから考えます。

また、夫婦で暮らす場合は、2人分の年金と生活費で不足額を考えます。どちらかが先に亡くなったあとは、年金の額も生活費も変わるので、そのときの不足額も見ておくと安心です。

37退職金を受け取ったときに確かめること

38取り崩しを3年遅らせると

退職のあとも3年ほど働いて生活費をまかない、その間は2,000万円に手をつけずに運用だけした場合です。3年後から毎月10万円を取り崩し、そこから25年もった割合を比べました。

置き場所すぐ取り崩す3年働いてから取り崩す
国債0%0%(146通り)
国債+株 半々0%12%(146通り)
国債+米株+金53%95%(146通り)
米国の株だけ73%93%(146通り)

取り崩しを遅らせると、その間に運用で増えた分だけ元手が大きくなります。さらに、取り崩しが終わる年齢が同じなら、取り崩す年数そのものが3年短くて済みます。働き方や健康にもよりますが、数字の上では効き目の大きい方法の1つです。

働いている間も年金の受け取りを遅らせれば、受け取り始めたあとの年金の額が増えるので、取り崩す額をさらに小さくできます。取り崩しの計画は、2,000万円の置き場所だけでなく、いつまで働くか、いつから年金を受け取るかと一緒に考えると、選べる方法が増えます。

39途中で、まとまった出費があったら

取り崩しの5年目に、住まいの修繕や車の買い替えなどで300万円が一度に必要になった場合です。毎月10万円の取り崩しは続けます。

置き場所もった年数(出費なし・真ん中)5年目に300万円の出費(真ん中)25年もった割合
国債19年16年2か月0%→0%
国債+株 半々20年4か月17年3か月0%→0%
国債+米株+金25年以上20年2か月53%→7%
米国の株だけ25年以上25年以上73%→62%
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まとまった出費は、その分だけ残高を一度に減らすので、その後の運用の元手も小さくなります。出費が値下がりの時期と重なると、安い値段で多く売ることになり、影響はさらに大きくなります。予定している大きな出費は、取り崩しのお金とは別に、先に分けておくと計画が崩れにくくなります。

40取り崩し方を、並べて比べる

この記事で試した取り崩し方を、国債と株を組み合わせた場合でまとめました。

取り崩し方25年もった割合特徴
毎月10万円・国債+株 半々(毎月割合を戻す)0%使える額は一定。値下がりの時期にも同じ額を売る
値下がりの間だけ8万円に3%下がった時期に売る量を減らす。生活費を少し削る必要がある
国債から先に使う0%はじめの数年は株を売らない。後半は株だけが残る
年とともに株を減らす(株多めから)4%後半の値下がりに強い。最初の数年の運はそのまま受ける
毎月7万円に減らす100%取り崩す額そのものを小さくする。いちばん効き目が大きい
残高の年6%(定率)底をつかない使える額が動く。値下がりの時期は使える額も減る

どの方法にも、得るものと引き換えるものがあります。この期間のデータでは、取り崩す額そのものを小さくすることが、いちばん確実に長くもたせる方法でした。

41この記事の結果を、自分に当てはめる

  1. 毎月の不足額を出す:毎月の生活費から、年金などの決まった収入を引きます。
  2. 1年の取り崩しの割合にする:不足額×12を、取り崩しに使うお金の額で割ります。「毎月の額と、年の割合の換算」の表も使えます。
  3. 表で近い行を見る:「毎月いくらなら、もつか」の表で、自分の割合に近い行を見ます。2,000万円以外の金額でも、割合が同じなら近い結果になります。
  4. 悪いほうの始め方も見る:真ん中だけでなく、いちばん短かった始め方でも困らないかを確かめます。
  5. 自分の数字で計算する:取り崩すと何年もつ?で、仮の利回りを変えて試します。一定の利回りの計算は楽観的になりやすいので、低めの利回りでも試しておきます。

42取り崩しを始める前の数年で、できること

43この記事で出てくる言葉

取り崩し
貯めたお金を、生活費などに少しずつ使っていくこと。
取り崩しの割合
1年に取り崩す額を、はじめの金額で割った割合。2,000万円から毎月10万円なら年6%。
順番のリスク
平均の利回りが同じでも、悪い年が取り崩しの最初に来るか後に来るかで、お金のもち方が変わること。
定額の取り崩し
毎月同じ額を取り崩す方法。使える額は決まるが、お金が底をつくことがある。
定率の取り崩し
残高の一定の割合を取り崩す方法。底はつかないが、使える額が動く。
割合を戻す(リバランス)
値動きでずれた国債と株の割合を、はじめの割合に戻すこと。

ほかの言葉は、よく聞く言葉で、絵と一緒に説明しています。

44この記事の計算に入っていないもの

45よくある質問

2000万円あれば、老後は足りますか。

使う額によります。毎月10万円なら、現金のままで16年8か月、運用した場合は置き場所と始めた時期で大きく違いました。年金を含めた毎月の不足額で考えるのが出発点です。

全部、国債にしておけば安心ですか。

国債だけでは、元本が値下がりすることはありませんが、毎月10万円の取り崩しでは、もった年数の真ん中は19年でした。取り崩しを毎月7万円まで減らすと、この期間のすべての始め方で25年もっています。

株を多くすると、長くもちますか。

始めた時期と、どの国の株かによります。この期間では米国の株だけの場合のもった年数の真ん中が25年以上、日本の株だけでは13年1か月でした。取り崩しの最初に株が大きく下がった時期は、早く底をついています。

いくらずつ取り崩すのがよいですか。

決まった答えはありません。この記事の計算では、毎月7万円(年4.2%)以下なら、日本の株だけを除く置き場所で、ほとんどの始め方が25年もちました。

取り崩しの最初に株が下がったら、どうすればいいですか。

この記事の計算では、値動きの大きい時期に取り崩しを少し減らした場合や、数年分の生活費を値動きのない場所に分けておいた場合に、もつ期間が延びた置き場所がありました。下がってから考えるより、始める前に決めておくのが大事です。

毎月の額を決めず、必要なときに必要なだけ取り崩してもいいですか。

できます。ただ、使う額が決まっていないと、お金がいつまでもつかの見当がつきにくくなります。この記事の「毎月の額と、年の割合の換算」で、1年に使う割合をおおまかに決めておくと、見通しが立てやすくなります。

退職金は、まず何に使えばいいですか。

住宅ローンの残りや、近いうちに必要な出費があれば、それを先に確かめます。そのうえで、すぐ使うお金と、長く取り崩していくお金を分けて考えます。退職金を運用するときの確かめ方は退職金の一部を回すときに確認することにまとめています。

2,000万円のうち、いくらを運用に回せばいいですか。

すぐ使うお金と、急な出費に備えるお金を除いた分が、運用を考える対象です。この記事では2,000万円すべてを置き場所ごとに運用した場合を計算していますが、実際には数年分の生活費を値動きのない場所に分けておく人が多いです。

取り崩しは、毎月と年1回のどちらがいいですか。

この記事は毎月の取り崩しで計算しています。年1回まとめて取り崩すと、その月の値段に結果が左右されやすくなります。毎月少しずつ取り崩すほうが、売る時期が分散されます。

国債の利率が上がったいまなら、国債だけで足りますか。

いま募集中の変動10年の利率は年2.05%です。この利率が続くと仮定すると、2,000万円から毎月10万円で20年3か月もつ計算で、現金のままより延びますが、利息だけで毎月10万円をまかなえる水準ではありません。

積み立てていたお金を、取り崩しに切り替えるときは。

積み立てているときは最後の5年、取り崩すときは最初の5年の値動きが効きました。切り替えの前後は、値動きのない場所に置く割合を少しずつ増やしておくと、どちらの時期の値下がりにも備えやすくなります。毎月3万円を20年積み立てたら?もあわせて読んでください。

自分の金額で計算できますか。

できます。取り崩すと何年もつ?で、いまある金額・毎月の額・仮の利回りを入れて計算できます。

46この記事の数字は、どこから取ったか

計算に使った公表データは次の4つで、どれも月単位の値です。

取り崩しは月の初め、値動きはその月の1か月分とし、割合を決めた置き場所は、毎月はじめの割合に戻すとして数えています。日本銀行の統計と、東京証券取引所の価格は使っていません。データの更新に合わせて、毎週すべて計算し直しています。

投資先を、同じ項目で比べる。

いくらから・元本は誰が守るか・途中で換金できるか・税金を、今月の国債と並べて見られます。

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