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区分マンション投資はなぜ儲からないか|価格2.2倍・家賃3%減

読む目安:「先に結論」だけなら1分/全部で約50分(28千字)

データの時点2026年9月30日取得国土交通省の価格指数(2025年12月分まで)と総務省の民営家賃(2026年8月分まで)・統計の公表に合わせて更新

2.22倍価格(全国)。家賃は−3.3%

2008年4月から2025年12月までに、全国のマンション(区分所有)の価格指数は2.22倍になりました。同じ期間に、総務省の民営家賃の指数は−3.3%です。買う価格だけが上がり、入ってくる家賃は上がっていない。これが「区分マンション投資は儲からない」と言われる一番の理由です。

価格 221.6221.6価格物価 117.6117.6物価家賃 96.796.7家賃
2008年4月を100としたときの2025年12月の値(全国。価格は国土交通省、物価・家賃は総務省)
この記事に出てくる言葉手数料金利インフレREIT債券利回り
この記事の内容41の見出し

01先に結論

この記事では、区分マンション(1室)を買って貸す投資について、「なぜ儲からないと言われるのか」を、国の統計の数字だけで分解します。業者の説明や体験談ではなく、価格と家賃を同じ月で並べることから始めます。以下、2008年4月を「起点」、2025年12月を「最新の月」と呼びます。

「儲からない」と「損をする」は同じではありません。この記事は、どこで儲けが削られるのかを分けて示すものです。将来の価格や家賃は予想しません。

ワンルームマンションの勧誘でよく聞く説明(営業トーク)を、総務省・国土交通省・財務省の公表データで1つずつ確かめました。特定の会社の説明ではなく、よく聞く言い回しを一般的な形で取り上げています。結果の一覧です。

よく聞く説明使った統計確かめた数字統計から言えること
賃料は下がらない賃料指数(総務省)1998.06の最高値から▲5.1%長い期間では少しずつ低下
インフレに強い賃料指数と物価(総務省)物価が前年比2%以上の月の賃料は平均0.85%賃料は物価に追いつかず
価格は下がらない東京都の住宅地(国土交通省)最高値から最も低い時点まで▲73%何十年も続いた下落あり
金利は低いまま10年国債(財務省)2019年平均▲0.09%→2026年9月29日 3.082%数年で大きく変動
国債より利回りが高い価格指数・賃料指数・国債計算上の表面利回り2.62%、10年国債3.082%表面でも同水準か下回る
年金の代わり賃料指数・物価(仮の部屋)35年後の手取りは賃料と物価しだい金額は約束できない
空室にならないJ-REITの住宅の稼働率(1棟)東京23区でも95%未満が24%空室ゼロの場所はない
サブリースで安心賃貸住宅管理業法見直し・解約の条件の説明が義務契約書面の確認が必要
節税になる所得税の仕組み売るときの税で一部が戻る売却まで含めた計算が必要
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表の▲はマイナスを表します(この記事の表はすべて同じ)。どの説明も、全部が誤りというわけではありません。ただ、言い切れるほど確かなことでもありません。数字で確かめられる部分と、確かめられない部分を分けて聞くことが大切です。

02「儲からない」と言われる理由を4つに分ける

  1. 価格が上がる買う価格は、家賃より速く上がってきた
  2. 家賃は横ばい入ってくるお金は、ほとんど増えていない
  3. 返済が家賃に近づく高い価格をローンで買うと、返済が家賃の大部分を占める
  4. 毎月の手出し管理費・税金を足すと、給料から足す月が出る

区分マンション投資のお金の流れは単純です。入ってくるのは家賃、出ていくのはローンの返済・管理費と修繕積立金・賃貸管理の手数料・固定資産税などで、最後に売るときの価格が残ります。儲けが出るかどうかは、次の4つの関係で決まります。

  1. 価格と家賃の関係:家賃に対して価格が高いほど、1年で回収できる割合は小さくなります。この記事の「同じ月で並べる」「家賃9万円の部屋の価格」の節で確かめます。
  2. 返済と家賃の関係:ローンで買うと、返済額が家賃に近いか、上回ることがあります。「月々の手出し」の節で、買った時点ごとに計算します。
  3. 手出しの中身:手出しの全部が損ではありません。ローンの元本の返済は、借金を減らしているので、貯金に近い性質があります。消えていくのは利息と経費です。「元本と利息」の節で分けます。
  4. 売るときの価格:最後にいくらで売れるかで、全体の損得が決まります。指数は上がってきましたが、1室は年数がたつと古くなります。「完済時に必要な売値」「過去に買った人」の節で扱います。
理由確かめた統計起点→最新の月この記事の節
価格と家賃の差価格指数・民営家賃価格2.22倍・家賃0.967倍同じ月で並べる
物価に負けた家賃民営家賃・総合実質の家賃−17.8%物価を差し引くと
家賃に対する価格上の2つを1室に当てはめ年間家賃の16.7年分→38.2年分家賃9万円の部屋
返済と手出し仮の費用と利率月+6,586円→月−73,912円月々の手出し
売値への依存価格指数利益のうち値上がり61%過去に買った人
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このうち1と4は統計で過去の動きを確かめられます。2と3は、統計の数字に仮の費用と利率を置いて計算します。どの節でも、仮の値は本文に書いたとおりで、自分の物件の数字に置き換えて計算し直せます。

03価格・家賃・物価を、同じ月で並べる

全国のマンション(区分所有)の価格指数(国土交通省)、民営家賃と総合の物価指数(総務省)を、どれも起点=100にそろえました。価格指数は季節調整値、物価指数は原系列です。価格指数が全国で公表されているのは2008年4月からなので、ここを起点にしています。

価格(全国のマンション)物価(総合)民営家賃
05010015020020092010201120122013201420152016201720182019202020212022202320242025価格(全国のマンション) 222物価(総合) 118民営家賃 97

3本の線は、2012年ごろまではほぼ同じ高さにありました。2013年から価格の線だけが上に離れていき、家賃の線は100をわずかに下回ったまま横ばいです。物価の線は2022年から上がり始めましたが、家賃はそれについていっていません。

次の表は、毎年12月(表では「年末」。最初の行だけ起点の月)の値です。「価格÷家賃」は、同じ家賃を得るのに必要な価格が起点の何倍になったか、「家賃÷物価」は物価を差し引いた家賃(実質の家賃)です。

時点価格(全国)民営家賃物価(総合)価格÷家賃(起点=1)家賃÷物価×100
2008年4月100.0100.0100.01.00100.0
2009年末95.699.198.70.96100.4
2010年末101.498.698.41.03100.3
2011年末100.598.398.11.02100.1
2012年末100.697.798.01.0399.7
2013年末110.597.199.51.1497.6
2014年末114.896.7102.01.1994.8
2015年末122.996.4102.11.2794.5
2016年末128.096.0102.41.3393.8
2017年末135.995.9103.51.4292.6
2018年末143.195.7103.71.5092.2
2019年末147.395.8104.51.5491.6
2020年末155.895.7103.41.6392.5
2021年末169.695.6104.21.7891.7
2022年末184.595.7108.41.9388.3
2023年末193.195.8111.22.0286.1
2024年末204.496.1115.32.1383.4
2025年末221.696.7117.62.2982.2
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価格÷家賃は、最新の月に2.29です。同じ家賃が入ってくる部屋を買うのに、起点の2.29倍のお金が要るということです。家賃÷物価は82.2で、物価を差し引いた家賃は−17.8%になりました。家賃で買えるものが、それだけ少なくなっています。

価格指数は、その月に取引された物件全体の値動きで、ワンルームだけの指数ではありません。民営家賃も、全国の借家の家賃の平均的な動きで、ワンルームだけの値ではありません。ただ、どちらも国が同じ方法で毎月集めている数字なので、「価格と家賃のどちらが速く動いたか」を比べる物差しにはなります。

0412か月ごとの変化:価格と家賃は同じ向きに動いたか

月ごとに、1年前の同じ月と比べた変化を、価格と家賃で並べました。「逆向き」は、価格が上がったのに家賃は上がらなかった(横ばいか下がった)月の数です。

年比較できた月数価格の変化(平均)家賃の変化(平均)逆向きの月数両方上昇の月数価格下落の月数
2009年9−3.6%−0.54%207
2010年12+4.9%−0.59%1200
2011年12+2.4%−0.37%1101
2012年12+0.3%−0.58%804
2013年12+4.1%−0.59%1002
2014年12+6.0%−0.42%1200
2015年12+7.0%−0.36%1200
2016年12+6.5%−0.32%1200
2017年12+5.3%−0.34%1200
2018年12+4.4%−0.18%1200
2019年12+4.3%−0.04%1020
2020年12+3.9%+0.03%750
2021年12+7.7%−0.13%1200
2022年12+10.2%+0.05%570
2023年12+5.2%+0.05%660
2024年12+5.8%+0.29%0120
2025年12+7.5%+0.47%0120
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比べられる201か月のうち、価格が上がって家賃が上がらなかった月は143か月、両方が上がった月は44か月でした。価格と家賃は、ふつう「家賃が上がれば価格も上がる」と説明されますが、この期間の全国の数字では、価格は家賃とほとんど関係なく動いています。

家賃が前年を上回る月が増えたのは2023年以降です。それでも上がり幅は年1%に届かず、同じ時期の価格の上がり幅とは桁が違います。価格を押し上げたのは家賃ではなく、ほかの要因だったことになります。金利が低かった時期と重なることは、東京都の指数で金利との関係を見た東京の中古マンション価格はどれだけ上がったかにまとめています。

05物価を差し引くと

期間を3つに分けて、価格・家賃・物価の変化と、物価を差し引いた変化(実質)を出しました。実質の変化は「(1+名目の変化)÷(1+物価の変化)−1」で計算しています。

期間価格家賃物価(総合)価格(実質)家賃(実質)
2008年4月→2012年12月+0.6%−2.3%−2.0%+2.6%−0.3%
2012年12月→2019年12月+46.4%−2.0%+6.7%+37.3%−8.1%
2019年12月→2025年12月+50.4%+1.0%+12.5%+33.7%−10.2%
2008年4月→2025年12月+121.6%−3.3%+17.6%+88.4%−17.8%
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全期間で見ると、価格は実質でも+88.4%ですが、家賃は実質で−17.8%です。2019年12月からの期間は物価の上昇が大きく、家賃の実質の目減りもこの期間に集中しています。

「不動産はインフレに強い」と言われるのは、物価とともに家賃や価格が上がる、という意味です。この期間の全国の数字では、価格はインフレを上回りましたが、家賃は下回りました。持っている間に入ってくるお金(家賃)の面では、物価の上昇に追いついていません。

06ほかの家賃と比べても、同じか

民営家賃だけが特別に弱かったのかを確かめるため、同じ消費者物価指数のほかの家賃と、物価全体を起点からの変化で並べました。「持家の帰属家賃」は、持ち家に住む人が自分に家賃を払っているとみなした値です。

指数2008年4月2025年12月最新の月までの変化2026年8月までの変化
民営家賃103.7100.3−3.3%−2.8%
公営・UR・公社の家賃96.5100.1+3.7%+4.6%
持家の帰属家賃102.1100.3−1.8%−1.6%
物価(総合)85.8100.9+17.6%+19.1%
生鮮食品を除く総合87.1100.9+15.8%+17.1%
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どの家賃も、物価全体の上がり方には届いていません。家賃は一度決めると契約の更新まで変わりにくく、物価が上がっても遅れて、小さくしか動かない性質があります。区分マンションの家賃も民間の借家の家賃なので、この動きの外にはありません。

07家賃9万円の部屋の価格は、どう変わったか

統計の動きを1つの部屋に当てはめてみます。起点に家賃が月90,000円、年間家賃÷価格が6%(価格1,800万円)だった部屋が、家賃は民営家賃の指数どおり、価格は全国のマンションの価格指数どおりに動いたとします。「家賃の何年分」は、価格を年間家賃で割った値です。

時点家賃(月・円)価格(万円)価格は年間家賃の年間家賃÷価格
2008年4月90,0001,80016.7年分6.00%
2009年末89,2191,72216.1年分6.22%
2010年末88,7851,82517.1年分5.84%
2011年末88,4381,80917.0年分5.87%
2012年末87,9171,81017.2年分5.83%
2013年末87,3961,98919.0年分5.27%
2014年末87,0492,06619.8年分5.06%
2015年末86,7892,21221.2年分4.71%
2016年末86,4422,30322.2年分4.50%
2017年末86,2682,44723.6年分4.23%
2018年末86,0952,57524.9年分4.01%
2019年末86,1812,65125.6年分3.90%
2020年末86,0952,80527.1年分3.68%
2021年末86,0083,05329.6年分3.38%
2022年末86,0953,32232.2年分3.11%
2023年末86,1813,47533.6年分2.98%
2024年末86,5283,68035.4年分2.82%
2025年末87,0493,98838.2年分2.62%
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最新の月には、同じ部屋の価格が年間家賃の38.2年分になりました。起点の16.7年分から、21.5年分増えています。家賃だけで購入価格を回収するのに、前よりそれだけ長くかかるということです(経費を引く前)。

実際の部屋は、年数がたつと古くなり、家賃も価格も新しい部屋より下がるのがふつうです。この表は「市場全体の動き」を1室に当てはめた計算で、ある部屋が実際にこう動いたという記録ではありません。それでも、市場全体の家賃と価格の関係がこれだけ変わったことは、これから買う人の手取りにそのまま表れます。

この割合(表面利回り)がどう縮んだかは、ワンルームマンション投資の利回り目安で詳しく計算しています。

08月々の手出しは、買った時点でどれだけ違うか

前の節の部屋を、それぞれの時点で、価格の90%を借りて買ったとします。返済は35年の元利均等、利率は1.5%と2.5%の2通りです。毎月の費用は、管理費と修繕積立金15,000円、賃貸管理の手数料が家賃の5%、固定資産税・都市計画税が価格の年0.4%の月割りとしました(どれも仮の値)。空室はない前提です。

購入時点価格(万円)家賃(月・円)返済(1.5%・円)手出し・手残り(1.5%・円)返済(2.5%・円)手出し・手残り(2.5%・円)
2008年4月1,80090,00049,602+14,89857,914+6,586
2012年末1,81087,91749,890+12,59758,250+4,236
2016年末2,30386,44263,474−4,03274,111−14,669
2019年末2,65186,18173,061−15,02685,304−27,269
2022年末3,32286,09591,536−35,818106,875−51,158
2025年末3,98887,049109,898−55,495128,315−73,912
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手出しは「家賃−手数料−管理費等−税の月割り−返済」で、マイナスは毎月の手出しです。起点と最新の月で家賃はほぼ同じですが、価格が2.22倍になったので、借入も返済も同じだけ大きくなっています。手出しの差は、ほとんどが価格の差から来ています。同じ利率でも、購入価格が倍なら返済も倍です。最新の月に買った場合、利率2.5%で毎月73,912円の手出しです。

勧誘の収支表では、手出しを「月1万円程度」などと小さく見せるために、返済期間を長くしたり、利率を低く置いたり、家賃を高めに置いたりすることがあります。自分の物件で計算するときは、この表のように、利率を2通り以上置いて手出しを出してください。毎月の収支が崩れる典型(空室・修繕積立金の値上げ・家賃の見直し)は、手出しをさらに大きくします。

09手出しのうち、元本の返済はいくらか

手出しの全部が消えていくお金ではありません。返済額のうち元本の分は借金を減らしていて、売るときにローンの残高が少なくなる形で戻ってきます。最新の月に前の節の部屋(価格3,988万円)を、3,589万円借りて買った場合(35年・2.5%)の、返済の中身です。

毎月の返済(円)うち元本(月平均・円)うち利息(月平均・円)元本の割合その年の終わりの残高(万円)
1年目128,31554,15674,15942%3,524
5年目128,31559,84668,47047%3,247
10年目128,31567,80560,51053%2,860
15年目128,31576,82351,49260%2,421
20年目128,31587,04141,27468%1,924
25年目128,31598,61729,69877%1,361
30年目128,315111,73416,58287%723
35年目128,315126,5941,72199%0
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1年目は返済の42%が元本で、残りは利息です。年がたつほど元本の割合が増えます。35年で払う利息の合計は1,800万円で、借りた額の50%にあたります。

勧誘では「手出しはあっても、ローンが終われば部屋が残る。貯金と同じ」と説明されることがあります。元本の分については、その説明は当たっています。ただし、利息・管理費・修繕積立金・手数料・税金は戻ってきません。そして元本を返して手に入れるのは「その時点の部屋」で、その価格は購入価格と同じとは限りません。貯金と違うのは、最後に受け取る額が決まっていないことです。

10借りる割合と利率で、手出しはどう変わるか

最新の月に買う同じ部屋(価格3,988万円・家賃87,049円)で、価格のうち借りる割合と利率を変えた場合の毎月の収支です。費用の置き方は前の節と同じです。右端の「返済÷家賃」は、価格の90%を借りた場合の毎月の返済が、家賃の何%にあたるかです。

利率借入50%(円)借入70%(円)借入90%(円)借入100%(円)返済÷家賃(借入90%)
1.0%−1,886−24,402−46,917−58,175116%
1.5%−6,652−31,073−55,495−67,706126%
2.0%−11,652−38,074−64,497−77,708137%
2.5%−16,883−45,398−73,912−88,169147%
3.0%−22,338−53,034−83,731−99,079159%
3.5%−28,009−60,974−93,939−110,421170%
4.0%−33,888−69,205−104,521−122,180183%
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返済÷家賃が100%を超えると、管理費や税を払う前に、返済だけで家賃を使い切ります。この部屋では、利率1.5%でも、借りる割合を価格の45%まで下げないと毎月の収支はプラスになりません。利率2.5%なら38%までです。

借りる割合を下げると手出しは減りますが、その分、最初に払う自己資金が増えます。自己資金をほかに置いておけば利息がついたはずなので、手出しが減ったぶんがそのまま得になるわけではありません。「頭金ゼロ・手出し月1万円」といった条件は、借りる割合を100%近くにして、返済期間を長くとることで作られていることが多いので、両方を変えて計算し直してください。

11返済期間を延ばすと、何が起きるか

毎月の返済を小さく見せるいちばん簡単な方法は、返済期間を長くすることです。同じ部屋を価格の90%借りて買い、返済期間と利率を変えたときの、毎月の収支と、払い終えるまでの利息の合計です。

返済期間手出し(1.5%・円)利息の合計(1.5%・万円)手出し(2.5%・円)利息の合計(2.5%・万円)手出し(3.5%・円)利息の合計(3.5%・万円)
25年−89,145717−106,6181,241−125,2851,801
30年−69,470870−87,4171,516−106,7722,213
35年−55,4951,026−73,9121,800−93,9392,641
40年−45,0821,186−63,9642,092−84,6433,085
45年−37,0431,349−56,3832,393−77,6923,544
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期間を延ばすと毎月の手出しは小さくなりますが、利息の合計は大きく増えます。収支表の「手出し」が小さいときは、返済期間が何年になっているか、完済のときに自分が何歳かを先に確かめてください。期間が長いほど、完済までに利率が見直される回数(変動型の借入の場合)や、家賃・修繕積立金が変わる機会も増えます。

12空室と家賃の下落を入れると

ここまでの計算は、空室がなく、家賃も変わらない前提でした。最新の月に買う部屋(価格の90%を借入・2.5%)で、1年のうち入居している割合(稼働率)と、家賃の下がり方を変えた場合の毎月の収支(1年を均した値)です。

稼働率手出し・家賃が今のまま(円)手出し・家賃が5%下がる(円)手出し・家賃が10%下がる(円)
100.0%−73,912−78,047−82,182
97.5%−75,980−80,011−84,042
95.0%−78,047−81,975−85,903
92.5%−80,114−83,939−87,764
90.0%−82,182−85,903−89,624
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稼働率の目安として、J-REITが持つ住宅1,855件の物件表を見ると、稼働率の中央値は97.5%、下から4分の1の物件は95.2%でした。これは1棟の賃貸マンションの、決算期末の1時点の値です。1室だけを持つ場合は、空室か満室かの2つしかないので、入居者が出ていくと、次が決まるまでの数か月は家賃がゼロになります。年で均すと上の表のようになりますが、実際には空室の月にまとめて大きな手出しが出ます。

13手出しをなくすには、家賃がいくら上がればよいか

同じ部屋で、毎月の収支をちょうどゼロにする家賃を逆算しました。今の家賃(87,049円)に対して何%上がれば手出しがなくなるかを、利率と借りる割合ごとに示します。

利率借りる割合手出しがゼロになる家賃(円)今の家賃からの上がり幅
1.5%借入90%145,465+67%
1.5%借入100%158,319+82%
2.5%借入90%164,851+89%
2.5%借入100%179,859+107%
3.5%借入90%185,932+114%
3.5%借入100%203,282+134%
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比べるために、民営家賃の指数が過去にどれだけ上がったかを見ます。1990年以降で、5年間の上がり幅が最も大きかったのは1991年8月までの5年間で+14.2%、10年間では1990年1月までの10年間で+33.7%でした。手出しをなくすのに必要な上がり幅は、過去の家賃の最も大きな上がり方と比べても桁が違います。

つまり、この水準の価格で買った部屋は、家賃が上がることで手出しが解消する、という見込みは、過去の統計からは支えられません。手出しをなくす方法は、借りる額を減らすか、利率の低い借入にするか、より安く買うかのどれかです。

141か月のお金の出入りを並べる

同じ部屋を起点に買った場合と最新の月に買った場合で、1か月目のお金の出入りを項目ごとに並べました(価格の90%を借入・35年・2.5%)。プラスは入ってくるお金、マイナスは出ていくお金です。

項目起点に購入(円)最新の月に購入(円)差(円)
家賃+90,000+87,049−2,951
賃貸管理の手数料−4,500−4,352+148
管理費と修繕積立金−15,000−15,000±0
固定資産税・都市計画税(月割り)−6,000−13,294−7,294
ローンの利息(1か月目)−33,750−74,777−41,027
ローンの元本(1か月目)−24,164−53,538−29,374
収支+6,586−73,912−80,498
収支(元本の返済を除く)+30,750−20,374−51,124
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家賃はほとんど同じで、差のほとんどはローンの利息と元本、つまり価格が上がった分です。最後の行は、元本の返済を「貯金に近いもの」として除いた収支で、これがマイナスなら、借金の返済を別にしても毎月お金が消えていることになります。

1535年で、家賃はどこへ行くか

最新の月に買った場合に、家賃が今のまま35年続いたとして、受け取る家賃の合計と、経費・利息・元本の返済に回る額の合計を、年ごとに積み上げました。右端は家賃から全部を払った残り(マイナスは手出しの合計、万円)です。

経過家賃の合計(万円)経費の合計(万円)利息の合計(万円)元本の返済の合計(万円)残り(万円)
1年104398965−89
5年522196428342−443
10年1,045392811729−887
15年1,5675881,1421,168−1,330
20年2,0897841,4151,665−1,774
25年2,6119791,6212,228−2,217
30年3,1341,1751,7532,866−2,661
35年3,6561,3711,8003,589−3,104
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家賃の合計のうち、どれだけが利息と経費に消え、どれだけが元本の返済(部屋の持ち分)に回ったかが分かります。完済の時点で、元本の返済の合計は借りた額と同じになり、部屋は自分のものになります。その部屋の価格が、最初に払った自己資金と手出しの合計を上回るかどうかが、この投資の最後の答えです。

16ローンが終わったとき、いくらで売れれば元が取れるか

最新の月に前の節の部屋を買い、35年持ってローンを返し終えたとします。最初に払う自己資金(価格の10%)と、35年間の手出しの合計を足すと、この投資に入れたお金の合計になります。完済した部屋をその額で売れれば、損も得もない計算です。家賃の動き方を4通り置きました。空室・修繕の一時金・売るときの費用と税は入れていません。

家賃の動き自己資金(万円)35年の手出しの合計(万円)入れたお金の合計(万円)購入価格に対する割合
家賃が今のまま3993,1043,50388%
家賃が過去17.7年と同じ率で動く(年−0.19%)3993,2133,61291%
家賃が年0.5%ずつ下がる3993,3843,78395%
家賃が年0.5%ずつ上がる3992,7923,19180%
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家賃が今のままなら、35年後に購入価格の88%で売れて、やっと元が取れる計算です。その時点で部屋は少なくとも築35年です。価格指数は「その時に取引された部屋全体」の値動きで、築35年を超えた1室の価格を示すものではありません。

入れたお金には、もしほかで運用していたら得られたはずの利息(機会費用)を含めていません。これを含めると、必要な売値はもっと高くなります。逆に、家賃が上がる場合や、途中で値上がりした時期に売る場合は、必要な売値は下がります。この表は、どの家賃の動きなら損をしないかを先に知るための物差しです。

17儲かるかどうかを分ける3つの数字

勧められた1室が、ここまでの「儲からない」構造にどれだけ当てはまるかは、次の3つの数字で確かめられます。どれも、業者の資料にある数字から自分で計算できます。

  1. 価格は年間家賃の何年分か。価格÷(月の家賃×12)。この記事の計算では、起点の水準が16.7年分、最新の月の水準が38.2年分でした。年数が大きいほど、家賃で回収するのに時間がかかります。
  2. 返済は家賃の何%か。毎月の返済÷月の家賃。これが高いと、管理費や税を足したときに手出しになります。利率を今より1〜2%高く置いても続けられるかを確かめます。
  3. 完済時に、購入価格の何%で売れればよいか。(自己資金+手出しの合計)÷購入価格。この割合が100%を超えるなら、家賃では元が取れず、値上がりに頼る投資だということです。

3つとも、家賃が今のまま続くと置いた数字です。空室や家賃の下落、修繕積立金の値上げを入れると、どれも悪い方向に動きます。また、区分マンションは株などと違って、売りたいときにすぐ同じ価格で売れるとは限りません。売るまでの期間と仲介手数料もかかります。

181室を持つと払い続ける費用

家賃から引かれる費用を、払う相手と、額が変わるきっかけで整理しました。この記事の計算で仮に置いた値は、右端の列のとおりです。

費用払う相手払う頻度額が変わるきっかけこの記事の仮の値
管理費管理組合毎月管理組合の総会の決議修繕積立金と合わせて月15,000円
修繕積立金管理組合毎月長期修繕計画の見直し・段階的な値上げ管理費に含めた
賃貸管理の手数料賃貸管理の会社毎月管理委託の契約の更新家賃の5%
固定資産税・都市計画税市町村(東京23区は都)年に数回に分けて評価替え(3年ごと)価格の年0.4%
ローンの利息金融機関毎月変動利率の見直し・借り換え2.5%(35年)
入居者の入れ替えの費用賃貸管理の会社など入れ替えのたび空室の長さ・広告料の相場入れていない
修繕の一時金管理組合大規模修繕のときなど積立金の不足入れていない
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家賃は入居者との契約で決まり、費用の多くはほかの人(管理組合・市町村・金融機関)が決めます。1室の持ち主が自分で決められる費用はほとんどなく、家賃が同じでも費用が上がれば手出しは増えます。

193つの数字を、購入時点ごとに

前の節の3つの数字を、この記事の部屋(起点に家賃90,000円・家賃÷価格6%)で、毎年12月に買った場合について計算しました。借入は価格の90%、35年・2.5%、費用は「月々の手出し」の節と同じ仮の値で、家賃はその時点のまま続くとしています。

購入時点価格÷年間家賃(年)返済÷家賃月の手出し・手残り(円)完済時に必要な売値(購入価格比)
2008年4月16.764%+6,586−5%
2009年末16.162%+8,630−11%
2010年末17.166%+4,5510%
2011年末17.066%+4,781−1%
2012年末17.266%+4,2360%
2013年末19.073%−2,59215%
2014年末19.876%−5,66422%
2015年末21.282%−11,10731%
2016年末22.286%−14,66937%
2017年末23.691%−19,93544%
2018年末24.996%−24,65450%
2019年末25.699%−27,26953%
2020年末27.1105%−32,80559%
2021年末29.6114%−41,71267%
2022年末32.2124%−51,15875%
2023年末33.6130%−56,53578%
2024年末35.4137%−63,46382%
2025年末38.2147%−73,91288%
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3つの数字は、同じ向きに悪くなってきました。月の収支が初めてマイナスになったのは2013年12月に買った場合、返済÷家賃が100%を超えたのは2020年12月に買った場合です。完済時に必要な売値は、購入価格比で−5%から88%になりました。マイナスの値は、家賃だけで自己資金まで回収でき、売値がゼロでも損をしない計算だという意味です。同じ利率・同じ費用で計算しても、購入時点の価格と家賃の関係だけで、これだけの差がつきます。

20勧誘の収支表を読む順番

区分マンションをすすめられたときに渡される収支表(シミュレーション)を、この記事の計算に沿って読む順番です。上の行から順に、表の前提を自分で置き直します。

見る項目収支表によくある置き方置き直す値の目安この記事の節
家賃35年間ずっと同じ額5%・10%下がった場合も計算空室と家賃の下落
空室空室ゼロ・広告費なし入れ替えごとに数か月の空室空室と家賃の下落
利率今の低い利率のまま35年1〜2%高い利率でも計算借りる割合と利率
返済期間35年以上の長い期間期間ごとの利息の合計を比べる返済期間を延ばすと
修繕積立金今の額のまま長期修繕計画の値上げ後の額家賃のうち、経費に消える割合
売値購入価格のまま、または値上がり築年数の進んだ1室の価格ローンが終わったとき
税金の還付還付を収入に入れる還付を除いた収支も出す売るときに引かれる費用
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どれか1つでも、表が自分に有利なほうへ置かれていたら、その前提を変えた数字を出してもらってください。出せない、あるいは出したがらない場合は、それ自体が判断の材料になります。

21この記事に出てくる言葉

区分マンション(区分所有)
マンションの1室を、ほかの部屋と分けて所有する形。建物の共用部分と敷地は、ほかの所有者と共有します。
手出し
家賃から返済と経費を払うと足りず、自分の給料などから足すお金。この記事では毎月の収支がマイナスのときの額です。
年間家賃÷価格
経費や空室を引く前の、家賃で回収できる割合。表面利回りとも呼びます。「価格は年間家賃の何年分か」は、その逆数です。
価格指数
国土交通省が取引の価格から計算する、価格の動きの指数。2010年の平均を100とします。1室の価格そのものではありません。
民営家賃
総務省の消費者物価指数の品目の1つ。民間の借家の家賃の、全国の平均的な動きを表します。
実質
物価の上がり下がりを差し引いた値。家賃が同じでも、物価が上がれば実質の家賃は下がります。
元利均等返済
毎月の返済額(元本+利息)が同じになる返し方。初めのうちは利息の割合が大きく、年がたつほど元本の割合が大きくなります。
NOI
賃貸の収入から、管理・修繕・税金などの費用を引いた利益。減価償却費とローンの利息を引く前の値です。

22営業トークを確かめる:ワンルームマンション投資のからくり

  1. すすめる電話・紹介・セミナーで、1室の購入をすすめる
  2. ローンを組む値段の大部分をローンで借り、賃料で返す計画を示す
  3. 毎月の手出し賃料で返済と経費をまかなえない分を、給料から足す
  4. 出口完済まで持つか、途中で売る。売値は決まっていない
立場受け取るもの負担するもの金額が決まる時期
売る側(不動産会社)販売価格(利益を含む)仕入れ・広告・人件費売った時点で確定
買う側賃料・最後の売値返済・管理費・修繕積立金・税・空室何十年も先まで未確定
金融機関利息貸し倒れの危険借入の契約で決定、変動金利は見直し
賃貸管理の会社管理の手数料入居者の募集・管理の手間管理の契約で決定
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売る側の利益は売った時点で決まり、買う側の損得は何十年も先まで決まりません。勧誘の説明は、この「先のこと」を確かなことのように話すときに問題になります。宅地建物取引業法は、利益が生じることが確実だと誤解させるような断定的な判断を示して勧誘することを禁じています(第47条の2第1項)。勧誘のルールと断り方は区分マンション投資のページにまとめています。

「国債より高い」という説明の確かめ方は別の記事にあります。

23営業トークを確かめる:「家賃は下がらない」

項目数字・内容
説明「賃料は下がらない。だから毎月の収入は安定している」
使った統計総務省 消費者物価指数(全国)の民営家賃(品目)、2025年=100
最高値の月と値1998.06、106.2
最新の月と値2026.08、100.8(最高値から▲5.1%)
最も低かった月と値2021.05、99.1(最高値から▲6.7%)
最高値の後、最高値を下回った月338か月のうち336か月
同じ期間の物価(総合)16.4%
物価を差し引いた賃料▲18.5%
統計から言えること大きくは動かないが、25年以上かけて少しずつ低下。物価を差し引くと目減り

最高値の月(1998.06)を100として、1990年から4年おきの12月と最新の月で並べました。公営等の賃料、持家の帰属家賃、物価(総合)も同じように直しています。

年(12月)賃料指数物価(総合)公営等の賃料持家の帰属家賃
199088.392.690.086.6
199496.997.799.895.4
199899.8100.399.3100.0
200299.197.4100.0101.3
200697.897.099.7101.2
201096.396.1100.5100.5
201494.499.7100.999.1
201893.4101.4102.098.2
202293.4105.9102.698.4
2026(8月)94.9116.4105.299.5
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この指数は全国の民間の借家の賃料の平均的な動きで、ワンルームだけの値でも、ある1室の値でもありません。1室の賃料は、建物が古くなるにつれて、この平均よりさらに下がりやすくなります。

24営業トークを確かめる:最高値の前後の賃料指数

賃料指数が最高になった1998.06の前後、1995年から2005年までの3か月ごとの値と、1年前と比べた変化です。物価(総合)も並べました。

月(年.月)賃料指数1年前と比べて物価(総合)1年前と比べて
1995.03103.31.9%85.5▲0.2%
1995.06103.71.5%85.80.1%
1995.09104.01.5%86.00.1%
1995.12104.31.4%85.5▲0.3%
1996.03104.51.2%85.4▲0.1%
1996.06104.71.0%85.80.0%
1996.09105.01.0%86.00.0%
1996.12105.20.9%86.00.6%
1997.03105.30.8%85.80.5%
1997.06105.81.1%87.72.2%
1997.09105.80.8%88.12.4%
1997.12105.80.6%87.51.7%
1998.03106.10.8%87.72.2%
1998.06106.20.4%87.80.1%
1998.09106.10.3%87.9▲0.2%
1998.12106.00.2%88.10.7%
1999.03105.9▲0.2%87.4▲0.3%
1999.06106.1▲0.1%87.5▲0.3%
1999.09106.0▲0.1%87.7▲0.2%
1999.12106.00.0%87.1▲1.1%
2000.03105.90.0%86.9▲0.6%
2000.06105.8▲0.3%87.0▲0.6%
2000.09105.7▲0.3%86.9▲0.9%
2000.12105.7▲0.3%86.8▲0.3%
2001.03105.7▲0.2%86.3▲0.7%
2001.06105.5▲0.3%86.3▲0.8%
2001.09105.5▲0.2%86.3▲0.7%
2001.12105.5▲0.2%85.7▲1.3%
2002.03105.4▲0.3%85.3▲1.2%
2002.06105.3▲0.2%85.7▲0.7%
2002.09105.3▲0.2%85.6▲0.8%
2002.12105.2▲0.3%85.5▲0.2%
2003.03105.1▲0.3%85.2▲0.1%
2003.06105.1▲0.2%85.4▲0.4%
2003.09105.0▲0.3%85.5▲0.1%
2003.12105.0▲0.2%85.1▲0.5%
2004.03104.8▲0.3%85.1▲0.1%
2004.06104.7▲0.4%85.40.0%
2004.09104.6▲0.4%85.50.0%
2004.12104.6▲0.4%85.30.2%
2005.03104.4▲0.4%85.10.0%
2005.06104.1▲0.6%85.0▲0.5%
2005.09104.2▲0.4%85.2▲0.4%
2005.12104.2▲0.4%85.0▲0.4%
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25営業トークを確かめる:「インフレに強い。物価が上がれば家賃も上がる」

項目数字・内容
説明「不動産はインフレに強い。物価が上がれば賃料も上がる」
使った統計総務省 消費者物価指数(総合・賃料指数)
12か月の変化の順位相関(1990年以降)0.49
物価が前年比2%以上だった月93か月(1990・1991・1992・1997・1998・2008ほかの年)
その月の物価の変化(平均)2.97%
その月の賃料の変化(平均)0.85%
統計から言えること賃料は物価の上昇にほとんど反応せず

物価の動きで期間を3つに分け、物価(総合)と賃料指数の変化を比べました。

期間(年.月)物価の動き物価の変化賃料の変化物価の年率賃料の年率
1998.06→2013.03物価がほぼ横ばいか下がった時期▲4.1%▲4.8%▲0.28%▲0.33%
2013.03→2021.12物価がゆるやかに上がった時期6.2%▲2.0%0.69%▲0.23%
2021.12→2026.08物価がはっきり上がった時期14.3%1.7%2.91%0.37%
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不動産の値段は物価より大きく上がった時期があり、その意味では「インフレに強い」面もありました。けれども、持っている間に入る賃料は物価に追いついていません。賃料は契約の更新のときにしか変えにくいためです。

26営業トークを確かめる:賃料と、ほかの品目の値段を比べる

同じ消費者物価指数の、生活にかかわる品目の値段の変化です。最高値の月(1998.06)からと、最近5年(2021.08から)の変化を並べました。

品目1998.06からの変化2013.03→2021.12の変化2021.08からの変化最近5年の年率
賃料指数▲5.1%▲2.0%1.7%0.34%
総合16.4%6.2%14.7%2.78%
食料46.4%15.1%30.7%5.51%
外食37.2%11.9%18.9%3.52%
エネルギー51.5%11.3%13.3%2.53%
電気代25.7%20.3%10.2%1.95%
ガス代44.7%5.2%19.9%3.70%
ガソリン81.5%6.5%8.2%1.59%
米類59.5%▲8.5%80.5%12.53%
生鮮食品及びエネルギーを除く総合12.1%4.9%13.8%2.61%
生鮮食品を除く総合14.9%5.4%13.7%2.60%
生鮮食品を除く食料44.2%12.6%29.4%5.29%
家賃(類)▲1.2%▲1.4%1.2%0.24%
持家の帰属家賃を除く家賃▲3.7%▲1.6%1.7%0.34%
公営・都市再生機構・公社家賃5.2%1.8%2.4%0.48%
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最近5年で、家賃以外の11の品目のすべてが、賃料指数より大きく値上がりしました。生活費の値上がりに賃料収入で備える、という考え方は、この統計の動きとは合いません。

27営業トークを確かめる:物価と賃料の差が開いた5年

項目数字・内容
計算の仕方5年間の物価(総合)の変化−同じ5年間の賃料指数の変化(毎月)
1990年以降で差が最も大きかった5年2026.08までの5年、13.0%
賃料の上がり方が物価を上回った最後の5年2013年8月まで
統計から言えること賃料が物価より速く上がった時期は、その後は来ていない

28営業トークを確かめる:「マンションの価格は下がらない。資産になる」

項目数字・内容
説明「マンションは値下がりしない。持っていれば資産になる」
使った統計国土交通省 不動産価格指数(東京都の住宅地・戸建住宅、1984年から)
住宅地の最高値1987.09、339.8
その後の最も低い値2011年5月、91.5(▲73%、284か月後)
住宅地の最新2025年12月、144.4(最高値から▲58%)
戸建住宅の最高値と最も低い値1990年10月 240.9 → 2009年4月 92.3
統計から言えること何十年も続いた下落があり、最高値に戻っていない

東京都の住宅地と戸建住宅の、毎年12月と最新の月の値(2010年平均=100)です。マンション(区分所有)の系列は2007年からで、それより前の動きはこの2つで見るしかありません。

年(12月)住宅地(東京都)戸建住宅(東京都)住宅地の最高値からの変化
1984139.196.8▲59%
1985133.3101.2▲61%
1986222.1144.7▲35%
1987318.5214.4▲6%
1988297.8191.9▲12%
1989335.5209.7▲1%
1990283.9218.6▲16%
1991215.0192.1▲37%
1992200.8164.1▲41%
1993205.0155.2▲40%
1994157.6158.5▲54%
1995159.0147.4▲53%
1996156.4135.9▲54%
1997153.3131.0▲55%
1998132.5120.8▲61%
1999134.6119.6▲60%
2000120.2116.2▲65%
2001151.3107.2▲55%
2002113.6100.7▲67%
2003118.899.1▲65%
2004120.198.6▲65%
2005100.7101.8▲70%
2006120.6111.6▲65%
2007115.2113.4▲66%
200895.8101.4▲72%
200997.998.9▲71%
2010101.3100.2▲70%
201199.898.5▲71%
201299.197.2▲71%
201396.698.8▲72%
2014112.496.3▲67%
2015105.8105.6▲69%
2016115.5108.1▲66%
2017113.0105.1▲67%
2018115.3108.1▲66%
2019115.9107.2▲66%
2020115.5109.6▲66%
2021114.8118.2▲66%
2022135.8128.6▲60%
2023135.1132.2▲60%
2024143.4134.9▲58%
2025(12月)144.4133.2▲58%
横にスクロールすると残りの列が見えます

マンションの指数は2007年以降ほぼ上がり続けたので、「下がらない」と感じやすい時期が続いています。地域ごとのマンションの値動きは15地域の価格指数の記事で確かめられます。

地域ごとの上げ下げは別の記事にまとめています。

29営業トークを確かめる:「今は金利が低いから、借りるなら今」

項目数字・内容
説明「金利は低いまま。借りるなら今」
使った統計財務省 国債金利情報(10年)
1990年の年平均6.87%
最も低かった年の年平均2019年、▲0.09%
2020年以降で最も低かった日の値▲0.153%
最新2026年9月29日、3.082%
統計から言えること数年のうちに大きく動いてきた
年限1990年(年平均)1998年(年平均)2019年(年平均)最新(2026年9月29日)
2年7.21%0.52%▲0.20%1.976%
5年7.05%1.02%▲0.22%2.425%
10年6.87%1.53%▲0.09%3.082%
20年6.81%2.13%0.29%3.887%
30年——0.45%4.126%
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ローンの金利は国債の利回りそのものではありませんが、市場の金利が上がる時期には借入の金利も上がる方向に動きます。金利が1%違うと返済がどれだけ変わるかは利回りの目安の記事で計算しています。

30営業トークを確かめる:ローンの借入の年ごとに、その後の金利の幅

35年のローンを組むと、その間に金利がどれだけ動くかを、過去の10年国債の年平均で見ました。3年おきの各年に組んだとして、その後の年の最も低い年平均と最も高い年平均、その差です。

借入の年その年の10年国債その後の最も低い年その後の最も高い年最高と最低の差
19906.87%2019年 ▲0.09%1991年 6.38%6.47%
19934.35%2019年 ▲0.09%1994年 4.36%4.45%
19963.12%2019年 ▲0.09%2026年 2.56%2.65%
19991.74%2019年 ▲0.09%2026年 2.56%2.65%
20021.27%2019年 ▲0.09%2026年 2.56%2.65%
20051.38%2019年 ▲0.09%2026年 2.56%2.65%
20081.49%2019年 ▲0.09%2026年 2.56%2.65%
20111.12%2019年 ▲0.09%2026年 2.56%2.65%
20140.55%2019年 ▲0.09%2026年 2.56%2.65%
20170.05%2019年 ▲0.09%2026年 2.56%2.65%
20200.01%2021年 0.07%2026年 2.56%2.49%
20230.57%2024年 0.91%2026年 2.56%1.64%
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どの年に組んでも、その後の年平均には大きな上下があり、差は最大で6.47%でした。変動金利で借りれば、この幅の動きが返済に表れます。固定金利でも、固定の期間が終われば見直しがあります。

31営業トークを確かめる:「年金の代わりになる。ローンが終われば家賃がまるごと入る」

賃料90,000円の部屋で、管理費と修繕積立金が月15,000円、賃貸管理の手数料が賃料の5%(仮の値)とした、35年後の手取りです。「いまの価値」は、物価が1998.06から最新までと同じ年0.54%で上がったとして直した値です。

賃料の動き35年後の賃料(月・円)35年後の手取り(月・円)手取りのいまの価値(月・円)手取り(年・円)
賃料が今のまま90,00070,50058,376846,000
最高値の月から最新までと同じ率(年▲0.19%)84,34965,13253,930781,579
年0.5%ずつ下がる75,51856,74246,984680,905
年1%ずつ下がる63,31045,14537,381541,737
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手出しの合計と、完済時にいくらで売れれば元が取れるかは区分マンション投資はなぜ儲からないかで計算しています。

32営業トークを確かめる:35年後の手取りの幅

前の節の部屋で、賃料の動き方と、管理費・修繕積立金が今の何倍になるかを組み合わせた、35年後の毎月の手取り(円)です。

賃料の動き管理費等が今のまま管理費等が1.5倍管理費等が2倍
賃料が今のまま+70,500+63,000+55,500
年0.5%ずつ下がる+56,742+49,242+41,742
年1%ずつ下がる+45,145+37,645+30,145
年0.5%ずつ上がる+86,807+79,307+71,807
横にスクロールすると残りの列が見えます

管理費等の上がり方は仮の値です。実際の修繕積立金の計画は、管理組合の長期修繕計画に書かれています。「年金の代わり」と言われたら、この表のように幅で考えてください。

33営業トークを確かめる:説明の裏にある前提

よく聞く説明置かれている前提統計で確かめられること統計では確かめられないこと
賃料は下がらない35年間ほぼ同じ賃料全国の賃料の長い動きその1室の将来の賃料
インフレに強い物価とともに賃料が上がる物価と賃料の過去の関係これからの物価と賃料
価格は下がらない売るときに買値以上で売れる地域の指数の長い動きその1室の売値
金利は低いまま35年間ほぼ同じ金利国債の利回りの過去の動きこれからの金利
国債より利回りが高い表面利回りがそのまま手元に残る国債の利回りと計算上の利回りその1室の経費と空室
年金の代わり完済後も入居者と賃料が続く賃料と物価の過去の動き35年後の入居と修繕の費用
空室にならない入居者が途切れない1棟の住宅の稼働率その1室の空室の期間
サブリースで安心保証の賃料が変わらない法律が定める説明の義務契約後の見直しの結果
横にスクロールすると残りの列が見えます

統計で確かめられるのは、過去の全体の動きまでです。右端の列は、統計では答えが出ない部分で、そこを「大丈夫」と言い切る説明には注意が必要です。

34営業トークを確かめる:「人気のエリアだから、空室にならない」

J-REITが持つ住宅(1棟まるごとの賃貸マンション)の、決算期末の稼働率です。区分マンションの1室の数字ではありません。

場所住宅の件数稼働率の中央値95%未満の割合90%未満の割合下から10%の境目
東京23区1,022件97.5%24%5%92.6%
23区以外833件97.6%21%4%92.8%
横にスクロールすると残りの列が見えます

35営業トークを確かめる:「家賃保証があるから安心」

確かめる項目契約書面で見るところ理由
保証される賃料の見直し見直しの時期・幅・手続き借り上げの契約も建物の賃貸借で、減額を求められることがある
保証の期間当初の固定の期間と、その後の扱い固定の期間が終わると条件が変わることがある
解約の条件借り上げ側・持ち主側それぞれの解約の条件持ち主側からの解約には制限がかかることがある
免責の期間新しい入居者が入るまで賃料が払われない期間空室の月の扱いが決まる
費用の負担修繕・原状回復の費用を誰が払うか保証の賃料とは別に負担が出ることがある

賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律は、借り上げの勧誘での誇大な広告や、重要な事実を告げないことを禁じ、契約前の書面での説明を義務づけています(第28〜30条)。

36営業トークを確かめる:「節税になる」「生命保険の代わりになる」

説明仕組み確かめること
節税になる不動産所得の赤字を給与などの所得と差し引きし、所得税・住民税が戻る減価償却費は売るときに取得費から差し引かれ、売却時の税で一部が戻る
節税になる(続き)土地を買うための借入の利子は、赤字のうち差し引きできない部分がある還付を除いた収支と、売るときまで含めた損得
生命保険の代わり団体信用生命保険で、亡くなったときなどにローンの残りが返される同じ保障を保険で得る場合の保険料と、手出しの合計の比較
生命保険の代わり(続き)家族には借金のない部屋が残る部屋がすぐ売れるとは限らず、売値も未確定

どちらも仕組みとしては成り立つ説明です。問題は、それだけで「得になる」と言い切ることです。売るときの税や、手出しの合計まで含めた数字を出してもらってください。

37営業トークを確かめる:説明を聞いたら、こう聞き返す

よく聞く説明聞き返すこと確かめる統計
賃料は下がらない35年間の賃料を、何%下がる前提で計算しているか総務省 消費者物価指数(賃料指数)
インフレに強い賃料が物価と同じだけ上がった時期は、いつあったか同じ指数の物価(総合)と賃料指数
価格は下がらない値段が何年も下がり続けた時期をどう見ているか国土交通省 不動産価格指数(東京都の住宅地は1984年から)
金利は低いまま金利が1〜2%上がったときの毎月の収支はいくらか財務省 国債金利
国債より利回りが高い比べている利回りは表面か実質か、国債の利回りはいつの値か財務省 国債金利・個人向け国債の利率
年金の代わり35年後の手取りと、それまでの手出しの合計はいくらか上の表の計算
空室にならない空室の期間と広告の費用を、収支に何か月分入れているかJ-REITの住宅の稼働率(1棟・参考)
サブリースで安心保証の賃料の見直しの時期・幅、解約の条件はどう書かれているか契約前の書面
節税になる売るときの税まで入れた、全体の損得はいくらか国税庁の公表資料
今が買い時その数字の起点はいつかこの記事の「起点を変えると」の表

答えが数字で返ってこない説明は、確かめられていない説明です。その場で決めず、資料を持ち帰ってください。

38営業トークを確かめる:数字を見たときのチェックリスト

1つでも答えられない数字は、判断の材料にしないほうが安全です。

39営業トークを確かめる:説明を受けた日にすること

  1. 説明で出た数字を、その場でメモ(いつからの数字か、何の数字か)
  2. 収支表・重要事項の説明の書面・管理組合の資料のコピーを受け取る
  3. その場では申し込まず、署名もしない
  4. 持ち帰って、この記事の表と統計で数字を照らし合わせる
  5. 賃料が5%・10%下がった場合、金利が1%・2%上がった場合の収支を、売る側に出してもらう
  6. 近くの似た部屋の取引価格と募集賃料を、不動産情報ライブラリや募集の情報で確かめる
  7. 迷ったら、売る側以外の人(消費生活センターなど)に相談する

事務所等以外の場所で申し込んでしまった場合は、書面で告げられた日から8日以内なら、書面で申込みの撤回や契約の解除ができることがあります(宅地建物取引業法 第37条の2)。条件は区分マンション投資のページにまとめています。

40よくある質問

区分マンション投資は、損をするのですか。

損をするとは限りません。この記事の計算でも、2008年4月に買って指数どおりに売れた場合は利益が出ています。ただし、その利益の多くは値上がりによるもので、家賃だけで見ると、これから買う人の手取りは小さくなっています。

家賃が上がれば、儲かるようになりますか。

家賃が上がれば手出しは減ります。ただ、全国の民営家賃は2008年4月から2025年12月までで−3.3%で、上がり始めた2023年以降も年1%に届いていません。価格の上がり方とは差が大きいままです。

手出しがあっても、ローンが終われば部屋が残るので得ではありませんか。

手出しのうち元本の返済分は、部屋の持ち分を増やしているので貯金に近い性質があります。利息と経費は戻りません。最後に残る部屋の価格は決まっていないので、入れたお金の合計と比べて判断します。

この記事の家賃9万円の部屋は、実在する物件ですか。

実在する物件ではありません。統計の動きを分かりやすくするために置いた仮の部屋です。自分の物件の家賃と価格で、同じ計算をやり直してください。

価格指数はワンルームの価格ですか。

違います。国土交通省の「マンション(区分所有)」の指数は、取引された区分所有マンション全体の値動きで、広さや間取りでは分かれていません。

手出しが月数千円なら、問題ありませんか。

毎月の額が小さくても、35年続けば数百万円になります。また、空室の月や修繕積立金の値上げ、利率の見直しで、手出しは大きくなりえます。小さな手出しの裏で、返済期間が長くなっていないか、家賃が高めに置かれていないかを確かめてください。

都心の部屋なら、儲からない構造は当てはまりませんか。

都心ほど価格が高く、家賃に対する価格(価格は年間家賃の何年分か)も大きくなりやすいので、家賃だけで見た構造は同じです。都心の部屋が有利になるのは、値上がりや空室の少なさが続いた場合で、それは過去の統計からは約束されません。

繰り上げ返済をすれば、手出しは解消しますか。

繰り上げ返済で借りている額が減れば、毎月の返済は減り、手出しも減ります。そのぶん手元のお金が減るので、ほかに置いていれば得られた利息と比べて判断します。この記事の「借りる割合と利率」の表が目安になります。

価格が下がれば、手出しは減りますか。

これから買う人にとっては、価格が下がれば借りる額と返済が減るので、同じ家賃なら手出しは小さくなります。すでに買った人の手出しは変わらず、売ったときの価格だけが下がります。

家賃の統計は、ワンルームの家賃ですか。

違います。総務省の民営家賃は、民間の借家の家賃の全国の動きで、間取りや広さでは分かれていません。1室の家賃は、同じ建物や近くの似た部屋の募集家賃で確かめてください。

「家賃は下がらない」は本当ですか。

全国の賃料指数の指数は1998年6月が最高で、2026年8月はそこから−5.1%です。大きくは動きませんが、長い期間で見ると少しずつ下がってきました。

物価が上がると、賃料も上がりますか。

物価が前年より2%以上高かった月の賃料の変化は、平均で0.85%でした。物価の上がり方に比べて、賃料はほとんど動いていません。

不動産の値段が下がり続けたことはありますか。

東京都の住宅地の指数は、1987年9月の最高値から2011年5月まで73%下がり、最新でも最高値を下回っています。

「今が買い時」と言われました。本当ですか。

買い時かどうかは、これからの賃料・値段・金利で決まり、統計からは分かりません。過去の数字は、起点の選び方でどうにでも見せられます。

統計の数字と、勧誘の資料の数字が違うときは、どちらを信じればよいですか。

どちらが正しいかより先に、何の数字か(全国か1室か、表面か実質か)と、いつからの数字かを確かめてください。範囲と期間がそろわない数字は、比べること自体ができません。

この記事の数字は、いつ更新されますか。

総務省・国土交通省・財務省が新しい値を公表すると、計算し直して入れ替えています。国土交通省の不動産価格指数は、令和8年1月分以降の公表が延期されているため、2025年12月分が最新です。

営業トークで断定されたら、どうすればよいですか。

宅地建物取引業法は、利益が確実だと誤解させる断定的な判断を示して勧誘することを禁じています。その場で契約せず、説明を書き留め、資料を持ち帰ってください。

この記事は、特定の会社の説明を取り上げていますか。

取り上げていません。よく聞く言い回しを一般的な形で取り上げ、公的な統計で確かめています。

41この記事の数字は、どこから取ったか

この記事で使った資料は次のとおりです。どれも公的機関が公表している統計か、金融庁のEDINETに出ている有価証券報告書です。

国土交通省は2026年9月28日付で、プログラムの不具合の確認のため、令和8年1月分以降の不動産価格指数の公表を延期すると告知しています。このため、この記事の最新の値は2025年12月分です。価格と家賃は、どちらも2008年4月=100にそろえた当サイトの計算です。家賃9万円・家賃÷価格6%の部屋、管理費等・手数料・税・利率・経費の割合は、計算のための仮の値です。返済額は元利均等返済の式で計算しています。

この記事は、特定の物件・会社・商品をすすめるものではありません。過去の数字を並べたもので、これからの価格や家賃を予想するものでもありません。計算の前提(家賃・費用・金利など)は、計算の仕組みを示すための仮の値です。実際の物件は、その物件の資料と数字でやり直してください。

国土交通省は2026年9月28日付で、プログラムの不具合の確認のため、令和8年1月分以降の不動産価格指数の公表を延期すると告知しています。このため、この記事の最新の値は2025年12月分です。最高値の月を100とした指数、期間ごとの変化と年率、12か月の変化の順位相関、5年ごとの差は、当サイトが計算したものです。35年後の賃料の計算で使った賃料・管理費等・手数料は仮の値です。

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