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ワンルームマンション投資の値上がり|15地域で1.9〜2.8倍

読む目安:「先に結論」だけなら1分/全部で約35分(20千字)

データの時点2026年9月30日取得国土交通省の価格指数(全国と15地域、2008年4月〜2025年12月分)・統計の公表に合わせて更新

1.87〜2.77倍15地域の値上がり(2008年4月→2025年12月)

国土交通省の価格指数で、マンション(区分所有)の値段は2008年4月から2025年12月までに、15地域すべてで上がりました。いちばん小さい北陸で1.87倍、いちばん大きい北海道・九州沖縄で2.77倍、全国では2.22倍です。

北陸 1.87倍1.87倍北陸京阪神圏 2.19倍2.19倍京阪神圏全国 2.22倍2.22倍全国東京都 2.32倍2.32倍東京都九州沖縄 2.77倍2.77倍九州沖縄
2008年4月を1とした2025年12月の倍率(左から最小・中央の地域・全国・東京都・最大)
この記事に出てくる言葉REIT金利
この記事の内容31の見出し

01先に結論

「ワンルームマンションは値上がりする」「地方でも上昇している」という話を、公的な統計で確かめます。使うのは、国土交通省が毎月公表している不動産価格指数のうち、マンション(区分所有)の全国と15地域の系列です。

過去の値上がりは、これからの値上がりを約束するものではありません。この記事は、過去にどの地域がどれだけ、いつ上昇したかを並べたもので、予想はしません。

02指数の値上がりと、1室の値上がりは違う

  1. 取引が集まるその月に売買された区分マンションの価格を集める
  2. 指数になる広さや築年数の違いをならし、2010年=100の指数にする
  3. 1室は古くなる持っている部屋は、年数とともに築年数が進む
  4. 売値が決まる売るときの値段は、その部屋の古さと場所で決まる

国土交通省の不動産価格指数は、その月に取引された物件の価格から計算されます。広さや築年数などの違いをならして、同じ質の物件の価格がどう動いたかを表すように作られています。つまり、指数が2倍になったことは「同じような物件の取引価格が2倍になった」ことを表し、「ある部屋を持っていたら、その部屋が2倍で売れた」ことまでは表しません。

持っている1室は、年数がたつほど古くなります。古い部屋は新しい部屋より安く取引されるのがふつうなので、1室の売値は、指数の値上がりから「古くなった分」を差し引いたものに近くなります。どれだけ差し引くべきかは、建物の造り・立地・管理の状態で違い、この指数からは分かりません。この記事の倍率は、1室の値上がりの上限に近い目安として読んでください。

また、指数は「マンション(区分所有)」全体のもので、ワンルームだけの系列はありません。ファミリー向けの広い部屋と、投資用のワンルームでは、買う人も値段の決まり方も違うことがあります。

0315地域と全国の倍率

全国と15地域について、起点(2008年4月)と最新(2025年12月)の指数、その倍率と1年あたりの上昇の大きさ(年率)、最近12か月のサンプル数(計算に使われた取引の件数)の月平均です。倍率の大きい順に並べました。

地域区分起点(2008/04)最新(2025/12)倍率年率サンプル数(月平均)
九州・沖縄地方地方99.5275.92.77倍5.9%262件
北海道地方地方105.1291.52.77倍5.9%121件
中国地方地方87.0238.22.74倍5.9%68件
東北地方地方113.1265.52.35倍4.9%112件
東京都都府県101.0234.82.32倍4.9%1,185件
大阪府都府県103.4233.12.25倍4.7%565件
全国全国101.6225.22.22倍4.6%4,040件
近畿地方地方102.8226.42.20倍4.6%975件
京阪神圏大都市圏102.6224.22.19倍4.5%916件
関東地方地方101.8219.92.16倍4.5%2,190件
南関東圏大都市圏101.7219.82.16倍4.4%2,140件
四国地方地方100.2215.12.15倍4.4%32件
中部地方地方100.7206.52.05倍4.1%260件
愛知県都府県97.5196.52.02倍4.0%191件
名古屋圏大都市圏97.5193.11.98倍3.9%212件
北陸地方地方96.9181.11.87倍3.6%19件
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年率にすると、いちばん小さい北陸で3.6%、いちばん大きい九州沖縄で5.9%です。地方ブロック(9地域)の倍率は1.87〜2.77倍、3大都市圏は1.98〜2.19倍、都府県(東京都・大阪府・愛知県)は2.02〜2.32倍でした。

東京都の指数の年ごとの動きや、2013年・2019年からの倍率は東京の中古マンション価格はどれだけ上がったかにあります。この記事は、起点をそろえた全地域の比較と、底値・振れ幅・5年ごとの勝ち負けに絞りました。

0415地域は、重なっている

15地域は、3つの種類が混ざっています。9つの地方ブロック(北海道・東北・関東・北陸・中部・近畿・中国・四国・九州沖縄)、3つの大都市圏(南関東圏・名古屋圏・京阪神圏)、3つの都府県(東京都・愛知県・大阪府)です。たとえば東京都の取引は、東京都・南関東圏・関東地方の3つの系列に入っています。15地域は別々の15の場所ではありません。

都府県倍率大都市圏倍率地方ブロック倍率
東京都2.32倍南関東圏2.16倍関東地方2.16倍
大阪府2.25倍京阪神圏2.19倍近畿地方2.20倍
愛知県2.02倍名古屋圏1.98倍中部地方2.05倍
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同じ取引を含む系列どうしでも、倍率は少しずつ違います。都府県の中心部と、その周りの郊外とで上昇の大きさが違うためと考えられます。倍率の差が小さいからといって同じ値動きだったわけではなく、範囲が広い系列ほど、地域の中の差がならされています。

05底値はいつで、起点に戻るまで何か月か

起点のあと、指数がいちばん低かった月(底値)と、その下がり幅、起点の値に初めて戻った月、起点から戻るまでの月数、底値から最新までの倍率です。

地域底値の月(年/月)底値起点からの下がり幅起点の値に戻った月(年/月)戻るまでの月数底値からの倍率
九州・沖縄地方2009/0894.1−5.4%2009/10182.93倍
北海道地方2009/0591.6−12.9%2011/05373.18倍
中国地方2008/1081.3−6.6%2008/1172.93倍
東北地方2010/0690.0−20.4%2011/03352.95倍
東京都2009/0793.6−7.3%2010/02222.51倍
大阪府2009/0195.4−7.7%2012/05492.44倍
全国2009/0694.0−7.5%2010/10302.39倍
近畿地方2009/0295.7−6.8%2010/09292.37倍
京阪神圏2009/0294.2−8.2%2010/09292.38倍
関東地方2009/0693.0−8.6%2010/12322.37倍
南関東圏2009/0392.9−8.6%2010/12322.36倍
四国地方2010/0286.7−13.5%2010/04242.48倍
中部地方2009/0593.6−7.0%2010/03232.21倍
愛知県2009/0590.3−7.4%2009/09172.18倍
名古屋圏2009/0589.3−8.4%2009/07152.16倍
北陸地方2010/0570.7−27.1%2010/06262.56倍
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どの地域も、起点のあと(2008年から2010年ごろ)に一度は下がっています。最も深く下がったのは北陸の−27.1%でした。起点に買った人にとっては、数年のあいだ買った値段を下回る時期があったことになります。底値から見れば、どの地域も最新まで2倍を超えています。

底値の月に買えた人がいちばん大きく値上がりした人ですが、底値はあとからしか分かりません。「成功例」として語られる値上がりは、この表の底値の近くで買った場合であることが多い点に注意が必要です。

063つの期間に分けると

起点からの17年あまりを、2012年12月まで(横ばい・下落の時期)、2019年12月まで(上昇の時期)、最新まで(最近の時期)の3つに分け、それぞれの年率を出しました。右端は、全期間の伸び(対数)のうち、最近の時期の分が占める割合です。

地域起点→2012/12(年率)2012/12→2019/12(年率)2019/12→2025/12(年率)最近の時期の割合
九州・沖縄地方2.7%7.7%6.5%37%
北海道地方0.5%8.6%7.2%41%
中国地方3.5%7.8%5.5%32%
東北地方2.3%7.2%4.4%31%
東京都−0.4%6.2%7.6%52%
大阪府0.0%5.9%7.1%51%
全国0.1%5.6%7.0%51%
近畿地方0.8%5.5%6.6%48%
京阪神圏0.7%5.7%6.3%47%
関東地方−0.5%5.3%7.5%56%
南関東圏−0.4%5.4%7.2%54%
四国地方2.3%7.3%2.8%22%
中部地方1.2%5.6%4.9%40%
愛知県1.0%6.2%4.0%33%
名古屋圏1.8%5.2%4.2%36%
北陸地方3.2%9.3%−2.4%-23%
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全国では、伸びの51%が2019年12月より後の分です。最近の時期の年率がいちばん高い地域が多く、値上がりの多くはこの数年に集まっています。期間を区切る位置を変えれば年率も変わるので、どこから見た値上がりかを必ず確かめてください。

0712月の値を並べる

全国と15地域の指数(2010年平均=100)を、3年おきの12月で並べました。どの地域が、どの年あたりから上昇し始めたかが分かります。

地域2010/122013/122016/122019/122022/122025/12(最新)
九州・沖縄地方103.0129.9161.4188.9235.5275.9
北海道地方101.1126.0142.1191.6262.1291.5
中国地方97.9109.8143.0172.4202.9238.2
東北地方107.3151.6182.1204.5225.2265.5
東京都103.8110.5133.6150.9184.6234.8
大阪府102.2111.0129.7154.6191.5233.1
全国103.0112.3130.0149.7187.5225.2
近畿地方101.6113.8130.3154.6193.4226.4
京阪神圏101.5112.8131.2155.8192.3224.2
関東地方103.7109.5126.2142.4180.3219.9
南関東圏103.1109.6127.8144.6181.4219.8
四国地方105.8119.2156.3182.3181.8215.1
中部地方101.9111.0135.8155.3186.7206.5
愛知県103.0109.9139.5155.7186.3196.5
名古屋圏103.3110.1139.3151.2180.2193.1
北陸地方98.3122.1130.6209.6176.4181.1
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2013年12月の時点では、多くの地域でまだ100前後でした。2016年から2019年にかけて地域の差が開き、2022年以降はどの地域も大きく上昇しています。

08年ごとの値上がり率

12月の指数を1年前の12月と比べた、年ごとの値上がり率です(最初の列だけ、起点の月からの変化)。地域ごとに、どの年に大きく上がり、どの年に下がったかが分かります。

地域20092010201120122013201420152016201720182019202020212022202320242025
九州・沖縄地方−2%5%12%−2%16%0%16%8%8%1%7%9%5%9%8%5%4%
北海道地方−3%−1%8%−2%17%13%6%−6%24%0%9%10%17%7%6%−5%11%
中国地方−2%15%4%0%8%14%12%3%7%−7%21%4%6%7%10%4%3%
東北地方−12%8%13%4%21%15%−5%11%−3%10%6%4%9%−3%0%12%6%
東京都−3%6%−4%0%11%4%9%6%4%3%5%6%7%9%6%10%10%
大阪府−6%5%−1%2%7%7%3%6%7%9%2%5%4%13%−2%10%13%
全国−4%6%−1%0%10%4%7%4%6%5%3%6%9%9%5%6%8%
近畿地方−4%3%1%3%7%4%5%5%9%10%0%7%6%10%1%8%8%
京阪神圏−3%2%1%3%7%6%4%6%8%10%0%6%5%11%1%7%8%
関東地方−5%7%−3%−1%10%3%8%3%5%5%2%6%10%9%6%6%9%
南関東圏−4%6%−2%−1%10%4%8%4%5%4%4%5%9%9%5%7%8%
四国地方1%5%0%5%7%10%1%17%6%−8%20%3%−4%1%0%15%4%
中部地方−5%7%3%2%4%5%3%13%2%8%4%5%8%6%2%4%4%
愛知県−4%10%3%−3%8%5%2%19%0%9%2%7%5%7%3%2%1%
名古屋圏−4%10%2%1%4%6%2%18%−1%8%2%7%6%5%1%3%3%
北陸地方20%−16%−3%18%8%13%−16%12%4%13%36%−8%8%−16%−7%18%−6%
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15地域×16年(2010年以降)のうち、12月の指数が前の年の12月を下回ったのは32回で、2015年以降に限ると19回でした。地方の系列には、ある年に大きく上がり、次の年に少し戻すような動きが見られます。取引の件数が少ないため、その年にどんな物件が取引されたかで値が動きやすいためです。

09倍率の順位は、入れ替わってきた

起点からの倍率で15地域を並べたときの順位が、時期によってどう変わったかです(1位が最も上昇した地域)。

地域2012/122016/122019/12最新(2025/12)
九州・沖縄地方3位2位3位1位
北海道地方11位7位4位2位
中国地方1位1位2位3位
東北地方4位3位6位4位
東京都13位10位13位5位
大阪府12位14位12位6位
近畿地方9位12位11位7位
京阪神圏10位11位10位8位
関東地方15位15位15位9位
南関東圏14位13位14位10位
四国地方5位4位5位11位
中部地方7位8位9位12位
愛知県8位5位7位13位
名古屋圏6位6位8位14位
北陸地方2位9位1位15位
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順位が最も大きく動いたのは北陸で、2012年12月の2位から最新は15位です。ある時点で「最も値上がりした地域」が、その後も上昇し続けたわけではありません。過去の順位は、どの地域を選ぶかの手がかりにはなりにくいことが分かります。

10上昇した月と、下がった月

起点から最新まで、指数が前の月より上昇した月の数と下がった月の数、上昇した月の割合、上昇し続けた最も長い月数です。

地域上昇した月下がった月上昇した月の割合連続して上昇した最長の月数
九州・沖縄地方1189456%8
北海道地方1238958%6
中国地方10510750%5
東北地方1238858%4
東京都1318162%7
大阪府1219057%6
全国1436967%10
近畿地方1308261%12
京阪神圏1318162%6
関東地方1407266%10
南関東圏1347863%10
四国地方10410849%3
中部地方1169655%4
愛知県1139953%5
名古屋圏1149854%6
北陸地方1189456%5
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どの地域も、上昇した月と下がった月が交互に現れながら、全体として上昇してきました。毎月まっすぐ上昇したわけではなく、下がった月も3〜4割あります。持っている間の数か月の下げで売ると、指数が長い目で上昇していても、損をすることがあります。

11買った時期で、最新までの倍率はどう違うか

2010年から2年おきの12月に買い、最新の月まで持っていたとした場合の、指数の倍率です。最近買った人ほど、持った期間が短いので倍率は小さくなります。

地域2010/12から2012/12から2014/12から2016/12から2018/12から2020/12から2022/12から2024/12から
九州・沖縄地方2.682.452.131.711.571.341.171.04
北海道地方2.882.712.052.051.671.381.111.11
中国地方2.432.341.911.671.681.331.171.03
東北地方2.472.111.531.461.371.251.181.06
東京都2.262.362.041.761.641.471.271.10
大阪府2.282.261.961.801.531.431.221.13
全国2.192.201.931.731.551.421.201.08
近畿地方2.232.131.911.741.461.371.171.08
京阪神圏2.212.121.881.711.451.361.171.08
関東地方2.122.211.951.741.581.461.221.09
南関東圏2.132.201.941.721.581.441.211.08
四国地方2.031.931.641.381.411.151.181.04
中部地方2.031.941.781.521.391.261.111.04
愛知県1.911.921.711.411.291.181.051.01
名古屋圏1.871.821.661.391.301.191.071.03
北陸地方1.841.611.311.391.170.941.030.94
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2024年12月に買った場合の倍率が最も小さいのは北陸の0.94倍でした。同じ地域でも、いつ買ったかで値上がりの大きさは大きく違います。東京都・大阪府・愛知県と全国について、年の平均で見た「買った年ごとの値上がり」は東京の中古マンション価格の記事にもあります。

121年でいちばん下がった時期、上昇した時期

指数を1年前の同じ月と比べた変化(12か月の変化)のうち、最も悪かった値と最も良かった値、その月、12か月の変化がマイナスだった月の数です(起点から1年たった月以降)。

地域最も悪い12か月その月(年/月)最も良い12か月その月(年/月)マイナスだった月の数
九州・沖縄地方−7.2%2009/0921.9%2025/1115
北海道地方−11.8%2023/0841.0%2021/0630
中国地方−16.1%2009/0834.0%2019/0139
東北地方−21.6%2009/0725.2%2011/0650
東京都−7.8%2009/0714.4%2014/0223
大阪府−6.8%2009/0913.0%2025/1221
全国−7.3%2009/0411.9%2022/0214
近畿地方−6.0%2009/0411.9%2016/1016
京阪神圏−5.7%2009/0412.0%2018/0715
関東地方−8.5%2009/0613.6%2022/0520
南関東圏−8.4%2009/0413.7%2022/0523
四国地方−22.9%2021/0547.3%2019/0267
中部地方−10.7%2009/0513.8%2018/1125
愛知県−10.8%2009/0518.6%2016/1233
名古屋圏−11.2%2009/0517.7%2016/1234
北陸地方−37.5%2010/0553.1%2015/0786
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最も悪い12か月は、13地域で起点のすぐ後(2010年まで)にあります。一方で、四国(2021/05、−22.9%)・北海道(2023/08、−11.8%)のように、2011年以降に最も悪い12か月が来た地域もあります。地域全体の指数が1年で下がった時期に売ることになれば、それだけ売値も下がりやすくなります。

13地方ブロック・大都市圏・都府県の平均

15地域を3つの区分に分け、それぞれの起点からの倍率の平均を、毎年12月について並べました。右端は全国です。

年(12月)地方ブロックの平均大都市圏の平均都府県の平均全国
20090.990.960.960.96
20101.021.021.021.01
20111.061.021.011.01
20121.091.031.011.01
20131.201.101.101.10
20141.311.161.161.15
20151.351.211.211.23
20161.441.321.341.28
20171.541.371.391.36
20181.581.471.491.43
20191.771.501.531.47
20201.841.591.621.56
20211.971.691.711.70
20222.041.841.861.85
20232.101.881.901.93
20242.231.982.042.04
20252.342.112.202.22
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地方ブロックの平均は、2012年12月から大都市圏の平均を0.05以上上回るようになり、2025年12月には2.34対2.11です。地方ブロックには、札幌・仙台・広島・福岡などの大きな都市が含まれていて、その中心部の取引が指数を押し上げている可能性がありますが、この指数からは地域の中の内訳までは分かりません。

14全国と比べて、どれだけ上昇したか

15地域の倍率を全国の倍率で割った値です。1より大きければ全国より大きく上昇した地域、小さければ全国より小さかった地域です。

地域全国の倍率に対する比全国との比較
九州・沖縄地方1.25全国より大きい
北海道地方1.25全国より大きい
中国地方1.24全国より大きい
東北地方1.06全国より大きい
東京都1.05全国より大きい
大阪府1.02全国より大きい
近畿地方0.99全国より小さい
京阪神圏0.99全国より小さい
関東地方0.98全国より小さい
南関東圏0.97全国より小さい
四国地方0.97全国より小さい
中部地方0.93全国より小さい
愛知県0.91全国より小さい
名古屋圏0.89全国より小さい
北陸地方0.84全国より小さい

15地域のうち、全国より大きく上昇したのは6地域でした。起点の時点の指数の水準(2010年平均=100)と、その後の倍率の順位相関は0.42(中くらいの関係(正の向き))です。起点で低い水準にあった地域ほど、その後に大きく上昇したかどうかを見たものですが、地域の数が15と少ないので、傾向の目安にとどまります。

15起点の1.25倍・1.5倍・2倍を超えた月

地域ごとに、指数が起点の値の1.25倍・1.5倍・2倍を初めて超えた月です(年/月)。2倍を超えていない地域は「まだ」としました。

地域1.25倍を超えた月1.5倍を超えた月2倍を超えた月
九州・沖縄地方2013/112015/122020/09
北海道地方2013/112016/112020/11
中国地方2012/082015/012018/11
東北地方2013/052014/122021/12
東京都2016/012020/032024/06
大阪府2016/072019/112024/10
全国2016/052020/042024/08
近畿地方2016/012018/122024/07
京阪神圏2016/012018/072024/09
関東地方2016/092021/042025/01
南関東圏2016/082021/022024/11
四国地方2011/102016/122019/05
中部地方2016/042018/062025/01
愛知県2015/112018/032024/04
名古屋圏2015/012018/062025/02
北陸地方2008/062015/072019/12
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15地域すべてが、最新までに起点の2倍を超えました。最も早く2倍を超えたのは中国(2018/11)です。1.25倍から1.5倍(+20%)に届くまでの月数の中央値は36か月、1.5倍から2倍(+33%)までは57か月でした。年率に直すと、前半が6.3%、後半が6.2%です。後半の区間は上昇率(+33%)が前半(+20%)より大きいので、同じ年率でも届くまでの月数は長くなります。

16地域ごとの、1年間のサンプル数

地域ごとの1年間のサンプル数(取引の件数)を、2010年から4年おきと2025年で並べました(2025年の件数の多い順)。指数の確からしさの目安になります。

地域2010年2014年2018年2022年2025年
全国46,98947,62348,74752,86648,477
関東地方26,37326,44227,41529,36626,282
南関東圏25,70625,87026,85128,75825,678
東京都13,35913,52115,04816,29514,224
近畿地方9,92610,18910,62311,84211,705
京阪神圏9,2629,4649,85511,14910,998
大阪府5,4295,3595,6006,8476,775
九州・沖縄地方3,0363,1753,3783,6113,147
中部地方3,0403,1653,1313,4343,121
名古屋圏2,5102,5332,5242,8252,545
愛知県2,2792,3272,2962,6062,290
北海道地方1,6911,6261,3801,7011,455
東北地方1,3231,6091,5081,3751,345
中国地方950805732905811
四国地方377367362405379
北陸地方273245218227232
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大都市圏を含む系列は1年に数千件から数万件の取引から計算されていますが、地方ブロックのいくつかは数百件です。件数の多い系列ほど、指数の倍率を地域全体の動きとして読みやすくなります。

17月ごとの振れ幅と、サンプル数

指数の月々の変化(前の月からの変化率)のばらつき(標準偏差)と、1か月で最も上昇した月・最も下がった月、前の月から5%以上動いた月の数、起点からの月平均のサンプル数です。

地域月々の変化のばらつき最も上昇した月最も下がった月5%以上動いた月の数サンプル数(月平均)
九州・沖縄地方3.30%15.6%−11.2%26271件
北海道地方4.59%16.3%−13.6%44134件
中国地方6.45%29.7%−18.8%7269件
東北地方4.85%13.2%−13.3%57116件
東京都1.62%6.8%−5.5%31,192件
大阪府2.09%6.1%−6.3%7479件
全国1.01%3.3%−2.7%04,018件
近畿地方1.73%5.5%−4.7%4880件
京阪神圏1.71%5.4%−5.9%2821件
関東地方1.37%5.1%−4.3%12,238件
南関東圏1.35%4.5%−3.8%02,190件
四国地方9.85%43.5%−23.1%12331件
中部地方2.82%9.1%−6.3%18260件
愛知県3.13%10.6%−9.0%28193件
名古屋圏3.13%9.6%−10.0%28212件
北陸地方13.65%50.9%−36.0%13920件
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月々の振れが最も小さいのは南関東圏(1.35%)、最も大きいのは北陸(13.65%)でした。サンプル数と振れ幅の順位相関は−0.97(強い関係(負の向き))です。取引の少ない地域では、その月にどんな物件が取引されたかで指数が大きく動きます。件数の少ない地域の倍率は、1か月ずれるだけで大きく変わることがあります。

振れ幅と、起点から最新までの倍率の順位相関は0.01(ほとんど関係がない)でした。倍率の大きい地域の一部は、振れの大きい地域でもあります。最新の月がたまたま高く出た地域では、倍率も大きく出ます。

18最近2年の動き

最新の月から24か月前・12か月前・最新の指数と、それぞれの1年間の変化です(最近1年の変化の大きい順)。

地域24か月前(2023/12)12か月前(2024/12)最新(2025/12)前の1年の変化最近1年の変化
大阪府188.2206.3233.19.6%13.0%
北海道地方276.9261.8291.5−5.4%11.4%
東京都195.2214.1234.89.7%9.6%
関東地方190.7202.3219.96.1%8.7%
全国196.2207.8225.25.9%8.4%
京阪神圏193.4207.5224.27.3%8.0%
南関東圏190.5203.5219.86.8%8.0%
近畿地方194.6210.4226.48.1%7.6%
東北地方224.8251.3265.511.8%5.6%
中部地方190.1198.4206.54.3%4.1%
九州・沖縄地方254.1265.8275.94.6%3.8%
四国地方181.1207.7215.114.7%3.6%
中国地方222.5230.6238.23.6%3.3%
名古屋圏182.6188.1193.13.0%2.7%
愛知県191.1194.5196.51.8%1.0%
北陸地方164.2193.1181.117.6%−6.2%
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15地域のうち5地域で、最近1年の上昇率が、その前の1年を上回っていました。最近の上昇の勢いは地域によって違い、件数の少ない地域ほど、1年の変化が大きく出やすくなっています。

19最高値から、いまはどこにいるか

起点からの最高値の月と、その値、最新の値、最高値からの変化、最高値の月から最新までの月数です。

地域最高値の月(年/月)最高値最新最高値からの変化最高値からの月数
九州・沖縄地方2025/11310.7275.9−11.2%1
北海道地方2025/09307.1291.5−5.1%3
中国地方2025/02260.1238.2−8.4%10
東北地方2025/02267.7265.5−0.8%10
東京都2025/12234.8234.80.0%0
大阪府2025/12233.1233.10.0%0
全国2025/12225.2225.20.0%0
近畿地方2025/12226.4226.40.0%0
京阪神圏2025/12224.2224.20.0%0
関東地方2025/12219.9219.90.0%0
南関東圏2025/12219.8219.80.0%0
四国地方2024/05236.9215.1−9.2%19
中部地方2025/09218.5206.5−5.5%3
愛知県2025/09217.5196.5−9.7%3
名古屋圏2025/09205.7193.1−6.1%3
北陸地方2022/06252.6181.1−28.3%42
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15地域のうち11地域は、最新の6か月以内に最高値をつけています。最高値を最も大きく下回っているのは北陸の−28.3%で、最高値は42か月前でした。最高値の近くで買うと、その後に下がった場合の損が大きくなる、というのは株などと同じです。

205年持ったら、値上がりしていたか

起点から毎月1回ずつ買い、ちょうど5年(60か月)後に売ったとして、指数の変化を数えました。全国では153通りの組み合わせがあります。「+30%以上」は、5年で3割以上値上がりした組み合わせの割合です。

地域組み合わせの数値上がりした割合+30%以上の割合最も悪い5年中央の5年最も良い5年
九州・沖縄地方153100%92%17.5%40.5%55.1%
北海道地方153100%90%10.5%45.0%82.1%
中国地方153100%73%11.9%35.8%80.1%
東北地方153100%46%9.6%29.2%86.5%
東京都15399%54%0.0%30.7%53.6%
大阪府153100%62%1.2%31.8%42.9%
全国153100%50%3.4%29.9%45.8%
近畿地方153100%61%5.0%31.7%38.5%
京阪神圏153100%59%4.3%31.3%39.1%
関東地方153100%42%0.1%27.3%50.8%
南関東圏15399%46%−0.3%28.2%50.4%
四国地方15398%44%−4.7%26.8%87.7%
中部地方153100%48%2.9%29.6%45.0%
愛知県153100%48%3.9%29.3%49.7%
名古屋圏153100%40%4.2%27.0%47.9%
北陸地方15392%42%−10.8%26.5%92.8%
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全国の指数では、5年持って値下がりした組み合わせは0通りでした。この期間は、指数がほぼずっと上昇し続けた時期だからです。指数が公表される前の時期には、何年も下がり続けた時期があります(東京都の住宅地の指数は1984年から公表されていて、その動きは営業トークを統計で確かめる記事で見ています)。

そして、これも指数の話です。5年たてば1室は5年分古くなります。指数が5年で1割上昇しても、古くなった分を差し引くと、1室の売値はほとんど変わらないこともありえます。

21物価を差し引いた値上がり

同じ期間に、総務省の消費者物価指数(総合)は1.176倍になりました。物価の上昇を差し引いた値上がり(実質の倍率)=名目の倍率÷物価の倍率です。

地域名目の倍率実質の倍率実質の年率
九州・沖縄地方2.77倍2.36倍5.0%
北海道地方2.77倍2.36倍5.0%
中国地方2.74倍2.33倍4.9%
東北地方2.35倍2.00倍4.0%
東京都2.32倍1.98倍3.9%
大阪府2.25倍1.92倍3.7%
全国2.22倍1.88倍3.6%
近畿地方2.20倍1.87倍3.6%
京阪神圏2.19倍1.86倍3.6%
関東地方2.16倍1.84倍3.5%
南関東圏2.16倍1.84倍3.5%
四国地方2.15倍1.83倍3.5%
中部地方2.05倍1.74倍3.2%
愛知県2.02倍1.71倍3.1%
名古屋圏1.98倍1.68倍3.0%
北陸地方1.87倍1.59倍2.6%
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物価を差し引いても、どの地域も実質で1.59倍以上になっています。マンションの値上がりは、この期間の物価の上昇を大きく上回りました。

22地方の指数は、取引の件数が少ない

15地域の、2009年と2025年の1年間のサンプル数(計算に使われた取引の件数)です。地方の系列は、件数が大都市圏よりずっと少なく、1年で数百件の地域もあります。

地域区分2009年2025年増減
北海道地方地方1,624件1,455件−10%
東北地方地方1,222件1,345件10%
関東地方地方24,323件26,282件8%
北陸地方地方233件232件0%
中部地方地方2,710件3,121件15%
近畿地方地方9,063件11,705件29%
中国地方地方694件811件17%
四国地方地方321件379件18%
九州・沖縄地方地方2,465件3,147件28%
南関東圏大都市圏23,691件25,678件8%
名古屋圏大都市圏2,233件2,545件14%
京阪神圏大都市圏8,421件10,998件31%
東京都都府県11,815件14,224件20%
愛知県都府県2,027件2,290件13%
大阪府都府県4,851件6,775件40%
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2025年のサンプル数が1か月平均50件に届かない地域は、北陸・四国です。「地方のワンルームも値上がりしている」という説明を聞いたら、その地域の指数が何件の取引から計算されているかを確かめてください。件数が少ないほど、1つの大きな取引や、新しく建った物件の取引で指数が動きます。

取引の件数が少ないということは、同じ地域で売りに出したときに、値段を比べられる取引も少ないということです。指数の倍率が大きくても、その値段ですぐに売れるとは限りません。

231棟の住宅の評価額と比べる(J-REIT・参考)

J-REITが持つ住宅は、1棟まるごとの賃貸マンションで、区分マンションの1室ではありません。それでも、毎期、不動産鑑定士による評価額が公表されていて、取得したときの価格と比べることができます。都府県の単位で指数と合わせられる3つの地域です。

都府県住宅の件数取得価格の合計鑑定評価額の合計評価額÷取得価格−1指数の倍率(起点→最新)
東京都1,205件2兆3,753億円3兆1,999億円34.7%2.32倍
大阪府161件2,666億円3,272億円22.7%2.25倍
愛知県132件1,451億円1,685億円16.1%2.02倍
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J-REITの住宅は、取得した時期がばらばらで、起点より前に取得した物件も、最近取得した物件も混ざっています。そのため、評価額の上がり幅は、指数の倍率よりずっと小さく出ます。1棟の評価額は、賃料の収入をもとに計算されることが多く、取引の価格をもとにした指数とは考え方も違います。どちらも「値上がり」を表しますが、同じ物差しではないことに注意してください。住宅を持つJ-REITの地域別の数字は住宅系リートの記事にまとめています。

24値上がり益は、手元にいくら残るか

起点に1,500万円で買った部屋が、指数の倍率どおりの値段で最新の月に売れたとして、売るときの費用と税を引いた手取りを計算しました。仲介手数料は上限(売値×3%+6万円に消費税)、税は持っていた期間が5年を超える場合の税率(所得税・復興特別所得税・住民税で20.315%)です。買値のうち建物の分を60%、賃貸に出していた17年分の減価償却を年2.2%(鉄筋コンクリートの住宅の耐用年数47年の定額法)として、取得費から差し引いています(仮の値)。

地域倍率売値(万円)仲介手数料(万円)減価償却の累計(万円)利益(万円)税(万円)手取りの値上がり益(万円)
北陸地方1.87倍2,802993371,540313890
全国2.22倍3,3231163372,0444151,292
東京都2.32倍3,4861223372,2014471,417
九州・沖縄地方2.77倍4,1601443372,8535801,937
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全国の倍率で売れた場合でも、値上がり益の手取りは1,292万円で、売値と買値の差(1,823万円)より小さくなります。持っている間に経費にした減価償却費の分だけ、売るときの利益が大きくなり、税も増えるためです。

さらに、1室は指数どおりの値段で売れるとは限りません。古くなった分を差し引くと、売値はこの表より低くなりやすく、手取りの値上がり益も小さくなります。ローンの残りがあれば、売値から返す必要もあります。

255年以内に売ると、税は倍近くになる

持っていた期間が、売った年の1月1日で5年以下だと、売った利益にかかる税は所得税・復興特別所得税・住民税で39.63%になり、5年を超える場合の20.315%の倍近くです。2021年12月に1,500万円で買い、最新の月(2025年12月)に指数の倍率どおりの値段で売ったとして、2つの税率で比べました(建物の割合・減価償却の率は前の節と同じ仮の値)。

地域倍率売値(万円)仲介手数料(万円)利益(万円)税・5年以下(万円)税・5年超(万円)差(万円)
北陸地方0.87倍1,29849−172000
全国1.31倍1,959714671859590
東京都1.38倍2,07275576228117111
九州・沖縄地方1.28倍1,918704271698783
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短い期間で大きく値上がりした場合ほど、税の差は大きくなります。値上がりしたからすぐ売る、という判断をする前に、売る年の1月1日で何年持っていたことになるかを確かめてください。5年の数え方は、買った日から売った年の1月1日までで、売った日まででない点に注意が必要です。

26地域の差は、何で説明できるか

15地域の倍率の差が何から来たのかは、価格指数だけでは分かりません。指数が示すのは、その地域で取引された区分マンションの価格の動きで、なぜ動いたかは含まれていないからです。

統計から言えるのは次のことまでです。1つめに、起点のすぐ後の下落が大きかった地域ほど、底値からの倍率は大きく見えます。2つめに、取引の件数が少ない地域ほど、月々の振れが大きく、最新の月の値しだいで倍率が大きく変わります。3つめに、範囲の広い系列(地方ブロック)は、中心都市と周辺の動きが混ざっています。

新しいマンションがどれだけ建ったか、人口や世帯がどう動いたか、建築費がどれだけ上がったか、といった理由を確かめるには、別の統計が必要です。この記事はそこまで踏み込まず、倍率の違いを並べるだけにとどめています。「この地域は○○だから上がる」という説明を聞いたら、その理由を示す統計を見せてもらうのが確実です。

27勧められた1室の値段を、自分で確かめる

地域の指数で全体の流れをつかんだら、勧められた1室の値段を、実際の取引と比べます。国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、過去の不動産の取引価格を、地域・時期・種類で絞って1件ずつ見ることができます。

  1. 同じ駅・同じ区や市の、中古マンションの取引を表示する。
  2. 広さ(ワンルームなら20〜30㎡前後)と、建てられた年が近い取引に絞る。
  3. 1㎡あたりの値段に直して、勧められた部屋の値段(÷専有面積)と比べる。
  4. 建てられた年が古い取引ほど1㎡あたりの値段が下がっているかを見て、持っている間に古くなる分の目安にする。

指数の倍率は地域全体の動きで、1室の値段の確かめには使えません。1室の値段は、近くの似た取引と比べるのがいちばん確かです。

28値上がりを確かめる手順

手順確かめること使うもの
1その地域の指数は、起点から何倍か国土交通省の不動産価格指数(この記事の一覧)
2その倍率は、底値から見たものか、起点から見たものかこの記事の「底値」の表
3地域の指数は、何件の取引から計算されているか指数の表のサンプル数
4同じ建物・近くの部屋は、築年数の違いでいくらで取引されているか国土交通省の不動産情報ライブラリ(取引価格)
5売るときの費用と税を引いて、手取りはいくらかこの記事の「手元にいくら残るか」の表
6最高値の近くで買っていないかこの記事の「最高値」の表

1〜3は地域全体の値上がりの確かめ方で、4は勧められた1室に当てはめるための手順です。指数の値上がりを、そのまま1室の値上がりと考えないことがいちばん大切です。

29この記事に出てくる言葉

不動産価格指数
国土交通省が、不動産の取引価格から毎月計算して公表する指数。住宅は「住宅総合」「住宅地」「戸建住宅」「マンション(区分所有)」に分かれ、2010年の平均を100とします。
季節調整値
毎年同じ時期に出る上下(年度末に取引が増えるなど)を取り除いた値。この記事の指数はすべて季節調整値です。
サンプル数
その月の指数の計算に使われた取引の件数。少ないほど指数が振れやすくなります。
倍率・年率
倍率は最新の指数÷起点の指数、年率はその倍率を1年あたりの上昇率に直したものです。
底値
起点のあと、指数がいちばん低かった月の値。
実質の倍率
名目の倍率を、同じ期間の消費者物価指数(総合)の倍率で割ったもの。物価の上昇を差し引いた値上がりです。
取得費・減価償却
売った利益の計算で差し引く、買ったときの値段など。建物は持っている間に減価償却するので、その分を差し引いた額が取得費になります。
長期譲渡・短期譲渡
売った年の1月1日で持っていた期間が5年を超えるか、5年以下かの区分。税率が20.315%と39.63%で大きく違います。

30よくある質問

ワンルームマンションは、これからも値上がりしますか。

この記事は過去の統計を並べたもので、これからの値動きは予想していません。過去にどの地域も上昇したのは、指数がほぼずっと上昇し続けた時期だったからで、同じことが続くかは統計からは分かりません。

地方のワンルームのほうが値上がりしましたか。

地方ブロックの中には、東京都より大きく上昇した地域があります(最大は九州沖縄の2.77倍)。ただし地方の指数は取引の件数が少なく、振れが大きいので、倍率は割り引いて読む必要があります。

指数が2倍なら、自分の部屋も2倍で売れますか。

売れるとは限りません。指数は同じような物件の取引価格の動きで、持っている部屋は年数とともに古くなります。売値は、同じ建物や近くの似た部屋の取引で確かめてください。

キャピタルゲインには、どんな税がかかりますか。

売った年の1月1日で持っていた期間が5年を超えると、所得税・復興特別所得税・住民税で20.315%、5年以下だと39.63%です。利益は、売値から取得費(買値から減価償却費を引いた額)と売るときの費用を引いて計算します。

15地域の中に、ワンルームだけの指数はありますか。

ありません。どの系列も「マンション(区分所有)」全体の指数で、間取りや広さでは分かれていません。

値上がりした地域の部屋を選べば、値上がり益が得られますか。

過去に大きく上昇した地域が、その後も上昇し続けたわけではありません。この記事の「倍率の順位」の表のように、時期によって順位は入れ替わっています。地域より、買う値段と、その部屋の古さや場所のほうが、売値に大きく効きます。

値下がりした地域はありましたか。

起点から最新までで見ると、15地域すべてで上昇しています。ただし、起点のすぐ後にはすべての地域で一度下がっていて、起点の値に戻るまで数年かかった地域もあります。

指数のサンプル数は、何を表していますか。

その月の指数の計算に使われた取引の件数です。件数が少ないほど、1件ごとの取引の影響が大きくなり、指数が振れやすくなります。

最新の値はいつ更新されますか。

国土交通省は2026年9月28日付で、令和8年1月分以降の公表を延期すると告知しています。この記事は、公表が再開されたら新しい値で計算し直します。

31この記事の数字は、どこから取ったか

この記事で使った資料は次のとおりです。どれも公的機関が公表している統計か、金融庁のEDINETに出ている有価証券報告書です。

国土交通省は2026年9月28日付で、プログラムの不具合の確認のため、令和8年1月分以降の不動産価格指数の公表を延期すると告知しています。このため、この記事の最新の値は2025年12月分です。倍率・年率・底値・振れ幅・5年ごとの変化・実質の倍率は、指数から当サイトが計算したものです。値上がり益の手取りの計算で使った建物の割合と減価償却の率は仮の値で、実際の取得費や減価償却費は物件ごとに違います。

この記事は、特定の物件・会社・商品をすすめるものではありません。過去の数字を並べたもので、これからの価格や家賃を予想するものでもありません。計算の前提(家賃・費用・金利など)は、計算の仕組みを示すための仮の値です。実際の物件は、その物件の資料と数字でやり直してください。

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