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外貨建て保険はやってはいけない?|米国債10年の円割れは2%

読む目安:「先に結論」だけなら1分/全部で約35分(21千字)

データの時点2026年9月まで米国財務省の米10年金利(月平均)と、FRBの為替相場の月中平均・毎週月曜に自動で更新

2.2%321件中7件

1990年1月〜2016年9月の各月に、米10年金利で10年間ドルを複利で増やし、10年後の為替相場で円に戻すと、払った円を下回ったのは321件中7件(2.2%)でした。ただし年1%の費用を引くと20件(6.2%)、年1.5%なら25件(7.8%)に増えます。

費用なし 2.2%2.2%費用なし年0.5% 4.7%4.7%年0.5%年1% 6.2%6.2%年1%年1.5% 7.8%7.8%年1.5%年2% 9.0%9.0%年2%
10年後に円で払った額を下回った割合(年あたりの費用別)

契約した月と金額で計算する →

この記事の内容34の見出し

01先に結論

外貨建て保険(ドル建ての貯蓄型の保険)は、払ったお金をドルで運用し、決められた積立利率で増やす仕組みのものが多くあります。この記事は、積立利率の物差しとして米10年金利を置き、10年持ち切った場合の円の結果を、1990年からのすべての月で数えました。

使ったのは米国債の金利で、保険会社が実際に付けた積立利率ではありません。ここでの「費用」は、市場の金利と積立利率の差をまとめて置いた仮の値です。特定の保険商品の結果ではありません。

02契約した月と金額で計算する

契約した月(1990年1月〜、10年後の結果が出ている月)を選び、金額を切り替えると、10年後に円へ戻した額を、年あたりの費用ごとに出します。比べるために、為替の動きだけの額と、円のまま日本国債10年の金利で複利で増やした額も並べます。

2016年9月 米10年金利1.63%・為替相場101.78円→10年後156.42円

費用なし(米10年金利のまま)1,806,521円
年1%の費用を引いた場合1,636,435円
年1.5%の費用を引いた場合1,556,920円
年2%の費用を引いた場合1,480,899円
為替の動きだけ(利息なし)1,536,751円
円のまま日本国債10年で複利995,260円

一時払いで、契約した月の米10年金利(月平均)から費用を引いた率が10年続き、毎年複利で増えるとした計算です。為替相場はFRBの月中平均。保険の死亡保障・解約控除・税・為替手数料は入れていません。保険会社の積立利率ではなく、将来の結果でもありません。

03外貨建て保険のお金の流れ

  1. 円をドルに替えて払う払うときの為替相場で、円がドルの保険料になる
  2. 積立利率で増えるドルの積立金が、決められた利率で複利で増える
  3. 費用が引かれる保障や運用の費用は、利率の差や控除として差し引かれる
  4. 満期・解約で円に受け取るときの為替相場で円の額が決まる。解約時は調整がかかる商品も

外貨建て保険の円の結果は、外貨預金と同じように「ドルの増え方」と「為替相場の変化」の掛け算で決まります。違うのは、ドルの増え方が保険会社の決める積立利率で、そこから保障や運用の費用が差し引かれる点です。

円の受取額 ÷ 払った円 =(1+積立利率)の年数乗 ×(受け取る月の為替相場 ÷ 払った月の為替相場)

この記事では、積立利率の代わりに「米10年金利−年あたりの費用(仮の値)」を使います。費用は0%から2.5%まで変えて、結果がどこで変わるかを見ます。

04外貨建て保険は何で運用し、債券を直接持つのと何が違うか

外貨建て保険は、保険会社が集めた保険料をまとめて運用し、契約者には約束した積立利率で積立金を増やす形が一般的です。何で運用しているかは商品ごとに資料(契約締結前交付書面や商品パンフレット)に書かれているので、契約前に確かめます。この記事が米国債10年を物差しにしたのは、長期のドルの金利の代表で、1990年からの公的なデータがあるためです。

米国債を直接持つ場合と比べると、主な違いは次の4つです。

  1. 利息の扱い:米国債は半年ごとに利子を受け取ります。保険は積立金の中で複利で増え、途中で受け取らない形が多くあります。
  2. 費用の見え方:米国債は売買の価格差と為替手数料が主な費用です。保険は、保障の費用や運用の費用が積立利率の中や控除として差し引かれ、外から見えにくくなっています。
  3. 途中で現金にするとき:米国債はそのときの時価で売ります。保険は解約返戻金になり、解約控除や市場価格調整がかかる商品があります。
  4. 税:米国債の利子は受け取るたびに20.315%が課税されます。保険の満期金や解約返戻金は、契約者と受取人が同じなら一時所得になるのが原則です(国税庁 タックスアンサーNo.1755)。

利息を受け取るか、中で複利にするかの差を、米10年金利の高さ別に計算しました(10年・ドル・費用なし)。右端は、複利が受け取りより多くなった分です。

契約した月の金利件数中で複利(中央値)利子を受け取る(税の前)利子を受け取る(20.315%課税)複利の上乗せ
2%未満28件1.196倍1.180倍1.144倍1.5%
2〜4%85件1.334倍1.293倍1.233倍4.2%
4〜6%120件1.611倍1.488倍1.389倍12.2%
6%以上88件1.949倍1.690倍1.550倍25.9%
横にスクロールすると残りの列が見えます

金利が高い時期ほど、中で複利にする上乗せは大きくなります。ただし、保険の費用がこの上乗せより大きければ、複利の利点は消えます。利子を受け取って円に替える時期の違いは米国債の利子の記事で扱っています。

05積立利率とは、どう動いてきたか

積立利率は、保険会社が積立金を増やすために付ける利率です。契約時に決まって一定期間変わらないもの、毎月や毎年見直されるもの、最低保証の利率があるものなど、商品で決まり方が違います。多くの商品は、市場の金利を参考に利率を決めているので、ドル建ての保険の積立利率は米国の長期金利と同じ方向に動きます。

米10年金利(月平均)日本国債10年(月平均)
0%2%4%6%8%19901995200020052010201520202025米10年金利(月平均) 5.0%日本国債10年(月平均) 3.0%

米10年金利の月平均は、最も高かった1990年9月の8.89%から、最も低かった2020年7月の0.62%まで動きました。2%を下回った月は60か月です。暦年の平均と、そこから費用を1%・1.5%引いた「積立利率の目安」、日本国債10年の平均を並べます。

年米10年金利−1%の目安−1.5%の目安日本国債10年日米の差
1990年8.55%7.55%7.05%6.863%1.69%
1991年7.86%6.86%6.36%6.374%1.48%
1992年7.01%6.01%5.51%5.349%1.66%
1993年5.87%4.87%4.37%4.351%1.52%
1994年7.08%6.08%5.58%4.349%2.73%
1995年6.58%5.58%5.08%3.471%3.11%
1996年6.44%5.44%4.94%3.115%3.32%
1997年6.35%5.35%4.85%2.373%3.98%
1998年5.26%4.26%3.76%1.530%3.73%
1999年5.64%4.64%4.14%1.742%3.89%
2000年6.03%5.03%4.53%1.746%4.28%
2001年5.02%4.02%3.52%1.331%3.69%
2002年4.61%3.61%3.11%1.271%3.34%
2003年4.01%3.01%2.51%0.994%3.02%
2004年4.27%3.27%2.77%1.501%2.77%
2005年4.29%3.29%2.79%1.384%2.91%
2006年4.79%3.79%3.29%1.739%3.05%
2007年4.63%3.63%3.13%1.680%2.95%
2008年3.67%2.67%2.17%1.492%2.17%
2009年3.26%2.26%1.76%1.353%1.90%
2010年3.21%2.21%1.71%1.183%2.03%
2011年2.79%1.79%1.29%1.126%1.66%
2012年1.80%0.80%0.30%0.859%0.94%
2013年2.35%1.35%0.85%0.715%1.64%
2014年2.54%1.54%1.04%0.554%1.99%
2015年2.14%1.14%0.64%0.363%1.77%
2016年1.84%0.84%0.34%−0.048%1.89%
2017年2.33%1.33%0.83%0.054%2.28%
2018年2.91%1.91%1.41%0.076%2.83%
2019年2.14%1.14%0.64%−0.094%2.24%
2020年0.89%−0.11%−0.61%0.010%0.89%
2021年1.44%0.44%−0.06%0.068%1.37%
2022年2.95%1.95%1.45%0.240%2.71%
2023年3.96%2.96%2.46%0.571%3.39%
2024年4.21%3.21%2.71%0.908%3.30%
2025年4.29%3.29%2.79%1.539%2.75%
2026年4.46%3.46%2.96%2.555%1.90%
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米国債10年が2%前後だった時期は、費用を1.5%引くと目安は0%台まで下がります。最低保証の利率を設けている商品は、こうした時期に保証の利率が効いてきます。具体的な利率の決まり方は、商品の資料で確かめてください。

06積立利率が契約時に固定される形と、毎年見直される形

積立利率には、契約したときの利率が満期まで続く形と、毎年(または毎月)その時点の市場の金利に合わせて見直される形があります。ここでは、契約した月の米10年金利から年1%を引いた率が10年続く形と、毎年の同じ月の米10年金利から年1%を引いた率に入れ替わる形を比べました。

契約した時期件数固定の形(円の倍率・中央値)見直しの形(中央値)見直しの形が上回った件円割れ(固定/見直し)
1990〜1999年に契約120件1.73倍1.55倍10件0件/0件
2000〜2009年に契約120件1.35倍1.18倍4件20件/25件
2010〜2016年に契約81件1.61倍1.58倍42件0件/0件
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321件のうち、見直しの形のほうが多くなったのは56件でした。米国の長期金利が下がる流れにあった1990年代・2000年代に契約した件は、契約時の高い率を固定した形のほうが有利で、2010〜2016年に契約した件では42件(81件中)で見直しの形が上回りました。反対に、金利が上がっていく時期に契約すると、見直しの形のほうが増え方は大きくなります。どちらが有利かは、契約した後の金利の動きで決まり、契約するときには分かりません。

07最低保証の利率があると、何が変わるか

積立利率に下限(最低保証)を設けている商品があります。米10年金利から費用を引いた率が下限を下回ったときは下限の率で増える、として計算しました。下限の値は例として置いたもので、特定の商品の値ではありません。

下限の置き方年1.5%の費用:円割れ下限が効いた件年2.5%の費用:円割れ下限が効いた件
最低保証なし25件0件36件0件
最低保証 年0%(例)25件0件36件49件
最低保証 年1%(例)25件49件36件86件
最低保証 年2%(例)24件86件32件146件
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下限が効くのは、米10年金利が低かった2010年代前半を中心に契約した件です。費用が大きいほど、下限が効く件は増えます。一方で、円割れの件数は下限を年2%に置いても25件から24件(年1.5%の費用)と、ほとんど変わりません。円割れした件の多くは金利が高い時期の契約で、下限が効く前に、10年後の大きな円高で決まっていたためです。下限があると、金利が低い時期でもドルの増え方が一定以上になりますが、その分の費用はほかの形で負担している可能性があります。下限の水準と、その条件は商品の資料で確かめてください。

08年あたりの費用で、結果はどれだけ変わるか

1990年1月〜2016年9月に契約した321件について、年あたりの費用を変えて10年後の円の結果を数えました。右端は、費用によって10年で失われたドルの増え分(払った額に対する割合・中央値)です。

年あたりの費用(仮)円で払った額を下回った件10年後の円の倍率(中央値)下から1割最も悪い10年で費用に消えた分
費用なし7件・2.2%1.65倍1.24倍0.94倍0.0%
年0.5%15件・4.7%1.57倍1.18倍0.89倍7.4%
年1%20件・6.2%1.50倍1.13倍0.85倍14.5%
年1.5%25件・7.8%1.43倍1.07倍0.81倍21.3%
年2%29件・9.0%1.36倍1.02倍0.77倍27.8%
年2.5%36件・11.2%1.30倍0.97倍0.74倍34.0%
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費用が年1%違うと、10年で払った額の14.5%ほどが失われる計算です。年2.5%では34.0%にもなります。複利は費用にも働くので、金利から費用を引いた率で複利をかけた差は、単純に「1%×10年」より大きくなります。

どの商品にどれだけの費用がかかっているかは、商品の資料の「諸費用」の欄と、積立利率と市場の金利の差で見ます。費用の形は、保険関係費・運用関係費・解約控除・為替手数料などに分かれていることが多く、合計して年あたりに直すと比べやすくなります。

09外貨建て保険は円安・円高でどうなったか

10年間の為替相場の動きで分けて、円で払った額を下回った件を数えました。右端は年1%の費用を引いた場合の円の倍率の中央値です。

10年の為替相場の動き件数費用なしで円割れ年1%で円割れ年1.5%で円割れ円の倍率(年1%・中央値)
30%超の円高25件7件20件22件0.94倍
15〜30%の円高45件0件0件3件1.23倍
0〜15%の円高78件0件0件0件1.40倍
0〜15%の円安76件0件0件0件1.69倍
15%超の円安97件0件0件0件1.61倍
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円安で終わった10年で、年1.5%の費用で円割れした件は0件でした。円割れは、10年で大きな円高になった件に集まりました。最も円高になったのは2002年1月に契約した件で、為替相場は132.68円から76.96円へ−42.0%動きました。

年1%の費用で円割れした20件は次のとおりです。

契約した月米10年金利為替相場10年後の為替相場為替の動きドルの倍率(年1%)円の結果
2001年3月4.89%121.50円81.65円−32.8%1.464倍−1.62%
2001年6月5.28%122.35円80.43円−34.3%1.521倍−0.01%
2001年7月5.24%124.50円79.24円−36.4%1.514倍−3.62%
2001年8月4.97%121.37円76.97円−36.6%1.476倍−6.39%
2001年9月4.73%118.61円76.80円−35.3%1.443倍−6.60%
2001年10月4.57%121.45円76.64円−36.9%1.420倍−10.41%
2001年11月4.65%122.41円77.56円−36.6%1.431倍−9.30%
2001年12月5.09%127.59円77.80円−39.0%1.493倍−8.98%
2002年1月5.04%132.68円76.96円−42.0%1.485倍−13.84%
2002年2月4.91%133.64円78.47円−41.3%1.468倍−13.82%
2002年3月5.28%131.06円82.47円−37.1%1.521倍−4.29%
2002年4月5.21%130.77円81.25円−37.9%1.511倍−6.15%
2002年5月5.16%126.38円79.67円−37.0%1.504倍−5.20%
2002年6月4.93%123.29円79.32円−35.7%1.470倍−5.44%
2002年7月4.65%117.90円78.93円−33.0%1.432倍−4.15%
2002年8月4.26%118.99円78.69円−33.9%1.378倍−8.88%
2002年9月3.87%121.08円78.14円−35.5%1.327倍−14.36%
2002年10月3.94%123.91円79.01円−36.2%1.336倍−14.79%
2002年11月4.05%121.61円81.03円−33.4%1.350倍−10.03%
2002年12月4.03%121.89円83.79円−31.3%1.348倍−7.33%
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年1.5%の費用で円割れした25件は、2001年3月〜2003年2月(24件)、2003年6月(1件)に固まっています。どれも、契約から10年のあいだに大きな円高を経験した時期です。

10返戻率を年利に直すと何%か

保険の資料では、払った保険料に対して受け取れる額の割合(返戻率)がよく示されます。同じ返戻率でも、何年後の値かで年あたりの金利は大きく違います。ドル建ての返戻率を、複利の年利に直した表です。

ドル建ての返戻率5年10年15年20年
100%±0.00%±0.00%±0.00%±0.00%
105%+0.98%+0.49%+0.33%+0.24%
110%+1.92%+0.96%+0.64%+0.48%
115%+2.83%+1.41%+0.94%+0.70%
120%+3.71%+1.84%+1.22%+0.92%
130%+5.39%+2.66%+1.76%+1.32%
140%+6.96%+3.42%+2.27%+1.70%
150%+8.45%+4.14%+2.74%+2.05%
160%+9.86%+4.81%+3.18%+2.38%
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たとえば10年で返戻率120%は、年あたり+1.84%です。2026年9月の米10年金利(4.97%)で10年複利にすると、返戻率は162.5%にあたります。費用を年1%引けば147.7%、1.5%なら140.7%、2%なら134.1%です。

商品の返戻率と、同じ年数の米国債の金利から計算した返戻率の差が、その商品の費用(と保障の分)のおおよその大きさです。返戻率はドル建ての数字で、円に戻したときの額は為替で変わることに気をつけてください。円建ての返戻率が示されている場合は、どの為替相場で計算したかを確かめます。

11外貨建て保険の損益分岐点

2026年9月の為替相場156.42円と米10年金利4.97%を使い、10年持ち切った場合に払った円を下回らない為替相場の下限を、年あたりの費用ごとに計算しました。

年あたりの費用(仮)10年のドルの倍率損益分岐の為替相場今からの幅
費用なし1.625倍96.26円−38.5%
年0.5%1.549倍100.97円−35.4%
年1%1.477倍105.93円−32.3%
年1.5%1.407倍111.17円−28.9%
年2%1.341倍116.68円−25.4%
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年1%の費用なら、10年後の為替相場が今から−32.3%の円高まで、円の額は減らない計算です。1971年以降の月で、10年の為替相場の動きがこの幅を超える円高だったのは549件中154件(28.1%)でした。

過去の各月で同じ計算(年1%の費用)をすると、10年後の実際の為替相場は、損益分岐の為替相場を中央値で+50.0%上回っていました。下回った(円割れした)のは20件です。金利が高い時期に契約した件ほど損益分岐点は低く、円高への備えが厚くなっていました。

為替手数料(払うときと受け取るときの両方)や、一時所得の税は、この下限をさらに押し上げます。損益分岐の考え方は米国債の円高の損益分岐の記事でも扱っています。

12外貨建て保険の市場価格調整とは

市場価格調整(MVA)は、途中で解約したときに、契約時からの市場の金利の変化に応じて解約返戻金を増減させる仕組みです。金利が上がっていれば減り、下がっていれば増えるのが一般的です。債券を途中で売ると、金利が上がったときに値下がりするのと同じ理屈です。

調整の式は商品ごとに違うので、ここでは「残りの年数と同じ米国債の金利が、契約時から解約時までにどれだけ変わったか」から、ゼロクーポン債の値動きで目安を計算しました(3年目は残り7年=7年債、5年目は5年債、7年目は3年債の金利)。

解約した時点件数マイナスの調整になった件下から1割中央値最も大きいマイナス最も大きいプラス
3年目(残り7年)321件108件・33.6%−6.0%+3.3%−14.0%+27.5%
5年目(残り5年)321件84件・26.2%−3.9%+4.6%−9.3%+23.3%
7年目(残り3年)321件82件・25.5%−5.2%+3.9%−10.6%+15.4%
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1990年代から2010年代は米国の金利が下がり続けた時期が長く、調整はプラスになった件が多くなりました。金利が上がった局面では、大きなマイナスの調整がかかります。たとえば2013年4月に契約して5年目に解約した件は、5年債の金利が0.71%から2.70%に上がり、調整の目安は−9.3%でした。

市場価格調整は、解約控除とは別にかかります。商品によっては、一定の期間を過ぎると調整がかからないもの、調整の上限があるものもあります。

13途中で解約すると、円での結果はどうなったか

年1%の費用で積み立て、3年目・5年目・7年目に解約して円に戻した場合です。市場価格調整の目安を入れない場合と入れた場合を並べました。解約控除は商品ごとに違うので入れていません(入れると結果はさらに悪くなります)。

解約した時点件数円割れ(調整なし)円割れ(調整あり)円の倍率(調整あり・中央値)最も悪い
3年目321件112件・34.9%86件・26.8%1.10倍0.77倍
5年目321件64件・19.9%51件・15.9%1.20倍0.84倍
7年目321件45件・14.0%31件・9.7%1.33倍0.91倍
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この期間は金利が下がった局面が長く、市場価格調整の目安はプラスに働いた件が多かったため、調整を入れたほうが円割れは少なくなっています。金利が上がる局面では逆になります。持ち切った10年よりも、途中で解約した件のほうが円割れの割合は高くなります。期間が短いほど利息の積み上がりが小さく、為替の動きをそのまま受けるためです。外貨建て保険を「途中で使うかもしれないお金」で持つと、この表の数字が自分の結果になりえます。

14毎月払う契約(平準払い)だと、どう違ったか

外貨建て保険には、契約時に一度に払う一時払いのほかに、毎月や毎年払い続ける平準払いがあります。ドル建ての保険料を毎月同じ額で10年払い、払った月から満期まで同じ率で複利で増えるとして、一時払いと比べました(年1%の費用・為替手数料なし)。平準払いでは、毎月の円の負担はその月の為替相場で変わります。

払い方円割れ下から1割中央値上から1割最も悪い
一時払い(契約時に一度に払う)20件・6.2%1.13倍1.50倍1.84倍0.85倍
平準払い(毎月同じドル額を10年)31件・9.7%1.02倍1.28倍1.42倍0.86倍
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平準払いで円割れしたのは321件中31件でした。毎月払うと、払うときの為替相場が10年分ならされる一方、後から払った分ほど複利で増える期間が短くなります。そのため、結果のぶれは小さくなりますが、増え方の中央値も一時払いより低くなりました。円割れの件数が減るかどうかは、払っている10年と満期の時期の相場の並びで決まります。

15満期金を分けて円に戻すと

満期にドルで受け取ったお金を、一度に円に戻さず、満期後の5年間に毎月60分の1ずつ円に戻した場合です(その間の利息は入れていません)。満期後5年の結果が出ている契約だけで比べています(年1%の費用)。

円に戻し方件数円割れ下から1割中央値最も悪い
満期に一度に円へ261件20件1.06倍1.47倍0.85倍
満期後5年かけて毎月円へ261件4件1.19倍1.46倍0.93倍
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満期の月の為替相場1回で決まる結果を、5年分の平均にならすと、最も悪い結果が変わります。ドルのまま受け取れる商品なら、円に戻す時期を自分で選べます。円でしか受け取れない商品では、満期の月の相場で決まります。

16持ち切る年数を変えると

10年以外の年数でも、同じ計算をしました。5年は米5年金利、15年・20年は米10年金利を積立利率の物差しにしています(20年分の金利が同じまま続く前提は、10年よりさらに強い仮定です)。

持ち切る年数件数費用なしで円割れ年1%で円割れ年1.5%で円割れ
5年(米5年金利)381件59件・15.5%79件・20.7%93件・24.4%
10年(米10年金利)321件7件・2.2%20件・6.2%25件・7.8%
15年(米10年金利)261件0件・0.0%0件・0.0%0件・0.0%
20年(米10年金利)201件0件・0.0%0件・0.0%0件・0.0%
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年数が長いほど、複利の積み上がりが為替の動きを上回りやすく、円割れの割合は下がりました。5年では、費用が年1%でも円割れの割合がはっきり高くなります。5年以下で終わる一時払いの契約は、税の扱いも変わることがあります(税の節)。

17契約時の為替相場の水準で分けると

契約した月の為替相場の水準で分けて、年1.5%の費用の場合の円割れを数えました。

契約時の為替相場件数該当する月の範囲年1.5%で円割れ円の倍率(中央値)
100円未満73件1994年7月〜2013年10月0件1.55倍
100〜115円111件1993年4月〜2016年9月0件1.47倍
115〜130円104件1990年10月〜2016年1月21件1.29倍
130円以上33件1990年1月〜2002年4月4件1.47倍
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水準ごとの違いは、その水準の月がどの時期に集まっていたかを強く映しています。円安の水準で契約した件が悪かったのは、その後10年で大きな円高が来た時期に重なったためです。今の水準にそのまま当てはめることはできません。

18為替手数料を入れると

保険料を払うときと、満期金を円で受け取るときに、為替手数料がかかる商品があります。1ドルあたりの片道の手数料を例の値として置き、円割れの件数がどう変わるかを数えました。

為替手数料(例)費用なし年1%年1.5%
手数料なし7件20件25件
片道0.25円9件20件26件
片道0.5円9件21件26件
片道1円9件22件28件
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10年持ち切る場合、1ドルあたり数十銭の手数料は、年あたりの費用に比べると結果への影響が小さくなります。効いてくるのは、年あたりの費用のほうです。

19満期金にかかる税:一時所得の計算例

国税庁のタックスアンサーNo.1755によると、保険料を負担した人と満期保険金を受け取る人が同じ場合、満期保険金は一時所得になります。一時所得の金額は「受け取った額−払った保険料−特別控除(最高50万円)」で、その2分の1をほかの所得と合わせて課税します。また、一時払いで保険期間が5年以下など一定の条件に当てはまる契約は、金融類似商品として20.315%の源泉分離課税になります。

1,000万円を一時払いし、年1%の費用で10年後に円で受け取った場合の例です(321件の結果から下から1割・中央値・上から1割の件を選び、外貨建て保険の円換算の扱いは単純化しています)。

例受け取った円払った額との差特別控除50万円を引いた額課税の対象(2分の1)
下から1割の件11,258,426円1,258,426円758,426円379,213円
中央値の件15,001,208円5,001,208円4,501,208円2,250,604円
上から1割の件18,394,050円8,394,050円7,894,050円3,947,025円
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課税の対象になった額に、ほかの所得と合わせた税率がかかります。実際の税額は所得の状況で変わるので、ここでは対象額までにしました。円割れした場合、一時所得の損失は、給与などほかの所得と差し引きできません。

20円建てで国債10年を持ち切った場合と並べる

円のまま10年寝かせる選択肢として、契約した月の日本国債10年の金利(財務省)で10年複利にした場合を置き、外貨建ての形と並べました。外貨建ての形が円の国債に届かなかった件を数えています。

契約した時期件数円の国債10年(中央値)外貨建て・年1%(中央値)外貨建てが下回った件
1990〜1994年60件1.70倍1.74倍25件
1995〜1999年60件1.27倍1.66倍5件
2000〜2004年60件1.15倍1.12倍30件
2005〜2009年60件1.16倍1.40倍0件
2010〜2016年81件1.08倍1.61倍0件
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321件のうち、円の国債に届かなかったのは、費用なしで34件、年1%で60件、年1.5%で78件です。届かなかった件がどの時期に多いかは、表の時期別の列で確かめられます。円の国債は為替の揺れを受けない代わりに、長いあいだ低い金利しか付きませんでした。

同じ10年の物価の上昇(総務省の消費者物価指数・総合)も差し引くと、物価に追いつかなかった件は、外貨建ての形で費用なし4件・年1%で18件・年1.5%で25件、円の国債10年で50件でした(320件中)。この期間の日本の物価の伸びは10年で数%の時期が長く、物価に追いつかなかった件は、円割れの件とほぼ重なります。

21契約した年ごとのまとめ

契約した年ごとに、米10年金利、契約時と10年後の為替相場(年の平均)、円の倍率を並べました。右端は年1.5%の費用で円割れした件です。

契約した年件数米10年金利契約時の為替相場10年後の為替相場円の倍率(費用なし)円の倍率(年1%)年1.5%で円割れ
1990年12件8.55%144.8円107.8円1.67倍1.52倍0件
1991年12件7.86%134.5円121.5円1.92倍1.75倍0件
1992年12件7.01%126.7円125.3円1.95倍1.77倍0件
1993年12件5.87%111.2円115.9円1.82倍1.66倍0件
1994年12件7.08%102.2円108.2円2.18倍1.99倍0件
1995年12件6.58%94.1円110.1円2.19倍2.00倍0件
1996年12件6.44%108.8円116.3円2.02倍1.84倍0件
1997年12件6.35%121.1円117.8円1.83倍1.66倍0件
1998年12件5.26%130.8円103.4円1.30倍1.18倍0件
1999年12件5.64%113.7円93.6円1.40倍1.28倍0件
2000年12件6.03%107.8円87.8円1.50倍1.37倍0件
2001年12件5.02%121.5円79.7円1.07倍0.97倍10件
2002年12件4.61%125.3円79.8円1.01倍0.92倍12件
2003年12件4.01%115.9円97.6円1.23倍1.12倍3件
2004年12件4.27%108.2円105.9円1.46倍1.33倍0件
2005年12件4.29%110.1円121.0円1.69倍1.53倍0件
2006年12件4.79%116.3円108.8円1.52倍1.38倍0件
2007年12件4.63%117.8円112.1円1.50倍1.36倍0件
2008年12件3.67%103.4円110.4円1.52倍1.38倍0件
2009年12件3.26%93.6円109.0円1.60倍1.45倍0件
2010年12件3.21%87.8円106.8円1.66倍1.50倍0件
2011年12件2.79%79.7円109.8円1.82倍1.65倍0件
2012年12件1.80%79.8円131.5円1.96倍1.77倍0件
2013年12件2.35%97.6円140.5円1.82倍1.65倍0件
2014年12件2.54%105.9円151.5円1.89倍1.72倍0件
2015年12件2.14%121.0円149.6円1.52倍1.38倍0件
2016年9件1.74%108.5円158.5円1.74倍1.57倍0件
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年1%の費用の倍率(中央値)が最も低かったのは2002年の0.92倍、最も高かったのは1995年の2.00倍でした。1990年代は金利が高く、10年後の為替相場がそれほど円高でなかった年は倍率が2倍前後になっています。2001〜2002年は金利が4〜5%台あったものの、10年後に1ドル80円前後の円高にぶつかりました。2010年代は金利が2%前後と低かった一方、その後の円安で円の倍率が大きくなりました。金利の高さと円の結果が、必ずしも一致していないことが分かります。

22契約した年ごと:費用別の円の倍率

同じ契約年の12件について、年あたりの費用ごとに10年後の円の倍率(中央値)を並べました。費用の差が、どの年にも同じように積み重なっていることが分かります。

契約した年費用なし年0.5%年1%年1.5%年2%年2.5%
1990年1.67倍1.59倍1.52倍1.45倍1.38倍1.32倍
1991年1.92倍1.84倍1.75倍1.67倍1.60倍1.52倍
1992年1.95倍1.86倍1.77倍1.69倍1.61倍1.54倍
1993年1.82倍1.74倍1.66倍1.58倍1.51倍1.44倍
1994年2.18倍2.08倍1.99倍1.90倍1.81倍1.72倍
1995年2.19倍2.09倍2.00倍1.91倍1.82倍1.73倍
1996年2.02倍1.93倍1.84倍1.76倍1.68倍1.60倍
1997年1.83倍1.74倍1.66倍1.58倍1.51倍1.44倍
1998年1.30倍1.24倍1.18倍1.12倍1.07倍1.02倍
1999年1.40倍1.34倍1.28倍1.22倍1.16倍1.11倍
2000年1.50倍1.43倍1.37倍1.30倍1.24倍1.18倍
2001年1.07倍1.02倍0.97倍0.93倍0.88倍0.84倍
2002年1.01倍0.96倍0.92倍0.88倍0.83倍0.79倍
2003年1.23倍1.17倍1.12倍1.06倍1.01倍0.96倍
2004年1.46倍1.39倍1.33倍1.26倍1.20倍1.14倍
2005年1.69倍1.61倍1.53倍1.46倍1.39倍1.32倍
2006年1.52倍1.45倍1.38倍1.31倍1.25倍1.19倍
2007年1.50倍1.43倍1.36倍1.30倍1.24倍1.18倍
2008年1.52倍1.45倍1.38倍1.32倍1.25倍1.19倍
2009年1.60倍1.53倍1.45倍1.38倍1.32倍1.25倍
2010年1.66倍1.58倍1.50倍1.43倍1.36倍1.30倍
2011年1.82倍1.73倍1.65倍1.57倍1.50倍1.42倍
2012年1.96倍1.86倍1.77倍1.69倍1.61倍1.53倍
2013年1.82倍1.74倍1.65倍1.57倍1.50倍1.43倍
2014年1.89倍1.80倍1.72倍1.63倍1.55倍1.48倍
2015年1.52倍1.45倍1.38倍1.31倍1.25倍1.19倍
2016年1.74倍1.65倍1.57倍1.50倍1.43倍1.36倍
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どの契約年でも、費用が年0.5%増えるごとに倍率は0.04〜0.10倍下がっています。為替の結果は年ごとに大きく違いますが、費用の効き方は年によらずほぼ一定です。

23契約した年ごと:5年目に解約した場合

年1%の費用で積み立て、5年目に解約した場合の、市場価格調整の目安と円の倍率を契約年ごとにまとめました。

契約した年調整の目安(中央値)円の倍率(中央値)最も悪い円割れ
1990年+11.2%1.00倍0.84倍6件
1991年+5.9%1.19倍1.15倍0件
1992年+0.3%1.27倍1.19倍0件
1993年−0.7%1.45倍1.34倍0件
1994年+6.1%1.60倍1.31倍0件
1995年+0.6%1.56倍1.36倍0件
1996年+8.6%1.60倍1.42倍0件
1997年+11.3%1.52倍1.35倍0件
1998年+12.6%1.21倍1.10倍0件
1999年+11.0%1.27倍1.20倍0件
2000年+11.2%1.44倍1.35倍0件
2001年−0.9%1.14倍1.11倍0件
2002年−2.5%1.09倍1.02倍0件
2003年+0.8%1.05倍0.96倍4件
2004年+6.1%1.08倍1.01倍0件
2005年+10.2%1.04倍0.94倍3件
2006年+18.4%0.95倍0.93倍10件
2007年+19.8%0.97倍0.93倍12件
2008年+9.1%1.19倍1.05倍0件
2009年+3.0%1.27倍1.15倍0件
2010年+1.4%1.57倍1.53倍0件
2011年+2.2%1.49倍1.37倍0件
2012年−5.2%1.38倍1.30倍0件
2013年−7.4%1.13倍1.03倍0件
2014年−0.7%1.12倍0.97倍2件
2015年+6.2%0.98倍0.96倍12件
2016年+2.0%1.07倍0.98倍2件
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調整の目安がマイナスになったのは、契約から5年のあいだに米国の金利が上がった年です。円の倍率は、調整よりも為替の動きの影響を大きく受けています。満期まで持つつもりでも、途中で解約する可能性があるなら、この表のような幅を見込んでおく必要があります。

24まだ満期前の契約は、今どうなっているか

2016年10月以降に契約した件は、まだ10年たっていません。年1%の費用で積み立ててきた額を、2026年9月の為替相場で円に換算した「今の位置」です(市場価格調整・解約控除は入れていません)。

契約した時期件数米10年金利(平均)契約時の為替相場(平均)今の時点で円割れ今の円の倍率(中央値)
2016〜2018年に契約27件2.57%111.1円0件1.60倍
2019〜2021年に契約36件1.49%108.5円0件1.49倍
2022〜2024年に契約36件3.71%141.1円0件1.20倍
2025〜2026年に契約21件4.36%153.4円4件1.03倍
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120件のうち、今の時点で円割れしているのは4件です。今の位置は途中経過で、満期までの為替と金利の動きで変わります。

25契約時の金利が高ければ、結果も良かったか

契約した月の米10年金利で3つに分け、10年のドルの増え方・為替の動き・円の結果を並べました(年1%の費用)。

契約時の金利件数金利の範囲ドルの倍率(中央値)10年の為替の動き(中央値)円の倍率(中央値)円割れ
金利が低い3分の1107件1.50〜3.88%1.17倍+32.2%1.55倍1件
真ん中の3分の1107件3.89〜5.72%1.44倍−9.6%1.30倍19件
金利が高い3分の1107件5.74〜8.89%1.73倍−2.0%1.74倍0件
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契約時の金利と10年の為替の動きの順位相関は-0.60(強い関係(負の向き))、契約時の金利と円の結果の順位相関は0.22(弱い関係(正の向き))でした。高い積立利率で契約できた件ほどドルはよく増えましたが、その後の為替の動きが逆向きに働いた時期があり、円の結果は金利の高さだけでは決まりませんでした。「利率が高いうちに契約する」という考え方は、ドルの増え方については当たっていても、円での結果まで約束するものではありません。

26円割れしたとき、どれだけ減ったか

円割れの割合が小さくても、当たったときの減り方が大きければ、家計への影響は大きくなります。1,000万円を一時払いした場合に、円割れした件で減った額を費用別にまとめました。

年あたりの費用(仮)円割れした件減った額(中央値)最も大きく減った額
費用なし7件515,969円614,304円
年1%20件696,558円1,479,181円
年1.5%25件1,055,285円1,884,120円
年2%29件1,391,631円2,271,657円
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減った額は、10年間の円高がどれだけ大きかったかでほぼ決まります。費用が大きいほど、少しの円高でも円割れに届くので、円割れの件数は増え、減った額の上限も大きくなります。受け取る時期が決まっていて動かせないお金ほど、この表の最も大きく減った額を、自分の家計で受け止められるかを考えておく必要があります。

27解約返戻金の表の読み方

外貨建て保険の資料には、経過年数ごとの払込保険料の累計、ドル建ての解約返戻金、返戻率を並べた表が載っていることが多くあります。この表から、次の3点を読み取れます。

  1. 返戻率が100%を超えるのは何年目か。それより前に解約すると、ドル建てでも払った額を下回ります。早い年数で返戻率が低いのは、解約控除や契約時の費用が差し引かれているためです。
  2. 満期時の返戻率を年利に直すと何%か。この記事の換算表で年利に直し、同じ年数の米国債の金利と比べると、費用の大きさの目安が分かります。
  3. 表の前提の積立利率と為替相場は何か。円建ての返戻率は、特定の為替相場を置いて計算した例です。為替相場が変われば円の額は変わります。市場価格調整を含む表か、含まない表かも確かめます。

同じ商品でも、契約時の年齢や性別、保障の大きさによって返戻率は変わります。資料の表は、自分の条件での設計書で確かめるのが確実です。

28保険会社が破綻したとき

外貨建て保険は預金ではないので、預金保険の対象ではありません。生命保険会社が破綻した場合は、生命保険契約者保護機構の仕組みで契約が守られます。同機構の説明では、補償の対象となる契約について、原則として破綻時点の責任準備金等の90%までが補償されます。ただし、高い予定利率の契約は補償の割合が下がることがあり、破綻後に積立利率などの条件が見直されることもあります。

外貨建ての契約でも、補償の考え方は同じです。為替の動きによる円の減少は、補償の対象ではありません。破綻への備えと、為替への備えは、別々に考える必要があります。

29「やってはいけない」と言われる理由を、数字で並べ直す

外貨建て保険が勧められない理由としてよく挙がるのは、費用の高さ、為替で円の額が減ること、途中で解約したときの損、そして仕組みの分かりにくさです。この記事で計算した範囲では、それぞれ次のように表れました。

逆に言えば、費用が小さく、10年以上確実に持ち切れ、保障も必要という条件がそろうなら、過去の計算では円割れは少数でした。どの条件が自分に当てはまるかで、答えは変わります。

30外貨建て保険のメリット・デメリット

データで確かめた範囲で、良い面と気をつける面を分けます。

「やってはいけない」かどうかは、費用の大きさ、10年持ち切れるお金かどうか、保障が必要かどうかで変わります。この記事の数字は、その3つを比べるための材料です。

31自分で確かめる手順

  1. 積立利率と、同じ年数の米国債の金利を並べる。差が大きいほど、費用が大きい商品です。
  2. 返戻率を年利に直す。この記事の表で、資料の返戻率が年あたり何%かを確かめます。
  3. 途中で解約したときの表を見る。資料に経過年数ごとの解約返戻金(ドル建て)が載っていれば、解約控除の大きさが分かります。市場価格調整の有無と式も確かめます。
  4. 為替手数料を確かめる。払うときと受け取るときに、1ドルあたり何円かかるかを確かめます。
  5. 10年後の為替相場の損益分岐点を出す。払う円÷(ドル建ての受取額)が損益分岐の為替相場です。この記事の表で、10年でそれ以上の円高になった回がどれだけあったかを見ます。

32この記事に出てくる言葉

積立利率
外貨建て保険で、積立金を増やすために保険会社が付ける利率。契約時に固定されるもの、定期的に見直されるものがあります。
返戻率
払った保険料の合計に対する、受け取れる額(満期金や解約返戻金)の割合。外貨建て保険ではドル建てで示されることが多い数字です。
市場価格調整(MVA)
途中で解約したとき、市場の金利の変化に応じて解約返戻金を増減させる仕組み。
解約控除
契約から一定の期間内に解約したときに、積立金から差し引かれる額。
一時所得
満期保険金や解約返戻金などの所得の区分。受け取った額から払った保険料と特別控除(最高50万円)を引き、その2分の1が課税の対象になります。
米10年金利
満期まで10年の米国の国債の金利。米国財務省が毎営業日に公表しています。この記事では積立利率の物差しにしています。

33よくある質問

外貨建て保険はなぜだめと言われるのですか。

費用が見えにくいこと、為替で円の額が減ることがあること、途中で解約すると市場価格調整や解約控除で減ることがあるためです。この記事の計算では、10年持ち切った場合の円割れは少なく、費用と途中解約で結果が大きく変わりました。

円安の今、外貨建て保険に入ると損をしますか。

これから円高になるか円安になるかは分からないので、当サイトは答えられません。契約した月の為替相場が高かった件でも、10年後の結果は金利と為替の動きの組み合わせで決まりました。

外貨建て保険の利率はどう推移してきましたか。

保険会社の利率の過去の値は公的な系列がないため、この記事では米10年金利を物差しにしています。1990年の8%台から2020年の0%台まで下がり、その後は上がりました。

損益分岐点はどう計算しますか。

払った円をドル建ての受取額で割った為替相場が、損益分岐点です。この記事では、米10年金利から費用を引いた率で10年複利にした額を使いました。

外貨建て保険で大損することはありますか。

10年持ち切った過去の件では、年1.5%の費用で最も悪い件が−18.8%でした。途中で解約した件では、為替と市場価格調整が重なって、これより悪くなった回があります。

外貨建て保険は預金保険で守られますか。

預金ではないので対象外です。保険会社が破綻した場合は、生命保険契約者保護機構の仕組みの範囲で補償されます。

34この記事の数字は、どこから取ったか

使ったのは次の公表データだけです。

10年後の円の結果は「(1+契約した月の米10年金利−年あたりの費用)の10乗×10年後の月中平均÷契約した月の月中平均」で計算しました。費用は当サイトが置いた仮の値で、特定の商品の費用ではありません。市場価格調整は、残りの年数に近い米国債の金利の変化からゼロクーポン債の値動きで近似した目安で、実際の商品の式とは違います。保険の死亡保障の費用、解約控除、為替手数料、税は入れていません。

数字はすべて、ページを作るたびに上のデータから計算し直しています。日本銀行の統計、業界団体の数表、特定の金融機関や保険会社の資料の数字は使っていません。過去の計算は、これからの結果を示すものではありません。この記事は特定の商品や金融機関の勧誘ではありません。

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