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インフレ対策に買いだめは効くか|食料は5年で31%上昇

読む目安:「先に結論」だけなら1分/全部で約35分(22千字)

データの時点2026年8月までの物価総務省 消費者物価指数(2025年=100)と、財務省の国債金利・個人向け国債の利率・毎週月曜に自動で更新

+30.7%食料の5年の値上がり

総務省の消費者物価指数で、食料は2021年8月から2026年8月までの5年で+30.7%、米類は+80.5%上がりました。同じ5年に個人向け国債(変動10年)を持っていた場合の税引後の利子は+2.04%です。

米類 80.5%80.5%米類食料 30.7%30.7%食料加工食品等 29.4%29.4%加工食品等外食 18.9%18.9%外食変動10年 2.0%2.0%変動10年
2021年8月→2026年8月の上がり方と、個人向け国債(変動10年)の税引後の利子(マイナスは0で表示)

毎月の出費で計算する →

この記事の内容32の見出し

01先に結論

物が値上がりする前に買っておく「買いだめ」は、インフレへの備えとして語られることがあります。総務省の消費者物価指数と、財務省の国債の利率で、それが数字の上でどれだけ効いたかを確かめました。

この記事は、特定の商品の買いだめや投資をすすめるものではありません。過去の物価で、先に買うことがどれだけ得だったかを数えたものです。

02毎月の出費で計算する

品目の分類を選び、毎月その分類に使っている額を切り替えると、1975年1月以降のすべての月に「3・6・12か月分をまとめて先に買った」場合の得を、過去の真ん中の値で円に直します。得は、毎月その都度買った場合と比べたもので、先に払ったお金を1年国債に置けなかった分の利子(税引後)を差し引いています。

生鮮食品を除く食料 1975年1月〜2026年8月の各月に先にまとめて買った場合(総務省の消費者物価指数で計算)

3か月分を先に買う:過去の真ん中-13円
6か月分を先に買う:過去の真ん中-62円
12か月分を先に買う:過去の真ん中-258円
12か月分:最も得だった月5,733円
12か月分:最も損だった月-2,847円

消費者物価指数は全国の平均の値段の動きで、個々の商品やお店の値段ではありません。保存の費用・捨てる分・まとめ買いの割引は入れていません。数字は過去の値での計算で、これからの結果ではありません。

03いまの物価の上がり方と、1年国債の利回り

総務省の消費者物価指数の、最新の2026年8月の前年同月比です。1年前より何%上がったかを、分類ごとに並べました。右の列は、財務省の1年の国債金利(2026年9月29日・1.692%、税引後1.348%)を上回るかどうかです。

分類前年同月比1年国債(税引後)と比べて
食料+3.1%上回る
生鮮食品を除く食料+2.7%上回る
外食+2.1%上回る
ガス代(類)+2.0%上回る
総合+1.9%上回る
生鮮食品及びエネルギーを除く総合(コアコア)+1.9%上回る
生鮮食品を除く総合(コア)+1.7%上回る
食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合(欧米型コア)+1.6%上回る
公営・都市再生機構・公社家賃(類)+0.8%下回る
民営家賃(品目)+0.7%下回る
持家の帰属家賃を除く家賃+0.7%下回る
家賃(類)+0.5%下回る
持家の帰属家賃(品目)+0.5%下回る
エネルギー−0.7%下回る
電気代(品目)−2.4%下回る
ガソリン(品目)−2.6%下回る
米類−15.7%下回る

17の分類のうち、1年国債の税引後の利回りを上回っているのは8です。ただし前年同月比は「過去1年にどれだけ上がったか」で、この先1年も同じように上がるとは限りません。米類のように、前年同月比が大きなマイナスになっている分類もあります。

04買いだめの得は、どう決まるか

  1. まとめて買うN か月分を、いまの値段で先に買って払う
  2. 使いながら待つ保存しながら、毎月少しずつ使っていく
  3. その都度買った場合毎月その時の値段で買う。値上がりすれば払う額が増える
  4. 差し引き値上がりで浮いた分から、先払いで失った利子と捨てた分を引く

買いだめの得は、次の3つで決まります。

  1. 使う期間の値上がり。N か月分を先に買うと、その後の N か月に値段が上がった分だけ、払う額が少なくて済みます。逆に値段が下がれば、先に買った分だけ損です。
  2. 先払いで失う利子。先に払ったお金は、本当なら使う時まで預金や国債に置けたお金です。12か月分を先に払うと、平均で半年分の利子を失います。
  3. 保存の限界と捨てる分。保存できる期間を超えれば、買いだめはできません。期限切れや傷みで捨てる分があれば、そのぶん得は減ります。保存する場所や容器にも費用がかかります。

この記事では、1と2を総務省の消費者物価指数と財務省の国債金利で計算し、3は例の割合を置いて影響を見ました。物価指数は全国の平均の値段の動きなので、自分がいつも買う商品の値段の動きとは違います。

055年で、何がどれだけ値上がりしたか

消費者物価指数(2025年=100)の分類ごとに、2021年8月と2026年8月の値を比べました。右の2列は、その分類の物が買いだめできるかどうかの目安です(数字ではなく、物の性質による当サイトの区分です)。

分類2021年8月2026年8月5年の値上がり買いだめ理由
米類47.185.0+80.5%できる日持ちはするが、精米した米は時間とともに風味が落ちる
食料79.4103.8+30.7%一部できる生鮮の野菜・魚・肉は日持ちしない
生鮮食品を除く食料80.0103.5+29.4%一部できる缶詰・乾物・調味料などは日持ちする。パンや乳製品などは短い
ガス代83.9100.6+19.9%できない使う時に買うしかない
外食86.3102.6+18.9%できない前もって買っておけない
エネルギー85.797.1+13.3%ほぼできない電気・都市ガスは貯められない。灯油などは一部
電気代85.694.3+10.2%できない使う時に買うしかない
ガソリン89.196.4+8.2%向かない消防法の危険物で、家庭で多く貯めることに向かない
民営家賃99.1100.8+1.7%できない前払いには契約の決まりがある
(参考)総合89.1102.2+14.7%—家計全体の物差し
横にスクロールすると残りの列が見えます

5年で最も上がったのは米類の+80.5%でした。上がり方の大きい分類のうち、保存して先に買えるのは米や加工食品の一部で、外食・電気代・家賃のように前もって買えないものも多くあります。物価の上がり方の長い推移や、ほかの系列は消費者物価指数の推移の記事にあります。

06同じ5年の、国債の利子

同じ2021年8月から2026年8月までに、お金を国債に置いていた場合の税引後の利子です。個人向け国債は財務省が公表する各回の利率、5年の国債は財務省の国債金利の市場の利回りを使い、利子は受け取ったまま足しています。

置き方利率5年の利子(税引後)
個人向け国債 変動10年(2021年8月発行の回)0.05%→1.39%+2.04%
個人向け国債 固定5年(2021年8月発行の回)0.05%+0.20%
5年の国債(2021年8月の市場の利回り)−0.123%−0.49%
1年の国債を毎年乗り換え年ごとの利回り+0.46%

どの置き方でも、5年の利子は+2.04%以下で、食料の+30.7%にはまったく届いていません。この5年は、物の値段の上がり方が国債の利子を大きく上回った時期でした。お金をそのまま置いておくより、使う予定の物を先に買っておいたほうが、数字の上では得だった時期です。

分類5年の値上がり5年前の100万円で、いま買える量変動10年の利子を足した場合
米類+80.5%55.4万円分56.5万円分
生鮮食品を除く食料+29.4%77.3万円分78.9万円分
食料+30.7%76.5万円分78.1万円分
ガソリン+8.2%92.4万円分94.3万円分
エネルギー+13.3%88.3万円分90.1万円分
総合+14.7%87.2万円分89.0万円分
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5年前の100万円は、食料で見ると、いまは100万円より少ない量しか買えません。国債の利子を足しても、その差はほとんど埋まりません。預金に置いた場合の目減りは預金金利と物価、何年で目減りするかの記事で計算しています。

07この5年を、半年ごとに見ると

2021年8月からの5年を半年ごとに区切り、生鮮食品を除く食料と米類の値上がりと、同じ半年の個人向け国債(変動10年、2021年8月発行の回)の利率を並べました。右端は、その半年に受け取る利子(税引後)の割合です。

半年(年/月)生鮮食品を除く食料米類変動10年の利率(年)半年の利子(税引後)
2021/8〜2022/2+1.4%−3.6%0.05%0.020%
2022/2〜2022/8+2.7%−2.0%0.07%0.028%
2022/8〜2023/2+4.9%+3.4%0.17%0.068%
2023/2〜2023/8+4.0%+0.7%0.33%0.131%
2023/8〜2024/2+1.2%+6.0%0.28%0.112%
2024/2〜2024/8+1.6%+21.0%0.40%0.159%
2024/8〜2025/2+4.3%+49.8%0.72%0.287%
2025/2〜2025/8+3.4%+13.3%0.75%0.299%
2025/8〜2026/2+1.7%+3.2%0.96%0.382%
2026/2〜2026/8+1.0%−18.3%1.39%0.554%
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利率は少しずつ上がりましたが、半年の利子は1%に届かず、10つの半年のうち10つで、生鮮食品を除く食料の値上がりが利子を上回りました。米類は、大きく値上がりした半年と、値下がりした半年がはっきり分かれています。

08先にまとめて買った場合、得だった月の割合

1975年1月から2026年8月までのすべての月について、その月に3・6・12か月分をまとめて買った場合と、毎月その都度買った場合を比べました。先払いで失う利子(その月の1年国債の利回り・税引後)を差し引いた得がプラスだった月の割合と、得の真ん中です。捨てる分は入れていません。

分類3か月分を先に(得だった月・真ん中)6か月分を先に12か月分を先に
米類32%(−0.2%)34%(−0.4%)34%(−0.9%)
生鮮食品を除く食料39%(±0.0%)39%(−0.1%)39%(−0.2%)
食料48%(±0.0%)49%(±0.0%)48%(−0.1%)
ガソリン39%(−0.3%)42%(−0.5%)46%(−0.4%)
エネルギー38%(−0.2%)38%(−0.4%)42%(−0.8%)
総合(参考)47%(±0.0%)43%(−0.1%)39%(−0.2%)
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1975年1月からの長い期間で見ると、利子を差し引いた得がプラスだった月は、どの分類でも半分前後かそれ以下で、得の真ん中はほぼ0か、わずかにマイナスでした。1990年代の前半までは国債の利回りが物価の上がり方を上回る時期が長く、先に払うより、お金を国債に置いて都度買うほうが有利な月が多かったためです(次の節以降で、時期と利回りに分けて見ます)。ガソリンは12か月分を先に買って得だった月が46%で、値段が上下に大きく動くため、得も損も大きくなりました。

ここでの「得」は、払う額がどれだけ少なくて済んだかで、何%というのは、その期間に使う分の代金に対する割合です。12か月分の食費が60万円なら、2%の得は1万2千円です。

09得だった時期と、損だった時期

12か月分を先に買った場合の得を、買った年代ごとに分けました。「値上がりの得」は利子を差し引く前、「失う利子」はその月の1年国債の税引後の利回りの半年分です(どちらも真ん中)。

分類買った年代比べた月の数得だった月の割合値上がりの得失う利子差し引きの得
生鮮食品を除く食料1970年代4425%+2.7%3.1%−0.5%
生鮮食品を除く食料1980年代1124%+0.7%2.3%−1.6%
生鮮食品を除く食料1990年代12021%+0.3%0.7%−0.6%
生鮮食品を除く食料2000年代12028%−0.2%0.1%−0.2%
生鮮食品を除く食料2010年代12078%+0.4%0.0%+0.5%
生鮮食品を除く食料2020年代6991%+1.8%±0.0%+1.8%
米類1970年代4450%+3.5%3.1%+0.4%
米類1980年代1124%+0.7%2.3%−1.4%
米類1990年代12026%−0.1%0.7%−1.1%
米類2000年代12022%−0.8%0.1%−0.9%
米類2010年代12062%+0.4%0.0%+0.5%
米類2020年代6958%+1.3%±0.0%+1.3%
総合(参考)1970年代4455%+3.2%3.1%+0.2%
総合(参考)1980年代1124%+0.9%2.3%−1.4%
総合(参考)1990年代12020%+0.3%0.7%−0.6%
総合(参考)2000年代12033%−0.2%0.1%−0.2%
総合(参考)2010年代12067%+0.2%0.0%+0.2%
総合(参考)2020年代6984%+1.2%±0.0%+1.2%
横にスクロールすると残りの列が見えます

1980年代は、物価も上がっていましたが、国債の利回りも高く、先払いで失う利子が値上がりの得を打ち消していました。1995年より前に買った月では、生鮮食品を除く食料で得だった月は8%、1995年以降では57%でした。1990年代の後半から2010年代は、利子はほとんどゼロでしたが、物価もほとんど上がらず、買いだめの得は小さなものでした。2020年代になって、利子が低いまま物価だけが上がり、買いだめが数字の上で得になる月が増えました。

生鮮食品を除く食料:その後12か月の上がり方1年国債の利回り(税引後)
0%5%10%19751980198519901995200020052010201520202025生鮮食品を除く食料:その後12か月の上がり方 3%1年国債の利回り(税引後) 0%

オレンジの線がその後12か月の値上がり、青の線が先払いで失う利子のもとになる1年国債の利回り(税引後)です。オレンジが青を大きく上回る時期ほど、先に買う得は大きくなります。2つの線の差は、時期によって入れ替わってきました。

10先払いで失う利子を、円で見ると

12か月分の食費を60万円(例)として、それを先にまとめて払ったときに失う利子を、各時点の1年国債の利回り(税引後)で円に直しました。12か月分を先に買うと、平均で11か月の半分(5.5か月)分の利子を失う計算です。

時点1年国債の利回り失う利子(60万円・12か月分)
1975年1月10.941%−24,070円
1985年1月6.004%−13,209円
1990年1月6.313%−13,889円
1995年1月2.464%−5,421円
2000年1月0.197%−433円
2010年1月0.131%−288円
2020年1月−0.124%+272円
2026年8月1.287%−2,820円

金利が高かった1970年代から1990年ごろは、先払いで失う利子が1万円を超えることもありました。2000年代以降はほとんどゼロで、先払いの費用を気にしなくてよい時期が長く続きました。いまは、その費用がまた少しずつ出てきています。

11国債の利回りの高さで分けると

生鮮食品を除く食料で12か月分を先に買った月を、その月の1年国債の税引後の利回りで分けました。

1年国債の利回り(税引後)比べた月の数得だった月の割合値上がりの得(真ん中)差し引きの得(真ん中)
4%以上1408%+1.2%−1.3%
2〜4%6411%+0.4%−1.0%
0.5〜2%4240%+0.3%−0.1%
0.1〜0.5%11940%±0.0%−0.1%
0.1%未満22067%+0.4%+0.4%
横にスクロールすると残りの列が見えます
01082160−3%未満139−3〜−1%216−1〜0%1460〜+1%61+1〜+3%23+3%以上
  • −3%未満0
  • −3〜−1%139
  • −1〜0%216
  • 0〜+1%146
  • +1〜+3%61
  • +3%以上23
生鮮食品を除く食料:12か月分を先に買った得(利子を差し引いた後・月の数)

利回りが高い時期ほど、先払いで失う利子が大きく、買いだめの得は小さくなります。利回りがほとんどゼロの時期は、失う利子もほとんどなく、値上がりの分がほぼそのまま得になりました。国債の金利が上がってくると、同じ値上がりでも、買いだめの得は利子の分だけ小さくなります。

12その年の1月に、1年分を先に買っていたら

各年の1月に、米類・生鮮食品を除く食料・食料・ガソリン・エネルギーの12か月分をまとめて買った場合です。矢印の左が値上がりの得(利子を差し引く前)、右が1年国債の利子を差し引いた後の得です。ガソリンとエネルギーは、実際には家庭で買いだめできない部分が多いので、値動きの比べとして載せています。

年1年国債の利回り(税引後)米類生鮮食品を除く食料食料ガソリンエネルギー
2025年0.36%+19.8%→+19.6%+3.1%→+2.9%+1.0%→+0.8%−2.7%→−2.9%−2.5%→−2.7%
2024年−0.02%+22.4%→+22.4%+1.6%→+1.7%+1.8%→+1.8%−0.3%→−0.3%+4.4%→+4.4%
2023年0.00%+1.9%→+1.9%+3.6%→+3.6%+3.2%→+3.1%+2.8%→+2.8%−11.7%→−11.7%
2022年−0.07%−0.8%→−0.7%+2.8%→+2.8%+2.4%→+2.4%+1.7%→+1.8%+7.6%→+7.7%
2021年−0.09%−1.6%→−1.5%+0.2%→+0.3%+0.1%→+0.2%+12.5%→+12.5%+8.3%→+8.4%
2020年−0.10%−0.5%→−0.5%−0.3%→−0.2%−0.1%→−0.1%−9.8%→−9.8%−4.7%→−4.7%
2019年−0.14%+0.2%→+0.3%+0.8%→+0.8%±0.0%→+0.1%+2.3%→+2.3%+0.2%→+0.3%
2018年−0.11%+0.4%→+0.4%+0.3%→+0.3%−1.9%→−1.9%+5.5%→+5.5%+3.8%→+3.8%
2017年−0.24%+1.1%→+1.2%+0.6%→+0.7%−0.3%→−0.2%+2.2%→+2.3%+3.4%→+3.5%
2016年−0.03%+1.1%→+1.1%+0.2%→+0.3%+0.8%→+0.9%+2.5%→+2.5%−2.5%→−2.5%
2015年−0.01%−0.6%→−0.6%+0.9%→+0.9%+0.6%→+0.6%−2.6%→−2.6%−3.1%→−3.1%
2014年0.06%−1.3%→−1.3%+2.5%→+2.5%+1.7%→+1.7%+2.9%→+2.9%+4.0%→+3.9%
2013年0.08%−1.8%→−1.9%+0.2%→+0.2%−0.8%→−0.8%+4.4%→+4.4%+4.3%→+4.2%
2012年0.10%+2.6%→+2.6%−0.1%→−0.1%−1.2%→−1.3%+3.2%→+3.1%+2.5%→+2.4%
2011年0.11%+1.7%→+1.6%+0.3%→+0.3%−0.5%→−0.5%+6.7%→+6.6%+4.4%→+4.3%
2010年0.10%−2.3%→−2.3%−0.5%→−0.6%+0.1%→±0.0%+5.5%→+5.4%+3.0%→+2.9%
2009年0.25%−0.9%→−1.0%−0.5%→−0.6%−1.2%→−1.3%+13.6%→+13.5%−0.6%→−0.7%
2008年0.48%+0.6%→+0.4%+2.4%→+2.2%+1.9%→+1.7%+1.6%→+1.4%+2.6%→+2.4%
2007年0.51%−0.9%→−1.1%+0.2%→−0.1%−0.2%→−0.5%+5.5%→+5.2%+1.9%→+1.7%
2006年0.07%−0.8%→−0.8%+0.1%→±0.0%−0.7%→−0.7%+5.8%→+5.8%+2.2%→+2.2%
2005年0.01%−1.8%→−1.8%−0.1%→−0.1%−1.2%→−1.2%+6.2%→+6.2%+2.3%→+2.3%
2004年0.02%−8.0%→−8.0%±0.0%→±0.0%+0.2%→+0.2%+8.0%→+8.0%+2.1%→+2.1%
2003年0.01%+4.3%→+4.3%−0.1%→−0.1%−0.8%→−0.8%+2.1%→+2.1%+1.0%→+1.0%
2002年0.04%−0.4%→−0.4%−0.1%→−0.1%±0.0%→±0.0%+0.4%→+0.4%−1.4%→−1.4%
2001年0.36%−0.2%→−0.3%−0.4%→−0.6%−2.0%→−2.2%−2.5%→−2.7%−0.4%→−0.5%
2000年0.16%−1.2%→−1.3%−0.5%→−0.5%−0.7%→−0.8%+2.9%→+2.9%+1.2%→+1.1%
1999年0.45%−1.4%→−1.6%±0.0%→−0.2%−1.1%→−1.3%+1.8%→+1.6%−0.2%→−0.4%
1998年0.44%+0.7%→+0.5%+0.2%→±0.0%+1.1%→+0.9%−4.5%→−4.7%−3.2%→−3.4%
1997年0.32%−1.4%→−1.6%+1.8%→+1.6%+1.2%→+1.0%−1.3%→−1.4%+1.6%→+1.4%
1996年0.42%−0.1%→−0.3%+0.4%→+0.2%+0.4%→+0.2%−2.8%→−3.0%+0.1%→−0.1%
1995年1.97%−1.4%→−2.3%−0.5%→−1.4%−1.7%→−2.6%−3.6%→−4.6%−1.1%→−2.0%
1994年1.21%+1.7%→+1.1%+0.3%→−0.2%−0.4%→−1.0%−1.3%→−1.8%−0.5%→−1.1%
1993年2.76%+1.2%→±0.0%+0.3%→−0.9%+0.7%→−0.5%−0.8%→−2.1%−0.4%→−1.7%
1992年3.98%+1.1%→−0.7%+1.0%→−0.8%−0.3%→−2.1%−1.6%→−3.4%−0.6%→−2.4%
1991年5.67%−0.1%→−2.7%+1.5%→−1.1%+0.9%→−1.7%−5.7%→−8.3%−2.6%→−5.2%
1990年5.05%±0.0%→−2.3%+1.5%→−0.8%+2.2%→−0.1%+4.0%→+1.7%+2.4%→+0.1%
1989年3.05%+1.6%→+0.2%+2.0%→+0.6%+1.9%→+0.5%+5.0%→+3.6%+1.2%→−0.2%
1988年3.09%±0.0%→−1.4%+0.1%→−1.3%+1.1%→−0.3%−2.5%→−3.9%−1.4%→−2.8%
1987年3.52%−0.1%→−1.7%−0.3%→−1.9%+0.5%→−1.1%+10.1%→+8.4%+2.4%→+0.8%
1986年4.58%+0.5%→−1.6%+0.1%→−2.0%−1.3%→−3.4%−10.6%→−12.7%−7.0%→−9.1%
1985年4.80%+1.0%→−1.2%+0.6%→−1.6%+0.3%→−1.9%−2.1%→−4.3%−0.8%→−3.0%
1984年5.01%+2.1%→−0.2%+1.3%→−1.0%+1.4%→−0.9%−0.8%→−3.1%±0.0%→−2.3%
1983年5.50%+0.4%→−2.1%+1.1%→−1.4%+1.5%→−1.0%−9.4%→−11.9%−3.8%→−6.3%
1982年5.81%+1.4%→−1.2%+0.8%→−1.9%+0.4%→−2.3%+2.7%→+0.1%+1.2%→−1.4%
1981年7.97%+1.8%→−1.8%+1.9%→−1.7%+1.1%→−2.6%+7.8%→+4.2%+3.0%→−0.7%
1980年——————
1979年——————
1978年4.82%±0.0%→−2.2%+0.9%→−1.3%+2.9%→+0.7%−8.5%→−10.8%−3.4%→−5.6%
1977年6.40%+2.9%→±0.0%+2.9%→±0.0%+2.6%→−0.4%−0.2%→−3.2%+1.1%→−1.8%
1976年7.50%+3.3%→−0.1%+3.0%→−0.4%+3.2%→−0.2%+4.0%→+0.5%+5.1%→+1.7%
1975年8.75%+5.6%→+1.6%+3.5%→−0.5%+4.0%→±0.0%+0.6%→−3.4%+1.1%→−2.9%
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同じ年でも、分類によって得と損が分かれる年が多くあります。家計の中で、どの物を先に買うかで結果が変わるということです。米類は、年によって得も損も大きく、値段の動きの大きさがそのまま表れています。

13年ごとに、得だった月の数

各年の12か月それぞれに、12か月分を先に買った場合のうち、利子を差し引いて得だった月の数です(「8/12」は12か月中8か月)。その年のうちに買う月を選べたとしても、得になる月が多い年と少ない年がありました。

年米類生鮮食品を除く食料食料
2025年6/99/99/9
2024年12/1212/1212/12
2023年12/1212/1212/12
2022年10/1212/1212/12
2021年0/1212/1212/12
2020年0/126/124/12
2019年9/1212/1212/12
2018年9/1212/126/12
2017年12/1212/1210/12
2016年12/1212/129/12
2015年11/1212/1210/12
2014年0/1212/1212/12
2013年0/1212/1211/12
2012年9/121/125/12
2011年12/127/128/12
2010年1/121/126/12
2009年0/120/124/12
2008年9/127/127/12
2007年1/1211/1211/12
2006年0/124/126/12
2005年0/121/127/12
2004年0/120/126/12
2003年10/1210/127/12
2002年2/120/124/12
2001年4/120/123/12
2000年0/120/123/12
1999年0/120/121/12
1998年10/1211/128/12
1997年1/123/126/12
1996年5/129/1210/12
1995年0/120/123/12
1994年1/120/121/12
1993年11/122/123/12
1992年0/120/122/12
1991年3/120/120/12
1990年0/120/124/12
1989年3/123/126/12
1988年0/122/123/12
1987年0/120/121/12
1986年0/120/120/12
1985年0/120/120/12
1984年0/120/120/12
1983年1/120/122/12
1982年0/120/122/12
1981年0/120/120/12
1980年0/40/41/4
1978年0/80/82/8
1977年7/126/123/12
1976年7/121/125/12
1975年8/124/128/12
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生鮮食品を除く食料で、その年のどの月に買っても得だった年は、2013年・2014年・2015年・2016年・2017年・2018年・2019年・2021年・2022年・2023年・2024年・2025年の12年でした。いちばん古い年でも2013年です。国債の利回りがほとんどゼロになってからの年が並んでいて、先払いで失う利子がないことが、わずかな値上がりでも得になる条件になっていました。

14直近5年に限ると

同じ計算を、2021年8月以降に買った月だけで行いました(12か月分は、まだ12か月たっていない月を除く)。

分類3か月分を先に(得だった月・真ん中)6か月分を先に12か月分を先に
米類66%(+0.3%)73%(+1.3%)80%(+3.0%)
生鮮食品を除く食料95%(+0.4%)100%(+1.1%)100%(+2.8%)
食料85%(+0.5%)91%(+1.1%)100%(+2.7%)
ガソリン59%(+0.2%)50%(+0.1%)60%(+1.1%)
エネルギー66%(+0.7%)57%(+1.1%)60%(+1.3%)
総合(参考)85%(+0.2%)91%(+0.6%)100%(+1.3%)
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直近の5年は、食料や米が大きく上がった時期なので、先に買って得だった月の割合は、長い期間より高くなっています。ただし、米類のように値上がりの後に値下がりした分類では、値上がりの山の近くで買った月が損になっています。

15捨てる分があると、得は消える

まとめて買った物のうち、期限切れや傷みで捨てる分の割合を、例として0%・5%・10%と置きました(実際の割合ではありません)。12か月分を先に買った場合です。

分類捨てる分(例)得だった月の割合得の真ん中最も得だった月
米類0%34%−0.9%+52.2%
米類5%8%−5.9%+44.6%
米類10%4%−10.9%+37.0%
生鮮食品を除く食料0%39%−0.2%+4.8%
生鮮食品を除く食料5%0%−5.2%−0.5%
生鮮食品を除く食料10%0%−10.2%−5.7%
食料0%48%−0.1%+4.8%
食料5%0%−5.1%−0.5%
食料10%0%−10.1%−5.7%
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捨てる分が5%あると、12か月分を先に買って得だった月の割合は、生鮮食品を除く食料で0%、米類で8%になりました。生鮮食品を除く食料の12か月の上がり方は、1975年1月以降の真ん中で+1.1%なので、捨てる分が数%あれば、それだけで打ち消されてしまいます。買いだめが効くのは、「確実に使い切れる量を、保存できる期間の中で」買った場合に限られます。

16いまの金利なら、どれだけ上がれば得か

いまの1年国債の税引後の利回り(1.348%)で、まとめて先に買うのが、毎月買うより得になるのに必要な「使う期間の平均の値上がり」を計算しました。捨てる分は例として0%・5%・10%です。

まとめて買う量捨てる分0%捨てる分5%捨てる分10%
3か月分+0.11%+5.38%+11.24%
6か月分+0.28%+5.56%+11.42%
12か月分+0.62%+5.91%+11.80%
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捨てる分がなければ、必要な値上がりは小さく、金利の分だけです。捨てる分が5%あると、使う期間の平均で5%以上の値上がりが必要になります。12か月分なら、使う期間の平均が5%上がるには、1年で10%前後の値上がりが要る計算です。1971年以降で、食料が前の12か月で10%以上上がっていた月は38か月で、すべてが1970年代です(後の節で見ます)。

17家計の例で、円に直すと

毎月の出費を例として置き(米 月4,000円、生鮮食品を除く食料 月4万円、ガソリン 月8,000円。実際の家計の値ではありません)、2021年8月以降のすべての月に6か月分をまとめて買った場合の得を円に直しました。利子は差し引き、捨てる分は入れていません。

分類毎月の出費(例)得の真ん中(割合)6か月分の得(真ん中)いちばん損だった月いちばん得だった月
米類4,000円+1.3%+312円−1,620円+6,825円
生鮮食品を除く食料40,000円+1.1%+2,616円+132円+6,109円
ガソリン8,000円+0.1%+26円−2,476円+3,543円
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物価が大きく上がった直近の5年でも、6か月分を先に買って得られた額は、毎月の出費が大きい分類で数千円ほどでした。そのために、半年分の置き場所と、先に払うお金が要ります。米のように値上がりの大きかった分類でも、損になった月がありました。

18災害への備えと、値上がりへの備えは別

買い置きには、災害への備えという別の目的もあります。農林水産省は、ふだん食べている物を少し多めに買い置きし、使った分を買い足していく「ローリングストック」という方法を紹介しています。これは、値上がりで得をするためではなく、いざという時に食べる物を切らさないための買い置きです。

値上がりへの備えとしての買いだめは、この記事で見たとおり、時期によって得にも損にもなります。災害への備えとしての買い置きは、損得とは別に、必要な量を決めて続けるものです。2つを混ぜて考えると、必要以上に買い込んで捨てる分が増え、どちらの目的にも合わなくなります。

19保存できる期間が、買いだめの上限

どれだけ値上がりしそうに見えても、保存できる期間を超える分は買いだめできません。主な分類ごとの事情です。

まとめ買いをするほど、置き場所も要ります。収納のための費用や、冷凍庫の電気代も、買いだめの費用の一部です。

20米類の値段の山と、その後

米類の指数は、2023年11月の48.5から、2025年11月に108.7まで上がりました。2026年8月は85.0で、山から−21.8%です。最近24か月の月ごとの値です。

年/月米類の指数前年同月比その月に6か月分を先に買った得12か月分の得
2026/885.0−15.7%——
2026/791.1−11.6%——
2026/695.0−8.3%——
2026/597.0−4.9%——
2026/499.3+0.7%——
2026/3101.5+6.7%−6.8%—
2026/2104.0+16.9%−6.0%—
2026/1106.7+27.8%−5.9%—
2025/12108.0+34.5%−5.0%—
2025/11108.7+37.1%−3.8%—
2025/10106.6+40.3%−0.8%—
2025/9101.1+48.9%+4.6%−1.0%
2025/8100.8+69.7%+4.4%+0.6%
2025/7103.1+90.6%+1.5%−0.6%
2025/6103.6+99.6%+0.3%−0.4%
2025/5102.0+101.6%+0.8%+1.6%
2025/498.6+98.4%+2.9%+5.0%
2025/395.1+92.1%+5.6%+8.3%
2025/289.0+81.3%+10.7%+14.3%
2025/183.5+71.1%+14.1%+19.6%
2024/1280.3+64.5%+13.8%+21.5%
2024/1179.3+63.5%+10.5%+20.0%
2024/1076.0+59.0%+10.3%+21.9%
2024/967.9+44.8%+16.8%+32.4%
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値段の山の月とその前の3か月に、6か月分の米をまとめて買った場合の得(利子を差し引いた後)は、2025/8が+4.4%・2025/9が+4.6%・2025/10が−0.8%・2025/11が−3.8%でした。

値上がりが続いている時に「この先も上がる」と考えて買いだめをすると、値上がりの山の近くで多く買うことになりがちです。その後に値段が下がると、先に払った分だけ損になります。値上がりのニュースが多い時期ほど、買いだめの損得は分かれます。

21値段が下がった時期は、どれだけあったか

買いだめが損になるのは、先に買った後に値段が下がった時です。1975年1月以降で、前の年の同じ月より値段が下がっていた月の数と、それがいちばん長く続いた期間です。

分類比べた月の数前年同月より下がっていた月の数続いた最長の月数その期間(年/月)
米類620237(38%)482004/10〜2008/9
生鮮食品を除く食料620158(25%)452000/1〜2003/9
食料620155(25%)202001/3〜2002/10
ガソリン620279(45%)421993/10〜1997/3
エネルギー620270(44%)571983/4〜1987/12
電気代620263(42%)391993/10〜1996/12
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米類やエネルギーは、前年同月より下がっていた月が多くあり、値段が下がる時期が何年も続いたこともありました。値段が下がる時期に買いだめをすると、先に払った分だけ割高に買ったことになります。

221か月の値段の動きの大きさ

1975年1月以降の、前の月と比べた値段の動きの大きさ(標準偏差)と、いちばん大きく上がった月・下がった月です。動きが大きい分類ほど、買いだめの得も損も大きくなります。

分類1か月の動きのばらつきいちばん上がった月いちばん下がった月
米類1.65ポイント+14.3%(1975/9)−7.6%(1994/9)
生鮮食品を除く食料0.34ポイント+2.9%(2014/4)−1.0%(1994/9)
食料0.94ポイント+3.7%(1975/9)−3.4%(1989/11)
ガソリン2.60ポイント+22.3%(2008/5)−15.9%(2008/11)
エネルギー1.54ポイント+16.0%(1980/4)−10.6%(2023/2)
電気代2.48ポイント+39.8%(1980/4)−18.8%(2023/2)
外食0.36ポイント+3.1%(1989/4)−1.8%(2026/4)
総合(参考)0.48ポイント+2.4%(1976/4)−1.0%(1977/11)
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エネルギーやガソリン、米類は、1か月で数%動く月があります。食料全体や外食は動きが小さく、ゆっくり上がる分類です。動きが大きい分類は、値上がりの途中で先に買えば得が大きい一方、山の近くで買うと損も大きくなります。電気代やエネルギーの大きな動きには、制度の変更や国の負担軽減策の始まり・終わりによるものも含まれます。

23値上がりに気づいてから買った場合

前年同月比が3%以上の月が6か月以上続いた時期を「値上がりが続いた時期」として取り出し、その時期の最初の月に12か月分を買った場合と、6か月後(値上がりがはっきりしてから)に買った場合の得を比べました。利子は差し引いています。

分類値上がりが続いた時期(年/月)続いた月数その時期の値上がり(始まる12か月前から)最初の月に買った得6か月後に買った得
生鮮食品を除く食料1975/1〜1978/844+48.4%−0.5%+1.0%
生鮮食品を除く食料1990/11〜1991/1012+5.7%−1.3%−1.7%
生鮮食品を除く食料2008/6〜2009/29+4.4%+0.6%−0.7%
生鮮食品を除く食料2014/4〜2015/312+5.3%+0.5%+0.8%
生鮮食品を除く食料2022/6〜2024/524+15.6%+4.2%+3.4%
生鮮食品を除く食料2024/9〜2026/723+13.5%+3.9%+2.5%
米類1975/1〜1978/844+88.7%+1.6%+10.2%
米類1981/4〜1982/1019+8.9%−1.0%−1.1%
米類1984/2〜1985/112+6.2%−1.2%−0.2%
米類1985/3〜1985/97+3.7%−2.2%−1.9%
米類1992/2〜1992/1211+5.7%−0.8%−0.1%
米類1993/10〜1994/912+6.8%+9.2%−11.6%
米類1998/11〜1999/68+1.9%−1.1%−2.4%
米類2003/10〜2004/912+10.3%+5.1%−8.8%
米類2011/11〜2013/721+12.6%+2.2%+3.7%
米類2016/3〜2018/931+14.4%+2.0%+3.2%
米類2023/5〜2026/335+127.1%+3.6%+12.4%
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17回のうち、最初の月に買ったほうが得が大きかったのは8回、6か月後のほうが大きかったのは9回でした。値上がりがニュースになる頃には、値上がりの一部はもう終わっていて、その後に下がり始めることもあります。前年同月比を見て買いだめを決めると、どうしても遅れて動くことになります。

242年分を先に買ったら

缶詰や乾物のように長く保存できる物を想定し、生鮮食品を除く食料で24か月分を先に買った場合も計算しました(実際に2年もつかは商品によります)。1975年1月以降で得だった月は40%、1995年以降に限ると62%でした。得の真ん中は、全期間で−0.4%、1995年以降で+0.5%です。先に買う量を増やすと、値上がりの時期には得が大きくなる一方、先払いで失う利子も、保存の失敗で捨てる分の重さも大きくなります。

25大きく上がった後、次の1年も上がったか

「上がっているから、この先も上がる」は当たったのか。1971年以降の各月について、前の12か月の値上がりと、次の12か月の値上がりを比べました。前の12か月で10%以上上がっていた月を「大きく上がった月」としています。

分類比べた月の数前の12か月で10%以上上がった月の数そのうち次の12か月も上がった割合次の12か月の真ん中次の12か月は下がった割合前と次の順位相関
米類6567271%+8.9%29%0.33
生鮮食品を除く食料65631100%+14.6%0%0.67
食料65638100%+11.4%0%0.52
ガソリン65613063%+3.9%36%0.06
エネルギー6567863%+2.2%37%0.13
総合(参考)65629100%+11.0%0%0.74
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順位相関は、前の12か月の上がり方が大きい月ほど、次の12か月も大きく上がったかを表す数字で、1に近いほど「続いた」、0に近いほど関係が弱いことを表します。物価全体(総合)は上がり方が続きやすい一方、米類やガソリンのように値段が大きく動く分類は、大きく上がった後に下がることもありました。分類によって、「続いて上がる」の当たり方が違います。

261973〜1974年に、先に買っていたら

物価が急に上がった時期として知られる1973〜1974年の値も、消費者物価指数に残っています(このころの国債金利のデータは1974年9月からなので、利子は差し引いていません)。

分類1973年1月1974年1月その1年の上がり方次の1年(1974年1月→1975年1月)1973年1月に12か月分を先に買った得
米類22.623.9+5.8%+33.9%+1.6%
食料26.133.2+27.2%+18.7%+8.8%
エネルギー31.038.5+24.2%+26.8%+5.6%
ガソリン31.846.4+45.9%+28.9%+12.2%
総合31.938.9+21.9%+17.7%+8.0%
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この時期は、物価全体(総合)が1973年1月からの1年で+21.9%上がり、先に買った分の得も大きくなりました。ただし、その時期の店頭では品物そのものが手に入りにくくなったことも知られていて、指数の上の得が、実際にその値段で買えたことを意味するわけではありません。多くの人が同時に買いだめをすると、品物が足りなくなり、値段がさらに上がることもあります。

27お金の置き場所と、物の買いだめの違い

買いだめは、「使う予定の物の値段」に対する備えです。物価全体の上がり方に対しては、元本が物価に合わせて増える物価連動国債のような仕組みもあります(個人が買う方法には条件があります)。くわしくは物価連動国債とはの記事にあります。ほかの資産を「インフレ対策」と呼ぶ話は金はインフレに強いかで確かめています。

備え方守れるもの限界
物の買いだめ保存できる物の、使う予定の量の値上がり保存できる期間・量。電気や家賃は守れない。値下がりすれば損
個人向け国債元本(額面)と利子利子が物価に届かなければ、買える量は減る。発行から1年は原則換金できない
物価連動国債物価に合わせた元本市場での値段は動く。個人が買う方法に条件がある

どれか1つで、すべての値上がりを守ることはできません。買いだめは、家計のうち保存できる物の、近い時期の値上がりに対してだけ効く備えです。

28消費者物価指数で、何が分かって何が分からないか

この記事の値段は、総務省の消費者物価指数です。全国の店などで毎月調べた値段をもとに、品目ごとの値段の動きを指数にしたもので、家計の支出に占める割合(ウエイト)をつけて分類や総合にまとめています。基準の年は5年ごとに改められ、いまは2025年の平均を100としています。

買いだめの得は、自分が買う商品の値段の動きで決まります。この記事の数字は、分類全体の平均の動きで計算した目安で、ある商品の値上がりが平均より大きければ得も大きく、小さければ得も小さくなります。

29自分の家計で確かめる手順

  1. 家計のうち、保存できる物の割合を見る。米・加工食品・日用品など、前もって買える物に毎月いくら使っているか。電気代・家賃・外食は分けて考えます。
  2. 使い切れる量と期間を決める。賞味期限・使用期限の中で、確実に使い切れる量だけが対象です。捨てる分が出れば、得は消えます。
  3. 先に払うお金の置き場所と比べる。先払いの分を国債などに置いた場合の利子と、値上がりの見込みを比べます。いまの個人向け国債の利率は個人向け国債のページで確かめられます。
  4. 値段の山で買っていないかを見る。大きく上がった直後は、その後に下がることもありました。前の年の同じ月と比べた上がり方を、総務省の消費者物価指数などで確かめます。

30この記事に出てくる言葉

消費者物価指数
総務省が毎月公表する、家計が買う物やサービスの値段の動きを表す指数。この記事は2025年の平均を100とする値を使っています。
総合・生鮮食品を除く食料
総合はすべての品目をまとめた指数、生鮮食品を除く食料は、日持ちしない野菜・魚などを除いた食料の指数です。
前年同月比
1年前の同じ月と比べた上がり方。季節による動きを除いて比べられます。
個人向け国債
個人だけが買える国債。変動10年は半年ごとに利率が見直され、固定5年は満期まで利率が変わりません。利率の下限は0.05%です。
税引後の利子
利子から20.315%(2012年までは20%)の税金を引いた額。この記事の国債の利子は、すべて税引後です。
順位相関
2つの数字の並びの順位が、どれだけそろっているかを表す数字。1なら完全に同じ順、0なら関係なし、−1なら逆の順です。

31よくある質問

インフレ対策に、買いだめは効きますか。

保存できる物を、使い切れる量だけ先に買うなら、物価が上がる時期には効きました。この記事の計算で、生鮮食品を除く食料の12か月分を先に買って毎月買うより得だった月は39%です。電気代・家賃・外食など、前もって買えないものには効きません。

何か月分を買いだめするのがよいですか。

先に買う期間が長いほど、得の真ん中は大きくなりましたが、損になる月の損も大きくなりました。期限の中で使い切れる量が上限で、捨てる分が出ると得は消えます。

国債の利子と、物の値上がりはどちらが大きかったですか。

2021年8月から2026年8月までの5年では、食料の値上がり+30.7%が、個人向け国債の変動10年の税引後の利子+2.04%を大きく上回りました。長い期間では、物価が下がった時期もあります。

米は買いだめしたほうがよいですか。

この記事は、それを決めるものではありません。米類の指数は2025年11月に山をつけ、2026年8月は山から−21.8%です。値段の山の近くで買いだめをした月は、その後の値下がりで損になりました。

金利が上がると、買いだめの損得はどう変わりますか。

先に払ったお金を国債などに置けば得られた利子が大きくなるので、同じ値上がりでも、買いだめの得はその分小さくなります。この記事の計算でも、1年国債の利回りが高かった時期ほど、買いだめが得だった月は少なくなりました。

ガソリンを買いだめするのはどうですか。

ガソリンは消防法で危険物とされ、家庭で多く貯めることには向きません。値段の動きも大きく、この記事の計算では、12か月分を先に買って得だった月と損だった月が、どちらも多くありました。

値上がりのニュースを見てから買いだめしても間に合いますか。

この記事の計算で、値上がりが続いた時期の最初の月に買った場合と、6か月後に買った場合を比べると、最初の月のほうが得だったのは17回中8回でした。ニュースを見てからでも得だった時期もありますが、値上がりの山の近くで買うと損になることもあります。

買いだめと、国債などにお金を置くのは、どちらがよいですか。

どちらがよいかは、その期間の値上がりと金利で決まり、時期によって入れ替わりました。保存できる物の、使い切れる量だけが買いだめの対象で、それ以外のお金の置き場所は別に考える必要があります。

消費者物価指数は、自分の買い物の値段と同じですか。

同じではありません。全国の多くの品目の値段の動きをまとめた指数で、特定のお店や商品の値段ではありません。セールやまとめ買いの割引も入っていません。

32この記事の数字は、どこから取ったか

買いだめの得は、その月の指数で N か月分を買い、毎月その月の指数で買った場合と比べたものです。先払いの利子は、平均で (N−1)/2 か月分を1年国債に置けたとして差し引きました。保存の費用・まとめ買いの割引・捨てる分(例の節を除く)は入れていません。利子の税金は、2012年までを20%、2013年からを20.315%としています。日本銀行の預金金利の統計は使っていません。

この記事は、特定の商品の買いだめや、金融商品の売買をすすめるものではありません。過去の物価と利子の記録で、これからの値動きを示すものではありません。

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個人向け国債は、買ってから1年たてば、国がいつでも買い戻してくれます。そのとき元本が減ることはありません。

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