投資総研
データ記事

外貨預金はやめとけ?|ドルで1年預けて円で減った月は42%

読む目安:「先に結論」だけなら1分/全部で約40分(22千字)

データの時点2026年9月までFRBのドル円の月中平均と、米国財務省の米国債1年の利回り(月平均)・毎週月曜に自動で更新

42.4%429回中182回

1990年1月以降の各月に円をドルに替え、米国債1年の利回りの利息を付けて1年後に円へ戻すと、429回のうち182回(42.4%)で、預けた円より減りました。税・為替手数料を引く前の計算です。

1年 42.4%42.4%1年2年 38.8%38.8%2年3年 32.8%32.8%3年5年 20.5%20.5%5年10年 10.9%10.9%10年
預けた円を下回った月の割合(米国債1年の利回りで1年ごとに預け直した場合・期間別)

自分の金額と預けた月で計算する →

この記事の内容34の見出し

01先に結論

「外貨預金はやめとけ」と言われる理由は、たいてい為替リスク・手数料・預金保険の対象外の3つです。この記事は、理由を並べる代わりに、過去のすべての月で実際に円で減ったかどうかを数えました。

使った利回りは米国債1年のもので、銀行の外貨預金の金利そのものではありません。実際の預金の金利は、多くの場合これより低いと考えられるので、この割合は「外貨預金としては良いほうに寄せた計算」です。

02自分の金額と預けた月で計算する

預けた月(1990年1月以降)を選び、金額を切り替えると、1年後・3年後・5年後に円へ戻した額を出します。3年・5年は、毎年その時点の米国債1年の利回りで預け直した場合です。

2025年9月 ドル円147.86円→1年後156.42円・米国債1年の利回り3.66%

1年後に円へ戻した額109,657円
増えた・減った額(1年)9,657円
為替の動きだけの額(利息なし)105,785円
利息に20.315%の税を引いた額(1年)108,871円
3年後(毎年預け直し)—
5年後(毎年預け直し)—

ドル円はFRBの月中平均、利息は米国財務省の米国債1年の利回り(その月の平均)を使った計算です。為替手数料は入れていません。「—」は、まだその期間がたっていない月です。銀行の外貨預金の金利や手数料ではなく、将来の結果でもありません。

03外貨預金で増えるのは何か

  1. 円をドルに替えるそのときのドル円で、円がドルの額になる
  2. ドルの利息が付く増えるのはドルの額。円の額は約束されない
  3. 円に戻すそのときのドル円で、ドルが円の額になる

外貨預金で確実に増えるのは、ドルの額です。利息はドルで付き、預けた銀行が返す約束をしているのもドルの元本です。円に戻したときの額は、戻す日のドル円で決まります。

円で見た結果は、次の掛け算になります。

円の受取額 ÷ 預けた円 =(1+ドルの利息の率)×(戻す月のドル円 ÷ 預けた月のドル円)

右のかっこが1を下回る(円高になる)と、左のかっこの利息がその分を埋められるかどうかの勝負になります。たとえば利息が年4%なら、1年で約3.8%の円高までは円の額が減りません。利息が年0.5%なら、耐えられる円高は約0.5%しかありません。

1990年1月以降、米国債1年の利回りがマイナスになった月はありません。そのため、ドルの額で見れば429回のすべてで増えています。円で減った182回は、すべて為替が原因です。

04ドル預金の金利はどう動いてきたか

ドル預金の金利は銀行ごとに決まり、当サイトはその過去の値を持っていません。そこで、預金の金利と同じ方向に動く物差しとして、米国財務省が公表している米国債1年の利回りの月平均を使います。銀行は集めたドルを運用して利ざやを取るので、預金の金利は多くの場合、この利回りより低くなります。

米国債1年の利回り(月平均)日本国債1年の利回り(月平均)
0%2%4%6%8%19901995200020052010201520202025米国債1年の利回り(月平均) 4.4%日本国債1年の利回り(月平均) 1.6%

米国債1年の利回りと預金の金利が違う理由は、いくつかあります。銀行は預かったドルを運用して経費と利益を得るので、その分を差し引いた金利を付けます。また、外貨定期預金の金利は預け入れの金額や期間、キャンペーンの有無で変わり、同じ銀行でも一律ではありません。一方、米国債1年は米国政府が発行する債券の市場の利回りで、毎営業日に公表されます。この記事では、預金の金利を「これより高くはなりにくい上の目安」として扱っています。

最も高かったのは1990年4月の8.40%、最も低かったのは2021年5月の0.05%です。0.5%を下回った月は101か月あり、2009〜2015年と2020〜2021年に集まっています。直近の2026年9月は4.36%です。

暦年ごとに、利回りの平均・最低・最高と、その年に預けた月のうち1年後に円で減った月の数を並べました。

年平均最低最高その年に預けて1年後に円で減った月
1990年7.88%7.05%8.40%8/12回
1991年5.86%4.38%6.64%5/12回
1992年3.89%3.18%4.63%11/12回
1993年3.43%3.24%3.61%12/12回
1994年5.31%3.54%7.14%7/12回
1995年5.95%5.31%7.05%0/12回
1996年5.51%4.94%5.85%0/12回
1997年5.63%5.46%5.99%1/12回
1998年5.05%4.12%5.44%12/12回
1999年5.08%4.51%5.84%7/12回
2000年6.11%5.60%6.33%0/12回
2001年3.48%2.18%4.81%2/12回
2002年2.00%1.45%2.57%10/12回
2003年1.24%1.01%1.36%11/12回
2004年1.89%1.19%2.67%4/12回
2005年3.62%2.86%4.35%0/12回
2006年4.93%4.45%5.22%1/12回
2007年4.52%3.26%5.06%12/12回
2008年1.82%0.49%2.71%12/12回
2009年0.47%0.31%0.64%11/12回
2010年0.32%0.23%0.45%12/12回
2011年0.18%0.10%0.29%6/12回
2012年0.17%0.12%0.19%0/12回
2013年0.13%0.12%0.16%0/12回
2014年0.12%0.10%0.21%0/12回
2015年0.32%0.20%0.65%11/12回
2016年0.61%0.51%0.87%3/12回
2017年1.20%0.82%1.70%5/12回
2018年2.33%1.80%2.70%6/12回
2019年2.05%1.55%2.58%7/12回
2020年0.38%0.10%1.53%2/12回
2021年0.10%0.05%0.30%0/12回
2022年2.79%0.55%4.73%0/12回
2023年5.08%4.68%5.44%0/12回
2024年4.69%4.03%5.16%4/12回
2025年3.92%3.54%4.19%0/9回
2026年3.83%3.48%4.36%まだ1年たっていない
横にスクロールすると残りの列が見えます

利回りが1%を下回る年は、利息で埋められる円高の幅も1%未満でした。この時期の外貨預金の結果は、ほぼ為替だけで決まっていたことになります。

051年の間に、ドル円はどれだけ動いてきたか

1年ごとに、月中平均の最も円安の月と最も円高の月、その差(円高の月から見た円安の月の高さ)を並べました。右端は、その年の1月の米国債1年の利回りです。

年最も円安の月最も円高の月1年の中の幅1月の米国債1年
1990年158.46円(4月)129.22円(11月)22.6%7.92%
1991年139.75円(6月)128.04円(12月)9.1%6.64%
1992年133.54円(4月)121.17円(10月)10.2%4.15%
1993年124.99円(1月)103.77円(8月)20.5%3.50%
1994年111.44円(1月)98.04円(11月)13.7%3.54%
1995年101.94円(11月)83.69円(4月)21.8%7.05%
1996年113.98円(12月)105.75円(1月)7.8%5.09%
1997年129.73円(12月)114.29円(6月)13.5%5.61%
1998年144.68円(8月)117.07円(12月)23.6%5.24%
1999年122.00円(5月)102.58円(12月)18.9%4.51%
2000年112.21円(12月)105.30円(1月)6.6%6.12%
2001年127.59円(12月)116.23円(2月)9.8%4.81%
2002年133.64円(2月)117.90円(7月)13.4%2.16%
2003年119.89円(4月)107.74円(12月)11.3%1.36%
2004年112.20円(5月)103.81円(12月)8.1%1.24%
2005年118.46円(12月)103.34円(1月)14.6%2.86%
2006年118.61円(10月)111.73円(5月)6.2%4.45%
2007年122.69円(6月)111.07円(11月)10.5%5.06%
2008年109.36円(8月)91.28円(12月)19.8%2.71%
2009年98.92円(4月)89.27円(11月)10.8%0.44%
2010年93.45円(4月)81.73円(10月)14.3%0.35%
2011年83.18円(4月)76.64円(10月)8.5%0.27%
2012年83.79円(12月)76.96円(1月)8.9%0.12%
2013年103.46円(12月)89.06円(1月)16.2%0.15%
2014年119.32円(12月)101.74円(7月)17.3%0.12%
2015年123.72円(6月)118.25円(1月)4.6%0.20%
2016年118.23円(1月)101.24円(8月)16.8%0.54%
2017年114.87円(1月)109.83円(8月)4.6%0.83%
2018年113.34円(11月)106.05円(3月)6.9%1.80%
2019年111.64円(4月)106.19円(8月)5.1%2.58%
2020年110.03円(2月)103.80円(12月)6.0%1.53%
2021年113.97円(11月)103.79円(1月)9.8%0.10%
2022年147.05円(10月)114.83円(1月)28.1%0.55%
2023年149.68円(11月)130.45円(1月)14.7%4.69%
2024年157.86円(6月)142.95円(9月)10.4%4.79%
2025年156.48円(1月)144.13円(4月)8.6%4.18%
2026年162.33円(7月)155.10円(2月)4.7%3.51%
横にスクロールすると残りの列が見えます

1年の中の幅は、中央値で10.5%でした。幅がその年の1月の米国債1年の利回りを上回った年は、37年のうち37年です。月中平均どうしでもこれだけ動くので、日々の相場ではさらに大きく動いています。外貨預金の利息は、この幅の中に収まる大きさだと考えておくと、結果の読み方を誤りにくくなります。

061年で円に戻した結果の分布

041820−20%以下30−20〜−10%70−10〜−5%82−5〜0%730〜+5%59+5〜+10%78+10〜+20%37+20%超
  • −20%以下0
  • −20〜−10%30
  • −10〜−5%70
  • −5〜0%82
  • 0〜+5%73
  • +5〜+10%59
  • +10〜+20%78
  • +20%超37
1990年1月〜2025年9月に預けた429回の、1年後の円での増減(利息込み・税と手数料の前)

1年後の円での増減の中央値は+1.9%、真ん中の8割は−9.2%から+19.1%の間でした。最も悪かったのは−17.7%、最も良かったのは+36.1%です。

中央値がプラスでも、1回ごとの結果は大きく散らばっています。10%を超えて減ったのは30回、10%を超えて増えたのは115回ありました。利息の年数%に比べて、為替の1年の動きは数倍の幅を持っています。

07利息の高さで、減りにくさは変わったか

預けた月の米国債1年の利回りの高さで分けて、1年後に円で減った割合を比べました。「耐えられる円高」は、利息で埋められる円高の幅(その月の利回りから計算した中央値)です。

預けた月の利回り月数円で減った月割合耐えられる円高1年後の増減(中央値)
1%未満122回46回37.7%0.19%+3.3%
1〜2%52回33回63.5%1.38%−1.7%
2〜3%41回22回53.7%2.29%−0.2%
3〜4%41回23回56.1%3.38%−1.9%
4〜5%65回25回38.5%4.47%+4.3%
5%以上108回33回30.6%5.31%+8.1%
横にスクロールすると残りの列が見えます

預けた月の利回りと1年後の結果の順位相関は0.09(ほとんど関係がない)でした。利回りが高い月ほど耐えられる円高は大きくなりますが、減った割合ははっきりとは下がっていません。利回りが高い時期に、その後の大きな円高が重なった月があったためです。

08外貨預金は円高になるとどうなるか

1年のあいだのドル円の動き(月中平均どうし)で分けて、利息を足した後の結果を並べました。

1年のドル円の動き月数利息を足しても円で減った月割合1年後の増減(中央値)
10%超の円高68回68回100.0%−9.6%
5〜10%の円高72回69回95.8%−5.0%
0〜5%の円高83回45回54.2%−0.2%
0〜5%の円安71回0回0.0%+5.2%
5〜10%の円安47回0回0.0%+10.0%
10%超の円安88回0回0.0%+19.0%
横にスクロールすると残りの列が見えます

5%を超える円高の月は、利息を足してもすべてか、ほとんどが円で減っています。0〜5%の円高の月は、利息の高い時期なら埋まり、低い時期なら埋まりませんでした。円安の月は、利息がなくても円で増えます。

言いかえると、外貨預金の1年の結果を分けたのは利息の差より為替の向きでした。円高だった429回中223回のうち、利息で埋まったのは41回です。

09円安のときに始めた外貨預金はどうなったか

「円安のときに始めると損をしやすい」と言われます。預けた月のドル円が、その前の3年の平均よりどれだけ円安だったかで分けて、1年後と5年後(毎年預け直し)の結果を数えました。

預けた月の水準月数1年後に円で減った月5年後に円で減った月1年後の増減(中央値)
3年平均より10%以上円安98回34回(34.7%)18/68回(26.5%)+5.9%
3年平均より0〜10%円安104回41回(39.4%)35/88回(39.8%)+3.2%
3年平均より0〜10%円高138回52回(37.7%)21/136回(15.4%)+1.6%
3年平均より10%以上円高89回55回(61.8%)4/89回(4.5%)−2.1%
横にスクロールすると残りの列が見えます

直前の1年で円安が進んでいたかどうかで分けると、次のとおりです。

預ける前の1年の動き月数1年後に円で減った月割合1年後の増減(中央値)
直前1年で10%以上円安90回28回31.1%+5.5%
直前1年で0〜10%円安112回34回30.4%+6.9%
直前1年で0〜10%円高159回80回50.3%−0.1%
直前1年で10%以上円高68回40回58.8%−1.5%
横にスクロールすると残りの列が見えます

3年平均より10%以上円安の月に始めた回で1年後に減った割合は34.7%、10%以上円高の月に始めた回は61.8%でした。この期間では、円安の水準で始めた回のほうが、1年後に減った割合は低くなっていました。円安がしばらく続いた時期が多かったためで、「円安で始めると損」という形は、少なくとも1年の結果には表れていません。

直前1年のドル円の動きと、その後1年の結果の順位相関は0.24(弱い関係(正の向き))でした。2026年9月の月中平均156.42円は、その前の3年の平均より+2.7%、1年前より+5.8%の位置にあります。この表は過去の月の数え上げで、今の位置から先の向きを当てるものではありません。

101年の途中では、どれだけ減っていたか

1年後の結果がプラスでも、途中の月に円で見て減っていた時期があると、落ち着いて持ち続けるのは難しくなります。預けた後の12か月の各月について、それまでの利息(月数で按分)を足した円の額が、最も低かった時点で分けました。

途中の最も低い時点回数そのうち1年後は預けた円以上
減った時点はない109回109回
0〜5%減っていた151回110回
5〜10%減っていた91回19回
10〜15%減っていた63回9回
15%超減っていた15回0回

429回のうち320回(74.6%)は、1年の途中のどこかで円の額が預けた円を下回っていました。そのうち138回は、1年後には預けた円以上に戻っています。外貨預金の円の額は、満期の日まで毎月揺れます。途中の評価額を見て円に戻したくなるかどうかも、向き不向きを分ける点です。

11同じ年でも、預けた月で結果はどれだけ違ったか

同じ年に預けても、何月に預けたかで1年後の結果は違います。年ごとに、最も良かった月と最も悪かった月、その差を並べました。

預けた年最も良かった月最も悪かった月差
1990年最良は10月 +8.5%最悪は4月 −6.2%14.7ポイント
1991年最良は2月 +4.0%最悪は9月 −3.6%7.6ポイント
1992年最良は1月 +3.8%最悪は8月 −14.9%18.7ポイント
1993年最良は8月 −0.4%最悪は2月 −9.0%8.6ポイント
1994年最良は11月 +10.8%最悪は4月 −15.2%26.0ポイント
1995年最良は4月 +36.1%最悪は1月 +13.5%22.6ポイント
1996年最良は4月 +23.7%最悪は6月 +11.0%12.7ポイント
1997年最良は6月 +29.8%最悪は12月 −4.8%34.6ポイント
1998年最良は2月 −2.4%最悪は8月 −17.7%15.3ポイント
1999年最良は12月 +15.8%最悪は4月 −7.7%23.4ポイント
2000年最良は4月 +24.4%最悪は2月 +12.9%11.5ポイント
2001年最良は2月 +20.4%最悪は12月 −2.4%22.7ポイント
2002年最良は7月 +2.6%最悪は12月 −10.3%13.0ポイント
2003年最良は10月 +0.6%最悪は2月 −9.4%10.0ポイント
2004年最良は12月 +17.2%最悪は5月 −3.3%20.5ポイント
2005年最良は2月 +15.7%最悪は11月 +3.3%12.4ポイント
2006年最良は5月 +13.5%最悪は11月 −0.6%14.1ポイント
2007年最良は8月 −2.1%最悪は12月 −16.2%14.1ポイント
2008年最良は12月 −1.0%最悪は1月 −14.1%13.2ポイント
2009年最良は1月 +1.5%最悪は8月 −9.6%11.2ポイント
2010年最良は11月 −5.8%最悪は5月 −11.5%5.7ポイント
2011年最良は12月 +7.8%最悪は1月 −6.6%14.4ポイント
2012年最良は9月 +27.2%最悪は3月 +15.1%12.1ポイント
2013年最良は1月 +16.7%最悪は5月 +1.0%15.7ポイント
2014年最良は6月 +21.3%最悪は12月 +2.2%19.2ポイント
2015年最良は1月 +0.2%最悪は8月 −17.4%17.6ポイント
2016年最良は9月 +9.5%最悪は1月 −2.3%11.8ポイント
2017年最良は9月 +2.5%最悪は3月 −5.1%7.6ポイント
2018年最良は3月 +7.0%最悪は8月 −2.0%9.0ポイント
2019年最良は1月 +2.9%最悪は12月 −3.4%6.3ポイント
2020年最良は12月 +9.8%最悪は1月 −3.6%13.3ポイント
2021年最良は9月 +30.2%最悪は3月 +9.2%21.0ポイント
2022年最良は2月 +16.6%最悪は7月 +6.2%10.4ポイント
2023年最良は4月 +20.7%最悪は9月 +1.9%18.7ポイント
2024年最良は1月 +12.1%最悪は6月 −3.8%15.9ポイント
横にスクロールすると残りの列が見えます

同じ年の中での差は、中央値で14.1ポイント、最も大きい年で34.6ポイントでした。米国債1年の利回りは同じ年の中ではあまり変わらないので、この差のほとんどは為替の差です。預ける月を数か月ずらすだけで、1年の利息の何年分にもあたる差が出ていたことになります。

12今の水準から、どこまでの円高なら減らないか

2026年9月のドル円156.42円と米国債1年の利回り4.36%がこのまま続いたとした場合の、預けた円を下回らないドル円の下限です(為替手数料の前)。利回りが続く保証はなく、目安の計算です。

円に戻す時期下限(税の前)今からの幅下限(利息に税)今からの幅
1年後149.89円−4.2%151.17円−3.4%
2年後143.63円−8.2%146.10円−6.6%
3年後137.63円−12.0%141.20円−9.7%
5年後126.38円−19.2%131.88円−15.7%
横にスクロールすると残りの列が見えます

1年後の下限は今から−4.2%です。1971年以降の月で、1年のドル円の動きがこの幅を超える円高だったのは657回中262回(39.9%)でした。手数料ごとの下限の早見表は外貨預金の損益分岐点の記事にあります。

13長く預け直すと、円での結果は安定するか

1年ごとに、その時点の米国債1年の利回りで預け直したとして、1〜10年後に円へ戻した場合を数えました。左から、為替だけ・利息込み(税の前)・利息に20.315%の税を引いた場合です。

期間比べた月為替だけで減った月利息込みで減った月税引後で減った月
1年429回223回(52.0%)182回(42.4%)189回(44.1%)
2年417回214回(51.3%)162回(38.8%)172回(41.2%)
3年405回195回(48.1%)133回(32.8%)146回(36.0%)
5年381回172回(45.1%)78回(20.5%)99回(26.0%)
7年357回156回(43.7%)72回(20.2%)83回(23.2%)
10年321回148回(46.1%)35回(10.9%)42回(13.1%)
横にスクロールすると残りの列が見えます

結果の散らばりは次のとおりです(利息込み・税の前)。「真ん中の8割」の幅が、どれだけ結果が読みにくいかの目安です。

期間下から1割中央値上から1割最も悪い最も良い真ん中の8割の幅
1年−9.2%+1.9%+19.1%−17.7%+36.1%28.4ポイント
2年−14.2%+4.7%+32.9%−19.9%+68.4%47.1ポイント
3年−15.8%+8.4%+45.7%−29.3%+95.9%61.5ポイント
5年−9.7%+15.3%+52.9%−31.3%+79.6%62.5ポイント
7年−9.2%+25.3%+63.4%−21.1%+126.2%72.7ポイント
10年−0.5%+34.6%+71.6%−28.8%+99.9%72.1ポイント
横にスクロールすると残りの列が見えます

期間が長いほど、減った月の割合は下がりました。一方で、結果の幅は期間とともに広がっています。長く持つほど利息が積み上がる一方、為替の動きも大きくなるためです。1年あたりに直すと、次のようになります。

期間下から1割(年あたり)中央値(年あたり)上から1割(年あたり)
1年−9.2%+1.9%+19.1%
2年−7.4%+2.3%+15.3%
3年−5.6%+2.7%+13.4%
5年−2.0%+2.9%+8.9%
7年−1.4%+3.3%+7.3%
10年−0.1%+3.0%+5.5%
横にスクロールすると残りの列が見えます

年あたりに直すと幅は縮みます。ただ、10年持っても下から1割の月は年あたりマイナスで、「長く持てば必ず安定する」とは言えない結果でした。

14最初の金利が5年続くと考えると、どれだけずれたか

外貨定期預金の説明では、今の金利が続いた場合の例がよく示されます。実際には預け直すたびに金利が変わります。預けた月の米国債1年の利回りが5年続いたとした場合と、毎年その時点の利回りで預け直した実際の計算を、ドルの増え方だけで比べました(為替を除く)。

預けた月の利回り回数最初の利回りが続いた場合(5年・中央値)実際の利回りで預け直した場合差(中央値)実際のほうが少なかった回
2%未満167回+1.7%+6.1%+2.8ポイント46回
2〜4%74回+14.6%+14.5%+0.1ポイント37回
4%以上140回+30.4%+26.1%−6.8ポイント123回
横にスクロールすると残りの列が見えます

利回りが高い月に預けた回ほど、その後の利下げで実際のドルの増え方は想定を下回りました。反対に利回りが低い月に預けた回は、その後の利上げで想定を上回っています。「今の金利が続けば」という計算は、ドルの増え方についても目安にすぎません。

15100万円あたり、どれだけ減り、どれだけ増えたか

割合だけでなく、額の大きさも見ておきます。100万円を預けて、毎年預け直した場合の円での増減です(税・手数料の前)。

期間減った回減った額(中央値)最も大きく減った額増えた回増えた額(中央値)
1年182回−59,229円−176,662円247回+93,852円
3年133回−119,357円−292,650円272回+207,024円
5年78回−91,866円−313,490円303回+255,629円
10年35回−167,051円−287,519円286回+424,761円
横にスクロールすると残りの列が見えます

減った回の減り方と、増えた回の増え方は、期間が長くなるほど差が開いています。長く続けた回では、増えた回の増え方のほうが大きくなりました。過去の期間では、円安の局面が長く続いたためです。

16税と手数料を入れると、割合はどう変わるか

ここまでの割合は、税と手数料の前の数字です。利息に20.315%の税を引き、為替手数料を片道0.5円・1円(例の値)と置くと、円で減った回は次のように増えます。

期間比べた回数税・手数料の前税+片道0.5円税+片道1円
1年429回182回(42.4%)203回(47.3%)220回(51.3%)
3年405回133回(32.8%)152回(37.5%)161回(39.8%)
5年381回78回(20.5%)102回(26.8%)110回(28.9%)
10年321回35回(10.9%)47回(14.6%)49回(15.3%)
横にスクロールすると残りの列が見えます

短い期間ほど、税と手数料で割合が大きく上がります。1年で円に戻すつもりなら、税と手数料の重みは利息の差と同じくらいあると考えておくほうが安全です。

17預けた年ごとに、期間を延ばすとどう変わったか

預けた年ごとに、1年・3年・5年・10年後(毎年預け直し)に円で減った回を並べました。「まだ」は、その期間がたっていない年です。

預けた年1年後3年後5年後10年後
1990年8/12回11/12回11/12回0/12回
1991年5/12回12/12回5/12回0/12回
1992年11/12回12/12回0/12回0/12回
1993年12/12回1/12回0/12回0/12回
1994年7/12回0/12回0/12回0/12回
1995年0/12回0/12回0/12回0/12回
1996年0/12回0/12回0/12回0/12回
1997年1/12回1/12回0/12回0/12回
1998年12/12回1/12回0/12回0/12回
1999年7/12回0/12回0/12回0/12回
2000年0/12回0/12回0/12回3/12回
2001年2/12回12/12回0/12回12/12回
2002年10/12回10/12回0/12回12/12回
2003年11/12回0/12回2/12回4/12回
2004年4/12回0/12回3/12回0/12回
2005年0/12回3/12回8/12回0/12回
2006年1/12回12/12回12/12回3/12回
2007年12/12回12/12回12/12回1/12回
2008年12/12回12/12回9/12回0/12回
2009年11/12回12/12回0/12回0/12回
2010年12/12回1/12回0/12回0/12回
2011年6/12回0/12回0/12回0/12回
2012年0/12回0/12回0/12回0/12回
2013年0/12回0/12回0/12回0/12回
2014年0/12回2/12回2/12回0/12回
2015年11/12回12/12回12/12回0/12回
2016年3/12回3/12回2/12回0/9回
2017年5/12回3/12回0/12回まだ
2018年6/12回1/12回0/12回まだ
2019年7/12回0/12回0/12回まだ
2020年2/12回0/12回0/12回まだ
2021年0/12回0/12回0/9回まだ
2022年0/12回0/12回まだまだ
2023年0/12回0/9回まだまだ
2024年4/12回まだまだまだ
2025年0/9回まだまだまだ
2026年まだまだまだまだ
横にスクロールすると残りの列が見えます

1年後に12回すべてで減った年でも、5年・10年と延ばすと減った回が少なくなった年があります。反対に、1年後は減らなかったのに、延ばした先で大きな円高にぶつかって減った年もあります。期間を延ばすことは、結果を良くする方向にも悪くする方向にも働き、どちらになるかは預けた後の相場で決まりました。

18預けるタイミングは何で決まったか

預けるタイミングを分けた要因を、手元のデータで確かめられる範囲で調べました。日米の1年の利回りの差(米国債1年−日本国債1年、財務省)で4つに分けた結果です。

日米の利回りの差月数差の範囲1年後に円で減った月割合1年のドル円の動き(中央値)
差が小さい4分の1107回−1.03〜0.24%40回37.4%+0.9%
2番目の4分の1107回0.24〜1.75%75回70.1%−4.8%
3番目の4分の1107回1.76〜4.29%43回40.2%−0.5%
差が大きい4分の1108回4.32〜6.12%24回22.2%+6.1%
横にスクロールすると残りの列が見えます

利回りの差と1年後の結果の順位相関は0.24(弱い関係(正の向き))、差と1年のドル円の動きの順位相関は0.14(ほとんど関係がない)でした。「金利差が大きいときに預ければよい」という単純な形は、1990年以降のデータでは見えません。日米の金利差とドル円の関係は日米金利差の記事でくわしく扱っています。

預けた月(1〜12月)で分けても、はっきりした差はありません。

預けた月月数円で減った月割合
1月361541.7%
2月361850.0%
3月361644.4%
4月361747.2%
5月361850.0%
6月361644.4%
7月361747.2%
8月361233.3%
9月361336.1%
10月351234.3%
11月351337.1%
12月351542.9%
横にスクロールすると残りの列が見えます

割合は最も低い月で33.3%、最も高い月で50.0%です。1つの月あたり30数回しかないので、この差は偶然の範囲と見るのが自然です。

19払い戻しや預け入れを分けると、結果は均されるか

一度に預けて一度に円へ戻す場合と、預けるとき・戻すときを12回に分けた場合を比べました。預けている期間の平均がほぼ1年になるようにそろえ、利息は月数で按分しています(税・手数料の前)。

やり方比べた回数円で減った回下から1割中央値上から1割最も悪い
一度に預け、1年後に一度に戻す418回182回(43.5%)−9.3%+1.5%+19.2%−17.7%
一度に預け、7〜18か月後に12回に分けて戻す418回179回(42.8%)−9.0%+1.7%+18.8%−18.1%
12か月かけて分けて預け、18か月後に一度に戻す418回172回(41.1%)−8.9%+1.8%+19.6%−16.2%
12か月かけて分けて預け、それぞれ1年後に戻す418回168回(40.2%)−7.9%+2.2%+17.5%−10.4%
横にスクロールすると残りの列が見えます

真ん中の8割の幅は、一度に預けて戻す場合の28.5ポイントに対し、戻すときだけ分けると27.8ポイント、預けるときだけ分けると28.5ポイント、両方を分けると25.4ポイントでした。両方を分けたときに、ぶれは最も小さくなっています。最も悪い結果は、一度に預けて戻す場合の−17.7%に対し、両方を分けると−10.4%です。分けると、円高の月と円安の月が混ざるので、1つの月の相場に結果が左右されにくくなります。その代わり、とても良い結果も出にくくなります。分けても、その期間全体に大きな円高が来れば減ります。毎月少しずつ買った場合の平均レートは米国債の積立の記事で計算しています。

20外貨預金の手数料はいくらか

為替手数料は、銀行・通貨・ネットか窓口かで違い、当サイトは各行の手数料の一覧を持っていません。ここでは、片道の手数料を例の値として置き、減った月の割合がどう変わるかを計算しました(米国債1年の利回りで預け直し・税の前)。

為替手数料(例)1年後に減った月3年後5年後往復の手数料(2026年9月のドル円に対する割合)
手数料なし182/429回(42.4%)133/405回(32.8%)78/381回(20.5%)0.00%
片道0.25円(往復0.5円)191/429回(44.5%)136/405回(33.6%)82/381回(21.5%)0.32%
片道0.5円(往復1円)197/429回(45.9%)138/405回(34.1%)85/381回(22.3%)0.64%
片道1円(往復2円)215/429回(50.1%)143/405回(35.3%)91/381回(23.9%)1.28%
片道1.5円(往復3円)228/429回(53.1%)148/405回(36.5%)97/381回(25.5%)1.92%
横にスクロールすると残りの列が見えます

2026年9月の米国債1年の利回り4.36%で見ると、往復の手数料は、片道0.25円で利息の0.9か月分、片道1円で3.5か月分、片道1.5円で5.3か月分にあたります。1年で円に戻すなら、手数料は利息の差と同じくらい効きます。

手数料の幅ごとの損益分岐点の早見表は外貨預金の損益分岐点の記事にあります。この記事では、実際の利回りを当てはめたときの割合の変化だけを載せました。

21円の1年国債と比べると

同じ月に、円のまま日本国債1年(財務省の利回り)を持った場合と比べました。円の国債の1年後の額を、外貨預金(米国債1年の利回りで計算)の円の額が下回った月を数えています。

預けた時期月数米国債1年(平均)日本国債1年(平均)外貨預金が円の国債を下回った月
1990〜1999年に預けた月120回5.36%2.556%74回(61.7%)
2000〜2009年に預けた月120回3.01%0.245%64回(53.3%)
2010〜2019年に預けた月120回0.74%−0.025%49回(40.8%)
2020〜2026年に預けた月69回2.79%0.029%6回(8.7%)
横にスクロールすると残りの列が見えます

全体では429回中193回(45.0%)で、円の1年国債のほうが多くなりました。日本国債1年の利回りがマイナスだった月が103か月あり、この時期は円の国債でもわずかに減っています。利回りの差は外貨預金の側が大きいのに、結果は半分近くで円の国債を下回りました。利回りの差を為替の動きが上回ったためです。

22物価を差し引くと

総務省の消費者物価指数(総合)で1年の物価の上がり方を差し引くと、外貨預金(利息込み・税の前)が物価に負けたのは428回中193回(45.1%)でした。円の1年国債では189回(44.2%)です。

負けた割合はほぼ同じでも、負け方が違います。負けた回の負け幅の中央値は、外貨預金が−5.8%、円の国債が−1.0%でした。円の国債は物価に少しずつ負け、外貨預金は為替で大きく負けることがある、という違いです。物価と預金の目減りは預金の目減りの記事で扱っています。

23円で大きく減った月・大きく増えた月

1年後の結果が悪かった10回と、良かった10回です。右端は100万円を預けた場合の増減です(税・手数料の前)。

預けた月ドル円米国債1年1年後のドル円為替だけ利息込み100万円なら
1998年8月144.68円5.21%113.23円−21.7%−17.7%−176,662円
2015年8月123.00円0.38%101.24円−17.7%−17.4%−173,858円
1998年9月134.48円4.71%106.88円−20.5%−16.8%−167,834円
2007年12月112.45円3.26%91.28円−18.8%−16.2%−161,813円
2015年7月123.31円0.30%104.19円−15.5%−15.3%−152,546円
1994年4月103.48円4.82%83.69円−19.1%−15.2%−152,337円
2015年9月120.15円0.37%101.78円−15.3%−15.0%−149,677円
1992年8月126.23円3.47%103.77円−17.8%−14.9%−149,435円
2015年6月123.72円0.28%105.35円−14.8%−14.6%−146,118円
2008年1月107.82円2.71%90.12円−16.4%−14.1%−141,479円
横にスクロールすると残りの列が見えます
預けた月ドル円米国債1年1年後のドル円為替だけ利息込み100万円なら
1995年4月83.69円6.27%107.20円+28.1%+36.1%+361,179円
1995年6月84.64円5.64%108.96円+28.7%+36.0%+360,042円
1995年5月85.11円6.00%106.34円+24.9%+32.4%+324,367円
1995年7月87.40円5.59%109.19円+24.9%+31.9%+319,256円
2021年9月110.16円0.08%143.28円+30.1%+30.2%+301,684円
2021年10月113.12円0.11%147.05円+30.0%+30.1%+301,412円
1997年6月114.29円5.69%140.33円+22.8%+29.8%+297,782円
1997年8月117.93円5.56%144.68円+22.7%+29.5%+295,105円
1997年7月115.38円5.54%140.79円+22.0%+28.8%+287,874円
2012年9月78.14円0.18%99.21円+27.0%+27.2%+271,953円
横にスクロールすると残りの列が見えます

円で減った月が続いたかたまりを、長い順に並べました。同じ時期に預けた人は、同じように減っています。

預けた月の範囲続いた月数その間のドル円最も悪い1年の結果
1992年2月〜1994年7月30回98.4〜133.5円−15.2%
2009年2月〜2011年2月25回81.7〜98.9円−11.5%
2007年1月〜2008年12月24回91.3〜122.7円−16.2%
1997年12月〜1999年7月20回113.3〜144.7円−17.7%
2002年9月〜2003年9月13回114.8〜123.9円−10.3%
2015年2月〜2016年2月13回114.6〜123.7円−17.4%
1990年1月〜1990年8月8回145.0〜158.5円−6.2%
2001年12月〜2002年6月7回123.3〜133.6円−8.7%
横にスクロールすると残りの列が見えます

直近5年(2021年9月〜2025年9月)に預けた49回では、減ったのは4回でした。円安が続いた期間で、過去全体の割合よりずっと低くなっています。期間の切り取り方で、印象は大きく変わります。

24100万円で、5年続けた場合の例

計算の流れを、5年の結果が出ている最も新しい月、2021年9月に100万円を預けた例でたどります。ドル円は110.16円で、100万円は9,077.62ドルになります。毎年、その時点の米国債1年の利回りで利息を付け、ドルのまま預け直します(税・手数料の前)。

年預け直した月その月の米国債1年その年の利息年末のドル年末のドル円円に戻した場合
1年目2021年9月0.08%7.00ドル9,084.63ドル143.28円1,301,684円
2年目2022年9月3.89%353.56ドル9,438.19ドル147.84円1,395,389円
3年目2023年9月5.44%513.06ドル9,951.25ドル142.95円1,422,571円
4年目2024年9月4.03%400.84ドル10,352.09ドル147.86円1,530,690円
5年目2025年9月3.66%378.94ドル10,731.02ドル156.42円1,678,515円
横にスクロールすると残りの列が見えます

5年後の円の額は1,678,515円で、為替の動きだけなら1,419,895円でした。差の258,620円が、5年分の利息が円で生んだ分です。1年ごとの利回りは同じではないので、同じ5年でも預けた時期によって利息の合計は大きく変わります。

25円高の局面に重なった回

ドル円が山から20%以上円高になった局面(3か月平均で数えた山と谷)ごとに、山の1年前から谷までに預けた回の結果を数えました。円で減った回は、この局面に集まっています。

円高の局面(山→谷)下げ幅数えた預け入れの範囲回数1年後に円で減った回山の水準に戻った月
1990年6月→1995年6月−46%1990年1月〜1995年6月66回43回(65.2%)2024年6月
1998年8月→2000年1月−27%1997年8月〜2000年1月30回20回(66.7%)2022年11月
2002年3月→2011年10月−42%2001年3月〜2011年10月128回81回(63.3%)2022年7月
横にスクロールすると残りの列が見えます

1年後に円で減った182回のうち144回(79.1%)が、この局面の範囲に入っていました。外貨預金で減るかどうかは、大きな円高の局面に当たるかどうかでほぼ決まってきた、ということです。局面がいつ来るかは、事前には分かりません。

26米国の政策金利が動いた年は

預けてからの1年で、FRBの政策金利(フェデラル・ファンド金利の誘導目標)が上がったか、下がったか、変わらなかったかで分けました。政策金利の変更日と水準は、FRBの公表している履歴によります。

預けた後の1年回数1年後に円で減った回割合1年のドル円の動き(中央値)
預けてからの1年で上げ158回57回36.1%+1.1%
預けてからの1年で変わらず105回35回33.3%+4.3%
預けてからの1年で下げ159回83回52.2%−4.0%
横にスクロールすると残りの列が見えます

政策金利が下がった年は、ドル円も円高に動いた回が多く、外貨預金は円で減りやすくなっていました。政策金利が下がると、預け直すときの利回りも下がります。ただし、政策金利がいつ下がるかは預ける時点では分からないので、この表は「振り返るとこうだった」という整理です。

27円で減った回は、続ければ戻ったか

1年後に円で減った182回について、そのまま毎年預け直していたら、何年後に預けた円を上回っていたかを数えました。

続けた期間数えた回数預けた円を上回った回割合
2年後まで預け直した182回52回28.6%
3年後まで預け直した178回92回51.7%
5年後まで預け直した178回130回73.0%
10年後まで預け直した157回140回89.2%
横にスクロールすると残りの列が見えます

続けた回の多くは、数年のうちに預けた円を上回りました。一方、10年続けても戻っていない回もあります。「待てば戻る」は、待つ間に円が必要にならないことと、その後に大きな円高が来ないことが前提です。

28ドル円だけで見ると、年代でどう違ったか

利息を除いた、ドル円の1年の動きだけで、円高だった回の割合を年代別に並べました(1971年からのFRBの月中平均)。右端は、その年代の最初と最後の月のドル円の変化です。

預けた年代回数1年後に円高だった回割合年代の最初→最後
1970年代108回66回61.1%−32.9%
1980年代120回69回57.5%−39.6%
1990年代120回78回65.0%−29.2%
2000年代120回75回62.5%−14.6%
2010年代120回62回51.7%+19.8%
2020年代69回8回11.6%+35.3%
横にスクロールすると残りの列が見えます

1970〜80年代は円高の回が多く、2010年代以降は円安の回が多くなっています。どの年代を含めるかで、外貨預金の「過去の成績」は大きく変わります。この記事の答えを1990年以降に絞ったのは、米国債1年の利回りのデータが1990年からだからです。

29使う時期ごとに、数字をどう読むか

同じ外貨預金でも、そのお金をいつ円で使うかで、見るべき数字が変わります。

反対に、生活費の備えや、近く支払いが決まっているお金を外貨預金に入れると、円高の局面に当たったときに円の額が足りなくなります。「やめとけ」と言われる多くの場面は、この使い方の組み合わせが合っていないときだと考えられます。

30外貨預金のメリット・デメリット

データで確かめられたことを、良い面と気をつける面に分けます。

「やめとけ」と一言で切るより、「1年で円が必要になるお金を入れると、約4割の月で減った」「為替の向きで結果がほぼ決まった」という数字で判断するほうが、手元のお金の事情に合わせやすいはずです。

31自分で確かめる手順

  1. 円に戻す時期を決める。1年後に必ず円が要るお金か、何年でも待てるお金かで、この記事のどの表を見るかが変わります。
  2. 預ける銀行のTTSとTTBを確かめる。差が往復の為替手数料です。手数料の節の表で、その幅が結果をどれだけ動かすかを見ます。
  3. 金利の条件を確かめる。高い金利が最初の数か月だけの優遇なのか、預け直しても続くのかで、利息の合計は大きく変わります。
  4. 耐えられる円高の幅を出す。利息(税引後)から手数料を引いた率が、1年で耐えられる円高のおおよその幅です。
  5. その幅を過去の動きと比べる。この記事の分布の表で、1年の円高がその幅を超えた回がどれだけあったかを見ます。

32この記事に出てくる言葉

月中平均
1か月のあいだの毎日の相場を平均した値。この記事のドル円は、FRBが公表している月中平均です。
米国債1年の利回り
満期まで1年の米国の国債を持ったときの年あたりの利回り。米国財務省が毎営業日に公表しています。
TTS・TTB
銀行が円をドルに替えるときの相場(TTS)と、ドルを円に戻すときの相場(TTB)。差が往復の為替手数料です。
円高・円安
1ドルが少ない円で買えるようになるのが円高、多くの円が要るようになるのが円安。円高になると、ドルを円に戻したときの額が減ります。
預け直し
満期を迎えた外貨定期預金を、元本と利息を合わせてドルのまま次の定期預金に入れること。この記事では1年ごとに、その時点の利回りで預け直すとしています。
順位相関
2つの数字の大小の並びがどれだけそろっているかを、−1〜1で表したもの。0に近いほど関係がありません。

33よくある質問

外貨預金は意味がないのですか。

ドルの額を増やす意味はあります。円で増えるかどうかは為替で決まり、過去の1年の結果では42.4%の月で円が減りました。何のためにドルを持つかで、意味の有無が変わります。

外貨預金はなぜ儲からないと言われるのですか。

為替手数料が往復でかかること、利息が20.315%の税で減ること、そして円高で利息以上に減る月が多いためです。この記事の計算は手数料と税の前なので、実際の結果はこれより悪くなります。

長期保有すれば損をしませんか。

1990年以降の月で見ると、毎年預け直して10年後に円で減った月は10.9%でした。割合は下がりますが、ゼロにはなっていません。

今は外貨預金で損をする時期ですか。

これから円高になるか円安になるかは分からないので、当サイトは答えられません。この記事で示したのは、円安の水準で始めた月の過去の結果だけです。

米国債1年の利回りは、外貨預金の金利と同じですか。

同じではありません。外貨預金の金利は銀行が決め、多くの場合これより低くなります。過去の預金金利の公的な系列が手元にないため、物差しとして使っています。

外貨預金は預金保険で守られますか。

対象外です(預金保険機構)。くわしくは外貨預金の損益分岐点の記事にまとめています。

円高のときに始めれば、減りにくいのですか。

過去の回では、前の3年の平均より10%以上円高の月に始めた回のほうが、1年後に減った割合は61.8%で、円安の月に始めた回(34.7%)と比べて低くはありませんでした。ただし、始めた月の水準だけで結果は決まっていません。

分けて預ければ損をしませんか。

損をしにくくなるわけではなく、結果のぶれが小さくなる効果です。12か月かけて分けて預け、それぞれ1年後に戻した場合でも、168回(40.2%)で円が減りました。

34この記事の数字は、どこから取ったか

使ったのは次の公表データだけです。

円の受取額は「(1+米国債1年の利回り)×1年後の月中平均÷預けた月の月中平均」で計算し、2年以上は1年ごとにその時点の利回りに入れ替えて掛け合わせました。月中平均は1か月の平均なので、実際に取引した日の相場とは違います。為替手数料は、手数料の節で例として置いた値だけです。預金保険と税の扱いは、預金保険機構と国税庁(タックスアンサーNo.1310、所得税基本通達35-1)の説明によります。

数字はすべて、ページを作るたびに上のデータから計算し直しています。日本銀行の統計、業界団体の数表、特定の金融機関や保険会社の資料の数字は使っていません。過去の計算は、これからの結果を示すものではありません。この記事は特定の商品や金融機関の勧誘ではありません。

投資がはじめての方へ:言葉 → 始める段 → 3つの質問 → 国債と比べる → 会社を確かめる5ステップを見る →

同じテーマの記事

外貨預金の記事全2本

外貨預金のページで全部見る

関連するページ

関連するページ

投資先を、同じ項目で比べる。

いくらから・元本は誰が守るか・途中で換金できるか・税金を、今月の国債と並べて見られます。

投資先の一覧へ →