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リートの圧縮記帳とは|57銘柄中28銘柄が直近2期に積立・取崩

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データの時点2026年10月19日取得J-REIT57銘柄の有価証券報告書(金銭の分配に係る計算書・貸借対照表)・毎週月曜に自動で更新

28銘柄57銘柄のうち、直近2期に動きがあった

J-REIT57銘柄の有報の「金銭の分配に係る計算書」(直近2期)を読むと、28銘柄が圧縮積立金(または圧縮特別勘定積立金)を積み立てたか、取り崩していました。積み立てた(繰り入れた)のは26銘柄、取り崩したのは13銘柄です。

積み立てた 26.026.0積み立てた取り崩した 13.013.0取り崩した両方 11.011.0両方残高がある 26.026.0残高がある
圧縮積立金の動きがあった銘柄の数(57銘柄、直近2期)
この記事に出てくる言葉REIT分配金・配当積立出資金

01先に結論

リートの「圧縮記帳」は、物件を売って出た利益の一部を、税の決まりを使って分配せずにためておく仕組みとして表れます。ためた分は「圧縮積立金」と呼ばれ、後の期に取り崩して分配に回すことができます。

圧縮積立金を積み立てるかどうかで、物件を売った期の分配金の大きさが変わります。この記事では、その動きを有報の数字で追います。

02圧縮記帳とは何か

  1. 物件を売る持っていた物件を売り、帳簿の価額より高く売れると売却益が出る
  2. 買い換える売ったお金で、別の物件を買う
  3. 積み立てる売却益の一部を圧縮積立金として、分配せずにためる
  4. 後で取り崩す後の期に取り崩して分配に回す。そのときに課税の対象になる

圧縮記帳は、会社が物件などを売って利益が出たときに、その利益にすぐ税がかからないようにする、税の決まりです。売った利益で別の資産を買い換えた場合などに、その利益の分だけ新しい資産の帳簿の価額を下げる(圧縮する)ことで、利益を差し引きゼロにし、税を後に回します。新しい資産の帳簿の価額が低くなるので、その後の減価償却費が小さくなり、税は少しずつ戻ってきます。税がなくなるのではなく、先に送られる仕組みです。

帳簿の価額を直接下げる代わりに、利益の中から「圧縮積立金」として積み立てる方法もあります(積立金方式)。資産の帳簿の価額はそのままで、純資産の中に積立金が残ります。J-REITの有報に出てくる圧縮積立金は、この積立金方式によるものです。

J-REITでよく使われるのは、租税特別措置法第65条の7(特定の資産の買換えの場合の課税の特例)です。長く持っていた不動産を売って、別の不動産に買い換えたときに使える特例で、有報の分配金の計算書にも、この条文を名指しする銘柄が多くあります。特例の細かい要件(持っていた年数・地域・買い換える資産の種類など)は、条文と国税庁の説明で確かめてください。

03リートに法人税がかからない理由

J-REIT(投資法人)は、利益の90%超を分配するなどの要件を満たすと、分配した額を税の計算で損金にでき、法人税がほぼかかりません(租税特別措置法第67条の15)。57銘柄のうち54銘柄が、分配金の計算書の「分配金の額の算出方法」でこの条文を名指ししていました。

実際の法人税等の負担率(法人税等÷税引前当期純利益)は、圧縮積立金を積み立てた銘柄で中央値0.016%、それ以外の銘柄で中央値0.034%でした。どちらも、法人税はほとんど払っていません。利益のほぼ全部を分配し、分配した分が損金になるためです。

分配の要件や法人税の負担率の分かれ方はリートの分配金と税金で、銘柄ごとに並べています。この記事では、その仕組みの中で「分配せずにためる」ときに何が起きるかを見ます。

04利益をためると、なぜ税が問題になるのか

リートが法人税をほぼ払わずに済むのは、利益を分配して損金にするからです。反対に、利益の一部を分配せずに手元に残すと、その分は損金にならず、法人税がかかります。リートが利益をためにくいのは、このためです。

ところが、物件を売って大きな売却益が出た期に、それを全部分配すると、その期だけ分配金が大きく増え、次の期からは元に戻ります。売ったお金で別の物件を買い換えたいときも、利益を全部配ると手元に残りません。

そこで使われるのが圧縮積立金です。買換えの特例の対象になる売却益なら、その一部を圧縮積立金として積み立てても、積み立てた分は税の計算で利益から差し引かれる(課税が先に送られる)ので、法人税がかかりません。リートは、税をかけずに売却益の一部をためられる、ということです。

このことは数字にも表れていて、圧縮積立金を積み立てた期の配当性向(分配金総額÷当期純利益)は中央値90.4%、積み立ても取り崩しもしていない期は中央値100.0%でした(34期と59期)。積み立てた期は、利益の一部を分配せずに残しているので、配当性向が100%を下回ります。それでも法人税の負担率は低いままです。

05積み立てた期の、利益と分配金

繰入をした40期について、当期純利益・分配金総額・繰入額と配当性向を並べました(配当性向の低い順)。

銘柄期当期純利益(億円)分配金総額(億円)圧縮積立金繰入額(億円)配当性向
ヒューリックリート25/8期60.1557.602.60—
ヒューリックリート26/2期60.5958.322.32—
三井不動産アコモデーションファンド26/2期63.5360.542.99—
大和証券リビング25/9期66.0764.426.61—
大和証券リビング26/3期68.6662.755.79—
ジャパンリアルエステイト26/3期186.05180.415.64—
日本リート25/12期66.5043.0223.6164.7%
日本リート25/6期60.7741.4619.3468.2%
東急リアル・エステート26/1期51.7738.4514.2974.3%
東急リアル・エステート25/7期48.8238.4511.2678.8%
平和不動産リート26/5期56.7749.932.1788.0%
アクティビア・プロパティーズ26/5期84.5676.138.2190.0%
福岡リート26/2期40.0536.063.9990.0%
グローバル・ワン不動産25/9期46.1341.524.7490.0%
グローバル・ワン不動産26/3期39.7535.794.1090.0%
ジャパンエクセレント25/12期43.5039.174.3390.1%
ジャパンエクセレント26/6期43.9939.614.3890.1%
大和証券オフィス26/5期79.1671.327.8490.1%
福岡リート25/8期40.5536.514.0390.1%
NTT都市開発リート26/4期51.1546.105.0590.1%
日本ビルファンド25/6期235.45212.1923.2690.1%
Oneリート25/8期24.7622.362.2790.2%
日本プライムリアルティ25/12期94.4685.459.4690.4%
日本プライムリアルティ26/6期96.0786.919.6590.4%
日本都市ファンド26/2期236.95216.2131.7791.3%
オリックス不動産26/2期144.04133.2510.8092.4%
日本都市ファンド25/8期216.97202.8314.1393.5%
サムティ・レジデンシャル26/1期32.6830.731.9594.0%
平和不動産リート25/11期52.0649.430.6894.9%
ジャパン・ホテル・リート25/12期271.45257.9518.1895.0%
森ヒルズリート26/1期61.2458.472.8295.4%
コンフォリア・レジデンシャル26/1期49.6947.522.4995.6%
森ヒルズリート25/7期60.9358.285.2795.6%
コンフォリア・レジデンシャル25/7期48.5346.482.0595.7%
日本ロジスティクスファンド25/7期60.9959.046.3996.8%
KDX不動産25/10期169.76165.8010.1497.6%
日本ロジスティクスファンド26/1期64.0663.165.3498.5%
KDX不動産26/4期170.40168.273.4898.7%
阪急阪神リート25/11期23.5823.560.1899.9%
星野リゾート・リート25/10期35.5535.600.01100.1%
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当期純利益から繰入額を引いた残りが、ほぼそのまま分配金総額になっている期が多く見られます。配当性向が100%を超えている期は、同じ期に別の積立金を取り崩したり、利益超過分配を加えたりしている期です。配当性向の推移を10期で見たい場合はリートの分配金と税金の表が使えます。

06有報のどこに出てくるか

圧縮積立金の動きは、有報の3か所で確かめられます。

見る場所書かれること
金銭の分配に係る計算書その期の「圧縮積立金繰入額」「圧縮積立金取崩額」と、分配金の額の算出方法(根拠の条文)
貸借対照表(純資産の部)任意積立金の中の「圧縮積立金」の残高
投資主資本等変動計算書期中の積立・取崩による残高の増減
分配方針圧縮積立金を積み立てたり取り崩したりできる、という定め

例として、直近期の繰入額が最も大きかった日本都市ファンドは、直近期に圧縮積立金繰入額31.8億円を計上しています。

計算書の表は、銘柄によって行の並びや書き方が違います。当サイトは57銘柄の計算書を機械で読み、前期・当期の繰入額と取崩額を取り出しました。読み取った前期の額は、貸借対照表の圧縮積立金の残高の増減(当期末−前期末)と合うことを確かめています(前期の計算書で決めた繰入・取崩が、当期の残高に表れるため)。

07根拠に挙げられた条文

分配金の計算書の本文で、積立金の根拠として名指しされた条文などを数えました(1銘柄で複数あれば、それぞれ数えています)。

書かれていた言葉銘柄数
租税特別措置法第65条の720
買換特例3
租税特別措置法第65条の83
法人税法第47条1

第65条の7は買換えの特例、第65条の8は、売った年には買い換える資産をまだ取得していない場合に、取得するまでのあいだ「特別勘定」として積み立てておく特例です。法人税法第47条は、保険金で建物などを取得したときの圧縮額についての定めで、災害などで保険金を受け取った銘柄が使います。

08直近2期に積み立て・取り崩した銘柄

28銘柄の、前期と当期の繰入額と取崩額です(合計の大きい順)。圧縮特別勘定積立金の積立・取崩も含めています。

銘柄前期繰入額(億円)取崩額(億円)当期繰入額(億円)取崩額(億円)
日本都市ファンド25/8期14.13—26/2期31.77—
日本リート25/6期19.340.0425/12期23.610.14
日本ビルファンド25/6期23.26—25/12期—19.27
東急リアル・エステート25/7期11.26—26/1期14.29—
日本プライムリアルティ25/12期9.46—26/6期9.65—
ジャパン・ホテル・リート24/12期——25/12期18.18—
KDX不動産25/10期10.14—26/4期3.48—
大和証券リビング25/9期6.61—26/3期5.79—
NTT都市開発リート25/10期—7.2726/4期5.05—
日本ロジスティクスファンド25/7期6.39—26/1期5.34—
オリックス不動産25/8期—0.3326/2期10.80—
森ヒルズリート25/7期5.272.6126/1期2.82—
グローバル・ワン不動産25/9期4.740.1326/3期4.100.13
ジャパンエクセレント25/12期4.330.0026/6期4.380.00
アクティビア・プロパティーズ25/11期——26/5期8.21—
福岡リート25/8期4.03—26/2期3.99—
大和証券オフィス25/11期——26/5期7.84—
ジャパンリアルエステイト25/9期—0.5826/3期5.64—
ヒューリックリート25/8期2.60—26/2期2.32—
コンフォリア・レジデンシャル25/7期2.05—26/1期2.490.32
ユナイテッド・アーバン25/11期—3.2326/5期——
三井不動産アコモデーションファンド25/8期——26/2期2.99—
平和不動産リート25/11期0.68—26/5期2.17—
Oneリート25/8期2.27—26/2期——
サムティ・レジデンシャル25/7期——26/1期1.95—
阪急阪神リート25/11期0.180.1526/5期—0.08
星野リゾート・リート25/10期0.010.0526/4期—0.05
森トラストリート25/8期—0.0326/2期—0.03
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同じ銘柄が、ある期に積み立て、別の期に取り崩していることもあります。積み立てた期は分配金を抑え、取り崩した期は分配金を上乗せする形です。

09積み立てた額は、売却益の何割か

繰入額と、同じ期の損益計算書の「不動産等売却益」を比べました。両方が分かる35件です。

銘柄期不動産等売却益(億円)圧縮積立金繰入額(億円)売却益に対する割合
サムティ・レジデンシャル26/1期12.971.9515%
日本リート25/6期24.5319.3479%
日本リート25/12期31.2123.6176%
ヒューリックリート25/8期13.472.6019%
ヒューリックリート26/2期8.702.3227%
Oneリート25/8期8.282.2727%
星野リゾート・リート25/10期1.590.011%
コンフォリア・レジデンシャル25/7期3.702.0555%
コンフォリア・レジデンシャル26/1期3.892.4964%
ジャパンエクセレント25/12期5.574.3378%
ジャパンエクセレント26/6期6.844.3864%
大和証券リビング25/9期20.266.6133%
大和証券リビング26/3期24.595.7924%
阪急阪神リート25/11期0.810.1822%
大和証券オフィス26/5期14.937.8453%
KDX不動産25/10期15.8910.1464%
KDX不動産26/4期9.473.4837%
福岡リート25/8期8.754.0346%
福岡リート26/2期6.393.9963%
日本ロジスティクスファンド25/7期5.906.39108%
日本ロジスティクスファンド26/1期15.125.3435%
平和不動産リート25/11期21.340.683%
平和不動産リート26/5期25.002.179%
グローバル・ワン不動産25/9期27.544.7417%
グローバル・ワン不動産26/3期20.054.1020%
東急リアル・エステート25/7期19.8711.2657%
東急リアル・エステート26/1期24.8714.2957%
NTT都市開発リート26/4期12.395.0541%
日本プライムリアルティ25/12期18.869.4650%
日本プライムリアルティ26/6期17.979.6554%
オリックス不動産26/2期27.4410.8039%
日本都市ファンド25/8期47.7514.1330%
日本都市ファンド26/2期66.4131.7748%
ジャパンリアルエステイト26/3期56.275.6410%
日本ビルファンド25/6期48.4823.2648%
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売却益に対する割合件数
50%未満21件
50〜75%10件
75〜85%3件
85〜100%0件
100%超1件

中央値は41%でした。売却益のすべてを積み立てる銘柄は少なく、多くは一部を積み立て、残りは分配に回しています。積み立てられる額の上限は、買換えの特例の定めで決まります。繰入をした期に、損益計算書に不動産等売却益が見当たらなかった件も5件ありました。前の期の売却に伴う積立や、交換による利益など、別の科目で計上された利益に対する積立と考えられます。

101口あたりの分配金に、どれだけ効いたか

繰入額と取崩額を、その期の発行済投資口の数で割り、1口あたりに直しました。「繰入の割合」は、繰入をしなければ分配できた額(1口当たり分配金+1口あたりの繰入額)のうち、積み立てに回した割合です。

銘柄期1口当たり分配金(円)1口あたりの繰入額(円)繰入の割合1口あたりの取崩額(円)分配金に対する取崩の割合
サムティ・レジデンシャル26/1期3,6042296.0%——
日本リート25/6期2,3451,09431.8%20.1%
日本リート25/12期2,4331,33535.4%80.3%
ヒューリックリート25/8期4,0001814.3%——
ヒューリックリート26/2期4,0501613.8%——
Oneリート25/8期8,3298469.2%——
星野リゾート・リート25/10期6,07710.0%80.1%
星野リゾート・リート26/4期6,832——80.1%
コンフォリア・レジデンシャル25/7期5,9572624.2%——
コンフォリア・レジデンシャル26/1期6,1153205.0%410.7%
アクティビア・プロパティーズ26/5期3,2043469.7%——
森ヒルズリート25/7期3,0902808.3%1394.5%
森ヒルズリート26/1期3,1001494.6%——
三井不動産アコモデーションファンド26/2期2,4051194.7%——
ジャパンエクセレント25/12期3,03633610.0%00.0%
ジャパンエクセレント26/6期3,07033910.0%00.0%
大和証券リビング25/9期2,7002779.3%——
大和証券リビング26/3期2,6302428.4%——
ジャパン・ホテル・リート25/12期5,0613576.6%——
阪急阪神リート25/11期3,389260.8%220.6%
阪急阪神リート26/5期3,300——110.3%
大和証券オフィス26/5期7,6308399.9%——
KDX不動産25/10期4,1052515.8%——
KDX不動産26/4期4,166862.0%——
福岡リート25/8期4,2034649.9%——
福岡リート26/2期4,15146010.0%——
日本ロジスティクスファンド25/7期2,1502339.8%——
日本ロジスティクスファンド26/1期2,3001947.8%——
平和不動産リート25/11期3,950541.4%——
平和不動産リート26/5期3,9901734.2%——
森トラストリート25/8期1,854——10.0%
森トラストリート26/2期1,837——10.0%
ユナイテッド・アーバン25/11期4,142——1062.5%
グローバル・ワン不動産25/9期4,27148810.2%140.3%
グローバル・ワン不動産26/3期3,68142210.3%140.4%
東急リアル・エステート25/7期4,0001,17122.6%——
東急リアル・エステート26/1期4,0001,48627.1%——
NTT都市開発リート25/10期3,140——49515.8%
NTT都市開発リート26/4期3,1403449.9%——
日本プライムリアルティ25/12期2,11123410.0%——
日本プライムリアルティ26/6期2,14723810.0%——
オリックス不動産25/8期4,540——120.3%
オリックス不動産26/2期2,4141967.5%——
日本都市ファンド25/8期2,8201976.5%——
日本都市ファンド26/2期3,00644212.8%——
ジャパンリアルエステイト25/9期2,511——80.3%
ジャパンリアルエステイト26/3期2,536793.0%——
日本ビルファンド25/6期2,4952739.9%——
日本ビルファンド25/12期2,454——2239.1%
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繰入の割合は中央値8.8%、最も大きい期で35.4%でした。売却益を全部分配していれば、その期の1口当たり分配金はその分だけ大きくなっていた計算です。取り崩した期の上乗せは、中央値で1口当たり分配金の0.3%でした。

積み立てた分は、なくなったわけではありません。投資法人の純資産の中に残り、後の期に取り崩されれば、そのときの分配金に加わります。分配金を「いま受け取るか、後で受け取るか」の違いで、そのあいだに物件の買換えに使われます。

11売却益が出たのに、積み立てなかった期

反対に、損益計算書に不動産等売却益があるのに、圧縮積立金を積み立てなかった期もあります。27銘柄の41期でした(売却益の大きい順)。

銘柄期不動産等売却益(億円)当期純利益に占める売却益配当性向
積水ハウス・リート26/4期77.3464%100.0%
積水ハウス・リート25/10期52.1955%100.0%
GLP25/8期44.8728%100.0%
大和ハウスリート25/8期43.3329%100.0%
三井不動産ロジスティクスパーク26/1期39.5844%117.3%
ジャパンリアルエステイト25/9期38.9622%—
GLP26/2期35.9624%100.0%
野村不動産マスターファンド25/8期33.2421%—
産業ファンド26/1期31.8829%100.1%
大和ハウスリート26/2期22.3418%100.5%
ユナイテッド・アーバン26/5期17.9312%100.5%
三井不動産ロジスティクスパーク25/7期17.775%33.1%
アドバンス・レジデンス26/1期16.7318%99.6%
アドバンス・レジデンス25/7期16.6518%99.6%
ラサールロジポート25/8期15.6624%100.0%
オリックス不動産25/8期14.7712%100.2%
NTT都市開発リート25/10期12.2932%118.7%
大和証券オフィス25/11期12.2616%100.0%
ユナイテッド・アーバン25/11期12.2210%103.2%
いちごオフィスリート25/10期10.9426%100.0%
ラサールロジポート26/2期10.2017%100.0%
産業ファンド25/7期10.1411%94.9%
いちごオフィスリート26/4期5.2014%100.0%
SOSiLA物流リート25/11期4.5623%100.0%
スターアジア不動産25/7期4.429%100.2%
MIRARTH不動産25/8期4.2516%94.0%
MIRARTH不動産26/2期3.2813%98.3%
CREロジスティクスファンド26/6期3.2114%100.0%
イオンリート25/7期2.974%100.0%
いちごホテルリート25/7期2.9621%100.0%
スターアジア不動産26/1期2.736%100.0%
サムティ・レジデンシャル25/7期2.3211%100.0%
CREロジスティクスファンド25/12期2.089%100.0%
Oneリート26/2期1.719%99.9%
日本ホテル&レジデンシャル25/11期1.5120%100.0%
いちごホテルリート26/1期1.3410%100.0%
みらい25/10期0.522%99.4%
サンケイリアルエステート25/8期0.444%100.0%
スターツプロシード25/10期0.353%100.0%
東海道リート25/7期0.222%100.0%
東海道リート26/1期0.212%100.0%
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この期の売却益は、ほぼ全部が分配に回っています。売った物件が買換えの特例の要件に当たらなかったのか、要件に当たっても積み立てずに分配することを選んだのかは、計算書からは分かりません。売却益を分配に回した期は、その期だけ1口当たり分配金が大きくなりやすく、次の期に元の水準に戻ることがあります。

12積み立てた期の分配金は、前の期より増えたか

繰入をした期の1口当たり分配金(分割を調整)を、その前の期と比べました(40期)。変化率の中央値は+1.5%で、増えた期が26期、ほぼ同じが7期、減った期が7期でした。

売却益の一部を積み立てても、残りを分配に回すので、分配金は前の期より増えることが多くなります。積み立てることで、売却益がその期の分配金を押し上げる幅を小さくしている、と読めます。売却益を一度に全部配るより、何期かに分けて配るほうが、分配金の上下は小さくなります。

13取り崩し方の2つの形

取り崩しには、2つの形が見られました。1つは、毎期ほぼ同じ額を少しずつ取り崩す形で、前期と当期の取崩額がほぼ同じだった銘柄は4銘柄です(星野リゾート・リート・ジャパンエクセレント・森トラストリート・グローバル・ワン不動産)。買い換えた建物の減価償却に合わせて取り崩す銘柄に見られる形と考えられます。

もう1つは、ある期にまとめて取り崩す形で、9銘柄が当てはまりました。物件を売った期や、利益が落ちた期に、分配金を保つために取り崩すことがあります。取り崩した理由は、計算書の「分配金の額の算出方法」や、決算説明資料に書かれていることがあります。

14残高は、分配金の何期分か

貸借対照表に圧縮積立金の残高がある26銘柄について、残高を直近期の分配金総額で割りました。「全部を取り崩したら、何期分の分配金になるか」の目安です。

残高÷直近期の分配金総額銘柄数
0.05期分未満1
0.05〜0.1期分2
0.1〜0.25期分8
0.25〜0.5期分9
0.5期分以上6
銘柄分配金の何期分1口あたりの残高(円)直近期の1口当たり分配金(円)1口当たり純資産に対する割合
日本ビルファンド0.882,1722,4542.58%
日本プライムリアルティ0.711,5282,1472.16%
森トラストリート0.651,1851,8371.80%
ジャパンエクセレント0.601,8463,0701.62%
グローバル・ワン不動産0.511,8633,6811.81%
東急リアル・エステート0.502,0104,0001.55%
大和証券オフィス0.463,5377,6301.36%
ジャパンリアルエステイト0.451,1512,5361.51%
KDX不動産0.431,8024,1661.15%
森ヒルズリート0.331,0283,1000.96%
NTT都市開発リート0.309433,1400.94%
コンフォリア・レジデンシャル0.301,8356,1152.65%
日本ロジスティクスファンド0.296782,3001.32%
福岡リート0.271,1024,1510.84%
オリックス不動産0.266312,4140.98%
Oneリート0.235392,3860.70%
日本リート0.225362,4330.71%
大和証券リビング0.215452,6300.69%
阪急阪神リート0.186023,3000.48%
三井不動産アコモデーションファンド0.184232,4050.70%
日本都市ファンド0.174993,0060.55%
アクティビア・プロパティーズ0.144563,2040.40%
平和不動産リート0.135353,9900.50%
星野リゾート・リート0.096266,8320.25%
ヒューリックリート0.073014,0500.21%
ジャパン・ホテル・リート0.052315,0610.40%
横にスクロールすると残りの列が見えます

中央値は0.28期分でした。多くの銘柄では、残高は分配金の1期分に満たない大きさです。取り崩しで分配金を保てるのは、一時的な落ち込みを埋める程度だということが分かります。残高の大きさそのものはリートの分配金と税金の「ためている利益」の節に並べています。

15残高は、増えているか

貸借対照表の圧縮積立金の残高を、前期末と当期末で比べると、増えた銘柄が15銘柄、減った銘柄が5銘柄、変わらなかった銘柄が6銘柄でした。前期末から当期末への増減は、前期の計算書で決めた繰入と取崩の結果です。

1口あたりの残高を1口当たり純資産と比べると、中央値で0.95%でした。純資産のうち、圧縮積立金として残っている部分はごく一部です。純資産の大半は投資主が出した出資金で、圧縮積立金は過去の売却益の一部がたまったものにすぎません。

16圧縮特別勘定積立金とは

計算書に「圧縮特別勘定積立金」が出てくる銘柄は4銘柄でした(森ヒルズリート・三井不動産アコモデーションファンド・阪急阪神リート・日本ロジスティクスファンド)。

買換えの特例は、売った資産の代わりの資産を買ったときに使うものです。売った期にはまだ代わりの資産を買っていないとき、取得の予定があれば、売却益の一部を「特別勘定」として積み立てておき、実際に買い換えたときに圧縮積立金に移す、という方法があります(租税特別措置法第65条の8)。特別勘定は、買い換える前の「待ち」の積立金です。

買い換えの期限までに資産を取得しなかった場合は、特別勘定を取り崩して利益に戻すことになります。特別勘定の取崩額が計算書に出てくるのは、そうした場合や、圧縮積立金に移した場合です。

17分配方針に、どう書かれているか

有報の分配方針の中で、積み立てることができる積立金として圧縮積立金を挙げている銘柄は13銘柄でした。書き方は「圧縮積立金」が8銘柄、「買換特例圧縮積立金」が7銘柄です(重なりあり)。有報の本文全体で「圧縮積立金」という言葉が出てくる銘柄は39銘柄でした。

多くの銘柄は「運用資産の維持又は価値向上に必要と認められる長期修繕積立金、支払準備金、分配準備積立金、圧縮積立金…を積み立て、又は留保その他の処理を行うことができます」という形で、積み立てられる積立金の1つとして挙げています。分配方針に書いてあることは、積み立てる「ことができる」という定めで、毎期積み立てるという意味ではありません。

18利益超過分配との関係

利益超過分配は、その期の利益を超えて、出資の払い戻しにあたるお金を分配することです。直近期に利益超過分配をしていた15銘柄のうち、圧縮積立金の残高がある銘柄は0銘柄でした。圧縮積立金の残高を持ちながら利益超過分配をしている銘柄は、1つもなかったということです。

ある銘柄は、分配方針に「圧縮積立金その他の内部留保が存在する場合には、利益超過分配を行わない(内部留保を全額取り崩す場合を除く)」と書いています。ためた利益があるのに、出資を払い戻す形で分配するのは順序が逆だ、という考え方です。圧縮積立金の取崩しは「ためた利益」からの分配、利益超過分配は「出資」からの分配で、投資主の税の扱いも違います。

利益超過分配のうち出資の払い戻しにあたる部分は、受け取った人の側では配当所得ではなく、投資口の取得価額を減らすなどの扱いになります。詳しい扱いは各銘柄の有報の「課税上の取扱い」に書かれています。

19どんな銘柄が積み立てているか

直近2期に繰入をした銘柄を、物件の用途の分類で数えました。

分類全体の銘柄数繰入をした銘柄割合
複合241250%
物流特化9111%
オフィス特化8788%
ホテル特化6233%
住宅特化6350%
商業特化3133%
ヘルスケア特化100%
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繰入をした26銘柄のうち、総資産が全銘柄の中央値以上の銘柄は16銘柄でした。圧縮積立金は、物件を売って入れ替える銘柄が使うものなので、物件の数が多く、入れ替えを続けている大きな銘柄に多く見られます。

上場の時期で分けると、次のとおりです。

上場の時期銘柄数繰入をした銘柄割合
2005年以前171482%
2006〜2012年12650%
2013〜2018年23626%
2019年以降500%
横にスクロールすると残りの列が見えます

上場の古い銘柄ほど、繰入をした銘柄の割合が高くなっています。取得した時期が古い物件を多く持つ銘柄ほど、売ったときの売却益が大きくなりやすく、買換えの特例の対象になる長く持った物件も多いためと考えられます。

20ほかの積立金との違い

J-REITの純資産の部には、圧縮積立金のほかにも積立金が出てきます。名前が似ているので、違いを整理します。

積立金どこから生まれるか取り崩したとき
圧縮積立金物件の売却益の一部(買換えの特例など)その期の分配に加えられる
圧縮特別勘定積立金買い換える前の売却益の一部買い換えたときに圧縮積立金に移るか、利益に戻る
一時差異等調整積立金合併で生じた負ののれんなど、会計と税のずれから生まれた利益少しずつ取り崩して分配に回すことが多い
分配準備積立金・任意積立金利益の一部を、規約に基づいてためたもの分配金を保つために使われる

有報の本文で「一時差異等調整引当額」に触れている銘柄は57銘柄でした。圧縮積立金と違い、一時差異等調整の積立金や引当額は、物件の売却ではなく、会計と税の計算のずれから生まれます。取崩額を分配金に「加算した」と計算書に書いている銘柄は、取り崩した13銘柄のうち12銘柄でした。

21帳簿と税のずれは、どう残るか

積立金方式の圧縮記帳では、会計の帳簿では建物の価額はそのままですが、税の計算の上では、その分だけ価額が低いものとして扱われます。そのため、その後の期の減価償却費は、会計と税で差が出ます。この差を埋めるために、毎期少しずつ圧縮積立金を取り崩して税の計算の利益に戻す、という処理が行われます。

J-REITでは、その取崩額を分配に回すことで、税がかからない形を保つことができます。毎期ほぼ同じ額を取り崩している銘柄があるのは、このためと考えられます。買い換えた物件を売るときには、残っている圧縮積立金をまとめて取り崩すことになります。

22銘柄ごとの圧縮積立金の動き

直近2期に動きのあった28銘柄の、積立・取崩、売却益、残高、根拠の条文です(証券コード順)。

三井不動産アコモデーションファンド 当期(26/2期)は3.0億円を積み立て。直近期末の圧縮積立金の残高は10.6億円(分配金総額の0.18期分)。

森ヒルズリート 前期(25/7期)は5.3億円を積み立て、2.6億円を取り崩し。当期(26/1期)は2.8億円を積み立て。直近期末の圧縮積立金の残高は19.4億円(分配金総額の0.33期分)。計算書で第65条の7を根拠に挙げている。

アクティビア・プロパティーズ 当期(26/5期)は8.2億円を積み立て。直近期末の圧縮積立金の残高は10.8億円(分配金総額の0.14期分)。計算書で第65条の7を根拠に挙げている。

コンフォリア・レジデンシャル 前期(25/7期)は2.0億円を積み立て。当期(26/1期)は2.5億円を積み立て、3,206万円を取り崩し。不動産等売却益は前期3.7億円・当期3.9億円。直近期末の圧縮積立金の残高は14.3億円(分配金総額の0.30期分)。計算書で第65条の7を根拠に挙げている。

星野リゾート・リート 前期(25/10期)は81万円を積み立て、480万円を取り崩し。当期(26/4期)は480万円を取り崩し。不動産等売却益は前期1.6億円。直近期末の圧縮積立金の残高は3.7億円(分配金総額の0.09期分)。計算書で法人税法第47条を根拠に挙げている。

Oneリート 前期(25/8期)は2.3億円を積み立て。不動産等売却益は前期8.3億円・当期1.7億円。直近期末の圧縮積立金の残高は4.3億円(分配金総額の0.23期分)。計算書で第65条の8を根拠に挙げている。

ヒューリックリート 前期(25/8期)は2.6億円を積み立て。当期(26/2期)は2.3億円を積み立て。不動産等売却益は前期13.5億円・当期8.7億円。直近期末の圧縮積立金の残高は4.3億円(分配金総額の0.07期分)。計算書で第65条の7を根拠に挙げている。

日本リート 前期(25/6期)は19.3億円を積み立て、416万円を取り崩し。当期(25/12期)は23.6億円を積み立て、1,429万円を取り崩し。不動産等売却益は前期24.5億円・当期31.2億円。直近期末の圧縮積立金の残高は9.5億円(分配金総額の0.22期分)。計算書で第65条の7を根拠に挙げている。

サムティ・レジデンシャル 当期(26/1期)は2.0億円を積み立て。不動産等売却益は前期2.3億円・当期13.0億円。

日本ビルファンド 前期(25/6期)は23.3億円を積み立て。当期(25/12期)は19.3億円を取り崩し。不動産等売却益は前期48.5億円。直近期末の圧縮積立金の残高は187.8億円(分配金総額の0.88期分)。計算書で第65条の7を根拠に挙げている。

ジャパンリアルエステイト 前期(25/9期)は5,844万円を取り崩し。当期(26/3期)は5.6億円を積み立て。不動産等売却益は前期39.0億円・当期56.3億円。直近期末の圧縮積立金の残高は81.9億円(分配金総額の0.45期分)。計算書で第65条の7を根拠に挙げている。

日本都市ファンド 前期(25/8期)は14.1億円を積み立て。当期(26/2期)は31.8億円を積み立て。不動産等売却益は前期47.7億円・当期66.4億円。直近期末の圧縮積立金の残高は35.9億円(分配金総額の0.17期分)。

オリックス不動産 前期(25/8期)は3,300万円を取り崩し。当期(26/2期)は10.8億円を積み立て。不動産等売却益は前期14.8億円・当期27.4億円。直近期末の圧縮積立金の残高は34.8億円(分配金総額の0.26期分)。計算書で第65条の7を根拠に挙げている。

日本プライムリアルティ 前期(25/12期)は9.5億円を積み立て。当期(26/6期)は9.6億円を積み立て。不動産等売却益は前期18.9億円・当期18.0億円。直近期末の圧縮積立金の残高は61.9億円(分配金総額の0.71期分)。計算書で第65条の7を根拠に挙げている。

NTT都市開発リート 前期(25/10期)は7.3億円を取り崩し。当期(26/4期)は5.0億円を積み立て。不動産等売却益は前期12.3億円・当期12.4億円。直近期末の圧縮積立金の残高は13.8億円(分配金総額の0.30期分)。計算書で第65条の7を根拠に挙げている。

東急リアル・エステート 前期(25/7期)は11.3億円を積み立て。当期(26/1期)は14.3億円を積み立て。不動産等売却益は前期19.9億円・当期24.9億円。直近期末の圧縮積立金の残高は19.3億円(分配金総額の0.50期分)。計算書で第65条の7を根拠に挙げている。

グローバル・ワン不動産 前期(25/9期)は4.7億円を積み立て、1,339万円を取り崩し。当期(26/3期)は4.1億円を積み立て、1,339万円を取り崩し。不動産等売却益は前期27.5億円・当期20.0億円。直近期末の圧縮積立金の残高は18.1億円(分配金総額の0.51期分)。

ユナイテッド・アーバン 前期(25/11期)は3.2億円を取り崩し。不動産等売却益は前期12.2億円・当期17.9億円。

森トラストリート 前期(25/8期)は309万円を取り崩し。当期(26/2期)は309万円を取り崩し。直近期末の圧縮積立金の残高は42.2億円(分配金総額の0.65期分)。計算書で第65条の7を根拠に挙げている。

平和不動産リート 前期(25/11期)は6,769万円を積み立て。当期(26/5期)は2.2億円を積み立て。不動産等売却益は前期21.3億円・当期25.0億円。直近期末の圧縮積立金の残高は6.7億円(分配金総額の0.13期分)。計算書で第65条の7を根拠に挙げている。

日本ロジスティクスファンド 前期(25/7期)は6.4億円を積み立て。当期(26/1期)は5.3億円を積み立て。不動産等売却益は前期5.9億円・当期15.1億円。直近期末の圧縮積立金の残高は18.6億円(分配金総額の0.29期分)。計算書で第65条の7・第65条の8を根拠に挙げている。

福岡リート 前期(25/8期)は4.0億円を積み立て。当期(26/2期)は4.0億円を積み立て。不動産等売却益は前期8.8億円・当期6.4億円。直近期末の圧縮積立金の残高は9.6億円(分配金総額の0.27期分)。計算書で第65条の7を根拠に挙げている。

KDX不動産 前期(25/10期)は10.1億円を積み立て。当期(26/4期)は3.5億円を積み立て。不動産等売却益は前期15.9億円・当期9.5億円。直近期末の圧縮積立金の残高は72.8億円(分配金総額の0.43期分)。計算書で第65条の7を根拠に挙げている。

大和証券オフィス 当期(26/5期)は7.8億円を積み立て。不動産等売却益は前期12.3億円・当期14.9億円。直近期末の圧縮積立金の残高は33.1億円(分配金総額の0.46期分)。計算書で第65条の7を根拠に挙げている。

阪急阪神リート 前期(25/11期)は1,790万円を積み立て、1,502万円を取り崩し。当期(26/5期)は779万円を取り崩し。不動産等売却益は前期8,147万円。直近期末の圧縮積立金の残高は4.2億円(分配金総額の0.18期分)。計算書で第65条の7を根拠に挙げている。

ジャパン・ホテル・リート 当期(25/12期)は18.2億円を積み立て。直近期末の圧縮積立金の残高は11.7億円(分配金総額の0.05期分)。計算書で第65条の8を根拠に挙げている。

大和証券リビング 前期(25/9期)は6.6億円を積み立て。当期(26/3期)は5.8億円を積み立て。不動産等売却益は前期20.3億円・当期24.6億円。直近期末の圧縮積立金の残高は13.0億円(分配金総額の0.21期分)。計算書で第65条の7を根拠に挙げている。

ジャパンエクセレント 前期(25/12期)は4.3億円を積み立て、16万円を取り崩し。当期(26/6期)は4.4億円を積み立て、16万円を取り崩し。不動産等売却益は前期5.6億円・当期6.8億円。直近期末の圧縮積立金の残高は23.8億円(分配金総額の0.60期分)。計算書で第65条の7を根拠に挙げている。

23持っている銘柄の圧縮積立金を確かめる手順

  1. 有報の「金銭の分配に係る計算書」を開く。「圧縮積立金繰入額」「圧縮積立金取崩額」の行があれば、その期に積み立てたか取り崩しています。
  2. 「分配金の額の算出方法」を読む。どの条文で積み立てたか、取崩額を分配に加えたかが書かれています。
  3. 損益計算書の「不動産等売却益」を見る。繰入をした期に売却益があれば、売却益の一部をためたことが分かります。
  4. 貸借対照表の純資産の部で、圧縮積立金の残高を見る。残高を分配金総額で割ると、何期分の分配金にあたるかが分かります。
  5. 決算説明資料で、分配金の予想の前提を見る。取崩しを予定しているかどうかが書かれていることがあります。

24この記事で分からないこと

25この記事に出てくる言葉

圧縮記帳
売却益などにすぐ税がかからないよう、新しい資産の帳簿の価額を下げるなどして、課税を先に送る仕組みです。
圧縮積立金
圧縮記帳を、帳簿の価額を下げる代わりに積立金として行ったもの。純資産の中に残ります。
繰入・取崩
積立金に入れること(繰入)と、積立金から出して利益に戻すこと(取崩)です。
圧縮特別勘定積立金
買い換える資産をまだ取得していないときに、取得までのあいだ積み立てておく積立金です。
金銭の分配に係る計算書
その期の利益から、分配金の額・積立金・次期への繰越を決めた表。有報に載ります。
配当性向
分配金総額÷当期純利益。J-REITでは100%前後が多く、積み立てた期は下がります。
利益超過分配
その期の利益を超えて分配する部分。出資の払い戻しにあたります。
買換えの特例
長く持っていた資産を売って別の資産に買い換えたとき、売却益への課税を先に送れる税の特例です(租税特別措置法第65条の7)。
不動産等売却益
物件を帳簿の価額より高く売ったときの利益。損益計算書の営業収益に入ります。
導管性の要件
利益の90%超を分配するなど、投資法人が分配額を損金にするための要件です(租税特別措置法第67条の15)。

26よくある質問

リートの圧縮積立金とは何ですか。

物件を売って出た利益の一部を、税の特例を使って分配せずにためたものです。積み立てた分には、その期は法人税がかかりません。後の期に取り崩して分配に回すことができます。

圧縮積立金があると、分配金は減りますか。

積み立てた期は、その分だけ分配金が小さくなります。この記事の集計では、繰入をしなければ分配できた額のうち、中央値8.8%を積み立てに回していました。取り崩した期は、反対に分配金が上乗せされます。

リートには、なぜ法人税がかからないのですか。

利益の90%超を分配するなどの要件を満たすと、分配した額を損金にでき、法人税がほぼかからないためです(租税特別措置法第67条の15)。

圧縮積立金と利益超過分配は、どう違いますか。

圧縮積立金の取崩しは、過去にためた利益から分配するものです。利益超過分配は、利益を超えて出資の払い戻しにあたる分を分配するもので、投資主の税の扱いも違います。

圧縮積立金の残高が大きい銘柄は、分配金が安定しますか。

取り崩して分配金を保つ余地はありますが、残高は分配金総額の中央値0.28期分で、多くは1期分に満たない大きさでした。長く分配金を支えられる大きさではありません。

売却益が出ても、圧縮積立金を積み立てない銘柄があるのはなぜですか。

売った物件が特例の要件に当たらない場合や、積み立てずに分配することを選んだ場合です。この記事の集計では、売却益があったのに積み立てなかった期が41期ありました。理由は計算書からは分かりません。

圧縮積立金の残高は、純資産のどのくらいですか。

1口あたりの残高を1口当たり純資産と比べると、中央値で0.95%でした。純資産の大半は出資金で、圧縮積立金はその一部です。

圧縮積立金がある銘柄は、物件を売ったことがある銘柄ですか。

多くはそうです。圧縮積立金は、物件の売却益を買換えの特例などで積み立てたものだからです。ただし、保険金で建物を取得したときの圧縮など、売却以外の理由による積立もあります。

圧縮積立金は、いつ取り崩されますか。

銘柄によって違います。この記事の集計では、毎期ほぼ同じ額を取り崩す銘柄が4銘柄、ある期にまとめて取り崩す銘柄が9銘柄でした。いつ取り崩すかは各銘柄が決め、計算書の「分配金の額の算出方法」に書かれます。

圧縮積立金の取崩しで受け取った分配金に、税はかかりますか。

取り崩した分も、その期の利益からの分配金として扱われ、受け取った人の側ではふつうの分配金と同じく配当所得として課税されます。各銘柄の有報の「課税上の取扱い」で確かめてください。

27この記事の数字は、どこから取ったか

使ったのは次の資料です。

制度・税の記述は次の一次資料で確かめました。

数字は当サイトが有報の表から機械で読み、合計が有報の記載と合うことを確かめてから使っています(物件表は57銘柄中54銘柄で取得価格の合計が有報の記載と一致、借入金明細は57銘柄すべてで貸借対照表と一致)。東証に上場する58銘柄のうち、三井不動産商業ファンド投資法人は有報をまだ読めていないため、集計に入っていません。計算書の繰入額・取崩額は、当サイトが本文から機械で読み取ったもので、前期の値は貸借対照表の残高の増減と合うことを確かめています。読み取れなかった銘柄は0銘柄です。

投資口価格・時価総額・分配金利回りは載せていません。価格は毎日動き、当サイトはそのデータを持っていないためです。この記事は特定の銘柄の勧誘ではありません。

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