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新NISAの円安の影響|2021年からドル円だけで+50.7%

読む目安:「先に結論」だけなら1分/全部で約35分(21千字)

データの時点2026年9月までFRBのドル円の月中平均(日次はFRB H.10)、米国財務省と財務省の1年の金利・毎週月曜に自動で更新

+50.7%2021年1月→2026年9月

ドル円の月中平均は2021年1月の103.79円から2026年9月の156.42円になりました。ドルの値段が変わらない外国の資産でも、円で見ると+50.7%です。新NISAが始まった2024年1月(146.29円)からは+6.9%でした。

2021年1月から 50.7%50.7%2021年1月から2022年1月から 36.2%36.2%2022年1月から2023年1月から 19.9%19.9%2023年1月から2024年1月から 6.9%6.9%2024年1月から2025年1月から ±0.0%±0.0%2025年1月から
2026年9月までのドル円の変化(始めた月別・月中平均)

積み立てを始めた月と毎月の額で計算する →

この記事の内容32の見出し

01先に結論

新NISAで外国の株や債券に投資する投資信託を持つと、円で見た基準価額は、外国での値動きと為替の動きの掛け算で決まります。この記事は、そのうち為替だけの分を、始めた時期ごとに取り出しました。

「新NISAの資金が円安の原因か」という議論はこの記事では扱いません。手元の資産の円の値段のうち、何%が為替で動いたかを数字で見るための記事です。将来の為替の予想はしていません。

02積み立てを始めた月と毎月の額で計算する

積み立てを始めた月(2014年1月以降)を選び、毎月の額を切り替えると、毎月同じ円でドルの資産を買い、ドルの値段が変わらなかったとした場合の、今の円の額を出します。投資信託の値動きのうち、為替だけの分を取り出した計算です。

2024年1月 32か月・平均の買付レート152.40円・今156.42円

積み立てた額320,000円
ドル円だけで見た今の額328,445円
為替による増減8,445円
同じ額を始めた月に一度に入れていた場合342,142円
今から10%円高になったら295,601円
今から20%円高になったら262,756円

ドル円はFRBの月中平均で、毎月その月の平均で買い、2026年9月の月中平均で円に換算しました。最新月の分は入れていません。外国での値上がり・値下がり、分配金、信託報酬、為替手数料は入れていません。将来の結果ではありません。

03円安は、外国の資産の円の値段にどう効くか

  1. 円で買う投資信託は円で買い、運用会社が円をドルなどに替えて外国の資産を買う
  2. 外国で値動き株や債券の値段が、ドルなどの通貨で上下する
  3. 円に換算毎日の基準価額は、その日の為替で円に直して計算される

外国の資産に投資する投資信託の基準価額は、外国の通貨で見た資産の値段を、その日の為替で円に直して計算されます。そのため、円で見た変化は次の掛け算です。

円で見た変化 =(1+外国の通貨での変化)×(1+為替の変化)−1

外国の通貨での値動きと為替の動きの組み合わせを、表にしました。たとえば外国で+10%、為替で+20%(円安)なら、円では+32%になります。

外国の通貨での変化 \ 為替の変化−20%(円高)−10%0%+10%+20%(円安)+50%
−20.0%−36.0%−28.0%−20.0%−12.0%−4.0%+20.0%
−10.0%−28.0%−19.0%−10.0%−1.0%+8.0%+35.0%
±0.00%−20.0%−10.0%±0.00%+10.0%+20.0%+50.0%
+10.0%−12.0%−1.0%+10.0%+21.0%+32.0%+65.0%
+20.0%−4.0%+8.0%+20.0%+32.0%+44.0%+80.0%
+50.0%+20.0%+35.0%+50.0%+65.0%+80.0%+125.0%
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右の列に行くほど円安、下の行に行くほど外国での値上がりです。外国で値下がりしても円安が大きければ円ではプラスになり、外国で値上がりしても円高が大きければ円ではマイナスになります。円安の影響は、外国の資産の割合が大きい投資信託ほど大きく、国内の資産だけの投資信託にはほとんどありません。

04始めた年ごとの、為替だけの増減

各年の1月に一度に買い、2026年9月まで持った場合の、ドル円だけの増減です。右から2列目は、1年あたりに直した値です。

始めた年(1月に購入)そのときのドル円為替だけの増減1年あたり持った期間
2014年から103.76円+50.7%+3.3%12.7年
2015年から118.25円+32.3%+2.4%11.7年
2016年から118.23円+32.3%+2.7%10.7年
2017年から114.87円+36.2%+3.2%9.7年
2018年から110.87円+41.1%+4.1%8.7年
2019年から108.96円+43.6%+4.8%7.7年
2020年から109.27円+43.2%+5.5%6.7年
2021年から103.79円+50.7%+7.5%5.7年
2022年から114.83円+36.2%+6.8%4.7年
2023年から130.45円+19.9%+5.1%3.7年
2024年から146.29円+6.9%+2.5%2.7年
2025年から156.48円−0.04%−0.02%1.7年
2026年から156.65円−0.1%—0.7年
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2021年より前に始めた場合も、多くの年で為替はプラスに働いています。ただし2015年1月のように、始めたときのドル円が高かった年は、為替の分は小さくなります。1年あたりに直すと、長く持った年ほど値は小さくなり、為替の追い風は年数で薄まっていることが分かります。

05毎月積み立てた場合の、為替の分

新NISAのつみたて投資枠のように、毎月同じ円で買い続けた場合です。毎月その月の月中平均で買ったとして、平均の買付レートと、今のドル円で換算した増減を出しました。右端は、同じ月に一度に買った場合の為替の増減です。

始めた月積み立てた月数平均の買付レート今のドル円積み立ての為替の増減一度に買った場合
NISA(一般)の開始月から152か月120.77円156.42円+29.5%+50.7%
つみたてNISAの開始月から104か月125.59円156.42円+24.5%+41.1%
2021年1月から68か月136.86円156.42円+14.3%+50.7%
新NISAの開始月から32か月152.40円156.42円+2.6%+6.9%
2025年1月から20か月153.05円156.42円+2.2%−0.04%
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2024年1月から積み立てた場合、平均の買付レート152.40円に対して今は156.42円で、為替の分は+2.6%です。2021年1月から積み立てた場合は平均136.86円で、為替の分は+14.3%でした。積み立ては、円安が進む途中で買い続けるので、一度に買った場合より為替の追い風は小さくなります。反対に、円高に戻ったときの下がり方も小さくなります。ドルの積立の平均レートの考え方は米国債の積立の記事でも扱っています。

06円高になったら、どれだけ影響するか

今のドル円156.42円が、表の左の水準になったとした場合の、為替の分の変化です。外国での値動きはないものとしています。この表は仮定の計算で、これからの為替の予想ではありません。

ドル円が今からの変化2024年1月から積立2021年1月から積立2021年1月に一度に購入
110円−29.7%−27.8%−19.6%+6.0%
120円−23.3%−21.3%−12.3%+15.6%
130円−16.9%−14.7%−5.0%+25.3%
140円−10.5%−8.1%+2.3%+34.9%
150円−4.1%−1.6%+9.6%+44.5%
160円+2.3%+5.0%+16.9%+54.2%
170円+8.7%+11.6%+24.2%+63.8%
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2024年1月から積み立てた人にとって、為替の分がゼロになる水準は平均の買付レートの152.40円です。2021年1月に一度に買った人なら103.79円です。同じ円高でも、いつから、どう買ったかで影響の大きさが違います。投資信託の基準価額は、外国での値動きがこれに掛け合わされます。

07積み立てを始めた年ごとの、為替の分がゼロになる水準

積み立ての為替の分は、平均の買付レートと今のドル円の差で決まります。始めた年ごとに、平均の買付レート(=為替の分がゼロになるドル円)と、今からの距離を並べました。

始めた年(1月から)積み立てた月数為替の分がゼロになるドル円今からの距離毎月3万円なら積み立てた額その為替の分(今)
2014年から152か月120.77円−22.8%4,560,000円+1,345,831円
2015年から140か月122.28円−21.8%4,200,000円+1,172,422円
2016年から128か月122.40円−21.7%3,840,000円+1,067,022円
2017年から116か月124.05円−20.7%3,480,000円+907,975円
2018年から104か月125.59円−19.7%3,120,000円+765,742円
2019年から92か月127.89円−18.2%2,760,000円+615,635円
2020年から80か月131.30円−16.1%2,400,000円+459,064円
2021年から68か月136.86円−12.5%2,040,000円+291,493円
2022年から56か月144.53円−7.6%1,680,000円+138,154円
2023年から44か月148.86円−4.8%1,320,000円+67,032円
2024年から32か月152.40円−2.6%960,000円+25,336円
2025年から20か月153.05円−2.2%600,000円+13,211円
2026年から8か月158.68円+1.4%240,000円-3,421円
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早く始めた人ほど平均の買付レートは低く、円高に対する余裕が大きくなっています。最近始めた人ほど、少しの円高で為替の分がマイナスになります。外国での値上がりがあれば、その分だけ余裕は広がります。

08ドル円は、過去にどれだけ動いてきたか

1971年1月以降の各月から、1・3・5・10年後のドル円の変化(月中平均どうし)の分布です。円高はマイナス、円安はプラスで表しています。

期間数えた月下から1割下から4分の1中央値上から4分の1上から1割20%以上の円高
1年657か月−14.5%−9.0%−1.1%+6.8%+14.4%22か月
3年633か月−26.9%−16.5%−2.4%+10.3%+24.1%120か月
5年609か月−33.9%−21.0%−7.7%+10.1%+32.7%160か月
10年549か月−46.2%−34.3%−13.3%+6.7%+29.3%216か月
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5年でドル円が50%以上円安になった始めの月は、609か月のうち2か月で、2020年・2021年に始まった期間です。2021年からの+50%は、過去にも数少ない大きさの円安でした。

期間が長くなるほど、変化の幅は大きくなります。1971年以降は全体として円高の時期が長く、中央値は多くの期間でマイナスです。この分布は、1ドル360円の固定相場が終わった後の大きな円高を含んでいます。

山から20%以上円高になった局面(3か月平均で数えた山と谷)を並べました。

円安の山円高の谷下げ幅山から谷まで山の水準に戻るまで
1971年(358円)1978年(184円)−48%93か月まだ戻っていない
1982年(264円)1989年(127円)−53%74か月まだ戻っていない
1990年(154円)1995年(85円)−46%60か月408か月
1998年(145円)2000年(105円)−27%17か月291か月
2002年(131円)2011年(77円)−42%115か月244か月
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反対に、谷から20%以上円安になった局面です。

円高の谷円安の山上げ幅谷から山まで
1978年(184円)1980年(250円)+36%18か月
1981年(209円)1982年(264円)+26%20か月
1995年(85円)1998年(145円)+71%38か月
2000年(105円)2002年(131円)+24%26か月
2011年(77円)2015年(123円)+60%46か月
2016年(104円)2026年(159円)+53%118か月
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山から谷までは数か月から数年、山の水準に戻るまでには10年以上かかった局面もあります。新NISAは長く持つ前提の制度なので、持っている間にこうした局面を通る可能性があります。

09円の増減のうち、何%が為替の分か

為替だけでなく、外国での値動きも入れて分けてみます。株式の指数のデータは当サイトにないので、米国財務省の利回りから計算できる、ドル建ての債券・短期の運用を例にしました。「年限を保つ運用」は、毎月同じ年限の新しい国債に乗り換え続けた場合の値動き(利子は再投資・費用なし)で、債券に投資する投資信託の近似です。

始めた年(1月から)ドル建ての資産(例)ドルでの増減為替の増減円での増減円の増減のうち為替の分
2014年から米国債3か月で運用+28.5%+50.7%+93.7%62%
2014年から米国債2年の年限を保つ運用+22.6%+50.7%+84.8%67%
2014年から米国債10年の年限を保つ運用+26.6%+50.7%+90.8%64%
2018年から米国債3か月で運用+26.7%+41.1%+78.8%59%
2018年から米国債2年の年限を保つ運用+19.6%+41.1%+68.7%66%
2018年から米国債10年の年限を保つ運用+7.8%+41.1%+52.0%82%
2021年から米国債3か月で運用+21.2%+50.7%+82.7%68%
2021年から米国債2年の年限を保つ運用+9.9%+50.7%+65.6%81%
2021年から米国債10年の年限を保つ運用−12.3%+50.7%+32.2%円の増減を超える(ドルではマイナス)
2024年から米国債3か月で運用+12.6%+6.9%+20.4%36%
2024年から米国債2年の年限を保つ運用+10.5%+6.9%+18.2%40%
2024年から米国債10年の年限を保つ運用+5.6%+6.9%+12.9%55%
2025年から米国債3か月で運用+6.9%−0.04%+6.9%—
2025年から米国債2年の年限を保つ運用+6.2%−0.04%+6.2%—
2025年から米国債10年の年限を保つ運用+6.5%−0.04%+6.4%—
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右端は、円での増減を対数で分けたときの、為替の分の割合です(2026年9月の月初の値と月中平均で計算)。2021年1月から始めた場合は、ドル建ての債券の値動きが小さいかマイナスで、円での増減の大部分か、それ以上が為替の分でした。「—」は、為替がほとんど動いていないか、円高で、割合を出す意味がない行です。株式の投資信託では外国での値動きが大きいので、為替の分の割合はこれより小さくなりますが、増減の向きを左右するほどの大きさがあることは同じです。

10新NISAで毎月買った分ごとの、今の為替の分

新NISAが始まった2024年1月から、毎月買った分のそれぞれが、今のドル円156.42円で見て為替でどれだけ増減しているかを並べました。

買った年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2024年に買った分+6.9%+4.5%+4.4%+1.6%+0.4%−0.9%−0.7%+6.9%+9.4%+4.4%+1.8%+1.7%
2025年に買った分−0.04%+3.2%+4.9%+8.5%+8.0%+8.3%+6.3%+6.1%+5.8%+3.3%+0.8%+0.3%
2026年に買った分−0.1%+0.8%−1.4%−1.7%−1.1%−2.7%−3.6%−1.5%
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32か月分のうち、為替の分がマイナスになっているのは10か月分です。最も円安の月に買った分は2026年7月(162.33円)でした。積み立てでは、円安の月に買った分と円高の月に買った分が混ざり、全体の為替の分は平均の買付レートで決まります。

11積み立ての途中で、為替の分が最もマイナスになった時点

毎月同じ円で積み立てている途中で、それまでに買った分の為替の分(その月のドル円で換算)が最もマイナスになった時点を、始めた年ごとに調べました。右端は今の為替の分です。

始めた年(1月から)最もマイナスになったときその年今の為替の分
2010年から−9.2%2011年+42.1%
2011年から−4.9%2011年+39.8%
2012年から−1.5%2012年+36.0%
2013年から−5.8%2016年+31.6%
2014年から−9.5%2016年+29.3%
2015年から−12.7%2016年+27.7%
2016年から−7.2%2016年+27.6%
2017年から−5.2%2020年+25.9%
2018年から−4.5%2020年+24.3%
2019年から−3.8%2020年+22.1%
2020年から−2.8%2020年+18.9%
2021年からマイナスの時点なし—+14.1%
2022年から−0.1%2023年+8.1%
2023年から−1.4%2025年+5.0%
2024年から−5.3%2024年+2.6%
2025年から−4.0%2025年+2.1%
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今はプラスでも、途中で為替の分がマイナスになっていた時期がある始め方があります。積み立ての途中の評価額は、その時点のドル円で上下します。途中のマイナスで積み立てをやめていたら、その後の円安の分は受け取れなかったことになります。

12積み立てでも、為替で損をしたことはあるか

1971年1月以降のすべての月を始めた月として、毎月同じ円でドルの資産を買い続け、期間の終わりのドル円で円に換算した場合の為替の分を数えました(ドルの値段は変わらないとした計算)。

積み立てた期間始め方の数為替の分がマイナス下から1割中央値最も悪い最も良い
3年633通り327通り(51.7%)−15.5%−0.4%−30.5%+30.7%
5年609通り332通り(54.5%)−20.7%−1.4%−35.2%+36.5%
10年549通り301通り(54.8%)−28.0%−2.8%−39.0%+35.9%
20年429通り286通り(66.7%)−36.8%−9.0%−51.3%+49.2%
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積み立てでも、為替の分がマイナスになった始め方は多くありました。1971年以降は円高の時期が長かったためです。積み立ては買うレートをならしますが、期間の終わりのドル円が平均の買付レートを下回れば、為替の分はマイナスになります。長く積み立てるほど、期間の終わりのドル円1つに結果が左右されることに変わりはありません。

13年ごとに、円の増減を分けると

米国債10年の年限を保つ運用(ドル建て、利子は再投資、費用なし)を例に、各年の1月から翌年1月までの円での増減を、ドルでの値動きと為替に分けました。右端は、どちらの動きが大きかったかです。

年ドルでの値動き為替円での増減大きかったほう
2014年+11.9%+14.0%+27.5%為替
2015年+1.7%−0.02%+1.6%ドルでの値動き
2016年+0.5%−2.8%−2.4%為替
2017年+2.8%−3.5%−0.8%為替
2018年+1.3%−1.7%−0.5%為替
2019年+9.7%+0.3%+10.0%ドルでの値動き
2020年+10.6%−5.0%+5.1%ドルでの値動き
2021年−4.3%+10.6%+5.8%為替
2022年−15.1%+13.6%−3.5%ドルでの値動き
2023年+2.3%+12.1%+14.7%為替
2024年−0.8%+7.0%+6.1%為替
2025年+8.1%+0.1%+8.2%ドルでの値動き
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12年のうち7年は、為替の動きのほうがドルでの値動きより大きくなりました。債券の投資信託では、円で見た1年の結果の多くが為替で決まってきたことになります。値動きの大きい株式でも、為替の動きは結果を左右するだけの大きさがあります。

14円高を打ち消すには、外国でどれだけ上がればよいか

円高になっても、外国での値上がりがそれを上回れば、円で見た評価額は減りません。円高の幅ごとに、打ち消すのに必要な外国での値上がりを計算しました。

ドル円の変化(円高)打ち消すのに必要な外国での値上がり
−5.0%+5.3%
−10.0%+11.1%
−15.0%+17.6%
−20.0%+25.0%
−30.0%+42.9%
−40.0%+66.7%

円高が大きくなるほど、必要な値上がりは円高の幅より大きくなります。たとえば20%の円高を打ち消すには25%の値上がりが必要です。掛け算で効くためで、円安の追い風も同じ形で効いています。

15円高の山から積み立てを始めていたら

過去の円高の局面で、最も円安だった月(山)から積み立てを始め、最も円高だった月(谷)まで毎月同じ円で買い続けた場合です。一度に山で買った場合と比べ、谷から5年後の為替の分も並べました。

局面積み立てた月数平均の買付レート谷の時点の為替の分山で一度に買った場合(谷の時点)谷から5年後の為替の分
1971年の山→1978年の谷93か月284.29円−35.4%−48.7%−18.1%
1982年の山→1989年の谷74か月181.25円−29.7%−51.8%−38.5%
1990年の山→1995年の谷60か月116.52円−27.4%−44.9%−8.9%
1998年の山→2000年の谷17か月116.94円−10.0%−27.2%−11.6%
2002年の山→2011年の谷115か月104.21円−26.5%−41.5%−0.3%
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山から積み立てても、谷の時点では為替の分は大きなマイナスでした。一度に山で買った場合よりマイナスは小さくなっています。谷から5年たった時点で為替の分がプラスに戻っていた局面は、5つのうち0つでした。円高の局面は長く続くことがあり、積み立てでならしても、局面の途中で始めた分の為替のマイナスは、何年も残ることがあります。新NISAのように長く持つ前提でも、売る時期が円高の局面に重なれば、為替の分はマイナスのまま確定します。

16外国の資産の割合ごとの影響

持っている投資信託のうち、外国の資産の割合ごとに、為替だけで円の評価額がどれだけ動いたかを計算しました(外国の資産はすべてドル建てと単純化)。

外国の資産の割合2021年1月に購入2024年1月に購入2025年1月に購入2024年1月から積立
30%+15.2%+2.1%−0.01%+0.8%
50%+25.4%+3.5%−0.02%+1.3%
70%+35.5%+4.8%−0.03%+1.8%
100%+50.7%+6.9%−0.04%+2.6%
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全世界や米国の株式に投資する投資信託は、外国の資産の割合がほぼ100%です。国内外の資産を組み合わせたバランス型の投資信託は、割合に応じて影響が小さくなります。実際の投資信託には、ドル以外の通貨(ユーロなど)の資産も入っていて、それぞれの通貨の動きを受けます。

17円高の幅と、外国の資産の割合を掛け合わせると

円高になったときの円の評価額への影響は、外国の資産の割合と円高の幅の掛け算でおおよそ決まります(外国での値動きはないとした計算)。右端は、新NISAの生涯の上限1,800万円を持っている場合に、10%の円高で減る額です。

外国の資産の割合5%の円高10%の円高20%の円高30%の円高1,800万円なら(10%の円高)
30%−1.5%−3.0%−6.0%−9.0%540,000円
50%−2.5%−5.0%−10.0%−15.0%900,000円
70%−3.5%−7.0%−14.0%−21.0%1,260,000円
100%−5.0%−10.0%−20.0%−30.0%1,800,000円
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持っている額が大きくなるほど、同じ%の円高でも円の額の変化は大きくなります。外国の資産の割合を下げると影響は小さくなりますが、円安のときの追い風も同じだけ小さくなります。

ドル円が1円動いたときの、評価額の変化の目安です(2026年9月のドル円156.42円で、外国の資産がすべてドル建ての場合)。

外国の資産の評価額ドルにすると1円の円高で減る額10円の円高で減る額
100万円6,393ドル6,393円63,932円
300万円19,179ドル19,179円191,795円
500万円31,966ドル31,966円319,658円
1,000万円63,932ドル63,932円639,316円
1,800万円115,077ドル115,077円1,150,769円
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ニュースで「1円の円高」と聞いたときに、自分の評価額がいくら動くかの目安になります。

18大きな円安の後、ドル円はどう動いてきたか

その前の5年でドル円が30%以上円安になっていた月を、1971年1月以降で数えると77か月ありました(1998年・2014年・2015年・2016年・2017年・2022年・2023年・2024年・2025年・2026年)。その月から1・3・5年後のドル円の変化です。

期間数えた月円高になった月中央値最も円高最も円安
その後1年65か月32か月+0.1%−21.7%+11.3%
その後3年42か月31か月−4.8%−16.1%+9.7%
その後5年39か月21か月−0.5%−18.0%+30.2%
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大きな円安の後も、そのまま円安が続いた時期と、円高に戻った時期の両方がありました。数えた月は特定の数年に集まっていて、例の数が少ないので、この表から次の向きを読み取ることはできません。

19投資信託の為替ヘッジとは

  1. 将来の交換を約束先物の取引などで、将来ドルを円に替える相場を今決めておく
  2. 金利の差が費用に円とドルの短期金利の差が、ヘッジの費用(またはプラス)になる
  3. 為替の動きを外す円高でも円安でも、為替による増減の大部分がなくなる

為替ヘッジは、為替の動きの影響を小さくするための取引です。為替ヘッジありの投資信託は、外国の資産を持ちながら、為替予約などで将来の交換の相場を先に決めておきます。円高になっても損が出にくい代わりに、円安になっても得がなくなります。ヘッジの費用は、おおむね円とドルの短期金利の差で決まり、ドルの金利が円の金利より高いと費用がかかります。

費用の目安として、米国債1年と日本国債1年の利回りの差(米国財務省・財務省)を年ごとに並べました。右端は、その年の各月から1年間、ヘッジしない場合の為替の増減が、ヘッジの費用の目安を上回った月の数です。

0%2%4%6%19901995200020052010201520202025米国債1年−日本国債1年(月平均) 2.8%
年米国債1年日本国債1年差(費用の目安)ヘッジなしが上回った月
1990年7.88%7.307%0.58%1/12
1991年5.86%6.541%−0.68%0/12
1992年3.89%4.035%−0.15%0/12
1993年3.43%2.671%0.76%0/12
1994年5.31%2.329%2.98%4/12
1995年5.95%1.050%4.90%12/12
1996年5.51%0.520%4.99%12/12
1997年5.63%0.480%5.15%11/12
1998年5.05%0.419%4.63%0/12
1999年5.08%0.205%4.87%5/12
2000年6.11%0.326%5.78%12/12
2001年3.48%0.096%3.38%10/12
2002年2.00%0.024%1.98%2/12
2003年1.24%0.021%1.22%1/12
2004年1.89%0.024%1.86%8/12
2005年3.62%0.033%3.59%12/12
2006年4.93%0.419%4.51%11/12
2007年4.52%0.686%3.84%0/12
2008年1.82%0.595%1.23%0/12
2009年0.47%0.223%0.25%1/12
2010年0.32%0.128%0.19%0/12
2011年0.18%0.136%0.05%6/12
2012年0.17%0.106%0.07%12/12
2013年0.13%0.089%0.04%12/12
2014年0.12%0.054%0.07%12/12
2015年0.32%0.000%0.32%1/12
2016年0.61%−0.239%0.85%9/12
2017年1.20%−0.190%1.39%7/12
2018年2.33%−0.138%2.47%7/12
2019年2.05%−0.192%2.25%6/12
2020年0.38%−0.156%0.53%10/12
2021年0.10%−0.122%0.23%12/12
2022年2.79%−0.099%2.89%12/12
2023年5.08%−0.085%5.17%12/12
2024年4.69%0.177%4.51%8/12
2025年3.92%0.644%3.27%9/9
2026年3.83%1.172%2.66%まだ
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2026年9月の差2.77%は、1990年以降の月の中で低いほうから62%の位置にあります。ドルの短期金利が円よりずっと高い時期は、ヘッジの費用が大きくなり、ヘッジありの投資信託は外国での値上がりの一部を費用で失います。

1990年1月以降の429か月で、1年間持った場合に、ヘッジなしのほうが良かったのは237か月(55.2%)でした。費用の目安の大きさで分けると次のとおりです。

費用の目安月数ヘッジなしが上回った月割合1年の為替の動き(中央値)ヘッジの費用(中央値)
1%未満160か月76か月47.5%−1.4%−0.1%
1〜3%111か月42か月37.8%−3.6%−1.8%
3〜5%107か月72か月67.3%+1.7%−4.4%
5%以上51か月47か月92.2%+10.0%−5.2%
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2021年1月から1年ごとに区切って、ヘッジの費用の目安とドル円の動きを並べました。右の2列は、それぞれを掛け合わせた累計です。

期間ヘッジの費用の目安その1年のドル円ヘッジなしの累計ヘッジありの累計(費用だけ)
2021年1月〜2022年1月0.22%+10.6%+10.6%−0.2%
2022年1月〜2023年1月0.65%+13.6%+25.7%−0.9%
2023年1月〜2024年1月4.72%+12.1%+41.0%−5.5%
2024年1月〜2025年1月4.85%+7.0%+50.8%−10.1%
2025年1月〜2026年1月3.68%+0.1%+50.9%−13.4%
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2021年1月から1年ごとにヘッジを掛け直したとすると、2026年1月までのヘッジの費用の目安は合計で−13.4%、ヘッジしない場合の為替の分は+50.9%でした。円安が進んだ期間は、ヘッジの費用を払い、さらに円安の追い風も受けられなかったことになります。どちらが良いかは、その後の為替の動き次第で、事前には分かりません。

ヘッジありとなしを半分ずつ持った場合も含めて、1年間の為替の分の散らばりを比べました(1990年以降の各月から1年)。

持ち方下から1割中央値上から1割真ん中の8割の幅
ヘッジなし−11.7%−0.4%+15.3%27.0ポイント
ヘッジあり(費用の目安だけ)−5.0%−1.8%−0.03%5.0ポイント
半分ずつ−7.1%−1.3%+6.0%13.0ポイント
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半分ずつ持つと、為替の分の散らばりはヘッジなしの約半分になり、ヘッジの費用も半分になります。どちらか一方に決めきれない場合の持ち方の1つです。

実際のヘッジの費用は、短期の金利差のほかに、取引の需給による上乗せ(ベーシス)でも変わり、ここでの目安とは一致しません。投資信託の目論見書や運用報告書で、ヘッジの比率とあわせて確かめてください。

20円安と物価:同じ期間に何%上がったか

円安で円の評価額が増えても、同じ期間に物価が上がっていれば、使えるお金の量はその分目減りします。総務省の消費者物価指数(総合)は、2021年1月から2026年8月までに+14.6%、新NISAの2024年1月からは+7.0%でした。同じ2021年1月〜2026年8月のドル円は+53.0%です。

年ドル円の1年の変化(前年12月→12月)物価の1年の変化(同)
2020年−4.9%−1.1%
2021年+9.7%+0.8%
2022年+18.5%+4.0%
2023年+6.7%+2.6%
2024年+6.8%+3.7%
2025年+1.4%+2.0%
2026年+1.9%+1.3%

この期間は、円安の幅のほうが物価の上昇よりずっと大きく、外国の資産を持っていた人は、物価の上昇を為替で上回っていました。円の預金だけを持っていた人は、物価の上昇の分だけ目減りしています。物価と預金の目減りは預金の目減りの記事で扱っています。

21円安の要因として挙げられる日米の金利差

円安の要因としてよく挙げられるのが、日米の金利差です。2021年からの各年の平均で、ドル円と、米国債・日本国債の金利を並べました(今年は直近の月まで)。

年ドル円(年平均)米国債10年日本国債10年10年の差1年の差
2021年109.77円1.44%0.068%1.37%0.23%
2022年131.46円2.95%0.240%2.71%2.89%
2023年140.49円3.96%0.571%3.39%5.17%
2024年151.46円4.21%0.908%3.30%4.51%
2025年149.63円4.29%1.539%2.75%3.27%
2026年158.45円4.46%2.555%1.90%2.66%
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2021年1月以降の月で、10年の金利差とドル円の水準の順位相関は0.37(弱い関係(正の向き))でした。同じ方向に動いた時期が長い一方、金利差が縮んでもドル円が下がらなかった時期もあり、金利差だけでドル円が決まっているわけではありません。1990年からの長い期間の関係は日米金利差の記事で扱っています。

22ドル円の1か月の動きは、大きくなっているか

年ごとに、ドル円の月中平均の前月からの変化を数え、その散らばり(標準偏差)と、最も大きな円安・円高の月、3%以上動いた月の数を並べました。

年1か月の変化の散らばり最も大きな円安の月最も大きな円高の月3%以上動いた月
1990年3.49%+5.2%−6.4%6か月
1991年2.01%+5.2%−2.6%1か月
1992年2.08%+4.0%−3.0%2か月
1993年2.21%+1.9%−3.9%4か月
1994年1.96%+2.2%−4.6%2か月
1995年4.51%+8.4%−7.9%5か月
1996年1.43%+3.8%−1.2%1か月
1997年2.90%+4.3%−5.1%6か月
1998年4.07%+4.0%−10.0%3か月
1999年2.60%+3.0%−5.6%3か月
2000年2.05%+3.9%−2.8%1か月
2001年2.36%+4.5%−2.5%3か月
2002年2.38%+4.0%−4.4%3か月
2003年1.70%+1.0%−4.6%2か月
2004年1.94%+4.2%−3.8%2か月
2005年1.48%+3.3%−1.2%2か月
2006年1.90%+2.6%−4.6%1か月
2007年2.18%+2.7%−4.1%2か月
2008年3.22%+2.4%−6.2%5か月
2009年2.40%+5.3%−3.8%3か月
2010年1.92%+3.0%−3.6%3か月
2011年1.31%+1.9%−2.9%0か月
2012年2.09%+5.1%−2.0%2か月
2013年2.71%+6.3%−3.7%6か月
2014年2.44%+7.7%−1.6%2か月
2015年1.32%+2.4%−2.3%0か月
2016年3.15%+7.0%−3.2%4か月
2017年1.48%+2.0%−2.5%0か月
2018年1.41%+1.9%−2.6%0か月
2019年1.34%+1.4%−2.9%0か月
2020年0.69%+0.7%−2.1%0か月
2021年1.08%+3.2%−0.3%1か月
2022年3.30%+6.6%−5.3%5か月
2023年2.17%+3.1%−3.8%3か月
2024年2.89%+4.9%−7.1%2か月
2025年1.88%+2.5%−3.3%2か月
2026年1.40%+2.3%−2.1%0か月
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1990年以降の年ごとの散らばりの中央値は2.08%、2022年以降の平均は2.33%でした。2022年以降は、ふだんの年より1か月の動きが大きい時期でした。新NISAの評価額も、外国での値動きとは別に、この幅で毎月動いていることになります。

23NISAの非課税と、為替の分

NISA口座で持っている投資信託を売ったときの利益は、外国での値上がりの分も、為替の分も、区別なく非課税です。反対に、NISA口座で出た損失は、ほかの口座の利益と差し引きする(損益通算する)ことができません(金融庁・国税庁)。新NISAの年間の投資枠は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円で、生涯の非課税保有限度額は1,800万円です(金融庁)。

例として、2024年1月から毎月30万円(年360万円)を、ドル建ての資産に積み立てた場合を計算します。32か月で9,600,000円を積み立て、平均の買付レートは152.40円です。ドルの値段が変わらなかったとすると、為替の分は+2.6%、円で+253,360円です。この分は、NISA口座の中なら売っても非課税で、課税口座なら20.315%(51,470円)がかかる計算です。円高になって為替の分がマイナスになると、NISA口座ではその損を他と差し引けません。

24新NISAが始まってからの日々の動き

FRBの日次のドル円(ニューヨーク市場の正午の買い相場)で、2024年1月以降の最も円安の日は2026年7月29日の163.86円、最も円高の日は2024年9月13日の140.66円でした。直近の2026年10月9日は158.34円です。

前の営業日からの変化が大きかった日を、円高の側と円安の側から5日ずつ並べました。

日付その日のドル円前の営業日からの変化
2026年7月30日159.47円−2.68%
2025年4月3日146.04円−2.63%
2024年5月2日153.77円−2.46%
2026年1月26日153.88円−2.34%
2026年4月30日156.66円−2.23%
2024年12月19日157.73円+2.42%
2025年5月12日148.09円+2.03%
2025年5月1日145.48円+2.00%
2025年10月6日150.02円+1.83%
2024年11月6日154.58円+1.72%

月中平均では見えにくい、1日で数%動いた日があります。投資信託の基準価額は毎日の為替で計算されるので、こうした日には外国の資産の値動きとは別に、評価額が大きく動きます。

25円安が続いた月の数

前の月より円安だった月と円高だった月を数えました。2021年1月より後の68か月では、円安の月が48か月、円高(または同じ)の月が20か月で、続けて円安だったのは最長7か月でした。新NISAが始まった2024年1月より後の32か月では、円安の月が21か月、円高の月が11か月です。

円安の流れの中でも、円高の月はたびたびありました。毎月の評価額は、この上げ下げをそのまま映します。

1971年以降、その月から1年で10%以上円高になった月を、始まった年ごとに数えると次のとおりです。

年1年で10%以上の円高が始まった月
1971年9か月
1972年8か月
1976年4か月
1977年12か月
1978年3か月
1979年2か月
1980年4か月
1982年2か月
1984年3か月
1985年12か月
1986年8か月
1987年8か月
1990年4か月
1992年10か月
1993年3か月
1994年6か月
1998年8か月
1999年4か月
2002年5か月
2003年3か月
2007年10か月
2008年5か月
2009年1か月
2010年3か月
2015年6か月

1年で10%以上の円高は、何年かおきにまとまって起きています。起きた年は、景気の後退や金融の混乱の時期と重なることが多くありました。

26円での損益から、外国での値動きを取り出す

持っている投資信託の円での損益が分かれば、為替の分を割り戻して、外国での値動きの分を出せます。式は次のとおりです。

外国での値動き =(1+円での変化)÷(1+為替の変化)−1

たとえば、2024年1月に一度に買った投資信託が円で+30%なら、同じ期間の為替は+6.9%なので、外国での値動きは+21.6%です。2021年1月に買って円で+80%なら、為替が+50.7%なので、外国での値動きは+19.4%です。外国での値動きが小さいのに円での利益が大きい場合は、為替の分に頼っている度合いが大きく、円高になったときの下がり方も大きくなります。

27為替の分は、いつ決まるか

投資信託は円で買って円で売るので、為替の分は、売った日(正確には、売った分の基準価額が決まる日)の為替で決まります。持っている間の評価額に含まれる為替の分は、売るまでは毎日変わる途中経過です。

外国の資産に投資する投資信託では、注文した日の翌営業日の基準価額で売買が決まるものが多く、注文した日の為替とは少しずれます。また、分配金を受け取る投資信託では、分配のたびに、その時点の為替の分を含んだ額が支払われます。為替の分をいつ受け取るかは、売り方と分配の受け取り方で変わります。

新NISAでは売った枠が翌年に復活しますが、売った時点の為替の分は、その時に確定します。円安で評価額が増えたときに一部を売るか、持ち続けるかは、その円をいつ使うかで考えるのが基本です。

28自分の投資信託で確かめる手順

  1. 外国の資産の割合を確かめる。月次レポートや目論見書の「資産の配分」「通貨の配分」を見ます。
  2. 為替ヘッジの有無を確かめる。ファンドの名前に「為替ヘッジあり」「なし」が入っていることが多く、目論見書にヘッジの方針が書かれています。
  3. 買ったときと今のドル円を比べる。積み立てなら、この記事の計算機で平均の買付レートを出し、今のドル円と比べます。
  4. 円での損益を、外国での分と為替の分に分ける。円での変化÷為替の変化から、外国での値動きの分がおおよそ分かります。
  5. 為替の分が大きいなら、円高になったときの表を見る。為替の分が消える水準を、自分の平均の買付レートで確かめておきます。

29この記事の計算で分からないこと

30この記事に出てくる言葉

基準価額
投資信託の1口(多くは1万口)あたりの値段。外国の資産は、その日の為替で円に直して計算されます。
平均の買付レート
毎月同じ円でドルを買ったときの、買ったドルの合計で払った円の合計を割ったレート。為替の分がゼロになる水準です。
為替ヘッジ
為替予約などで、将来の交換の相場を先に決めておく取引。為替の動きの影響を小さくします。
ヘッジの費用
為替ヘッジをするときにかかる費用。おおむね、ドルと円の短期金利の差で決まります。
つみたて投資枠・成長投資枠
新NISAの2つの枠。年間の上限はそれぞれ120万円と240万円です。
損益通算
ある口座の利益と別の口座の損失を差し引くこと。NISA口座の損失は、損益通算できません。

31よくある質問

新NISAは円安で損をしますか。

外国の資産に投資する投資信託なら、円安は円で見た評価額を押し上げる方向に働きます。損をするのは、買った後に円高になった場合です。

新NISAで円高になると、どれだけ影響しますか。

外国の資産の割合がほぼ100%の投資信託なら、ドル円が10%円高になると、ほかが同じなら円の評価額もほぼ10%下がります。2024年1月から積み立てた場合は、平均の買付レート152.40円を下回ると為替の分がマイナスになります。

為替ヘッジありとなしは、どちらがよいですか。

どちらがよいかは、その後の為替の動きで決まり、事前には分かりません。ヘッジありは為替の動きをほぼ外す代わりに、日米の金利差くらいの費用がかかります。

円安は新NISAが原因ですか。

この記事では扱っていません。為替は金利差・貿易・資本の流れなど多くの要因で動き、その中の1つの影響を手元のデータで取り出すことはできません。

国内の資産の投資信託にも円安の影響はありますか。

基準価額を為替で換算する影響はありません。ただし、組み入れている会社の業績が為替で変わることはあります。

円安の影響を受けにくい投資信託はありますか。

国内の株式や債券に投資する投資信託は、基準価額を為替で換算しないので、為替の直接の影響はありません。外国の資産に投資するものでも、為替ヘッジありなら影響の大部分を外せます。その代わり、円安の追い風も受けません。

毎月の積み立てを続けると、為替の影響は小さくなりますか。

買うときのレートはならされますが、持っている全体の為替の分は、売るときのドル円で決まります。積み立ての額が大きくなるほど、売るときのドル円1つの影響は大きくなります。

円安のうちに売ったほうがよいですか。

これから円安と円高のどちらになるかは分からないので、当サイトは答えられません。売るかどうかは、そのお金をいつ円で使うかで決まります。この記事の表で、自分の平均の買付レートと今の距離を確かめてください。

投資信託の円高の影響は、どれくらいの期間で戻りましたか。

過去の大きな円高の局面では、山の水準に戻るまで数年から20年以上かかったものもあります。戻らないまま次の局面に入ったこともあり、期間は局面ごとにばらばらでした。

32この記事の数字は、どこから取ったか

使ったのは次の公表データだけです。

為替だけの増減は、ドルの値段が変わらない資産を月中平均で買い、最新月の月中平均で円に換算したものです。積み立ては、毎月同じ円でその月の月中平均で買ったとしました。為替ヘッジの費用の目安は、米国債1年と日本国債1年の利回りの差で、実際のヘッジの費用(短期金利の差と需給による上乗せ)とは一致しません。投資信託の基準価額・信託報酬・分配金は使っていません。

数字はすべて、ページを作るたびに上のデータから計算し直しています。日本銀行の統計、業界団体の数表、特定の金融機関や保険会社の資料の数字は使っていません。過去の計算は、これからの結果を示すものではありません。この記事は特定の商品や金融機関の勧誘ではありません。

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