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個人向け社債の書類をどう読むか|財務上の特約、倒産したときの順位、目論見書の要点

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この記事の内容31の見出し

01先に結論

社債の「財務制限条項」は、発行書類では「財務上の特約」という欄に書かれています。2024年5月24日から2026年9月30日までにEDINETへ出た901本を読むと、1口100万円以下の152本(欄が読めた147本)のうち、純資産額や利益の水準を約束する条項が付いていたのは23本で、多くは「担付切換条項」だけか、財務上の特約そのものが付いていませんでした。

財務制限条項は、会社の財務が悪くなったときに、社債を持つ人が期限前に返済を求めたり、担保を付けさせたりするための約束です。ただ、それは「倒産を防ぐ」仕組みではなく、「悪くなった時点で、ほかの債権者に遅れずに手を打てるようにする」仕組みです。この記事では、実際の書類で条項の中身と付き方を数えます。

個人向け社債の目論見書(発行登録追補目論見書)は、EDINETに出る発行登録追補書類と同じ「募集要項」を中心にできています。2024年5月24日から2026年9月30日までに出た1口100万円以下の社債152本の書類を全部読むと、読むべき欄は「利率」「償還期限(期限前償還)」「銘柄の名前と担保(順位)」「財務上の特約」の4か所で、ほかの欄は、その4か所を補う情報でした。

4か所書類のどこ152本での実際
利率「利率」欄が1つか、期間ごとに分かれているか当初固定+見直しは11本(すべて劣後債など)
期間「償還期限」と「期限前償還」期限前償還の定めがあるのは18本
順位銘柄の名前(劣後特約付・一般担保付)と「担保」欄劣後16本・一般担保付23本
財務制限「財務上の特約」の2つの欄純資産・利益の維持が付くのは23本

この記事では、書類の欄を上から順に、実際の記載がどう分かれていたかを数え、最後に1本を例に全部の欄を読みます。

社債の発行会社が倒産すると、社債を持つ人は、会社に残った財産からほかの債権者と一緒に配当を受けることになります。全額が戻るとは限りません。戻る額を決めるのは、主に次の3つです。

  1. 順位:一般担保付・無担保・劣後のどれか(書類の銘柄の名前と「担保」欄)
  2. 誰が手続きをするか:社債管理者がいるか、財務代理人だけか(「社債管理の委託」欄)
  3. 会社にどれだけ財産が残っているか:これは書類からは分からない

2024年5月24日から2026年9月30日までに出た社債901本の書類で、1と2を数えました。過去に社債が実際に払われなかった事例と、そのときの回収率は、当サイトのデータでは確かめられていません。

02「財務上の特約」の欄に書かれるもの

発行書類の募集要項には、「財務上の特約(担保提供制限)」と「財務上の特約(その他の条項)」の2つの欄があります。書類に出てくる条項を、中身ごとにまとめました。

条項書類の書き方の例意味
担保提供制限「他の社債のために担保提供を行う場合には、本社債のためにも同順位の担保権を設定する」ほかの債権者だけが担保を取ることを防ぐ。範囲が「社債間限定」のものは、銀行借入に担保を付けても働かない
担付切換条項「社債管理者と協議のうえ、いつでも本社債のために担保権を設定することができる」発行体が自分の判断で、無担保の社債を担保付に切り換えられる
特定資産の留保「特定の資産を本社債以外の債務に対し担保提供を行わないことを約することができる」特定の資産を、この社債のために取っておく
純資産額維持「純資産の部の金額を…以上に維持しなければならない」純資産がその水準を下回ると、特約違反になる
利益維持「経常損益が2期連続して損失となった場合」など赤字が続くと、特約違反になる

書類の中には、担付切換条項を自分で定義しているものがあります(501本)。たとえばイーレックス 第3回の書類は、こう書いています。

「担付切換条項とは、純資産額維持条項等当社の財務指標に一定の事由が生じた場合に期限の利益を喪失する旨の特約を解除するために担保権を設定する旨の特約または当社が自らいつでも担保権を設定することができる旨の特約をいう。」

つまり担付切換条項は、それ自体が財務の水準を約束するものではなく、財務制限に引っかかったときに、担保を付けることで期限前の返済を避ける道として使われる条項です。

031口の金額で分けた、財務上の特約の付き方

「財務上の特約(その他の条項)」の欄を、当サイトが中身で分けて数えました。1本に複数の条項が付くことがあるので、横に足しても本数にはなりません。

区分本数特約なし担付切換だけ純資産額維持利益維持特定資産の留保欄が読めなかった
個人向けの記載・1口10万円以下46本3本17本9本3本12本5本
1口100万円・記載なし106本36本54本11本0本5本0本
機関投資家向け749本665本35本18本7本27本2本
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機関投資家向けの社債は、大半が「その他の条項」を付けていません。1口100万円以下の社債は、担付切換条項だけを付けたものが中心です。純資産額や利益の水準を約束する条項は、どの区分でも一部に限られていました。

04財務上の特約:担保提供制限は、どこまでの債務を対象にしているか

「財務上の特約(担保提供制限)」は、対象の範囲で意味が大きく変わります。銘柄の名前に「社債間限定同順位特約付」とあるものは、ほかの社債に担保を付けるときだけ働きます。銀行からの借入に担保を付けても、この社債には何も起きません。

区分社債間限定借入金も含む付いている(範囲は本文参照)付いていない欄なし
個人向けの記載・1口10万円以下29本0本1本11本5本
1口100万円・記載なし59本0本0本43本4本
機関投資家向け608本0本2本101本38本
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社債間限定ではないものの例として、ソフトバンクグループ 第70回の書類は、担保提供の対象を「当社が国内で既に発行した、又は当社が国内で今後発行する他の社債」としていて、名前に「社債間限定」とは書かれていませんが、読むと対象は国内の社債です。範囲は、名前だけでなく欄の文言で確かめる必要があります。

一般担保付の社債(66本)のうち64本は、担保提供制限を「付いていない」としていました。法律で優先順位が与えられているためで、ある電力会社の書類は「本社債は一般担保付であり、財務上の特約は付されていない」と書いています。

05財務上の特約:純資産額や利益の維持を約束している社債

「純資産額維持」「利益維持」「負債倍率」の条項が付いていた社債を、発行体ごとにまとめました(43本・9社)。基準は最も新しい回の書類の文言です。

発行体本数条項純資産額の基準1口100万円以下の回回
アイザワ証券グループ24本純資産額維持前年同期末の50%以上あり第1回〜第24回
あかつき本社8本純資産額維持前年同期末の50%以上あり第53回〜第60回
近鉄グループホールディングス4本利益維持—あり第133回〜第136回
ジャパンインベストメントアドバイザー2本純資産額維持・利益維持前事業年度末の75%以上—第2回〜第3回
ソフトバンクグループ1本純資産額維持3,698億円以上あり第70回
フージャースホールディングス1本純資産額維持・利益維持前事業年度末の75%以上—第2回
名古屋鉄道1本利益維持—あり第76回
ケイアイスター不動産1本純資産額維持・利益維持・負債倍率600億円以上かつ前事業年度末の75%以上—第1回
いちご1本純資産額維持・利益維持前事業年度末の75%以上—第2回
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基準の決め方は大きく2つに分かれました。「前年同期末(前事業年度末)の純資産額の何%以上」と、その時点の純資産に比べて決めるものと、「○億円以上」と金額で決めるものです。前年比で決めるものは、1年で純資産が半分や4分の3を下回るような急な悪化でないと違反になりません。

06財務上の特約:業種ごとに見た、個人向けの単位の社債の特約

業種本数特約なし担付切換だけ純資産・利益の維持あり担保提供制限あり
電力66本20本45本0本46本
銀行・証券・保険の持株会社20本16本3本0本4本
証券会社の持株会社(自社グループで販売)19本0本0本19本0本
その他の事業会社17本0本14本1本17本
ノンバンク(カード・リース)11本0本8本0本11本
ネット金融グループ8本0本0本0本3本
鉄道8本3本0本3本5本
不動産3本0本1本0本3本
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電力会社の社債のうち一般担保付のものは財務上の特約を付けておらず、2025年4月以降の無担保の電力債は担保提供制限(社債間限定)と担付切換条項を付ける形でした。純資産や利益の維持を約束しているのは、自社グループで売る証券会社の持株会社の社債と、一部の事業会社の社債です。

07財務上の特約:特約に違反すると、何が起きるか

財務上の特約に違反したときの扱いは、同じ書類の「期限の利益喪失に関する特約」に書かれています。期限の利益の喪失とは、満期を待たずに、すぐに返済しなければならなくなることです。書類に出てくる事由を、区分ごとに数えました。

期限の利益を失う事由個人向けの記載・1口10万円以下1口100万円・記載なし機関投資家向け
破産・民事再生・会社更生の申立て38本(83%)81本(76%)621本(83%)
ほかの社債の期限の利益喪失34本(74%)78本(74%)606本(81%)
借入金の期限の利益喪失38本(83%)81本(76%)641本(86%)
保証債務を履行できない38本(83%)81本(76%)635本(85%)
差押・競売など信用を害する事実38本(83%)80本(75%)48本(6%)
許認可の取消し8本(17%)11本(10%)13本(2%)
財務上の特約への違背36本(78%)71本(67%)603本(81%)
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1口100万円以下の152本のうち19本は、「本社債権者の請求により」期限の利益を失う、と書かれていました。違反が起きても自動で返済が始まるわけではなく、社債権者(または社債管理者)が請求する手順を踏む形です。

08財務上の特約:ほかの借金の不履行で、社債も期限前に返済になるか

「期限の利益喪失」の欄には、ほかの社債や借入金が返せなくなったときに、この社債も期限前に返済になる、という条項(クロスデフォルト)がよく入っています。ただし多くの書類は、対象になる債務の合計額に下限を付けていて、それより小さい不履行では働きません。その下限の金額を数えました。

区分5億円10億円15億円30億円50億円その他読めなかった
個人向けの記載・1口10万円以下19本13本0本0本0本1本13本
1口100万円・記載なし14本65本0本0本0本0本27本
機関投資家向け340本281本0本4本15本5本104本
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下限は5億円か10億円がほとんどでした。小さな借入の延滞では、社債の期限前返済は起きない設計です。

09財務上の特約:電力債の切り替えで、特約の付き方はどう変わったか

電力会社の社債(劣後債を除く)を四半期ごとに分け、財務上の特約の付き方を数えました。

四半期本数一般担保付担保提供制限あり担付切換あり
2024年3Q2本2本0本0本
2024年4Q14本12本2本1本
2025年1Q7本6本1本1本
2025年2Q16本0本16本16本
2025年3Q16本0本16本15本
2025年4Q10本0本10本10本
2026年1Q4本0本4本3本
2026年2Q14本0本14本10本
2026年3Q13本0本13本9本
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一般担保付から無担保に切り替わった2025年4月以降、電力債にも担保提供制限と担付切換条項が付くようになりました。法律上の優先順位がなくなった分を、契約上の約束で補う形です。

10財務上の特約:1口100万円以下の152本の特約

全件の一覧です。「その他の条項」は当サイトの分類、「クロスデフォルトの下限」は期限の利益喪失の欄にある、ほかの債務の不履行が何円を超えたらこの社債も期限前返済になるか、の金額です。

発行体回提出担保担保提供制限その他の条項クロスデフォルトの下限
アイザワ証券グループ第24回2026年9月無担保付いていない純資産額維持—
ソフトバンクグループ第70回2026年9月無担保付いている(範囲は本文参照)担付切換・純資産額維持150億円
東北電力第586回2026年9月無担保社債間限定担付切換10億円
北海道電力第409回2026年9月無担保社債間限定担付切換10億円
光通信第58回2026年9月無担保社債間限定担付切換5億円
光通信第59回2026年9月無担保社債間限定担付切換5億円
アイザワ証券グループ第23回2026年8月無担保付いていない純資産額維持—
三菱HCキャピタル第31回2026年8月無担保社債間限定担付切換・特定資産の留保10億円
三井住友トラストグループ第25回2026年8月無担保付いていないなし—
あかつき本社第60回2026年8月無担保付いていない純資産額維持—
トヨタファイナンス第2回2026年8月無担保社債間限定担付切換10億円
イオン第31回2026年8月無担保社債間限定担付切換5億円
アイザワ証券グループ第22回2026年7月無担保付いていない純資産額維持—
中国電力第471回2026年7月無担保社債間限定担付切換10億円
クレディセゾン第121回2026年7月無担保社債間限定担付切換5億円
プレミアグループ第2回2026年7月無担保社債間限定担付切換・特定資産の留保5億円
三菱UFJフィナンシャル・グループ第42回2026年7月無担保付いていないなし—
三菱UFJフィナンシャル・グループ第43回2026年7月無担保付いていないなし—
マネックスファイナンス—2026年7月無担保欄なし読めず—
SBIホールディングス第48回2026年7月無担保社債間限定担付切換・特定資産の留保5億円
近鉄グループホールディングス第135回2026年7月無担保社債間限定利益維持・担付切換・特定資産の留保5億円
大東建託第2回2026年7月無担保社債間限定担付切換・特定資産の留保5億円
四国電力第337回2026年7月無担保社債間限定担付切換10億円
東北電力第585回2026年7月無担保社債間限定担付切換10億円
みずほフィナンシャルグループ第34回2026年7月無担保欄なしなし—
みずほフィナンシャルグループ第35回2026年7月無担保欄なしなし—
アイザワ証券グループ第21回2026年6月無担保付いていない純資産額維持—
あかつき本社第59回2026年6月無担保付いていない純資産額維持—
プレミアムウォーターホールディングス第13回2026年6月無担保社債間限定担付切換5億円
東北電力第584回2026年5月無担保社債間限定担付切換10億円
アイザワ証券グループ第20回2026年5月無担保付いていない純資産額維持—
中国電力第470回2026年5月無担保社債間限定担付切換10億円
中国電力第469回2026年5月無担保社債間限定担付切換10億円
北陸電力第377回2026年5月無担保社債間限定担付切換10億円
東京地下鉄第65回2026年5月一般担保付付いていないなし10億円
東京地下鉄第66回2026年5月一般担保付付いていないなし10億円
東京地下鉄第67回2026年5月一般担保付付いていないなし10億円
あかつき本社第58回2026年5月無担保付いていない純資産額維持—
東北電力第582回2026年5月無担保社債間限定担付切換10億円
東北電力第583回2026年5月無担保社債間限定担付切換10億円
野村ホールディングス第5回2026年5月無担保付いていないなし—
アイザワ証券グループ第19回2026年4月無担保付いていない純資産額維持—
あかつき本社第57回2026年4月無担保付いていない純資産額維持—
光通信第56回2026年4月無担保社債間限定担付切換5億円
光通信第57回2026年4月無担保社債間限定担付切換5億円
GENDA第3回2026年4月無担保社債間限定担付切換5億円
東北電力第581回2026年4月無担保社債間限定担付切換10億円
東急第22回2026年4月無担保社債間限定担付切換・特定資産の留保10億円
東北電力第580回2026年4月無担保社債間限定担付切換10億円
アイザワ証券グループ第18回2026年3月無担保付いていない純資産額維持—
あかつき本社第56回2026年3月無担保付いていない純資産額維持—
東北電力第579回2026年3月無担保社債間限定担付切換10億円
SBIホールディングス第1回2026年3月無担保社債間限定担付切換・特定資産の留保5億円
名古屋鉄道第76回2026年3月無担保社債間限定利益維持・担付切換・特定資産の留保5億円
T&Dホールディングス第7回2026年3月無担保社債間限定担付切換5億円
三菱HCキャピタル第24回2026年2月無担保社債間限定担付切換・特定資産の留保10億円
光通信第55回2026年2月無担保社債間限定担付切換5億円
アイザワ証券グループ第17回2026年2月無担保付いていない純資産額維持—
東急不動産ホールディングス第33回2026年2月無担保社債間限定担付切換・特定資産の留保5億円
マネックスファイナンス—2026年2月無担保欄なし読めず—
アイザワ証券グループ第16回2026年1月無担保付いていない純資産額維持—
東北電力第578回2026年1月無担保社債間限定担付切換10億円
クレディセゾン第116回2026年1月無担保社債間限定担付切換5億円
SBIホールディングス第46回2026年1月無担保社債間限定担付切換・特定資産の留保5億円
アイザワ証券グループ第15回2026年1月無担保付いていない純資産額維持—
あかつき本社第55回2026年1月無担保付いていない純資産額維持—
中部電力第578回2025年12月無担保社債間限定担付切換10億円
四国電力第336回2025年12月無担保社債間限定担付切換10億円
北陸電力第376回2025年11月無担保社債間限定担付切換10億円
ひろぎんホールディングス第2回2025年11月無担保社債間限定担付切換・特定資産の留保10億円
アイザワ証券グループ第14回2025年11月無担保付いていない純資産額維持—
北海道電力第408回2025年11月無担保社債間限定担付切換10億円
IDOM第3回2025年11月無担保社債間限定担付切換5億円
GENDA第2回2025年11月無担保社債間限定担付切換5億円
光通信第54回2025年10月無担保社債間限定担付切換5億円
SBIホールディングス第48回2025年10月無担保欄なし読めず—
三菱HCキャピタル第21回2025年10月無担保社債間限定担付切換・特定資産の留保10億円
光通信第52回2025年10月無担保社債間限定担付切換5億円
光通信第53回2025年10月無担保社債間限定担付切換5億円
三菱UFJフィナンシャル・グループ第1回2025年10月無担保付いていないなし—
三井住友フィナンシャルグループ第21回2025年10月無担保付いていないなし—
三井住友フィナンシャルグループ第22回2025年10月無担保付いていないなし—
あかつき本社第54回2025年9月無担保付いていない純資産額維持—
三井住友ファイナンス&リース第51回2025年9月無担保社債間限定担付切換5億円
中部電力第576回2025年9月無担保社債間限定担付切換10億円
中部電力第577回2025年9月無担保社債間限定担付切換10億円
ちゅうぎんフィナンシャルグループ第4回2025年9月無担保欄なしなし—
イオン第28回2025年8月無担保社債間限定担付切換5億円
北陸電力第375回2025年8月無担保社債間限定担付切換10億円
オリックス第225回2025年8月無担保社債間限定担付切換10億円
あかつき本社第53回2025年8月無担保付いていない純資産額維持—
北海道電力第405回2025年8月無担保社債間限定担付切換10億円
北海道電力第406回2025年8月無担保社債間限定担付切換10億円
北海道電力第407回2025年8月無担保社債間限定担付切換10億円
クレディセゾン第112回2025年7月無担保社債間限定担付切換5億円
京王電鉄第46回2025年7月無担保社債間限定担付切換・特定資産の留保5億円
三菱UFJフィナンシャル・グループ第40回2025年7月無担保付いていないなし—
三菱UFJフィナンシャル・グループ第41回2025年7月無担保付いていないなし—
北陸電力第374回2025年7月無担保社債間限定担付切換10億円
近鉄グループホールディングス第133回2025年7月無担保社債間限定利益維持・担付切換・特定資産の留保5億円
東北電力第576回2025年7月無担保社債間限定担付切換10億円
東北電力第577回2025年7月無担保社債間限定担付切換10億円
マネックスファイナンス—2025年7月無担保欄なし読めず—
中部電力第573回2025年7月無担保社債間限定担付切換10億円
中部電力第574回2025年7月無担保社債間限定担付切換10億円
中部電力第575回2025年7月無担保社債間限定担付切換10億円
東京建物第36回2025年6月無担保社債間限定担付切換10億円
北海道電力第403回2025年6月無担保社債間限定担付切換10億円
北海道電力第404回2025年6月無担保社債間限定担付切換10億円
楽天カード第10回2025年6月無担保社債間限定担付切換5億円
JERA第31回2025年6月無担保社債間限定担付切換・特定資産の留保10億円
野村ホールディングス第3回2025年6月無担保付いていないなし—
東北電力第575回2025年5月無担保社債間限定担付切換10億円
中国電力第467回2025年5月無担保社債間限定担付切換10億円
中国電力第468回2025年5月無担保社債間限定担付切換10億円
東北電力第573回2025年5月無担保社債間限定担付切換10億円
東北電力第574回2025年5月無担保社債間限定担付切換10億円
北陸電力第373回2025年5月無担保社債間限定担付切換10億円
大和証券グループ本社第47回2025年5月無担保社債間限定担付切換10億円
中部電力第572回2025年5月無担保社債間限定担付切換10億円
北海道電力第401回2025年4月無担保社債間限定担付切換10億円
北海道電力第402回2025年4月無担保社債間限定担付切換10億円
東北電力第572回2025年4月無担保社債間限定担付切換10億円
北陸電力第372回2025年4月無担保社債間限定担付切換10億円
中部電力第571回2025年4月無担保社債間限定担付切換10億円
SBIホールディングス第47回2025年3月無担保欄なし読めず—
中国電力第465回2025年3月一般担保付付いていないなし10億円
中国電力第466回2025年3月一般担保付付いていないなし10億円
中部電力第570回2025年3月一般担保付付いていないなし10億円
北海道電力第399回2025年2月一般担保付付いていないなし10億円
北海道電力第400回2025年2月一般担保付付いていないなし10億円
東北電力第571回2025年2月一般担保付付いていないなし10億円
クレディセゾン第109回2025年1月無担保社債間限定担付切換5億円
ちゅうぎんフィナンシャルグループ第2回2024年12月無担保欄なしなし—
北陸電力第371回2024年12月一般担保付付いていないなし10億円
T&Dホールディングス第1回2024年12月無担保社債間限定担付切換5億円
沖縄電力第36回2024年11月一般担保付付いていないなし10億円
東北電力第570回2024年11月一般担保付付いていないなし10億円
北海道電力第397回2024年11月一般担保付付いていないなし10億円
北海道電力第398回2024年11月一般担保付付いていないなし10億円
東北電力第569回2024年11月一般担保付付いていないなし10億円
アサヒグループホールディングス第24回2024年10月無担保社債間限定担付切換・特定資産の留保5億円
北海道電力第395回2024年10月一般担保付付いていないなし10億円
北海道電力第396回2024年10月一般担保付付いていないなし10億円
東北電力第568回2024年10月一般担保付付いていないなし10億円
中国電力第463回2024年10月一般担保付付いていないなし10億円
中国電力第464回2024年10月一般担保付付いていないなし10億円
北陸電力第370回2024年10月一般担保付付いていないなし10億円
中国電力第462回2024年9月一般担保付付いていないなし10億円
三井住友トラスト・ホールディングス第21回2024年8月無担保付いていないなし—
三井住友トラスト・ホールディングス第22回2024年8月無担保付いていないなし—
東北電力第567回2024年8月一般担保付付いていないなし10億円
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11財務上の特約:財務制限条項は、投資家を守るか

守れること守れないこと
財務が悪くなった時点で、期限前の返済を求める根拠になる会社にお金が無ければ、請求しても返ってこない
ほかの社債だけに担保が付くのを防ぐ(担保提供制限)社債間限定なら、銀行借入に担保が付いても止められない
純資産や利益が基準を割った時点で、特約違反という区切りができる前年比の基準は、ゆっくり悪化する会社では働きにくい
担保を付けさせる交渉の材料になる担付切換条項があれば、発行体は担保を付けることで期限前返済を避けられる

この期間に出た社債について、実際に財務上の特約に違反して期限の利益を失った例は、当サイトの持つデータでは確かめられません。EDINETの発行書類は発行時の約束を示すもので、その後に違反したかどうかは、発行体の臨時報告書や有価証券報告書を個別に読む必要があります。「効いた事例」を数えることは、この記事ではできていません。

12目論見書と、EDINETの書類の関係

この記事で読んだ社債は、あらかじめ「発行登録書」を出しておき、社債を出すたびに「発行登録追補書類」をEDINETに出す仕組みで発行されたものです。証券会社が交付する目論見書は、この追補書類の募集要項に表紙などを加えたもの、と書類から読み取れます。たとえばソフトバンクグループ 第70回の書類の「その他の記載事項」には、目論見書に加える事項として「表紙に当社の社章を記載」「表紙に本社債の愛称を記載」とだけ書かれていました。1口100万円以下の152本のうち32本の書類に、このような「目論見書に記載しようとしている事項」の記載がありました。

つまり、EDINETの書類を読めば、目論見書の中身はほぼ読めます。申込期間の前でも、書類が出た日から読めるのが利点です。

13目論見書:書類の欄を、上から順に

募集要項の欄を書類の順に並べ、152本で実際にどう書かれていたかを数えました。

欄書かれていること152本での内訳読むときの問い
銘柄発行体名・回号・「無担保」「劣後特約付」「社債間限定同順位特約付」などの付記劣後16本・一般担保付23本・保証付5本・無担保108本順位と特約の要約が名前に入っている
各社債の金額1口の金額1万円4本・10万円30本・50万円2本・100万円116本当サイトは10万円以下を個人向けとして数えている
利率年○%。劣後債は期間ごとに分かれる1つの利率141本・当初固定+見直し11本見直しがあるなら、いつから何に連動するか
利払日毎年○月○日及び○月○日年2回と読めたもの133本受け取る時期
償還期限・償還の方法満期日。期限前償還・買入消却の定め期限前償還の定めあり18本・買入消却の定めあり147本発行体が途中で返せるか
申込期間・払込期日申込の初日と最終日、払込日申込期間2日以上78本・1日74本いつまでに申し込むか
担保「担保及び保証は付されておらず」など一般担保23本、それ以外は無担保倒産時の順位
財務上の特約担保提供制限・その他の条項その他の条項が付いていないもの39本財務制限の中身
(注)信用格付格付会社と格付取得あり128本・「信用格付はない」24本第三者の信用評価
(注)期限の利益喪失期限前に返済になる事由クロスデフォルトの下限が読めたもの112本どんなときに早く返してもらえるか
社債の引受け証券会社と引受金額・手数料引受人あり127本どこで買えるか
社債管理の委託社債管理者(銀行など)社債管理者147本・財務代理人5本倒産時に誰が動くか
手取金の使途集めたお金を何に使うか124本で分類できた返済の原資と事業の関係
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14目論見書:格付の欄を読む

書類の(注)に、格付会社から取得した格付が書かれています。152本のうち24本は「信用格付はない」と書かれていました。下は、年限3〜5年の普通社債に限って、R&IとJCRのうち高い方の格付ごとに利率を並べたものです(年限をそろえないと、格付の差と年限の差が混ざるため)。

格付本数利率の中央値範囲発行体
AAA1本2.248%2.248〜2.248%東京地下鉄
AA12本1.534%0.900〜2.642%T&Dホールディングス・オリックス・三井住友ファイナンス&リース・三菱HCキャピタル・中国電力・京王電鉄・東北電力
AA-8本1.519%0.854〜2.448%JERA・ひろぎんホールディングス・アサヒグループホールディングス・クレディセゾン・北海道電力
A+16本1.802%0.894〜3.021%光通信・北海道電力・北陸電力・名古屋鉄道・四国電力・大和証券グループ本社・東急不動産ホールディングス
A1本2.090%2.090〜2.090%大東建託
A-6本2.502%1.568〜2.689%SBIホールディングス・プレミアグループ・近鉄グループホールディングス
BBB+2本3.055%2.450〜3.660%IDOM・プレミアムウォーターホールディングス
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この期間は金利が上がり続けたので、同じ格付でも出た時期で利率が大きく違います。格付と利率の関係は、同じ時期の社債どうしで比べてください。

15目論見書:どの格付会社の格付を取っているか

書類に書かれた格付会社の組み合わせを、1口の金額の区分で比べました(上位6つ)。

区分格付会社本数割合
1口100万円以下JCR・R&I84本55%
1口100万円以下格付なし24本16%
1口100万円以下R&I23本15%
1口100万円以下JCR11本7%
1口100万円以下JCR・R&I・ムーディーズ9本6%
1口100万円以下R&I・S&P・ムーディーズ1本1%
機関投資家向けJCR・R&I309本41%
機関投資家向けR&I215本29%
機関投資家向けJCR122本16%
機関投資家向けJCR・R&I・ムーディーズ35本5%
機関投資家向け格付なし35本5%
機関投資家向けJCR・R&I・S&P・ムーディーズ20本3%
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個人向けの単位の社債では、R&IとJCRの2社から取る組み合わせが多く、格付を取らない社債も一部にあります。海外の格付会社(ムーディーズ・S&P)の格付を載せる社債は、どちらの区分でも少数でした。

16目論見書:格付を取っていない社債

「信用格付はない」と書かれていた社債を、発行体ごとにまとめました。

発行体本数業種社債の管理1口
アイザワ証券グループ11本証券会社の持株会社(自社グループで販売)社債管理者100万円
あかつき本社8本証券会社の持株会社(自社グループで販売)社債管理者100万円
マネックスファイナンス3本ネット金融グループ財務代理人1万円
SBIホールディングス2本ネット金融グループ財務代理人10万円
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格付がない社債は、第三者の信用評価が書類にないので、発行体の有価証券報告書で財務を自分で読む必要があります。書類の「参照情報」の欄に、参照すべき有価証券報告書の事業年度と提出日が書かれています。

17目論見書:社債管理者の欄を読む

会社法第702条は、社債を発行するときは社債管理者を定めなければならないとし、例外を「各社債の金額が1億円以上である場合」などとしています。会社法施行規則第169条は、もう1つの例外を「社債の総額を各社債の金額の最低額で除して得た数が50を下回る場合」としています。1口100万円以下の社債は、この例外に当たらない限り社債管理者を置く必要があります。152本の内訳は、社債管理者147本・財務代理人5本でした。

社債管理者本数発行体(一部)
みずほ銀行82本GENDA・IDOM・SBIホールディングス・イオン・プレミアグループ・プレミアムウォーターホールディングス・中国電力・光通信・北海道電力・北陸電力・四国電力・
三井住友銀行18本JERA・アサヒグループホールディングス・クレディセゾン・トヨタファイナンス・三井住友トラストグループ・三井住友トラスト・ホールディングス・中部電力・大和証券グ
ファースト信託16本あかつき本社・アイザワ証券グループ
三菱UFJ銀行14本T&Dホールディングス・ちゅうぎんフィナンシャルグループ・ひろぎんホールディングス・オリックス・クレディセゾン・三菱HCキャピタル・名古屋鉄道・大東建託・近鉄グ
りそな銀行6本T&Dホールディングス・三菱UFJフィナンシャル・グループ
三井住友信託5本三井住友ファイナンス&リース・三井住友フィナンシャルグループ・京王電鉄・東急不動産ホールディングス
ほがらか信託3本あかつき本社
野村信託2本みずほフィナンシャルグループ
あおぞら銀行1本ソフトバンクグループ

社債管理者は、社債権者のために弁済を受け、債権を保全するための一切の裁判上・裁判外の行為をする権限を持ちます(会社法第705条第1項)。財務代理人は発行体の代理人で、書類にも「社債権者に対していかなる義務も負わない」と書かれています。倒産のときに誰が社債権者のために動くかが、この欄で分かります。

18目論見書:手取金の使途を読む

「手取金の使途」の欄に出てくる言葉を、業種ごとに数えました(1本に複数当たるもの、どれにも当たらないものがあります)。

業種社債の償還借入金の返済設備資金運転資金グループ会社への貸付・投融資カード・割賦の実行資金環境・社会の適格事業買収
電力462049050090
銀行・証券・保険の持株会社231412030
証券会社の持株会社(自社グループで販売)8001111000
その他の事業会社75012001
ノンバンク(カード・リース)51010600
ネット金融グループ32000000
鉄道41202010
不動産03100020
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「社債の償還」と書かれていれば、借り換えのための社債です。「グループ会社への貸付」なら、返済の原資は子会社からの返済に頼る部分があります。使途は、発行体がこの社債をなぜ出すのかを示す欄です。

19目論見書:発行にかかる費用

「新規発行による手取金の額」の欄には、払込金額の総額と発行諸費用の概算額が書かれています。1通に1回号だけの書類について、発行額に対する費用の割合を業種ごとに並べました。

業種本数最小中央値最大
電力42本0.28%0.37%0.49%
銀行・証券・保険の持株会社10本0.47%0.56%1.50%
ノンバンク(カード・リース)11本0.51%0.64%7.50%
その他の事業会社11本0.45%0.65%1.50%
ネット金融グループ3本0.66%0.66%0.76%
鉄道5本0.62%0.70%1.07%
不動産3本0.80%0.88%0.95%
証券会社の持株会社(自社グループで販売)19本1.20%1.25%3.70%
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費用は発行体が負担するもので、買う人の利回りからは引かれません。自社グループで売る社債は取扱手数料が高く、費用の割合も大きくなっています。

20目論見書:「参照情報」の欄:有価証券報告書のあとに何が変わったか

発行登録追補書類は、会社の概況を直近の有価証券報告書に任せ、その後に変わったことだけを「参照書類の補完情報」に書きます。「事業等のリスク」について「変更その他の事由はありません」と書いた書類が90本、変更や追加を書いた書類が17本、どちらとも読み取れなかったものが45本でした。

業種変更なし変更・追加あり読み取れず
電力30本9本27本
銀行・証券・保険の持株会社9本6本5本
証券会社の持株会社(自社グループで販売)19本0本0本
その他の事業会社12本1本4本
ノンバンク(カード・リース)8本0本3本
ネット金融グループ5本0本3本
鉄道5本1本2本
不動産2本0本1本
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「変更・追加あり」の書類は、有価証券報告書のあとに起きたこと(買収・訴訟・業績の変化など)が書かれている可能性があるので、その部分は必ず読んでください。

21目論見書:愛称の付いた社債

書類に愛称が書かれていた社債です(21本)。ある書類は、目論見書の表紙に愛称を載せると書いていました。当サイトは、愛称のある社債を「個人向けの記載がある社債」として数えています。

愛称発行体提出1口利率年限
福岡ソフトバンクホークスボンドソフトバンクグループ2026年9月100万円4.750%7年
A・bond(あかつき債)あかつき本社2026年8月100万円2.000%1年
TOYOTA Wallet つむぐボンドトヨタファイナンス2026年8月10万円1.720%1年
カープレミア債プレミアグループ2026年7月10万円2.536%3年
大東建託債大東建託2026年7月10万円2.090%3年
A・bond(あかつき債)あかつき本社2026年6月100万円2.000%1年
プレミアムWボンドプレミアムウォーターホールディングス2026年6月10万円3.660%4年
A・bond(あかつき債)あかつき本社2026年5月100万円2.000%1年
A・bond(あかつき債)あかつき本社2026年4月100万円2.000%1年
A・bond(あかつき債)あかつき本社2026年3月100万円2.000%1年
SBI START債SBIホールディングス2026年3月1万円2.150%3年
Try&Discover債T&Dホールディングス2026年3月10万円1.897%5年
A・bond(あかつき債)あかつき本社2026年1月100万円1.500%1年
Gulliver=IDOM債IDOM2025年11月10万円2.450%3年
A・bond(あかつき債)あかつき本社2025年9月100万円1.500%1年
A・bond(あかつき債)あかつき本社2025年8月100万円1.500%1年
京王れーるボンド京王電鉄2025年7月50万円1.380%5年
東京建物 Brillia サステナビリティボンド東京建物2025年6月10万円1.760%7年
楽天カードマン債楽天カード2025年6月10万円1.680%1年
JERA債JERA2025年6月100万円1.504%5年
Try&Discover債T&Dホールディングス2024年12月100万円0.989%5年
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22目論見書:年限の分かれ方

「償還期限」と「払込期日」から計算した年限を、1口の金額の区分で数えました。

区分1年以下2〜3年4〜5年6〜10年11年以上読めず
個人向けの記載・1口10万円以下11本11本17本2本0本5本
1口100万円・記載なし12本3本16本61本14本0本
機関投資家向け17本147本276本195本41本73本
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個人向けの記載や1口10万円以下の社債は5年以下が中心で、10年を超える長い年限は1口100万円以上の社債に偏っています。「読めず」には、償還期限を定めない永久劣後債や、償還期限の書き方がほかと違う書類が含まれます。

23目論見書:1本を例に、全部の欄を読む(ソフトバンクグループ 第70回)

最後に、この期間で最も発行額(予定)の大きかった個人向け社債を例に、書類の欄を1つずつ読みました。

欄書かれていたこと(当サイトの読み取り)
銘柄ソフトバンクグループ株式会社第70回無担保社債
愛称福岡ソフトバンクホークスボンド
各社債の金額100万円
利率4.75%
利払日毎年3月17日及び9月17日
償還期限2033年9月16日
申込期間2026年9月7日〜2026年9月16日(10日)
払込期日2026年9月17日
担保担保及び保証は付されていない
財務上の特約(担保提供制限)付いている(範囲は本文参照)
財務上の特約(その他の条項)担付切換・純資産額維持
信用格付JCRA
社債管理者あおぞら銀行
引受11社(主幹事 野村證券)
引受手数料額面100円につき1.10円
クロスデフォルトの下限150億円

利率が高い社債ほど、格付・財務上の特約・手取金の使途を丁寧に読む価値があります。この例では、純資産額を一定額以上に維持する条項が付いていました。

24倒産:社債の順位を、1口の金額ごとに数える

区分本数一般担保付保証付無担保(普通)劣後
個人向けの記載・1口10万円以下46本3本5本38本0本
1口100万円・記載なし106本20本0本70本16本
機関投資家向け749本43本2本628本76本
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一般担保付は、電力会社と東京メトロの社債で、法律(電気事業法の附則、東京地下鉄株式会社法第3条)により「一般の先取特権に次ぐ」先取特権が与えられているものです。劣後は、ほかの債権より後に払われる約束をしたものです(破産法第99条第2項の約定劣後破産債権)。それ以外の「無担保(普通)」は、銀行借入や取引先への支払いと同じ順位です。

25倒産:保証付の社債

銘柄の名前に「保証付」とある社債が7本ありました。発行体が払えないときは、保証した会社が払う約束です。

発行体回提出1口保証した会社
マネックスファイナンス—2026年7月1万円マネックスグループ株式会社
近鉄グループホールディングス第135回2026年7月10万円近畿日本鉄道株式会社
近鉄グループホールディングス第136回2026年7月1億円近畿日本鉄道株式会社
マネックスファイナンス—2026年2月1万円マネックスグループ株式会社
近鉄グループホールディングス第133回2025年7月10万円近畿日本鉄道株式会社
近鉄グループホールディングス第134回2025年7月1億円近畿日本鉄道株式会社
マネックスファイナンス—2025年7月1万円マネックスグループ株式会社
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保証付の社債では、発行体(子会社)だけでなく、保証した会社(親会社)の財務も読む必要があります。

26倒産したとき、誰が手続きをするか

会社法第702条は、社債には原則として社債管理者を置くことを求め、各社債の金額が1億円以上の場合などを例外にしています(会社法施行規則第169条は、総額を最低額で割った数が50未満の場合も例外とする)。例外に当たる社債では、社債管理補助者を置くこともできます(会社法第714条の2)。

区分社債管理者社債管理補助者財務代理人だけ読み取れず
個人向けの記載・1口10万円以下41本0本5本0本
1口100万円・記載なし106本0本0本0本
機関投資家向け93本16本638本2本
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社債管理者は、社債権者のために弁済を受け、債権を保全するための一切の裁判上・裁判外の行為をする権限を持ちます(会社法第705条第1項)。社債管理補助者は、破産手続参加などの行為をする権限を持ち、委託の契約の範囲でそれ以上のこともします(会社法第714条の4)。

一方、財務代理人は発行体の代理人です。財務代理人だけの社債のうち77本の書類には、財務代理人が社債権者に対して義務を負わない旨が書かれていました。3本の書類には、発行体が払わないときは「社債権者が自ら」権利を守る行為をしなければならない、と明記されていました。1口1億円の機関投資家向けは財務代理人だけのものが大半、1口100万円以下は社債管理者を置くものが大半、という分かれ方でした。

27倒産:社債権者集会で決まること

倒産の前後で、元本の減額や支払いの猶予などを話し合うのが社債権者集会です。会社法は決議の条件を次のように定めています(第724条)。

決議の種類条件
普通の決議出席した議決権者の議決権の総額の2分の1を超える同意
社債管理者が行う和解・期限の猶予などの決議(第706条第1項各号の行為など)議決権者の議決権の総額の5分の1以上で、かつ、出席した議決権者の議決権の総額の3分の2以上の同意

社債権者の側から集会を開くよう求める条件も、多くの書類に書かれています。1口100万円以下の152本のうち146本は、「本種類の社債の総額の10分の1以上に当たる社債を有する社債権者」が招集を請求できる、としていました。個人が1人でこの割合を持つことはまずないので、実際には社債管理者が中心になって動くことになります。

28倒産したら、いくら戻るか

戻る額は、会社に残った財産と、ほかの債権者の債権の額で決まります。同じ順位の債権は、額の割合に応じて配当を受けます(破産法第194条第2項)。

順位考え方
一般担保付の社債一般の先取特権に次ぐ順位なので、普通の債権より先に配当を受ける
無担保(普通)の社債銀行借入・取引先への支払いなどと同じ順位で、残った財産を債権額に応じて分ける
劣後債ほかの債権が全額払われた後でないと受け取れない

実際の回収率は、倒産した会社ごとの財産の状況で大きく違います。当サイトは、過去の社債の不払い事例と回収率の一次資料を集められていないので、ここで数字は示しません。

29倒産の前に、書類で確かめられること

確かめること書類のどこ理由
順位銘柄の名前・「担保」欄一般担保付・無担保・劣後で、戻る順番が違う
保証銘柄の名前(「保証付」)親会社などの保証があるか
社債管理者「社債管理の委託」欄倒産時に社債権者のために動く人がいるか
期限の利益喪失(注)期限の利益喪失に関する特約どんなときに期限前に返済を求められるか
格付(注)信用格付第三者の評価。取得していない社債もある

30よくある質問

財務制限条項が付いている社債の方が安全ですか。

安全とは言い切れません。条項は悪化したときに手を打てる根拠ですが、返すお金が無ければ返ってきません。この期間は、条項の付いた社債は一部に限られていました。

「社債間限定同順位特約付」とは何ですか。

ほかの社債に担保を付けるときは、この社債にも同じ順位の担保を付ける、という担保提供制限です。対象は社債だけで、銀行借入は含みません。

担付切換条項は投資家に有利ですか。

発行体が自分の判断で担保を付けられる条項です。財務制限に引っかかったときに、担保を付けて期限前の返済を避けるために使われることがある、と書類自身が説明しています。

財務上の特約はどこで読めますか。

EDINETで発行体名を検索し、発行登録追補書類を開くと、募集要項の中に「財務上の特約」の欄があります。書類の「その他の記載事項」には、目論見書に追加で載せる事項(表紙の社章や愛称など)が書かれていて、募集要項そのものは同じです。

目論見書はどこで手に入りますか。

申し込む証券会社が交付します。中身の中心になる募集要項は、EDINETの発行登録追補書類でも読めます。

有価証券報告書まで読む必要がありますか。

格付がない社債や、利率が同じ時期の社債より高い社債では、発行体の財務を有価証券報告書で読むことをすすめます。書類の「参照情報」の欄に、どの報告書を参照すべきかが書かれています。

4か所だけ読めば十分ですか。

利率・期間・順位・財務制限の4か所で、条件の骨格は分かります。そのうえで、格付と社債管理者、手取金の使途を確かめると、判断の材料がそろいます。

社債は預金保険で守られますか。

守られません。社債は預金ではありません。

倒産したら、社債の手続きは自分でするのですか。

社債管理者がいる社債は、社債管理者が社債権者のために手続きをします。財務代理人だけの社債では、書類に社債権者が自ら権利を守る必要があると書かれています。

一般担保付なら全額戻りますか。

全額が戻る保証ではありません。ほかの債権者より先に配当を受けられるというだけです。

過去に個人向け社債が払われなかったことはありますか。

この記事では、過去の不払い事例を一次資料で確かめられていないため、書いていません。

31この記事の数字は、どこから取ったか

使ったのは、金融庁のEDINETに提出された発行登録追補書類の本文です。2024年5月24日から2026年9月30日までに提出された596通(901回号)を、1日ずつ提出書類の一覧をたどって集め、1通ずつ本文を読みました。

遡れるのは約2.3年分です。EDINETは書類を縦覧期間のあいだしか公開しないため、それより前の発行はこの方法では取れません。この期間は、日本の金利が上がり始めた時期にあたります。ここで数えた傾向が、別の時期にもそのまま当てはまるとは限りません。

書類の文言は機械で読み取っています。読み取れなかった欄は「—」または件数から外し、そのことを本文に書きました。発行額は書類の時点の予定額で、後から訂正されることがあります。

財務上の特約の中身は、欄の文言から当サイトが機械で分けたものです。1本に複数の条項が付くものは、それぞれに数えています。

当サイトは金融商品取引業者ではなく、この記事は特定の社債の勧誘ではありません。社債は発行体が倒産すれば元本が戻らないことがあり、預金保険の対象でもありません。

欄の内訳は、書類の文言を当サイトが機械で読み取って数えたものです。

順位・保証・社債管理の区分は、銘柄の名前と書類の欄から当サイトが分けたものです。

自分の数字で確かめる:どこに置くと、いくら増える?

はじめての人へ

    税金を引いた後の金額です(単利)。満期が先に来るものは同じ利率で入れ直したとします。元本割れ・遅延・中途換金は含みません。 預金は日本銀行の平均金利(2026年9月)、国債は今月の利率、社債は個人向け社債30本の利率の中央値、クラファンは不動産型の実案件1194件の想定利回りの中央値です。 クラファンの分配金は雑所得なので、所得税×1.021+住民税10%で計算しています。年収からの税率は、独身の会社員で社会保険料を年収の15%とした目安です(扶養やiDeCoなどがあると下がります)。

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