投資総研
データ記事

少額から複数社に分けるときの口座管理

この記事に出てくる言葉償還運用期間確定申告手数料

01口座が増えると、何が増えるのか

分散のために社数を増やすと、管理する対象がそのまま増えます。何が増えるかを具体的に並べます。

増えるもの1社5社10社
ログイン情報1組5組10組
本人確認の手続き1回5回10回
メールの通知1社から5社から10社から
年間取引報告書1通5通10通
確定申告の入力1社ぶん5社ぶん10社ぶん
残高を確認する場所1か所5か所10か所
住所変更のとき1社5社10社
相続のときの手続き先1社5社10社
横にスクロールすると残りの列が見えます

4行目と5行目が、年に一度必ず来ます。10社ぶんの年間取引報告書を集めるのは、それだけで1〜2時間かかります。

02口座を作るときに、そろえておくもの

最初に準備しておくと、2社目以降が早くなります。

準備するもの使い道注意
マイナンバーカード本人確認+番号確認1枚で両方できる。ないと書類が2種類要る
本人確認書類の画像アップロード用表・裏の両方。鮮明に
銀行口座の情報出金先の登録本人名義に限られる
メールアドレス登録用投資用に1つ作ると通知が整理できる
パスワード管理ソフトログイン情報の管理使い回しを避ける
管理表のテンプレート記録最初に作っておく

4行目が実務的です。投資用のメールアドレスを1つ作ると、募集の通知や運用の報告が1か所に集まります。普段のメールに混ざると、重要な通知を見落とします。

ただし、そのアドレスを毎日見る習慣がないと逆効果です。転送設定をするか、週に一度見る日を決めてください。

03口座を作る順番

いきなり5社に作る必要はありません。順番があります。

  1. 1社目:最低投資額が低く、案件が多い事業者。流れを覚えるため。1万円から出せるところ。
  2. 1件出して、償還まで見る。申し込み、入金、運用中の報告、分配、償還。一周してみます。
  3. 2〜3社目:種別を変える。1社目が不動産型なら、融資型か事業型を。
  4. 4〜5社目:条件の違う事業者。運用期間、募集方式、情報開示の量が違うところ。
  5. そこで止める。分散の効果は5社前後で頭打ちになります。

2行目を飛ばさないでください。一周してみると、その事業者の報告の量とサイトの使い勝手が分かります。報告が薄い事業者に大きな金額を出すことにならずに済みます。

04複数社を管理する、最小限の仕組み

表計算ソフトで1枚。月に5分の更新で維持できます。

列中身なぜ要るか
事業者名——
案件名—何に出しているか
出資額—合計を出すため
出資日——
想定利回り—分配の見込み
満了予定日—いつ戻るか
状態運用中/償還済/延長中—
受け取った分配(税引前)—確定申告
源泉徴収された額—同上
備考延長の通知など—

この表から、2つの数字を毎月見ます。

見る数字計算判断
総額運用中の出資額の合計決めた上限を超えていないか
1社あたりの割合その事業者 ÷ 総額30%を超えていないか

この2つだけで、集中と総額の膨張を防げます。事業者ごとのマイページを見ているだけでは、この2つは分かりません。

05社数を減らすという選択

増やすだけでなく、減らす判断もあります。減らすべき場面を挙げます。

場面なぜ減らすか
募集が半年以上出ていない口座を持っている意味がない
運用中の案件がゼロになったそのまま置いておくと、管理表が膨らむ
条件が他社より明確に悪くなった出す理由がない
確定申告の負担が重い社数を絞れば軽くなる
高齢になった相続のときの手続き先を減らす
報告が薄い、対応が悪い情報開示の姿勢は、事業者を選ぶ理由になる

減らすときの注意です。

やること理由
運用中の案件がないことを確認する運用中は退会できない
年間取引報告書を全年分ダウンロードする退会するとマイページが見られなくなる
取引履歴を保存する同上
確定申告が終わってから退会する同上
デポジット口座の残高を出金する残したままだと引き出せない

2行目が重要です。退会するとマイページが見られなくなり、書類が取れなくなることがあります。確定申告が終わってから退会してください。

06よくある質問

いくらから始められますか。

最低投資額は事業者によって違い、中央値は1万円です。1万円から出せる事業者が多くあります。

途中でやめられますか。

運用期間中は原則としてやめられません。一部の事業者が譲渡や解約に対応していますが、手数料がかかり、応じてもらえない場合もあります。

確定申告は必要ですか。

給与所得者で、給与以外の所得の合計が年20万円以下なら所得税の申告は不要です。ただし住民税の申告は別に必要になることがあります。

何社に分けるのがよいですか。

4社から6社が、分散の効果と管理の手間の釣り合う範囲です。10社を超えると確定申告の書類集めが重くなります。

元本は保証されますか。

されません。どの種別にも公的な元本補償の仕組みはありません。

07この記事の数字は、どこから取ったか

会社名を挙げて処分や事故を書くにあたっては、照合を法人番号の完全一致に限りました。社名の部分一致で突き合わせると、似た社名の別会社の記録を拾ってしまいます。当サイトが実際に試したところ、82件が一致したように見えてそのほとんどが別会社でした。

できていないことも書きます。不動産特定共同事業者への監督処分は国土交通省・都道府県の所管で、この事例集には含まれていません。また償還後の実績は、事業型を除いてどの事業者も公表していないため、不動産型・融資型については「戻らなかった件数」を外から数えられません。

数字はいずれも元本を保証するものではなく、この記事は特定の商品の勧誘ではありません。

自分の数字で確かめる:分けて買うと安心?

はじめての人へ

1つの案件に全部入れず、いくつかに分けて買うと、1件で損が出たときの痛みが小さくなります。

分けて減るのは「1件の事故」の影響です。金利の上昇や不動産価格の下落のように、すべての案件に同時に効く損は、件数を増やしても減りません。同じ事業者の案件を何件買っても、事業者の倒産には備えられません。

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