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電子取引業務の許可と、対面のみの事業者の違い

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この記事に出てくる言葉電子取引業務損益通算元本保証償還

01電子取引業務とは、何の許可か

不動産特定共同事業の契約をインターネットで締結するための許可です。2017年の法改正で追加されました。これがないと、契約は対面か書面のやりとりで行う必要があります。

電子取引業務あり電子取引業務なし
契約の締結オンラインで完結対面または郵送での書面のやりとり
書面の交付電磁的方法で交付できる紙で交付
投資家の同意画面上で取得書面で取得
最低投資額少額にしやすい事務の負担から高くなりがち
投資家の範囲全国事務所の周辺が中心になりやすい
必要な体制電子情報処理組織の管理体制—

4行目と5行目が、クラウドファンディングという形を成立させました。1万円から全国の投資家を集められるのは、この許可があるからです。

02許可を受けるために必要な体制

電子取引業務の許可は、不特事業の許可に追加する形で取得します。求められるのは、システムの管理体制です。

求められること中身
電子情報処理組織の管理システムの安定性、障害時の対応
投資家の識別本人確認の方法、なりすましの防止
同意の取得と記録投資家が確かに同意したことを記録に残す
書面の交付の確認電磁的方法で交付したことの記録
情報のセキュリティ不正アクセスの防止、情報の保護
業務管理者電子取引業務に関する知識を持つ者の配置
約款の整備電子取引に関する事項を定める

投資家から見て重要なのは、3行目と4行目です。「同意した」「書面を受け取った」ことが記録に残る仕組みになっているということです。これは、あとで争いになったときに双方にとって証拠になります。

03掲載している不動産型80社の状況

国土交通省の一覧と法人番号で照合した結果です。記載がないことは、許可がないことを意味しません。一覧の版が古い、法人番号を特定できなかった、といった理由で「—」になることがあります。

サービス種別電子取引業務最低投資額募集方式劣後出資想定利回り運用期間
COZUCHI不動産型あり1万円抽選・先着約20%4–10%3–120ヶ月
CREAL不動産型あり1万円—案件による3–6%〜36ヶ月
Rimple不動産型あり1万円抽選30%2.7–4.0%6ヶ月
利回り不動産不動産型あり1万円—5–10%4–12%6–12ヶ月
利回りくん不動産型あり1万円—5–30%3–6%3–12ヶ月
TECROWD不動産型あり10万円先着5–10%平均10.01%6–36ヶ月
LEVECHY不動産型—1万円抽選(実案件より)非公開平均7.6%6ヶ月前後
TORCHES不動産型あり1万円—10%10–17%3–10ヶ月
Victory Fund不動産型—1万円—1–9.2%8–18%6–12ヶ月
CONDO不動産型あり1万円抽選12%10.2%3–6ヶ月
FUNDI不動産型あり1万円—4–5%8–12%6–12ヶ月
REALE不動産型—1万円抽選30%6.5%6ヶ月
みんなの年金不動産型あり10万円先着平均9.3%8.0%6–12ヶ月
FANTAS funding不動産型あり1万円抽選約20%5–6%2–12ヶ月
TSON FUNDING不動産型あり10万円先着10–20%5.5–6.5%4–12ヶ月
CAMEL不動産型あり2万円—2.5–20%7–10%5–7ヶ月
DARWIN funding不動産型あり1万円—10–20%5–8%5–10ヶ月
GATES FUNDING不動産型あり1万円—5–10%8–10%4ヶ月
ジョイントアルファ不動産型あり1万円—3–50%3–5%6–12ヶ月
ASSECLI不動産型あり1万円—5–20%4–8%3–6ヶ月
まにわく不動産型あり10万円—10–30%7–10%3–12ヶ月
トモタク不動産型あり1万円抽選・先着10%5–10%3–12ヶ月
FUNDROP不動産型あり1万円—20–30%4–8%3–12ヶ月
K-FUND不動産型あり1万円—7.5%12–13.5%6ヶ月
GALA FUNDING不動産型あり1万円—30%3%6ヶ月
汐留ファンディング不動産型あり1万円抽選・先着(実案件より)10–20%8–10%6–12ヶ月
大家どっとこむ不動産型あり1万円—10–30%3.5–10%3–12ヶ月
SOLS不動産型あり5万円先着6–30%2.5–12%3–12ヶ月
わかちあいファンド不動産型あり10万円先着10–20%5–10%4–12ヶ月
REEZIN不動産型あり1万円—40%8%3ヶ月
信長ファンディング不動産型あり1万円—20–30%5–10%2–12ヶ月
BATSUNAGU不動産型あり1万円—9–10%6–10%1–12ヶ月
えんfunding不動産型あり1万円—20%2–4%3–12ヶ月
ゴコウファンド不動産型あり1万円—10–40%5–8%数ヶ月–数年
NINE FUND不動産型あり10万円—25–64%7.5–7.9%6ヶ月
ちょこっと不動産不動産型あり1万円—30%3.9–4.3%4–10ヶ月
Property+不動産型あり1万円—4–70%3–10%2–16ヶ月
プレファン不動産型—1万円——3.9–4.0%6ヶ月
みらファン不動産型あり1万円抽選・先着15–20%5.5–8.0%〜12ヶ月
らくたま不動産型あり1万円抽選・先着(実案件より)30–40%5–6%3–12ヶ月
ヤマワケエステート不動産型あり1万円抽選・先着(実案件より)—15–25.8%2–9ヶ月
GOLD CROWD不動産型あり1万円抽選14–69.4%5.15–10.53%—
センス・オーナーズ不動産型あり10万円—61%12–15%—
LSEEDクラファン不動産型あり—抽選・先着———
不動産BANK不動産型あり1万円——6以上%11–12ヶ月
トリニティファンド不動産型——先着—8–12%3ヶ月
T's Funding不動産型あり10万円先着20%以上——
みんなで大家さん不動産型あり100万円—20%6–10%12–60ヶ月
ハロー! RENOVATION不動産型あり5万円—7.7–18.9%10前後%—
TREC Funding不動産型あり1万円——平均6.5%平均24ヶ月
A funding不動産型あり———平均7.6%平均11ヶ月
PARTNERS Funding不動産型—1万円—30%平均8%平均3ヶ月
B-Den不動産型あり10万円——平均3%平均5ヶ月
タスキFunds不動産型あり10万円——平均4.8%5–8ヶ月
GoodComFund不動産型あり———平均4%平均180ヶ月
iRD不動産型あり——40%平均3.7%平均3ヶ月
CROWD BUILDS不動産型————10–11%2–5ヶ月
bitREALTY不動産型————2.2–2.5%平均12ヶ月
DAIMLAR FUND不動産型————平均8%平均12ヶ月
エードMYバンク不動産型—10万円——5.2–5.5%平均22ヶ月
VERFUND不動産型あり10万円—30%平均5%平均6ヶ月
Beginners Cloud不動産型あり1万円——平均7%平均12ヶ月
ASSET FUNDING不動産型あり1万円抽選・先着—4–5%4–6ヶ月
不動産クラファンPRO不動産型あり10万円——7%6ヶ月
FC FUNDING不動産型あり1万円——2–5%4–11ヶ月
ジャストフィット不動産型あり1万円——3.2–10%6–121ヶ月
KORYO Funding不動産型あり10万円先着—4.5%6–18ヶ月
Lives FUNDING不動産型あり1万円——4–8%6–12ヶ月
おうちの再生ファンドVIFA不動産型あり1万円——6–12%2–12ヶ月
REISMファンズ不動産型あり1万円——5%3ヶ月
Re:Vest不動産型あり1万円——6%12ヶ月
田村ビルズクラウドファンディング不動産型あり1万円——3.1–7.7%3–15ヶ月
投活不動産型あり1万円抽選20–40%5–8%3–12ヶ月
Re-plan Funding不動産型あり1万円—案件による8–21%3–12ヶ月
Myファンド不動産型あり1万円—30–50%8%6–10ヶ月
Ezファンド不動産型あり1万円抽選非公開4.52–6.27%3–6ヶ月
彩-SAI-不動産型あり30万円—20%4.0%31–60ヶ月
ネット不動産ファンディング不動産型あり1万円—非公開4–10%6–12ヶ月
ai fund不動産型あり10万円—50%5%12ヶ月
esクラウドファンディング不動産型あり10万円—60%5.5–8%1–6ヶ月
横にスクロールすると残りの列が見えます

照合できた72社のうち、電子取引業務の記載があったのは70社でした。

04対面のみの事業者との違い

不動産の小口化商品には、電子取引業務の許可を持たず、対面で販売しているものもあります。性質の違いを並べます。

オンライン型(電子取引業務あり)対面型
最低投資額1万円から100万円単位が多い
契約の形匿名組合型が中心任意組合型が多い
所得区分雑所得不動産所得
損益通算できないできる場合がある
申し込みサイトで完結面談、書面のやりとり
情報の入手募集ページで誰でも見られる営業担当から
投資家の層少額の個人が中心まとまった資金を持つ個人・法人
相続税評価出資持分として評価不動産として評価。特例の対象になる場合がある

どちらが優れているという話ではありません。目的が違う商品です。オンライン型は少額から分散するための商品で、対面型はまとまった資金を不動産に振り向けるための商品です。

税の扱いが違う点は、金額が大きくなるほど効いてきます。損益通算ができるかどうかは、数百万円以上を動かす場合には無視できない差になります。

05オンラインで契約するときに、投資家が確かめること

画面で完結する分、読み飛ばしやすくなります。確かめる項目を並べます。

確かめること画面のどこかなぜ
契約成立前書面を実際に開いたか申し込みの前に表示される「確認しました」にチェックするだけで進める設計が多い
優先劣後の割合(この案件の実際の値)募集ページ・書面会社の公表値と案件の値が違うことがある
運用期間と延長の条件書面延長に同意は要らない
解約・譲渡の可否書面資金が必要になったとき
手数料書面・料金ページ利回りから引かれるのか
分別管理の方法書面信託か、分別した預金口座か
クーリング・オフの可否書面電子取引では適用されない場合がある

最後の行を補足します。不動産特定共同事業法には書面の交付を受けた日から8日間のクーリング・オフの規定がありますが、契約の形や事業者の定めによって扱いが変わります。電子取引だからといって自動的に適用される・されないと決めつけないでください。書面に書いてあります。

そして、画面でチェックを入れた記録は残っています。「読んでいない」という主張は通りにくくなります。オンラインで完結する便利さの裏返しとして、自分で読む責任が重くなっている、と理解しておくのが正確です。

06よくある質問

登録や許可があれば安全ですか。

違います。登録・許可は最低限の体制と財産的基礎を確かめたもので、集めた資金が正しく使われることの保証ではありません。過去に事故を起こした事業者も、全社が登録業者でした。

登録番号はどこで確かめられますか。

金融商品取引業者は金融庁の「金融商品取引業者登録一覧」、不動産特定共同事業者は国土交通省の一覧で照合できます。どちらも無料で公開されています。

不動産型と融資型で、監督する役所は違いますか。

違います。不動産特定共同事業は国土交通省と都道府県、金融商品取引業と貸金業は金融庁(財務局)です。

元本を保証する商品はありますか。

ありません。出資を集めて元本を保証することは出資法で禁じられています。「元本保証」と書いてある業者には関わらないでください。

07この記事の数字は、どこから取ったか

会社名を挙げて処分や事故を書くにあたっては、照合を法人番号の完全一致に限りました。社名の部分一致で突き合わせると、似た社名の別会社の記録を拾ってしまいます。当サイトが実際に試したところ、82件が一致したように見えてそのほとんどが別会社でした。

できていないことも書きます。不動産特定共同事業者への監督処分は国土交通省・都道府県の所管で、この事例集には含まれていません。また償還後の実績は、事業型を除いてどの事業者も公表していないため、不動産型・融資型については「戻らなかった件数」を外から数えられません。

数字はいずれも元本を保証するものではなく、この記事は特定の商品の勧誘ではありません。

自分の数字で確かめる:分けて買うと安心?

はじめての人へ

1つの案件に全部入れず、いくつかに分けて買うと、1件で損が出たときの痛みが小さくなります。

分けて減るのは「1件の事故」の影響です。金利の上昇や不動産価格の下落のように、すべての案件に同時に効く損は、件数を増やしても減りません。同じ事業者の案件を何件買っても、事業者の倒産には備えられません。

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