投資総研
データ記事

同じ利回り7%でも、種別で意味が違う理由

読む目安:「先に結論」だけなら1分/全部で約10分(4千字)

01同じ7%でも、その7%が出てくる場所が違う

想定利回り7%という数字を4種別で並べると、まったく別の意味になります。7%を払える理由が違うからです。

不動産型融資型事業型株式投資型
7%の出どころ賃料、または売却益借り手が払う金利事業の売上利回りの概念がない
誰が払うのか物件の収益借り手事業の実施者—
7%が出る理由物件の収益性、または短期の値上がり借り手がその金利でしか借りられない事業の利益率—
下落を先に受ける人劣後出資をした事業者いない(担保があれば担保)いない—
崩れるとき空室、価格の下落、売却の遅れ借り手の返済不能売上の未達—
確定する時点運用の満了と精算回収手続きの終了清算—
7%の上限なし利息制限法により年15〜20%なし—
横にスクロールすると残りの列が見えます

3行目が、融資型の7%を読むときの鍵です。年7%で借りるということは、銀行がその金利で貸さない相手だということでもあります。銀行の事業性融資の金利は1〜3%が中心です。

これは「危ない」という意味ではありません。銀行が貸さない理由は信用リスクだけではなく、審査に時間がかかる、金額が小さい、担保の形が合わない、といった事情もあります。その理由が説明されているかを見ることになります。

02実案件で、7%前後の案件を並べる

当サイトが取得した実案件のうち、想定利回りが6.5〜7.5%のものを種別ごとに並べます。

種別該当する件数その種別の全件構成比
不動産型22件426件5.2%
融資型11件90件12.2%
株式投資型0件6件0.0%
ファンド型(事業型)0件0件0.0%
横にスクロールすると残りの列が見えます

不動産型(22件)

サービス案件名想定利回り運用期間募集額状態
CREAL大阪北船場ホテル7.4%36ヶ月—運用中
CREAL五反田オフィス6.5%36ヶ月—運用中
CREAL両国駅前ビル6.5%15ヶ月—償還済
汐留ファンディング汐留ファンディング7号(浦安市マンションプロジェクト)7.0%6ヶ月4,300万円運用終了
らくたまらくたま33号(銀座8丁目商業ビル)6.5%12ヶ月6.6億円運用中
らくたまらくたま12号(門前仲町②)6.5%7ヶ月6,916万円運用終了
らくたまらくたま11号(埼玉県富士見市①)6.5%12ヶ月1.4億円運用終了
らくたまらくたま9号(蒲田①)6.5%3ヶ月9,000万円運用終了
トモタク2037年12月までの税金(源泉税)には、復興特別所得税が含まれます。6.6%12ヶ月——
TREC FundingTREC12号 <名鉄コラボ>名古屋市中区マンションファンド6.5%24ヶ月2億円運用中
TREC FundingTREC11号 世田谷区千歳船橋マンションファンド6.5%24ヶ月2.6億円運用終了
TREC FundingTREC10号 目黒区学芸大学マンションファンド6.5%22ヶ月2.2億円運用終了
不動産クラファンPRO東久留米市 土地 空家流動化プロジェクト7.0%6ヶ月700万円募集中
投活投活プロジェクト36号7.0%6ヶ月1,832万円運用終了
投活投活プロジェクト22号7.0%6ヶ月1,710万円運用終了
投活投活プロジェクト20号7.0%6ヶ月1,160万円運用終了
投活投活プロジェクト19号7.0%6ヶ月890万円運用終了
投活投活プロジェクト18号7.0%6ヶ月560万円運用終了
投活投活プロジェクト16号7.0%6ヶ月1,020万円運用終了
投活投活プロジェクト14号7.0%6ヶ月900万円運用終了
投活投活プロジェクト12号6.9%6ヶ月2,000万円運用終了
投活投活プロジェクト7号6.5%6ヶ月490万円運用終了
横にスクロールすると残りの列が見えます

融資型(11件)

サービス案件名想定利回り運用期間募集額状態
Bankers【円建て】モンゴル個人・中小企業向けローンファンド2_10号7.2%12ヶ月4,000万円—
Bankers【円建て】バルカン地域オンライン金融事業者ファンド2_9号6.6%13ヶ月——
CAPIMAなんらかの理由で家庭で育つことのできない児童の支援として、社会的養育施設や農福連携施設な7.0%12ヶ月7,000万円運用中
CAPIMA山梨県富士河口湖 地域創生支援 不動産担保ファンド#27.0%12ヶ月4,500万円運用中
CAPIMA体験農園の運営・農業人材の育成・農作物の栽培などを通じ、耕作放棄地再生など日本の農業の変7.0%12ヶ月1.5億円運用中
Bankers【円建て】バルカン地域オンライン金融事業者ファンド2_10号6.6%13ヶ月1,500万円募集中
COMMOSUS等々力プロジェクト(COMMOSUSファンド166号)7.0%11ヶ月—運用中
COMMOSUS洗足池プロジェクト(COMMOSUSファンド164号)7.0%11ヶ月—運用中
COMMOSUS学芸大学プロジェクト(COMMOSUSファンド162号)7.0%12ヶ月—運用中
WealthPark家賃が実る家プロジェクト#0017.0%11ヶ月—運用終了
Sunny Proud現在運用中のファンドです7.0%12ヶ月5,000万円運用中
横にスクロールすると残りの列が見えます

株式投資型(0件)

該当する案件は取得できませんでした。

037%を、受け取る額に直す

年率7%が、実際にいくらになるかを運用期間ごとに出します。期間が違えば、同じ7%でも受け取る額は違います。

出す金額3ヶ月6ヶ月12ヶ月24ヶ月36ヶ月
1万円175円350円700円1,400円2,100円
5万円875円1,750円3,500円7,000円10,500円
10万円1,750円3,500円7,000円14,000円21,000円
30万円5,250円10,500円21,000円42,000円63,000円
50万円8,750円17,500円35,000円70,000円105,000円
100万円17,500円35,000円70,000円140,000円210,000円
横にスクロールすると残りの列が見えます

10万円を3ヶ月で7%なら1,750円(税引前)。年率表示に引っ張られると、実際に受け取る額を大きく見積もります。

税引前税引後(20.42%の源泉徴収)課税所得400万円の人の手取り
10万円・3ヶ月・7%1,750円1,392円約1,218円
10万円・6ヶ月・7%3,500円2,785円約2,436円
10万円・12ヶ月・7%7,000円5,570円約4,872円
10万円・24ヶ月・7%14,000円11,141円約9,744円
横にスクロールすると残りの列が見えます

047%という水準は、どの種別で普通なのか

種別ごとの分布の中で、7%がどこに位置するかを確かめます。

種別件数最小25%点中央値75%点最大7%の位置
不動産型425件2.4%4.5%5.5%8.0%27.0%上位27%
融資型90件1.0%5.4%7.0%8.0%12.3%上位47%
横にスクロールすると残りの列が見えます

同じ7%でも、種別によって「高め」だったり「並」だったりします。比べるなら、同じ種別の中で比べてください。

08416843%未満1293〜5%1685〜7%567〜10%3510〜15%3315%以上
  • 3%未満4
  • 3〜5%129
  • 5〜7%168
  • 7〜10%56
  • 10〜15%35
  • 15%以上33
不動産型の実案件の想定利回りの分布(425件)。
0204123%未満133〜5%255〜7%417〜10%910〜15%015%以上
  • 3%未満2
  • 3〜5%13
  • 5〜7%25
  • 7〜10%41
  • 10〜15%9
  • 15%以上0
融資型の実案件の想定利回りの分布(90件)。

05同じ7%なら、何を見て選ぶか

利回りが同じなら、選ぶ基準は別のところに移ります。優先順に並べます。

順見るところなぜ確かめ方
1下落を先に受ける人がいるか同じ7%なら、緩衝があるほうが有利優先劣後の割合、担保の内容(契約締結前交付書面)
2投資対象を外から確かめられるか確かめられない分だけ、事業者の説明に依存する物件の所在地、借り手の商号
3運用期間の長さ短いほど、環境が変わる前に結果が出る募集ページ
4延長の条件延長に同意は要らない契約締結前交付書面
5事業者の情報開示の量運用中の報告があるか過去の案件の報告
6手数料利回りから引かれるのか、別に請求されるのか書面・料金ページ
7募集の頻度次の案件が出ないと、空き期間が実効利回りを下げる募集一覧の日付
横にスクロールすると残りの列が見えます

1行目が結論です。同じ利回りなら、下落を先に受ける人がいる設計のほうが投資家には有利です。不動産型で劣後20%の案件と、融資型で無担保の案件が同じ7%で募集されているなら、前者のほうが条件がよいことになります。

逆に言えば、利回りが同じで緩衝がないなら、その案件は条件が悪いということです。利回りの数字だけを並べた比較表では、この差が見えません。

06よくある質問

4種別のうち、どれがいちばん安全ですか。

どれも元本は保証されません。守られ方が違うだけです。不動産型には優先劣後があり、融資型には担保がある案件があり、株式投資型には何もありません。

種別をまたいで分散する意味はありますか。

あります。同じ不動産型の中で案件を分けても、不動産市況という同じ要因の影響を受けます。種別が違えば要因が違います。

同じ利回りなら、どれを選べばよいですか。

下落を先に受ける人がいる設計(優先劣後や担保)のほうが、投資家には有利です。ただし利回りの意味も種別で違います。

税金は種別で違いますか。

違います。多くは雑所得(総合課税)ですが、株式投資型は譲渡所得(申告分離20.315%)、不動産型の任意組合型は不動産所得です。

初心者はどれから始めればよいですか。

決まった答えはありません。ただし株式投資型は資金が戻る時期が決まっておらず、ゼロになる確率も高いので、無くなっても困らない範囲で出すものです。

07この記事の数字は、どこから取ったか

会社名を挙げて処分や事故を書くにあたっては、照合を法人番号の完全一致に限りました。社名の部分一致で突き合わせると、似た社名の別会社の記録を拾ってしまいます。当サイトが実際に試したところ、82件が一致したように見えてそのほとんどが別会社でした。

できていないことも書きます。不動産特定共同事業者への監督処分は国土交通省・都道府県の所管で、この事例集には含まれていません。また償還後の実績は、事業型を除いてどの事業者も公表していないため、不動産型・融資型については「戻らなかった件数」を外から数えられません。

数字はいずれも元本を保証するものではなく、この記事は特定の商品の勧誘ではありません。

自分の数字で確かめる:どこに置くと、いくら増える?

はじめての人へ

    税金を引いた後の金額です(単利)。満期が先に来るものは同じ利率で入れ直したとします。元本割れ・遅延・中途換金は含みません。 預金は日本銀行の平均金利(2026年9月)、国債は今月の利率、社債は個人向け社債30本の利率の中央値、クラファンは不動産型の実案件1194件の想定利回りの中央値です。 クラファンの分配金は雑所得なので、所得税×1.021+住民税10%で計算しています。年収からの税率は、独身の会社員で社会保険料を年収の15%とした目安です(扶養やiDeCoなどがあると下がります)。

    ほかのシミュレーション →

    投資がはじめての方へ:言葉 → 始める段 → 3つの質問 → 国債と比べる → 会社を確かめる5ステップを見る →

    同じテーマの記事

    クラウドファンディングの記事全58本

    クラウドファンディングのページで全部見る

    関連するページ

    関連するページ

    事業者を、まとめて比べる。

    想定利回り・最低投資額・運用期間・劣後出資割合で横断できます。

    サービス一覧へ →