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事業型の利回りは?実績と分布、他社との比較

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01事業型は、4種別で唯一「実際にいくら戻ったか」が分かる

事業型(ファンド型)は、特定の事業に出資してその売上から分配を受ける商品です。この種別には、国内で唯一、償還の実績が1件ずつ公表されている系列があります。

当サイトが取得できた償還済みの案件は733件。2001年から現在までの25年ぶんです。不動産型・融資型では、この形のデータは存在しません。

項目値
償還率が公表されている案件733件
平均の償還率93.5%
中央値101.4%
元本を下回った案件289件(39.4%)
1円も戻らなかった案件(全損)1件
元本を上回った案件444件(60.6%)
最高の償還率194.9%
期間2001年〜2026年
013827510%(全損)751〜50%13550〜90%7890〜100%275100〜110%169110%以上
  • 0%(全損)1
  • 1〜50%75
  • 50〜90%135
  • 90〜100%78
  • 100〜110%275
  • 110%以上169
事業型の償還率の分布(出資額に対して戻った割合)。

この数字を他の種別に当てはめてはいけません。事業型は、特定の事業の売上に紐づく設計で、担保も劣後出資もないものが多く、リスクの形が違います。

ただし、投資型クラウドファンディングで全損は起きうるという事実の確認にはなります。不動産型・融資型で同じ確率で起きるという意味ではありませんが、「元本割れは起きない」という前提はこの商品群には成り立ちません。

02募集時の利回りと、実際の償還率は別の数字

ここが事業型でいちばん重要な点です。募集時に提示される想定利回りと、実際に戻った割合は別の数字です。

数字意味いつ分かるか
想定利回り(年率)うまくいった場合に受け取る割合募集の時点
償還率出資額に対して、実際に戻った額の割合運用が終わって精算したとき
100%元本がちょうど戻った—
100%超元本+分配が戻った—
100%未満元本割れ—

平均が93.5%ということは、平均すると出資額の6.5%が戻っていないということです。これは「平均利回りがマイナス」という意味になります。

ただし、この平均には長期にわたる多数の案件が含まれていて、事業の分野も規模もばらばらです。一部の全損案件が平均を大きく下げています。中央値で見ると101.4%で、半数の案件は元本を上回って戻っています。

03運用を始めた年ごとに、結果がどう違うか

実績は、その期間の環境の結果でもあります。運用開始年ごとの償還率を並べます。

1002001平均113%/1件2002平均105%/1件2003平均105%/5件2004平均101%/4件2005平均103%/10件2006平均97%/13件2007平均100%/7件2008平均98%/9件2009平均89%/12件2010平均102%/18件2011平均101%/22件2012平均112%/35件2013平均87%/22件2014平均87%/70件2015平均95%/109件2016平均95%/106件2017平均95%/111件2018平均91%/76件2019平均83%/41件2020平均83%/28件2021平均80%/19件2022平均84%/4件2023平均108%/3件2024平均100%/2件2025平均104%/4件
  • 2001平均113%/1件
  • 2002平均105%/1件
  • 2003平均105%/5件
  • 2004平均101%/4件
  • 2005平均103%/10件
  • 2006平均97%/13件
  • 2007平均100%/7件
  • 2008平均98%/9件
  • 2009平均89%/12件
  • 2010平均102%/18件
  • 2011平均101%/22件
  • 2012平均112%/35件
  • 2013平均87%/22件
  • 2014平均87%/70件
  • 2015平均95%/109件
  • 2016平均95%/106件
  • 2017平均95%/111件
  • 2018平均91%/76件
  • 2019平均83%/41件
  • 2020平均83%/28件
  • 2021平均80%/19件
  • 2022平均84%/4件
  • 2023平均108%/3件
  • 2024平均100%/2件
  • 2025平均104%/4件

点線は100

運用開始年ごとの償還率の平均。点線が元本(100%)。
開始年件数平均償還率中央値100%未満0%(全損)
2025年4件104.1%104.8%0件0件
2024年2件100.3%100.3%1件0件
2023年3件107.7%104.8%0件0件
2022年4件83.9%109.6%1件0件
2021年19件79.9%105.2%8件0件
2020年28件82.7%96.9%14件0件
2019年41件82.8%97.5%23件1件
2018年76件91.3%100.2%37件0件
2017年111件95.1%101.3%44件0件
2016年106件95.3%102.8%35件0件
2015年109件94.8%102.6%42件0件
2014年70件86.6%100.3%34件0件
2013年22件86.5%101.4%10件0件
2012年35件112.0%107.2%11件0件
2011年22件101.1%102.0%7件0件
2010年18件101.8%101.6%5件0件
2009年12件88.7%103.4%4件0件
2008年9件97.8%94.7%5件0件
2007年7件100.0%100.3%2件0件
2006年13件96.6%100.0%4件0件
2005年10件102.6%101.0%2件0件
2004年4件100.6%100.4%0件0件
2003年5件105.3%105.1%0件0件
2002年1件105.1%105.1%0件0件
2001年1件113.3%113.3%0件0件
横にスクロールすると残りの列が見えます

年によって明確に違います。ある期間の実績は、その期間の環境の結果でもあるということです。別の環境で同じ結果が出る保証はありません。

04事業型を出している事業者と、条件

当サイトが掲載している事業型の事業者は5社です。

サービス運営会社想定利回り最低投資額運用期間登録・許可上場
セキュリテミュージックセキュリティーズ株式会社—1万円—関東財務局長(金商)第1791号—
ミラリタミラリタ株式会社(旧エナジーシェアーズ)11.5–30%10万円1–9ヶ月関東財務局長(金商)第3147号—
Sony Bank GATEソニー銀行株式会社—1万円———
グローカルクラウドファンディング株式会社グローカル・クラウドファンディング———九州財務局長(金商)第20号—
IKKAQikkaq株式会社(旧サン・キャピタル・マネジメント)8–12%10万円1–2ヶ月近畿財務局長(金商)第318号—
横にスクロールすると残りの列が見えます

実案件として取得できたのは0件でした。

05事業型を選ぶときに確かめること

他の種別と確かめる項目が違います。投資対象が「事業」なので、担保も物件もありません。

確かめることなぜどこで
何を売って稼ぐ事業か返す原資がそこにしかない募集ページ
現在の売上と、その推移計画の確からしさ同上
事業の実施者の実績初めての事業か、続けている事業か同上
分配の条件売上連動か、固定か契約締結前交付書面
運用期間の長さ事業型は長期になりやすい募集ページ
特典の有無と内容商品やサービスがもらえることがある同上
過去の同種案件の償還率実績が公表されているか事業者の実績ページ
季節変動農産物や観光は時期で大きく動く事業の内容

4行目が、事業型の核心です。分配が売上に連動する設計なら、売上が落ちれば分配も落ちます。固定の利回りが約束されているわけではありません。

そして、事業型には担保も劣後出資もないのが通例です。事業がうまくいかなければ、そのまま元本に及びます。償還率のデータで289件(39.4%)が元本を下回っているのは、この構造の結果です。

06それでも事業型に出す理由

数字だけを見れば、事業型は分が悪く見えます。それでもこの商品に出す理由があるとすれば、次のどれかです。

理由成り立つ場合成り立たない場合
応援したい事業があるその事業を知っていて、続いてほしいと思っている「応援」を投資の理由にして、金額を決めていない
その分野に詳しい農業、食品、地域の事業など、判断できる領域詳しいつもりで、計画を読んでいない
特典に価値がある商品やサービスを実際に使う特典を利回りと混ぜて計算している
実績が公表されている償還率を1件ずつ確かめられる—
利回りが高い—元本割れの割合も高い

4行目が、この種別の唯一かつ最大の利点です。過去の案件が実際にどうなったかを、1件ずつ確かめられる。不動産型でも融資型でも、これはできません。

実績が悪く見えるのは、実績を公表しているからでもあります。公表していない種別の実績がこれより良いという保証は、どこにもありません。

07よくある質問

4種別のうち、どれがいちばん安全ですか。

どれも元本は保証されません。守られ方が違うだけです。不動産型には優先劣後があり、融資型には担保がある案件があり、株式投資型には何もありません。

種別をまたいで分散する意味はありますか。

あります。同じ不動産型の中で案件を分けても、不動産市況という同じ要因の影響を受けます。種別が違えば要因が違います。

同じ利回りなら、どれを選べばよいですか。

下落を先に受ける人がいる設計(優先劣後や担保)のほうが、投資家には有利です。ただし利回りの意味も種別で違います。

税金は種別で違いますか。

違います。多くは雑所得(総合課税)ですが、株式投資型は譲渡所得(申告分離20.315%)、不動産型の任意組合型は不動産所得です。

初心者はどれから始めればよいですか。

決まった答えはありません。ただし株式投資型は資金が戻る時期が決まっておらず、ゼロになる確率も高いので、無くなっても困らない範囲で出すものです。

08この記事の数字は、どこから取ったか

会社名を挙げて処分や事故を書くにあたっては、照合を法人番号の完全一致に限りました。社名の部分一致で突き合わせると、似た社名の別会社の記録を拾ってしまいます。当サイトが実際に試したところ、82件が一致したように見えてそのほとんどが別会社でした。

できていないことも書きます。不動産特定共同事業者への監督処分は国土交通省・都道府県の所管で、この事例集には含まれていません。また償還後の実績は、事業型を除いてどの事業者も公表していないため、不動産型・融資型については「戻らなかった件数」を外から数えられません。

数字はいずれも元本を保証するものではなく、この記事は特定の商品の勧誘ではありません。

自分の数字で確かめる:どこに置くと、いくら増える?

はじめての人へ

    税金を引いた後の金額です(単利)。満期が先に来るものは同じ利率で入れ直したとします。元本割れ・遅延・中途換金は含みません。 預金は日本銀行の平均金利(2026年9月)、国債は今月の利率、社債は個人向け社債30本の利率の中央値、クラファンは不動産型の実案件1194件の想定利回りの中央値です。 クラファンの分配金は雑所得なので、所得税×1.021+住民税10%で計算しています。年収からの税率は、独身の会社員で社会保険料を年収の15%とした目安です(扶養やiDeCoなどがあると下がります)。

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