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モビリティ・物流分野の株式投資型クラウドファンディング|8件の成立率と調達額

読む目安:「先に結論」だけなら1分/全部で約15分(9千字)

01モビリティ・物流の会社に出資するとき、何を見ることになるか

この分野は、件数そのものが少ないのが最大の特徴です。車両や設備といった重い資産が必要で、数千万円の株式調達では足りない事業が多いためです。母数が小さいので、平均値や成立率をそのまま一般化しないでください。

調達した資金の使い道を見ると、車両の購入ではなく、配車や在庫管理のソフトウェア開発であることが多くなります。つまり実態としてはIT分野に近い事業が、対象とする業界でこの分類に入っている、という構造です。

この分野に固有のリスクは、人手です。運転や配送には人が要り、労働時間の規制もあります。システムで効率化する事業なら、そのシステムを使う運送会社が実際に導入するかどうかが鍵になります。導入社数が何社あるかを確認してください。

以下、公表されている募集の数字で確かめていきます。

02モビリティ・物流の株式投資型クラウドファンディングは、何件あったか

株式投資型クラウドファンディングでモビリティ・物流に分類される募集を数えます。当サイトは国内のプラットフォームで公表された839件の募集を集めていて、このうちモビリティ・物流は8件でした。

項目値
この分野の募集件数8件(全839件の1.0%)
成立6件
不成立1件
結果が未確定・集計中1件
成立率(成立÷(成立+不成立))85.7%
調達した企業の数4社
調達額の合計2.2億円
1件あたりの調達額の中央値3,204万円
1件あたりの投資家数の中央値186人
医療・ヘルスケア・バイオ115件食・農林水産96件プラットフォーム・その他91件IT・ソフトウェア87件広告・メディア・エンタメ78件小売・EC・D2C72件旅行・スポーツ・生活サービス70件IoT・ロボット・ハードウェア60件人材・教育46件AI・データ33件エネルギー・環境・素材30件金融・フィンテック28件不動産・建設・まちづくり25件モビリティ・物流8件
  • 医療・ヘルスケア・バイオ115件
  • 食・農林水産96件
  • プラットフォーム・その他91件
  • IT・ソフトウェア87件
  • 広告・メディア・エンタメ78件
  • 小売・EC・D2C72件
  • 旅行・スポーツ・生活サービス70件
  • IoT・ロボット・ハードウェア60件
  • 人材・教育46件
  • AI・データ33件
  • エネルギー・環境・素材30件
  • 金融・フィンテック28件
  • 不動産・建設・まちづくり25件
  • モビリティ・物流8件
分野ごとの募集件数。モビリティ・物流を色で示している。

成立率は85.7%で、全14分野の中では4番目でした。(全分野の平均は75.4%)

株式投資型で受け取るのは未上場の株式で、利回りも分配金もありません。お金が戻るのは発行会社が上場するかM&Aで買われたときだけで、それまでは原則として売れず、1社あたり年間50万円が上限です。仕組みは株式投資型クラウドファンディングにまとめました。ここではモビリティ・物流の数字だけを見ます。

03モビリティ・物流で募集された8件を、全部並べる

取得できた列をそのまま出します。「目標」は募集の下限(これに届かないと不成立)、「上限」は上限額、「調達」は実際に集まった額です。

募集企業回募集期間目標額上限額調達額投資家数1人平均株価プレバリュー1人が出せる額資金の使い道税制特典結果
〈大企業や自治体と連携増加〉新しい地域インフラの創出に"折り畳める"NOAA1回目2026/04/16〜2026/04/22702万円6,993万円————1.5億円9万円〜45万円広告宣伝費、研究開発費、人件費、仕入費用適用なしあり結果未確定
〈商品販売高5億円突破〉新興国市場で飛躍、Forbes100に選出。独自の物流網とラストリンクルージョン3回目2025/09/10〜2025/09/22496万円8,928万円———1,550円8.6億円9万円〜49万円業務管理システム改修費、物流センター運営費、商品取扱高の適用なしなし結果未確定
〈2027年IPO準備開始〉バリアフリーを自ら創る“22世紀の車いす”で世界中の人に移動LIFEHUB1回目2025/03/30〜2025/04/211,896万円9,998万円9,959万円459人21万円170円9.3億円9万円〜49万円開発費、人件費、販促費、営業費Aあり成立
〈前回上限応募額達成・100人以上キャンセル待ち〉IPO準備中。SF世界を実現する東大発Carstay2回目2024/12/26〜2025/01/17999万円9,999万円3,204万円160人20万円—8億円9万円〜45万円開発人件費(モビラボ事業)、営業人件費(モビラボ事業)、適用なしあり成立
〈Forbes100選出〉マイクロファイナンスとラストマイル物流でミャンマー農村部が生まリンクルージョン2回目2023/11/08〜2023/11/20499万円5,990万円4,143万円245人16万円960円4.6億円9万円〜49万円物流センター運営費、業務管理システム改修費、商品取扱高のBなし成立
発展途上のミャンマー地方部に“金融×ラストマイル物流”で貢献!途上国に新たな生活プラットリンクルージョン1回目2022/02/09〜2022/02/131,750万円6,990万円1,880万円98人19万円800円3.3億円10万円〜50万円新規倉庫5棟に係る1年分の家賃、新規倉庫5棟の開設に伴うBなし成立
〈今期売上高 約8.5億円見込み〉「売上が上がる次世代ロジスティクス」事業を行う。研究開QuestP'age1回目2022/02/07〜2022/02/112,500万円9,900万円———1,000円12.4億円10万円〜50万円自動梱包機等機材購入費、倉庫家賃、倉庫備品購入費、トラッ適用なしあり不成立
中古車販売「Gulliver」のスピンオフベンチャー「FMG」!日本とアフリカを繋ぐファFMG1回目2021/10/13〜2021/10/151,008万円4,005万円2,556万円186人13万円—4.5億円9万円〜45万円人件費、車両関連費適用なしなし成立
横にスクロールすると残りの列が見えます

04モビリティ・物流で調達した4社を、全部並べる

企業の単位でまとめ直します。複数回調達している企業は、ここでは1行になります。

企業法人名テーマ募集回数成立不成立累計調達額累計投資家数直近プレバリュー設立
リンクルージョンリンクルージョン株式会社運輸サービス3回2件0件6,023万円245人8.6億円2015年04月
FMG株式会社FMGカービジネス1回1件0件2,556万円186人4.5億円2020年09月
NOAA株式会社NOAAモビリティ1回0件0件——1.5億円1985年06月
QuestP'age株式会社QuestP'ageロジスティクス1回0件1件——12.4億円2005年10月
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051件あたり、いくら集まったか

モビリティ・物流の募集で実際に集まった額の分布です。中央値は3,204万円、最大は9,959万円、最小は1,880万円でした。

0120500万円未満0500万〜1,000万円11,000万〜2,000万円12,000万〜3,000万円23,000万〜5,000万円15,000万〜1億円01億円以上
  • 500万円未満0
  • 500万〜1,000万円0
  • 1,000万〜2,000万円1
  • 2,000万〜3,000万円1
  • 3,000万〜5,000万円2
  • 5,000万〜1億円1
  • 1億円以上0
モビリティ・物流の1件あたり調達額の分布(5件)。
帯件数構成比
500万円未満0件0.0%
500万〜1,000万円0件0.0%
1,000万〜2,000万円1件20.0%
2,000万〜3,000万円1件20.0%
3,000万〜5,000万円2件40.0%
5,000万〜1億円1件20.0%
1億円以上0件0.0%

目標額(募集の下限)の中央値は1,003万円でした。調達額の中央値がそれを上回っています。

株式投資型の調達額は、他の資金調達手段と比べると小さくなります。ベンチャーキャピタルからの調達なら数億円が普通ですが、ここでは数千万円が中心です。この金額で何ができるのかを、募集ページの資金使途と照らして読むことになります。

06会社の値段(プレバリュー)はどう置かれていたか

プレバリューは、今回の調達の前の時点での会社の評価額です。株価×発行済株式数で、投資家が「この会社は何億円の価値がある」という前提で買うことになります。

モビリティ・物流では8件で確認できました。中央値は6.3億円、最大は12.4億円、最小は1.5億円です。

02301億円未満11億〜2億円02億〜3億円33億〜5億円35億〜10億円110億円以上
  • 1億円未満0
  • 1億〜2億円1
  • 2億〜3億円0
  • 3億〜5億円3
  • 5億〜10億円3
  • 10億円以上1
モビリティ・物流のプレバリューの分布(8件)。
帯件数構成比
1億円未満0件0.0%
1億〜2億円1件12.5%
2億〜3億円0件0.0%
3億〜5億円3件37.5%
5億〜10億円3件37.5%
10億円以上1件12.5%

プレバリューは交渉で決まる数字で、市場が付けた価格ではありません。モビリティ・物流の中では1.5億円から12.4億円まで8倍の開きがあります。読み方は株価の算定根拠をどう読むかにまとめました。

07何人が出資したか

1件の募集に何人が出資したかです。中央値は186人、最大は459人でした。

012050人未満150〜100人0100〜150人2150〜200人1200〜300人1300人以上
  • 50人未満0
  • 50〜100人1
  • 100〜150人0
  • 150〜200人2
  • 200〜300人1
  • 300人以上1
モビリティ・物流の1件あたり投資家数の分布(5件)。
帯件数構成比
50人未満0件0.0%
50〜100人1件20.0%
100〜150人0件0.0%
150〜200人2件40.0%
200〜300人1件20.0%
300人以上1件20.0%

1人あたりの出資額の中央値は19万円でした。年間50万円の上限に対して38%にあたります。

投資家数は「人気」の指標ですが、株式投資型では意味が少し違います。出資した人が多いほど株主が増え、その後の資本政策が複雑になるからです。次の調達やM&Aのときに、多数の少額株主がいることが障害になる場面があります。プラットフォーム側は株主名簿の管理や信託の仕組みで対応していますが、「投資家が多いほどよい」とは限りません。

08モビリティ・物流の中で、どんなテーマが多いか

モビリティ・物流はひとつの分野ですが、中身は分かれます。募集ページに書かれた事業内容から、当サイトがさらに細かいテーマに分けました。

運輸サービス1社カービジネス1社モビリティ1社ロジスティクス1社
  • 運輸サービス1社
  • カービジネス1社
  • モビリティ1社
  • ロジスティクス1社
モビリティ・物流の企業4社を、テーマで分けたもの。
テーマ企業数累計調達額この企業(例)
運輸サービス1社6,023万円リンクルージョン
カービジネス1社2,556万円FMG
モビリティ1社—NOAA
ロジスティクス1社—QuestP'age
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09モビリティ・物流で調達した企業は、何をしている会社か

募集ページに書かれた事業内容を、調達額の大きい順にそのまま載せます。要約していません。モビリティ・物流という一つの分野の中に、どれだけ違う事業が入っているかが見えます。設立年・資本金・調達額は、前の一覧表に出しました。

リンクルージョン 途上国に新たな経済の流れをつくり、低所得や貧困のなかで暮らす人々が排除されることのない世界をつくることを目的とするベンチャー企業

FMG フリートマネジメント事業

NOAA パーソナルモビリティ「JOY cart(以下:JOYカート)」を販売

QuestP'age eコマース事業を行う企業向けに、売上を伸ばすためのロジスティクスサービスを展開

10モビリティ・物流の募集は、いつ多かったか

募集の開始年で数え直します。その分野に資金が集まった時期が分かります。

012120212202212023120242202512026
  • 20211
  • 20222
  • 20231
  • 20241
  • 20252
  • 20261
モビリティ・物流の募集件数の推移(募集開始年)。
年募集件数成立不成立調達額の合計投資家数の合計
2026年1件0件0件—0人
2025年2件1件0件9,959万円459人
2024年1件1件0件3,204万円160人
2023年1件1件0件4,143万円245人
2022年2件2件1件1,880万円98人
2021年1件1件0件2,556万円186人
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件数の増減は、その分野が注目された時期を表します。ただし、注目された時期に募集された案件がうまくいったかどうかは別の話です。むしろ資金が集まりやすい時期ほど、評価額が高めに置かれる傾向があります。

11モビリティ・物流で、募集が成立しなかった1件

株式投資型では、募集額の下限(目標額)に届かないと不成立になります。不成立の場合、出資金は投資家に返ります。損は出ませんが、「この会社に出したい」という判断が実現しなかったことになります。

不成立になった募集は、〈今期売上高 約8.5億円見込み〉「売上が上がる次世です。前の一覧表で、結果の列を見てください。

モビリティ・物流の成立率は85.7%です。分野ごとの成立率を並べます。

金融・フィンテック91%食・農林水産85%不動産・建設・まちづくり84%モビリティ・物流83%AI・データ81%IoT・ロボット・ハードウェア78%人材・教育77%エネルギー・環境・素材74%医療・ヘルスケア・バイオ72%小売・EC・D2C70%プラットフォーム・その他70%旅行・スポーツ・生活サービス68%IT・ソフトウェア64%広告・メディア・エンタメ61%
  • 金融・フィンテック91%
  • 食・農林水産85%
  • 不動産・建設・まちづくり84%
  • モビリティ・物流83%
  • AI・データ81%
  • IoT・ロボット・ハードウェア78%
  • 人材・教育77%
  • エネルギー・環境・素材74%
  • 医療・ヘルスケア・バイオ72%
  • 小売・EC・D2C70%
  • プラットフォーム・その他70%
  • 旅行・スポーツ・生活サービス68%
  • IT・ソフトウェア64%
  • 広告・メディア・エンタメ61%
分野ごとの成立率(成立÷(成立+不成立))。
分野募集件数成立不成立成立率
食・農林水産96件71件13件84.5%
不動産・建設・まちづくり25件21件4件84.0%
モビリティ・物流8件5件1件83.3%
AI・データ33件25件6件80.6%
金融・フィンテック28件21件2件91.3%
横にスクロールすると残りの列が見えます

成立率の差は、その分野が有望かどうかではなく、投資家が理解しやすいかどうかを表している面があります。事業の中身が分かりやすい分野は集まりやすく、専門的な分野は説明の負担が大きくなります。

12モビリティ・物流で、複数回調達している1社

1社が何度も募集することがあります。2回目以降の募集では、前回の株価と比べられるのが投資家にとっての利点です。上がっていれば事業が進んだ証拠になり、下がっていれば(ダウンラウンド)何かがうまくいかなかったことになります。

企業募集回数成立不成立累計調達額直近プレバリュー初回直近
リンクルージョン3回2件0件6,023万円8.6億円2022-022025-09
横にスクロールすると残りの列が見えます

株価がどう動いたかは、前の一覧表の「株価」と「プレバリュー」の列で同じ企業の行を並べると読めます。2回目の株価が1回目より低ければ、ダウンラウンドです。

13モビリティ・物流の募集に、税の優遇と投資家特典はどれだけ付いていたか

株式投資型には、一定の要件を満たす企業への投資についてエンジェル税制という所得税の優遇があります。モビリティ・物流の8件での適用状況です。制度そのものの中身はエンジェル税制の使い方に書きました。

エンジェル税制の区分件数構成比
適用なし5件62.5%
B2件25.0%
A1件12.5%

投資家特典が付いていた募集は4件です。内容は前の一覧表の「特典」の列に出しました。自社の商品やサービスの割引・提供が中心で、金額としては小さいので、特典を理由に投資先を選ぶのは順序が逆です。

14集めたお金を、何に使うと書いてあったか

募集ページに書かれた資金使途を数えます。モビリティ・物流の8件から拾いました。

人件費3件業務管理システム改修費2件物流センター運営費2件商品取扱高の増加に伴う回転資金2件開発費1件販促費1件営業費1件開発人件費(モビラボ事業)1件営業人件費(モビラボ事業)1件広告宣伝費(モビラボ事業)1件開発人件費(シェアリング事業)1件営業人件費(シェアリング事業)1件広告宣伝費(シェアリング事業)1件新規倉庫5棟に係る1年分の家賃1件新規倉庫5棟の開設に伴う備品投資1件商品取扱高増加に伴う回転資金1件
  • 人件費3件
  • 業務管理システム改修費2件
  • 物流センター運営費2件
  • 商品取扱高の増加に伴う回転資金2件
  • 開発費1件
  • 販促費1件
  • 営業費1件
  • 開発人件費(モビラボ事業)1件
  • 営業人件費(モビラボ事業)1件
  • 広告宣伝費(モビラボ事業)1件
  • 開発人件費(シェアリング事業)1件
  • 営業人件費(シェアリング事業)1件
  • 広告宣伝費(シェアリング事業)1件
  • 新規倉庫5棟に係る1年分の家賃1件
  • 新規倉庫5棟の開設に伴う備品投資1件
  • 商品取扱高増加に伴う回転資金1件
モビリティ・物流の募集で書かれていた資金使途。
使途件数この使途が多いことの意味
人件費3件人を増やす費用。固定費が増える
業務管理システム改修費2件—
物流センター運営費2件—
商品取扱高の増加に伴う回転資金2件—
開発費1件作るための費用。時間がかかるが、資産が残る
販促費1件—
営業費1件—
開発人件費(モビラボ事業)1件作るための費用。時間がかかるが、資産が残る
営業人件費(モビラボ事業)1件人を増やす費用。固定費が増える
広告宣伝費(モビラボ事業)1件売上を作るための費用。止めると売上も止まりやすい
開発人件費(シェアリング事業)1件作るための費用。時間がかかるが、資産が残る
営業人件費(シェアリング事業)1件人を増やす費用。固定費が増える
広告宣伝費(シェアリング事業)1件売上を作るための費用。止めると売上も止まりやすい
新規倉庫5棟に係る1年分の家賃1件—
新規倉庫5棟の開設に伴う備品投資1件—
商品取扱高増加に伴う回転資金1件—
新規倉庫10棟に係る1年分の家賃1件—
新規倉庫10棟の開設に伴う備品投 資1件—
受発注システム開発投資1件作るための費用。時間がかかるが、資産が残る
商品取扱残高に伴う回転資金1件—

資金使途は、その会社が何で詰まっているかを表します。広告費が中心なら、「売れる商品はあるが、知られていない」という状態です。開発費が中心なら、「まだ売るものが完成していない」ということです。どちらが良いという話ではなく、リスクの種類が違うという話です。

15モビリティ・物流の会社を見るときに、特に効く論点

件数が少ない。母数が小さいので、平均値をあてにしない。この分野に共通して効く確認を並べます。

論点なぜ効くか募集ページで確かめること
車両・設備資産が重い調達資金で何を買うのか
ドライバー・人手2024年問題に代表される人手の制約人の確保
規制運送業の許可、道路運送法必要な許可
燃料・電力コストの変動を直接受ける価格転嫁
提携既存の物流網との接続提携先

これに加えて、株式投資型ではどの分野でも共通して効く確認があります。

共通の確認確かめ方
直近の売上と損益募集ページの業績。売上がゼロなら、評価は期待だけで置かれている
いつまでの資金か調達額と、月々の費用(バーンレート)の関係
次の調達の計画この資金の次はどうするのか
経営陣の経歴その事業を進められる人かどうか
既存株主VCが入っているか。入っていれば一度は審査を受けている
上場・M&Aの目標時期書いてあるか。書いてあっても計画にすぎない
株主構成と、調達後の持分自分の持分がどれだけ薄まるか

16モビリティ・物流の数字を、どこから取ったか

国内の株式投資型クラウドファンディングのプラットフォームで公表された募集情報から、モビリティ・物流に当たる8件・4社を抜き出しました。

項目内容
この分野の募集8件
この分野の企業4社
集めた募集の総数839件(全分野)
分野の分け方募集ページの事業内容から当サイトが分類。公式の分類ではない
取れた項目目標額、上限額、調達額、投資家数、株価、プレバリュー、エンジェル税制の区分、投資家特典、資金使途、募集期間
取れなかった項目調達後の業績、株式の現在の価値、EXITの見込み

限界は、調達したあとに何が起きたかが分からないことです。未上場企業には決算の公開義務がありません。この記事に出ているのは募集の時点までの数字で、投資の結果ではありません。モビリティ・物流で上場やM&Aに至った例があるかは、EXITの実績にまとめました。

17調達額とプレバリューの比で、モビリティ・物流の募集を並べ直す

いちばん効くのは調達額とプレバリューの比です。プレバリュー5億円の会社が3,000万円を集めるなら、発行する株式は全体の約6%。既存株主の持分がその分だけ薄まります。この比が大きいほど、会社にとっては重い調達だということです。

募集企業プレバリュー調達額調達額÷プレバリュー投資家数
〈2027年IPO準備開始〉バリアフリーを自ら創る“22世紀の車いす”で世界中の人に移動LIFEHUB9.3億円9,959万円10.8%459人
〈Forbes100選出〉マイクロファイナンスとラストマイル物流でミャンマー農村部が生まリンクルージョン4.6億円4,143万円8.9%245人
発展途上のミャンマー地方部に“金融×ラストマイル物流”で貢献!途上国に新たな生活プラットリンクルージョン3.3億円1,880万円5.7%98人
中古車販売「Gulliver」のスピンオフベンチャー「FMG」!日本とアフリカを繋ぐファFMG4.5億円2,556万円5.7%186人
〈前回上限応募額達成・100人以上キャンセル待ち〉IPO準備中。SF世界を実現する東大発Carstay8億円3,204万円4.0%160人
横にスクロールすると残りの列が見えます

モビリティ・物流では、この比の中央値は5.7%でした。最大は10.8%、最小は4.0%です。

比が小さい募集は、「会社の評価に対して、少しだけ株を出した」ということです。投資家から見れば、同じ金額を出しても持てる割合が小さいことになります。比が大きい募集は逆で、持てる割合は大きいが、会社にとっては次の調達の余地が減ります。

18よくある質問

モビリティ・物流の募集は何件ありましたか。

当サイトが集めた839件のうち、8件でした。調達した企業は4社です。

成立しなかったらお金はどうなりますか。

返ります。募集額の下限に届かないと不成立になり、出資金は投資家に戻ります。

投資した株式は途中で売れますか。

原則として売れません。未上場株式には譲渡制限があり、市場もありません。

いくらまで投資できますか。

1社あたり年間50万円までです。金商法で決まっている上限で、複数の会社に出せば合計はもっと大きくなります。

エンジェル税制は自動で使えますか。

使えません。確定申告が必要で、発行会社から交付される確認書などの書類が要ります。

19この記事の数字は、どこから取ったか

会社名を挙げて処分や事故を書くにあたっては、照合を法人番号の完全一致に限りました。社名の部分一致で突き合わせると、似た社名の別会社の記録を拾ってしまいます。当サイトが実際に試したところ、82件が一致したように見えてそのほとんどが別会社でした。

できていないことも書きます。不動産特定共同事業者への監督処分は国土交通省・都道府県の所管で、この事例集には含まれていません。また償還後の実績は、事業型を除いてどの事業者も公表していないため、不動産型・融資型については「戻らなかった件数」を外から数えられません。

数字はいずれも元本を保証するものではなく、この記事は特定の商品の勧誘ではありません。

自分の数字で確かめる:分けて買うと安心?

はじめての人へ

1つの案件に全部入れず、いくつかに分けて買うと、1件で損が出たときの痛みが小さくなります。

分けて減るのは「1件の事故」の影響です。金利の上昇や不動産価格の下落のように、すべての案件に同時に効く損は、件数を増やしても減りません。同じ事業者の案件を何件買っても、事業者の倒産には備えられません。

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