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不動産・建設・まちづくり分野の株式投資型クラウドファンディング25件の成立率

読む目安:「先に結論」だけなら1分/全部で約25分(15千字)

この記事の内容20の見出し

01不動産・建設・まちづくりの会社に出資するとき、何を見ることになるか

不動産の分野で株式投資型を使う企業は、物件を買うためではなく、仕組みを作るために調達していることが多くなります。物件の取得なら不動産クラウドファンディングや金融機関の融資のほうが向いていて、数千万円の株式調達では足りないからです。

だから見るのは資金の使い道です。システム開発なのか、人の採用なのか、それとも物件の頭金なのか。物件の取得が目的なら、残りをどう調達するのかが書いてあるかを確認してください。

この分野の企業は、宅地建物取引業や建設業の免許を持っているのが通例です。免許の有無と更新回数は、国土交通省と都道府県のサイトで確かめられます。また、借入への依存が大きい事業は金利の上昇が直接効きます。自己資本と借入の比率も見てください。

以下、公表されている募集の数字で確かめていきます。

02不動産・建設・まちづくりの株式投資型クラウドファンディングは、何件あったか

株式投資型クラウドファンディングで不動産・建設・まちづくりに分類される募集を数えます。当サイトは国内のプラットフォームで公表された839件の募集を集めていて、このうち不動産・建設・まちづくりは25件でした。

項目値
この分野の募集件数25件(全839件の3.0%)
成立25件
不成立4件
結果が未確定・集計中-4件
成立率(成立÷(成立+不成立))86.2%
調達した企業の数24社
調達額の合計6.5億円
1件あたりの調達額の中央値2,730万円
1件あたりの投資家数の中央値175人
医療・ヘルスケア・バイオ115件食・農林水産96件プラットフォーム・その他91件IT・ソフトウェア87件広告・メディア・エンタメ78件小売・EC・D2C72件旅行・スポーツ・生活サービス70件IoT・ロボット・ハードウェア60件人材・教育46件AI・データ33件エネルギー・環境・素材30件金融・フィンテック28件不動産・建設・まちづくり25件モビリティ・物流8件
  • 医療・ヘルスケア・バイオ115件
  • 食・農林水産96件
  • プラットフォーム・その他91件
  • IT・ソフトウェア87件
  • 広告・メディア・エンタメ78件
  • 小売・EC・D2C72件
  • 旅行・スポーツ・生活サービス70件
  • IoT・ロボット・ハードウェア60件
  • 人材・教育46件
  • AI・データ33件
  • エネルギー・環境・素材30件
  • 金融・フィンテック28件
  • 不動産・建設・まちづくり25件
  • モビリティ・物流8件
分野ごとの募集件数。不動産・建設・まちづくりを色で示している。

成立率は86.2%で、全14分野の中では3番目でした。(全分野の平均は75.4%)

株式投資型で受け取るのは未上場の株式で、利回りも分配金もありません。お金が戻るのは発行会社が上場するかM&Aで買われたときだけで、それまでは原則として売れず、1社あたり年間50万円が上限です。仕組みは株式投資型クラウドファンディングにまとめました。ここでは不動産・建設・まちづくりの数字だけを見ます。

03不動産・建設・まちづくりで募集された25件を、全部並べる

取得できた列をそのまま出します。「目標」は募集の下限(これに届かないと不成立)、「上限」は上限額、「調達」は実際に集まった額です。

募集企業回募集期間目標額上限額調達額投資家数1人平均株価プレバリュー1人が出せる額資金の使い道税制特典結果
〈設立3年で売上1億円超見込〉離島の救世主がつくる地域創生の成功モデル。“ブランド食材×EternityFoods1回目2025/06/11〜2025/06/20600万円4,200万円2,320万円92人25万円10,000円1億円10万円〜50万円人件費、設備投資、食材調達費Bあり成立
〈ショートレビュー済〉IPO準備中のテック企業に大手不動産も熱視線。海外プレイヤーでは困アクセルラボ1回目2025/05/15〜2025/06/03999万円9,999万円4,734万円234人20万円—105億円9万円〜45万円人件費、仕入費用適用なしあり成立
〈2026年IPO準備開始〉防災庁発足予定の日本を強靭化大国へ導く防災領域の注目ベンチャ貴凛庁1回目2025/02/01〜2025/02/17990万円9,999万円1,296万円77人16万円30,000円3.9億円9万円〜45万円設備投資Bあり成立
〈アジアNo.1に選出〉ユニコーンへ期待高まる注目ベンチャー。予防医療を起点とする地域再Nurse and Craft1回目2025/01/06〜2025/01/201,100万円4,500万円4,020万円185人21万円10,000円1.4億円10万円〜50万円システム開発費、人件費、マーケティング費用Bあり成立
"不動産屋の提案力"を解放せよ!DXで住まい選びの満足度向上に挑む「オープンルーム」オープンルーム1回目2024/11/28〜2024/12/10300万円3,000万円400万円23人17万円10,000円7.2億円10万円〜50万円サービス拡充に向けた開発関連費、売上拡大に向けた広告宣伝Bなし成立
需要が急拡大する社会的インパクトのマネジメントを起点に地方自治の改革を目指す「アンドパブアンドパブリック1回目2024/10/21〜2024/11/06495万円1,998万円1,989万円108人18万円150円1.8億円9万円〜45万円「purposeboard(パーパスボード)」の開発費Aなし成立
〈今期売上約12億円計画〉ペンタゴンも採用。高速で物を固める次世代素材”ポリウレア”で災ライノジャパン1回目2024/09/14〜2024/09/20999万円5,999万円5,930万円312人19万円1,500円12.3億円9万円〜49万円採用人件費、機械購入、薬剤(新商品)購入適用なしあり成立
上場企業CVCも出資予定!住民参加型の寄付金プラットフォームで地方創生に挑む「ZENTEZENTECH1回目2024/05/23〜2024/05/31297万円999万円495万円27人18万円3,000円1億円9万円〜45万円システム開発費及び人件費に充当Aなし成立
〈今年IPO準備開始予定〉売上10億円超の建築デザイナー集団が震災を機に着想。全国で需要スペースエージェンシー1回目2024/03/05〜2024/03/141,000万円6,000万円4,200万円224人18万円10,000円3.9億円10万円〜50万円広告宣伝費、人件費適用なしあり成立
<JICA事業に採択>世界14カ国で施工実績あり。土壌を短期間に固める特殊な硬化剤で、途SPEC1回目2023/08/09〜2023/08/231,000万円4,000万円3,690万円235人15万円10,000円2.4億円10万円〜50万円現地調査費用、研究開発費、海外出荷用倉庫整備費用、海外出適用なしなし成立
<JETROが海外展開支援>世界中で注目が高まる「和風建築」のプロフェッショナル集団「素素朴屋1回目2023/07/06〜2023/07/181,000万円8,000万円4,130万円238人17万円10,000円4億円10万円〜50万円東京事務所改装費、ベトナム モデルハウス兼カフェの建築、Bあり成立
【売上前年比約180%見込】自宅の空き部屋シェアハウス化サービスを展開中!熊本発・11都Hidamari1回目2023/01/23〜2023/01/29657万円2,628万円————1.8億円9万円〜45万円ポータルサイト開発費、広告宣伝費、人件費、引越後地代家賃適用なしなし不成立
地域創生の最新ビジネスモデル。体験EC × DXサービス《cocodake(ココダケ)》あめつちデザイン1回目2022/05/19〜2022/05/231,800万円4,000万円2,080万円99人21万円1,000円3.1億円10万円〜50万円システム開発費、営業人件費Aあり成立
不動産賃貸も電子契約の時代へ!独自開発の電子押印システムとシンプルなUI/UXで契約手続PICK1回目2022/04/20〜2022/04/24999万円3,999万円1,316万円85人15万円180円3.6億円9万円〜49万円PICKFORM開発費用、PICKFORM開発費用、テッBあり成立
不動産オーナーの賃貸管理をスマホひとつで完結!自社開発の自動化システムで賃貸管理からスペOH YEAH1回目2021/06/20〜2021/06/221,000万円4,000万円4,000万円269人14万円100,000円2.5億円10万円〜50万円開発人件費、営業人件費、広告宣伝費Aなし成立
高い税務メリットをもたらす不動産M&Aの革新的マッチングプラットフォーム!資産データを蓄リーマ1回目2020/12/19〜2020/12/211,250万円5,000万円2,820万円175人16万円2,500円4.3億円10万円〜50万円広告宣伝費、システム開発費Bなし成立
年間約3万件もの相談がある賃貸トラブルを『IT×専門家×ビッグデータ』の活用で早期解決にsumusapo1回目2020/10/28〜2020/10/301,035万円4,005万円————1.8億円9万円〜45万円製品開発費、営業人件費、広告宣伝費適用なしなし不成立
【第2回】<住×Techの融合>54兆円市場を開拓する新たな“住”の形!借りながらマイホMinoru2回目2020/10/10〜2020/10/121,625万円6,500万円6,130万円339人18万円6,250円3.6億円10万円〜50万円人件費、システム開発費、広告宣伝費Bあり成立
全国47都道府県の地元をギフトでつなぐ、地方創生プラットフォーム「地元カンパニー」地元カンパニー1回目2020/07/29〜2020/08/263,000万円5,000万円4,990万円311人16万円10,000円4.8億円10万円〜50万円・カタログギフト出品数充実のための生産者開拓費 ・営業強適用なしあり成立
全国85万人の消防団員をアップデートせよ!世界最大級の消防組織に導入された、月額300円タヌキテック1回目2020/06/04〜2020/06/061,607万円3,204万円—————9万円〜45万円—適用なしなし不成立
「コワーキングスペースの”課題”に新たなビジネスモデルで挑戦!世界中のスペースを活用し、いいオフィス1回目2020/05/21〜2020/05/231,251万円5,004万円2,475万円154人16万円—40.2億円10万円〜50万円—適用なしなし成立
【住×Techの融合】54兆円市場を開拓する新たな「住」の形!借りながらマイホームにするMinoru1回目2020/04/05〜2020/04/07700万円2,800万円2,730万円165人16万円6,250円3.3億円10万円〜50万円—適用なしなし成立
リノベーションのニーズをポイントで可視化して施工トラブルの無い社会をmonocla1回目2019/09/19〜2019/09/212,500万円8,000万円———100,000円4.3億円10万円〜50万円—適用なしなし不成立
Con-Techで建設業界の煩雑な構造をスマート化する!「建設テックラボ」建設テックラボ1回目2018/11/18〜2018/11/192,000万円4,000万円2,670万円165人16万円10,000円1.5億円10万円〜50万円—Aなし成立
世界中の火災から人々を守る!消火技術に革新を「ファイレスキュー」ファイレスキュー1回目2018/08/01〜2018/08/022,002万円5,005万円2,289万円175人13万円70,000円3.3億円7万円〜49万円—適用なしあり成立
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04不動産・建設・まちづくりで調達した24社を、全部並べる

企業の単位でまとめ直します。複数回調達している企業は、ここでは1行になります。

企業法人名テーマ募集回数成立不成立累計調達額累計投資家数直近プレバリュー設立
Minoru株式会社Minoru不動産テック2回2件0件8,860万円339人3.6億円2019年09月
ライノジャパンライノジャパン株式会社建設1回1件0件5,930万円312人12.3億円2014年09月
いいオフィス株式会社いいオフィスシェアリングエコノミー2回2件0件5,202万円162人83.8億円2018年04月
地元カンパニー株式会社地元カンパニー地方創生1回1件0件4,990万円311人4.8億円2012年04月
アクセルラボ株式会社アクセルラボ不動産テック1回1件0件4,734万円234人105億円2017年07月
スペースエージェンシー株式会社スペースエージェンシー不動産1回1件0件4,200万円224人3.9億円2007年12月
素朴屋素朴屋株式会社建設1回1件0件4,130万円238人4億円2014年09月
Nurse and CraftNurse and Craft株式会社地方創生1回1件0件4,020万円185人1.4億円2019年08月
OH YEAH株式会社OH YEAH不動産テック1回1件0件4,000万円269人2.5億円2020年08月
SPEC株式会社SPEC建設1回1件0件3,690万円235人2.4億円2004年10月
あめつちデザインあめつちデザイン株式会社旅行・宿泊2回2件0件3,673万円99人4億円2019年07月
リーマリーマ株式会社不動産テック1回1件0件2,820万円175人4.3億円2016年07月
建設テックラボ株式会社建設テックラボ建設1回1件0件2,670万円165人1.5億円2018年05月
EternityFoods株式会社EternityFoods地方創生1回1件0件2,320万円92人1億円2022年07月
ファイレスキュー株式会社ファイレスキュー公共1回1件0件2,289万円175人3.3億円2015年02月
アンドパブリックアンドパブリック株式会社地方創生1回1件0件1,989万円108人1.8億円2023年02月
PICK株式会社PICK不動産テック1回1件0件1,316万円85人3.6億円2018年10月
貴凛庁貴凛庁株式会社防災・まちづくり1回1件0件1,296万円77人3.9億円2016年07月
ZENTECH株式会社ZENTECH地方創生1回1件0件495万円27人1億円2022年10月
オープンルーム株式会社オープンルーム不動産1回1件0件400万円23人7.2億円2017年09月
HidamariHidamari株式会社不動産1回0件1件——1.8億円2012年02月
sumusaposumusapo株式会社不動産テック1回0件1件——1.8億円2020年04月
タヌキテック株式会社タヌキテック防災テック1回0件1件———2018年12月
monoclamonocla株式会社不動産テック1回0件1件——4.3億円2014年03月
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051件あたり、いくら集まったか

不動産・建設・まちづくりの募集で実際に集まった額の分布です。中央値は2,730万円、最大は6,130万円、最小は400万円でした。

0472500万円未満0500万〜1,000万円31,000万〜2,000万円72,000万〜3,000万円73,000万〜5,000万円25,000万〜1億円01億円以上
  • 500万円未満2
  • 500万〜1,000万円0
  • 1,000万〜2,000万円3
  • 2,000万〜3,000万円7
  • 3,000万〜5,000万円7
  • 5,000万〜1億円2
  • 1億円以上0
不動産・建設・まちづくりの1件あたり調達額の分布(21件)。
帯件数構成比
500万円未満2件9.5%
500万〜1,000万円0件0.0%
1,000万〜2,000万円3件14.3%
2,000万〜3,000万円7件33.3%
3,000万〜5,000万円7件33.3%
5,000万〜1億円2件9.5%
1億円以上0件0.0%

目標額(募集の下限)の中央値は1,000万円でした。調達額の中央値がそれを上回っています。

株式投資型の調達額は、他の資金調達手段と比べると小さくなります。ベンチャーキャピタルからの調達なら数億円が普通ですが、ここでは数千万円が中心です。この金額で何ができるのかを、募集ページの資金使途と照らして読むことになります。

06会社の値段(プレバリュー)はどう置かれていたか

プレバリューは、今回の調達の前の時点での会社の評価額です。株価×発行済株式数で、投資家が「この会社は何億円の価値がある」という前提で買うことになります。

不動産・建設・まちづくりでは24件で確認できました。中央値は3.5億円、最大は105億円、最小は1億円です。

061101億円未満71億〜2億円22億〜3億円113億〜5億円15億〜10億円310億円以上
  • 1億円未満0
  • 1億〜2億円7
  • 2億〜3億円2
  • 3億〜5億円11
  • 5億〜10億円1
  • 10億円以上3
不動産・建設・まちづくりのプレバリューの分布(24件)。
帯件数構成比
1億円未満0件0.0%
1億〜2億円7件29.2%
2億〜3億円2件8.3%
3億〜5億円11件45.8%
5億〜10億円1件4.2%
10億円以上3件12.5%

プレバリューは交渉で決まる数字で、市場が付けた価格ではありません。不動産・建設・まちづくりの中では1億円から105億円まで105倍の開きがあります。読み方は株価の算定根拠をどう読むかにまとめました。

07何人が出資したか

1件の募集に何人が出資したかです。中央値は175人、最大は339人でした。

036250人未満450〜100人1100〜150人6150〜200人5200〜300人3300人以上
  • 50人未満2
  • 50〜100人4
  • 100〜150人1
  • 150〜200人6
  • 200〜300人5
  • 300人以上3
不動産・建設・まちづくりの1件あたり投資家数の分布(21件)。
帯件数構成比
50人未満2件9.5%
50〜100人4件19.0%
100〜150人1件4.8%
150〜200人6件28.6%
200〜300人5件23.8%
300人以上3件14.3%

1人あたりの出資額の中央値は17万円でした。年間50万円の上限に対して35%にあたります。

投資家数は「人気」の指標ですが、株式投資型では意味が少し違います。出資した人が多いほど株主が増え、その後の資本政策が複雑になるからです。次の調達やM&Aのときに、多数の少額株主がいることが障害になる場面があります。プラットフォーム側は株主名簿の管理や信託の仕組みで対応していますが、「投資家が多いほどよい」とは限りません。

08不動産・建設・まちづくりの中で、どんなテーマが多いか

不動産・建設・まちづくりはひとつの分野ですが、中身は分かれます。募集ページに書かれた事業内容から、当サイトがさらに細かいテーマに分けました。

不動産テック7社地方創生5社建設4社不動産3社シェアリングエコノミー1社旅行・宿泊1社公共1社防災・まちづくり1社防災テック1社
  • 不動産テック7社
  • 地方創生5社
  • 建設4社
  • 不動産3社
  • シェアリングエコノミー1社
  • 旅行・宿泊1社
  • 公共1社
  • 防災・まちづくり1社
  • 防災テック1社
不動産・建設・まちづくりの企業24社を、テーマで分けたもの。
テーマ企業数累計調達額この企業(例)
不動産テック7社2.2億円Minoru、アクセルラボ、OH YEAH、リーマ、PICK、sumusapo、monocla
地方創生5社1.4億円地元カンパニー、Nurse and Craft、EternityFoods、アンドパブリック、ZENTECH
建設4社1.6億円ライノジャパン、素朴屋、SPEC、建設テックラボ
不動産3社4,600万円スペースエージェンシー、オープンルーム、Hidamari
シェアリングエコノミー1社5,202万円いいオフィス
旅行・宿泊1社3,673万円あめつちデザイン
公共1社2,289万円ファイレスキュー
防災・まちづくり1社1,296万円貴凛庁
防災テック1社—タヌキテック
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09不動産・建設・まちづくりで調達した企業は、何をしている会社か

募集ページに書かれた事業内容を、調達額の大きい順にそのまま載せます。要約していません。不動産・建設・まちづくりという一つの分野の中に、どれだけ違う事業が入っているかが見えます。設立年・資本金・調達額は、前の一覧表に出しました。

Minoru 譲渡型賃貸住宅事業

ライノジャパン Rhino Linings の日本に於ける総販売元 ・コーティング材料輸入販売事業 ・コーティング施工事業 ・ポリウレアスプレー工法研修事業

いいオフィス コワーキングスペースの運営 貸会議室の運営 いいオフィスWEBアプリの運営&開発 クラウドソーシング事業 イベント運営

地元カンパニー カタログギフト事業

アクセルラボ スマートホーム化サービス

スペースエージェンシー 自社ブランドの注文住宅や規格住宅など、様々なニーズに合わせた商品を自社設計・自社施工で提供

素朴屋 日本の伝統工法や和風建築を世界に展開

Nurse and Craft 予防医療を起点に地域を再生するヘルスケアベンチャー

OH YEAH スマホでらくらく賃貸管理「raQkan」の企画・開発・運営

SPEC 環境対策事業

あめつちデザイン 顧客体験向上コンサルティングによるツーリズムデザイン事業、地方創生体験コマース事業

リーマ 不動産M&Aマッチングサービス

建設テックラボ コンピュータのソフトウェア及びハードウェアの企画、研究開発 設計、製造、販売、リース、賃貸及び輸出並びにこれらに関する コンサルティング業務

EternityFoods 地元農家との専属契約による安定供給のもと、仕入れから食品加工・販売を一体的に展開する事業を展開

ファイレスキュー 投てき型消火剤「ファイヤーセイブ」をはじめとした様々な消火製品の開発・展開

アンドパブリック 「社会的インパクト」の可視化と最大化に取り組むスタートアップ

PICK 不動産賃貸契約における「申込から契約手続き」までをオンラインで完結できる電子契約サービス「PICKFORM(ピックフォーム)」を開発

貴凛庁 防災体験型施設「KIBOTCHA(キボッチャ)」を運営

ZENTECH ソーシャルアクションプラットフォーム「ZEN messenger」(ゼンメッセンジャー)を開発・運営

オープンルーム 不動産仲介業に特化した営業支援ツール「フォレスト」を提供

Hidamari シェアハウス運営

sumusapo 不動産テック・一般消費者への不動産サービス提供・不動産会社へのシステム提供

タヌキテック 消防団出場指令及び動態管理システム『FireChief』の開発と運用 ICTを活用した防災事業 消防団コンサル業務

monocla webメディア運営

10不動産・建設・まちづくりの募集は、いつ多かったか

募集の開始年で数え直します。その分野に資金が集まった時期が分かります。

0472201812019720201202122022320235202442025
  • 20182
  • 20191
  • 20207
  • 20211
  • 20222
  • 20233
  • 20245
  • 20254
不動産・建設・まちづくりの募集件数の推移(募集開始年)。
年募集件数成立不成立調達額の合計投資家数の合計
2025年4件4件0件1.2億円588人
2024年5件5件0件1.3億円694人
2023年3件3件1件7,820万円473人
2022年2件2件0件3,396万円184人
2021年1件1件0件4,000万円269人
2020年7件7件2件1.9億円1,144人
2019年1件1件1件—0人
2018年2件2件0件4,959万円340人
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件数の増減は、その分野が注目された時期を表します。ただし、注目された時期に募集された案件がうまくいったかどうかは別の話です。むしろ資金が集まりやすい時期ほど、評価額が高めに置かれる傾向があります。

11不動産・建設・まちづくりは、どのプラットフォームで募集されたか

プラットフォームによって、扱う分野の偏りがあります。

プラットフォームこの分野の募集成立不成立成立率調達額の合計1件あたりの中央値
FUNDINNO21件21件4件100%5.7億円2,820万円
イークラウド4件4件0件100%7,874万円1,242万円
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プラットフォームを選ぶときに見るのは、扱う分野より募集の頻度と、募集ページの情報量です。同じ会社の株式を複数のプラットフォームで買えるわけではないので、興味のある分野の募集が多いところに登録しておく、という選び方になります。

12不動産・建設・まちづくりで、募集が成立しなかった4件

株式投資型では、募集額の下限(目標額)に届かないと不成立になります。不成立の場合、出資金は投資家に返ります。損は出ませんが、「この会社に出したい」という判断が実現しなかったことになります。

不成立になった募集は、【売上前年比約180%見込】自宅の空き部屋シェアハウ、年間約3万件もの相談がある賃貸トラブルを『IT×専門、全国85万人の消防団員をアップデートせよ!世界最大級、リノベーションのニーズをポイントで可視化して施工トラです。前の一覧表で、結果の列を見てください。

不動産・建設・まちづくりの成立率は86.2%です。分野ごとの成立率を並べます。

金融・フィンテック91%食・農林水産85%不動産・建設・まちづくり84%モビリティ・物流83%AI・データ81%IoT・ロボット・ハードウェア78%人材・教育77%エネルギー・環境・素材74%医療・ヘルスケア・バイオ72%小売・EC・D2C70%プラットフォーム・その他70%旅行・スポーツ・生活サービス68%IT・ソフトウェア64%広告・メディア・エンタメ61%
  • 金融・フィンテック91%
  • 食・農林水産85%
  • 不動産・建設・まちづくり84%
  • モビリティ・物流83%
  • AI・データ81%
  • IoT・ロボット・ハードウェア78%
  • 人材・教育77%
  • エネルギー・環境・素材74%
  • 医療・ヘルスケア・バイオ72%
  • 小売・EC・D2C70%
  • プラットフォーム・その他70%
  • 旅行・スポーツ・生活サービス68%
  • IT・ソフトウェア64%
  • 広告・メディア・エンタメ61%
分野ごとの成立率(成立÷(成立+不成立))。
分野募集件数成立不成立成立率
食・農林水産96件71件13件84.5%
不動産・建設・まちづくり25件21件4件84.0%
モビリティ・物流8件5件1件83.3%
金融・フィンテック28件21件2件91.3%
AI・データ33件25件6件80.6%
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成立率の差は、その分野が有望かどうかではなく、投資家が理解しやすいかどうかを表している面があります。事業の中身が分かりやすい分野は集まりやすく、専門的な分野は説明の負担が大きくなります。

13不動産・建設・まちづくりで、複数回調達している3社

1社が何度も募集することがあります。2回目以降の募集では、前回の株価と比べられるのが投資家にとっての利点です。上がっていれば事業が進んだ証拠になり、下がっていれば(ダウンラウンド)何かがうまくいかなかったことになります。

企業募集回数成立不成立累計調達額直近プレバリュー初回直近
Minoru2回2件0件8,860万円3.6億円2020-042020-10
いいオフィス2回2件0件5,202万円83.8億円2020-052022-02
あめつちデザイン2回2件0件3,673万円4億円2022-052023-06
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株価がどう動いたかは、前の一覧表の「株価」と「プレバリュー」の列で同じ企業の行を並べると読めます。2回目の株価が1回目より低ければ、ダウンラウンドです。

14不動産・建設・まちづくりの募集に、税の優遇と投資家特典はどれだけ付いていたか

株式投資型には、一定の要件を満たす企業への投資についてエンジェル税制という所得税の優遇があります。不動産・建設・まちづくりの25件での適用状況です。制度そのものの中身はエンジェル税制の使い方に書きました。

エンジェル税制の区分件数構成比
適用なし12件48.0%
B8件32.0%
A5件20.0%

投資家特典が付いていた募集は12件です。内容は前の一覧表の「特典」の列に出しました。自社の商品やサービスの割引・提供が中心で、金額としては小さいので、特典を理由に投資先を選ぶのは順序が逆です。

15集めたお金を、何に使うと書いてあったか

募集ページに書かれた資金使途を数えます。不動産・建設・まちづくりの25件から拾いました。

広告宣伝費7件人件費6件システム開発費4件営業人件費3件設備投資2件PICKFORM開発費用2件採用人件費1件機械購入1件薬剤(新商品)購入1件営業強化のための人件費及び広告費1件仕入費用1件東京事務所改装費1件ベトナム モデルハウス兼カフェの建築1件ドバイ 事務所兼ショールームの改装1件ベトナム モデルハウス兼カフェの改装1件マーケティング費用1件
  • 広告宣伝費7件
  • 人件費6件
  • システム開発費4件
  • 営業人件費3件
  • 設備投資2件
  • PICKFORM開発費用2件
  • 採用人件費1件
  • 機械購入1件
  • 薬剤(新商品)購入1件
  • 営業強化のための人件費及び広告費1件
  • 仕入費用1件
  • 東京事務所改装費1件
  • ベトナム モデルハウス兼カフェの建築1件
  • ドバイ 事務所兼ショールームの改装1件
  • ベトナム モデルハウス兼カフェの改装1件
  • マーケティング費用1件
不動産・建設・まちづくりの募集で書かれていた資金使途。
使途件数この使途が多いことの意味
広告宣伝費7件売上を作るための費用。止めると売上も止まりやすい
人件費6件人を増やす費用。固定費が増える
システム開発費4件作るための費用。時間がかかるが、資産が残る
営業人件費3件人を増やす費用。固定費が増える
設備投資2件—
PICKFORM開発費用2件作るための費用。時間がかかるが、資産が残る
採用人件費1件人を増やす費用。固定費が増える
機械購入1件—
薬剤(新商品)購入1件—
営業強化のための人件費及び広告費1件売上を作るための費用。止めると売上も止まりやすい
仕入費用1件作りだめの費用。売れなければ在庫になる
東京事務所改装費1件—
ベトナム モデルハウス兼カフェの建築1件—
ドバイ 事務所兼ショールームの改装1件—
ベトナム モデルハウス兼カフェの改装1件—
マーケティング費用1件売上を作るための費用。止めると売上も止まりやすい
開発人件費1件作るための費用。時間がかかるが、資産が残る
現地調査費用1件—
研究開発費1件作るための費用。時間がかかるが、資産が残る
海外出荷用倉庫整備費用1件—

資金使途は、その会社が何で詰まっているかを表します。広告費が中心なら、「売れる商品はあるが、知られていない」という状態です。開発費が中心なら、「まだ売るものが完成していない」ということです。どちらが良いという話ではなく、リスクの種類が違うという話です。

16不動産・建設・まちづくりの会社を見るときに、特に効く論点

資金の大きさに比べて調達額が小さい。何に使うのかを見る。この分野に共通して効く確認を並べます。

論点なぜ効くか募集ページで確かめること
調達資金の使い道物件の取得か、運転資金か、システムか使途の内訳
必要な免許宅建業、建設業取得しているか
金利の影響借入に依存するなら金利上昇が効く借入の規模
地域特定の地域に依存していないか事業のエリア
職人・施工人手不足が制約になる施工体制

これに加えて、株式投資型ではどの分野でも共通して効く確認があります。

共通の確認確かめ方
直近の売上と損益募集ページの業績。売上がゼロなら、評価は期待だけで置かれている
いつまでの資金か調達額と、月々の費用(バーンレート)の関係
次の調達の計画この資金の次はどうするのか
経営陣の経歴その事業を進められる人かどうか
既存株主VCが入っているか。入っていれば一度は審査を受けている
上場・M&Aの目標時期書いてあるか。書いてあっても計画にすぎない
株主構成と、調達後の持分自分の持分がどれだけ薄まるか

17不動産・建設・まちづくりの数字を、どこから取ったか

国内の株式投資型クラウドファンディングのプラットフォームで公表された募集情報から、不動産・建設・まちづくりに当たる25件・24社を抜き出しました。

項目内容
この分野の募集25件
この分野の企業24社
集めた募集の総数839件(全分野)
分野の分け方募集ページの事業内容から当サイトが分類。公式の分類ではない
取れた項目目標額、上限額、調達額、投資家数、株価、プレバリュー、エンジェル税制の区分、投資家特典、資金使途、募集期間
取れなかった項目調達後の業績、株式の現在の価値、EXITの見込み

限界は、調達したあとに何が起きたかが分からないことです。未上場企業には決算の公開義務がありません。この記事に出ているのは募集の時点までの数字で、投資の結果ではありません。不動産・建設・まちづくりで上場やM&Aに至った例があるかは、EXITの実績にまとめました。

18調達額とプレバリューの比で、不動産・建設・まちづくりの募集を並べ直す

いちばん効くのは調達額とプレバリューの比です。プレバリュー5億円の会社が3,000万円を集めるなら、発行する株式は全体の約6%。既存株主の持分がその分だけ薄まります。この比が大きいほど、会社にとっては重い調達だということです。

募集企業プレバリュー調達額調達額÷プレバリュー投資家数
〈アジアNo.1に選出〉ユニコーンへ期待高まる注目ベンチャー。予防医療を起点とする地域再Nurse and Craft1.4億円4,020万円27.7%185人
〈設立3年で売上1億円超見込〉離島の救世主がつくる地域創生の成功モデル。“ブランド食材×EternityFoods1億円2,320万円23.2%92人
Con-Techで建設業界の煩雑な構造をスマート化する!「建設テックラボ」建設テックラボ1.5億円2,670万円17.3%165人
【第2回】<住×Techの融合>54兆円市場を開拓する新たな“住”の形!借りながらマイホMinoru3.6億円6,130万円16.8%339人
不動産オーナーの賃貸管理をスマホひとつで完結!自社開発の自動化システムで賃貸管理からスペOH YEAH2.5億円4,000万円15.9%269人
<JICA事業に採択>世界14カ国で施工実績あり。土壌を短期間に固める特殊な硬化剤で、途SPEC2.4億円3,690万円15.4%235人
需要が急拡大する社会的インパクトのマネジメントを起点に地方自治の改革を目指す「アンドパブアンドパブリック1.8億円1,989万円11.1%108人
〈今年IPO準備開始予定〉売上10億円超の建築デザイナー集団が震災を機に着想。全国で需要スペースエージェンシー3.9億円4,200万円10.9%224人
全国47都道府県の地元をギフトでつなぐ、地方創生プラットフォーム「地元カンパニー」地元カンパニー4.8億円4,990万円10.4%311人
<JETROが海外展開支援>世界中で注目が高まる「和風建築」のプロフェッショナル集団「素素朴屋4億円4,130万円10.3%238人
【住×Techの融合】54兆円市場を開拓する新たな「住」の形!借りながらマイホームにするMinoru3.3億円2,730万円8.2%165人
世界中の火災から人々を守る!消火技術に革新を「ファイレスキュー」ファイレスキュー3.3億円2,289万円6.9%175人
地域創生の最新ビジネスモデル。体験EC × DXサービス《cocodake(ココダケ)》あめつちデザイン3.1億円2,080万円6.7%99人
高い税務メリットをもたらす不動産M&Aの革新的マッチングプラットフォーム!資産データを蓄リーマ4.3億円2,820万円6.5%175人
上場企業CVCも出資予定!住民参加型の寄付金プラットフォームで地方創生に挑む「ZENTEZENTECH1億円495万円4.9%27人
〈今期売上約12億円計画〉ペンタゴンも採用。高速で物を固める次世代素材”ポリウレア”で災ライノジャパン12.3億円5,930万円4.8%312人
不動産賃貸も電子契約の時代へ!独自開発の電子押印システムとシンプルなUI/UXで契約手続PICK3.6億円1,316万円3.7%85人
〈2026年IPO準備開始〉防災庁発足予定の日本を強靭化大国へ導く防災領域の注目ベンチャ貴凛庁3.9億円1,296万円3.3%77人
「コワーキングスペースの”課題”に新たなビジネスモデルで挑戦!世界中のスペースを活用し、いいオフィス40.2億円2,475万円0.6%154人
"不動産屋の提案力"を解放せよ!DXで住まい選びの満足度向上に挑む「オープンルーム」オープンルーム7.2億円400万円0.6%23人
〈ショートレビュー済〉IPO準備中のテック企業に大手不動産も熱視線。海外プレイヤーでは困アクセルラボ105億円4,734万円0.5%234人
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不動産・建設・まちづくりでは、この比の中央値は8.2%でした。最大は27.7%、最小は0.5%です。

比が小さい募集は、「会社の評価に対して、少しだけ株を出した」ということです。投資家から見れば、同じ金額を出しても持てる割合が小さいことになります。比が大きい募集は逆で、持てる割合は大きいが、会社にとっては次の調達の余地が減ります。

19よくある質問

不動産・建設・まちづくりの募集は何件ありましたか。

当サイトが集めた839件のうち、25件でした。調達した企業は24社です。

成立しなかったらお金はどうなりますか。

返ります。募集額の下限に届かないと不成立になり、出資金は投資家に戻ります。

投資した株式は途中で売れますか。

原則として売れません。未上場株式には譲渡制限があり、市場もありません。

いくらまで投資できますか。

1社あたり年間50万円までです。金商法で決まっている上限で、複数の会社に出せば合計はもっと大きくなります。

エンジェル税制は自動で使えますか。

使えません。確定申告が必要で、発行会社から交付される確認書などの書類が要ります。

20この記事の数字は、どこから取ったか

会社名を挙げて処分や事故を書くにあたっては、照合を法人番号の完全一致に限りました。社名の部分一致で突き合わせると、似た社名の別会社の記録を拾ってしまいます。当サイトが実際に試したところ、82件が一致したように見えてそのほとんどが別会社でした。

できていないことも書きます。不動産特定共同事業者への監督処分は国土交通省・都道府県の所管で、この事例集には含まれていません。また償還後の実績は、事業型を除いてどの事業者も公表していないため、不動産型・融資型については「戻らなかった件数」を外から数えられません。

数字はいずれも元本を保証するものではなく、この記事は特定の商品の勧誘ではありません。

自分の数字で確かめる:分けて買うと安心?

はじめての人へ

1つの案件に全部入れず、いくつかに分けて買うと、1件で損が出たときの痛みが小さくなります。

分けて減るのは「1件の事故」の影響です。金利の上昇や不動産価格の下落のように、すべての案件に同時に効く損は、件数を増やしても減りません。同じ事業者の案件を何件買っても、事業者の倒産には備えられません。

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