01「現実的な年利」を、実際の分布から決める
当サイトが取得した実案件515件の想定利回りを、分布として見ます。相場が分かれば、高すぎる案件も低すぎる案件も見分けられます。
| 位置 | 想定利回り | 意味 |
|---|---|---|
| 最小 | 1.0% | いちばん低い案件 |
| 10%点 | 4.0% | 下から1割の位置 |
| 25%点 | 4.5% | 下から4分の1 |
| 中央値 | 6.0% | まん中。これが相場 |
| 75%点 | 8.0% | 上から4分の1 |
| 90%点 | 10.0% | 上から1割 |
| 最大 | 27.0% | いちばん高い案件 |
- 3%未満6
- 3〜4%36
- 4〜5%106
- 5〜6%101
- 6〜8%114
- 8〜10%75
- 10〜15%44
- 15%以上33
現実的な水準は、中央値の6.0%前後です。これを大きく超える案件は、超える理由が説明されているかを確かめることになります。
02想定利回りは、受け取る額ではない
この数字は想定であって、保証ではありません。そして年率なので、運用期間が12ヶ月未満なら受け取る額はその割合です。
| 想定利回り | 3ヶ月 | 6ヶ月 | 12ヶ月 | 24ヶ月 | 12ヶ月・税引後 |
|---|---|---|---|---|---|
| 3% | 750円 | 1,500円 | 3,000円 | 6,000円 | 2,387円 |
| 4% | 1,000円 | 2,000円 | 4,000円 | 8,000円 | 3,183円 |
| 5% | 1,250円 | 2,500円 | 5,000円 | 10,000円 | 3,978円 |
| 6% | 1,500円 | 3,000円 | 6,000円 | 12,000円 | 4,774円 |
| 7% | 1,750円 | 3,500円 | 7,000円 | 14,000円 | 5,570円 |
| 8% | 2,000円 | 4,000円 | 8,000円 | 16,000円 | 6,366円 |
| 10% | 2,500円 | 5,000円 | 10,000円 | 20,000円 | 7,957円 |
| 12% | 3,000円 | 6,000円 | 12,000円 | 24,000円 | 9,549円 |
| 15% | 3,750円 | 7,500円 | 15,000円 | 30,000円 | 11,937円 |
10万円・想定利回り6%・12ヶ月で、税引後の手取りは約4,775円です。月に直すと約400円。
この金額をどう見るかが、この商品に向いているかどうかの分かれ目です。「少ない」と感じるなら、金額を増やすか、別の商品を選ぶことになります。金額を増やせば損の額も増えることは忘れないでください。
03種別ごとに、現実的な水準が違う
4種別で利回りの分布が違います。比べるなら、同じ種別の中で比べてください。
| 種別 | 件数 | 最小 | 25%点 | 中央値 | 75%点 | 最大 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 不動産型 | 425件 | 2.4% | 4.5% | 5.5% | 8.0% | 27.0% |
| 融資型 | 90件 | 1.0% | 5.4% | 7.0% | 8.0% | 12.3% |
融資型には構造的な上限があります。貸付金利には利息制限法の上限(元本に応じて年15〜20%)があり、そこから事業者の取り分を引いたものが投資家の利回りになるためです。
不動産型にはこの上限がありません。売却益を狙う案件なら、理論上いくらでも高くなりえます。その代わり、売れなければゼロにもなりえます。
04高い利回りが出る理由は、数えられる
相場より高い利回りには、必ず理由があります。その理由が募集ページに書かれているかが判断の分かれ目です。
| 高い利回りの出どころ | 崩れる条件 | 確かめること |
|---|---|---|
| 短期の物件売買(売却益) | 買い手が付かない、相場が下がる | 出口の想定(誰に、いくらで売るか) |
| 開発・再生 | 工期の遅れ、コストの上昇 | 工期、施工者、資金計画 |
| 海外の不動産 | 現地の景気、法制度、為替 | 所在国、通貨、為替ヘッジの有無 |
| 事業者向けの短期融資 | 借り手が返せない | 借り手の商号、担保、返済原資 |
| 高いレバレッジ | 金利の上昇、借り換えができない | LTV(物件価値に対する借入の割合) |
| 劣後が厚い設計の対価 | 劣後を超える下落 | 優先劣後の内訳 |
| 回転の速さ | 次の案件が出ない | 募集の頻度 |
このうち、投資家が外から確かめられるのは1行目の出口と4行目の借り手くらいです。海外案件と開発案件は、現地に行かない限り確かめようがありません。
だから、確かめられない分だけ金額を抑える。これが唯一の対処です。
05年利の目標を、資産全体で考える
最後に、この商品の利回りを資産全体の中でどう位置づけるかを整理します。
| 置き場所 | 利回りの目安 | 値動き | 引き出し |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 0.0〜0.2% | なし | いつでも |
| 定期預金 | 0.1〜0.5% | なし | 満期まで(中途解約は可) |
| 個人向け国債 | 0.5〜1.0%程度 | なし(変動10年は金利連動) | 1年経てば中途換金可 |
| 投資型クラウドファンディング | 想定6.0%前後(税引後は約7割) | 運用中は価格が付かない | 原則できない |
| 投資信託(インデックス) | 長期の期待値として年3〜7%程度 | 毎日動く | いつでも |
| REIT | 分配金利回り3〜5%程度 | 毎日動く | いつでも |
| 株式投資型CF | 利回りの概念がない | 価格が付かない | 原則できない |
利回りの目安は、時期と商品によって変わります。将来を保証するものではありません。
投資型クラウドファンディングの位置は「預金より高く、株式より値動きがない」です。その代わり、引き出せません。
年利を高くしたいなら、この商品の中で高い案件を探すより、資産全体の中でリスクを取る部分の比率を決めるほうが効果的です。想定利回り6%の案件を8%に変えても、10万円なら年2,000円の差です。
06よくある質問
いくらから始められますか。
最低投資額は事業者によって違い、中央値は1万円です。1万円から出せる事業者が多くあります。
途中でやめられますか。
運用期間中は原則としてやめられません。一部の事業者が譲渡や解約に対応していますが、手数料がかかり、応じてもらえない場合もあります。
確定申告は必要ですか。
給与所得者で、給与以外の所得の合計が年20万円以下なら所得税の申告は不要です。ただし住民税の申告は別に必要になることがあります。
何社に分けるのがよいですか。
4社から6社が、分散の効果と管理の手間の釣り合う範囲です。10社を超えると確定申告の書類集めが重くなります。
元本は保証されますか。
されません。どの種別にも公的な元本補償の仕組みはありません。
07この記事の数字は、どこから取ったか
会社名を挙げて処分や事故を書くにあたっては、照合を法人番号の完全一致に限りました。社名の部分一致で突き合わせると、似た社名の別会社の記録を拾ってしまいます。当サイトが実際に試したところ、82件が一致したように見えてそのほとんどが別会社でした。
できていないことも書きます。不動産特定共同事業者への監督処分は国土交通省・都道府県の所管で、この事例集には含まれていません。また償還後の実績は、事業型を除いてどの事業者も公表していないため、不動産型・融資型については「戻らなかった件数」を外から数えられません。
数字はいずれも元本を保証するものではなく、この記事は特定の商品の勧誘ではありません。

次に読む
同じテーマ
同じテーマ
同じテーマ
同じテーマ