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NISAの枠を使い切った後、どこに置くか|課税口座で持つときの投資先ごとの税の違い

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この記事に出てくる言葉NISA雑所得匿名組合積立利回り複利
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01先に結論

NISA(非課税口座)の枠は、年間でつみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円、生涯で合計1,800万円(うち成長投資枠1,200万円)です(租税特別措置法37条の14)。これを使い切った後の置き場所は、税の面では「利益を毎年受け取って課税されるか、売るまで課税が先に延びるか」と「20.315%の分離課税か、所得に応じた総合課税か」の2つで差がつきます。

100万円を年率5%で30年置いた場合、同じ20.315%でも、毎年分配を受けて課税される形と、値上がりだけで最後に売る形の差は418,396円でした。総合課税の雑所得(匿名組合の分配など)は、所得税の税率5%の区分なら税率の合計が15.105%、10%の区分なら20.210%で20.315%より低く、20%以上の区分では30.420%以上になります。

この記事は、特定の商品をすすめるものではありません。税のかかり方の違いを、長い期間の計算で比べます。1年分の手取りを比べる計算は税引き後の手取り、NISAで何が買えるかはNISAで不動産クラウドファンディングは買えるのかで扱っています。

02NISAの枠は、どう決まっているか

つみたて投資枠成長投資枠条文
年間の上限120万円240万円措法37条の14第5項第6号イ・ハ(取得対価の額の合計)
生涯の上限1,800万円(2つの枠の合計)1,200万円(1,800万円の内数)同号イ・ハ(特定累積投資勘定基準額・特定非課税管理勘定基準額)
生涯の上限の数え方前年12月31日に受け入れている上場株式等の購入の代価の額(簿価)同じ同号イ・ハ
買えるもの第2号イ・ロに掲げる公募の株式投資信託など(政令の要件あり)第1号イ〜ハに掲げる上場株式、公募株式投資信託、上場投資法人の投資口など(政令の除外あり)37条の14第1項第3号・第4号
損失所得税に関する法令の適用上、ないものとみなす同じ37条の14第2項
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生涯の上限は、時価ではなく購入の代価の額(簿価)で数えます。しかも、その年の枠の判定に使うのは「前年12月31日に受け入れている」額です。売って簿価が減ると、その分の枠は翌年からまた使えるようになります。年間の上限は、その年に受け入れた取得対価の合計で数えるので、同じ年の中で売っても年間の上限は戻りません。

NISA口座の損失は「ないものとみなす」とされ、他の口座の利益と通算することも、翌年以後に繰り越すこともできません(国税庁 No.1474 の注3)。

03積み立てる額で、枠を埋めるまでの年数が変わる

毎年の積立額ごとに、つみたて投資枠を先に使い、残りを成長投資枠に回した場合、生涯の上限1,800万円を埋めるまでの年数です(売らない前提)。

毎年の積立額埋まるまでの年数つみたて投資枠の簿価成長投資枠の簿価
60万円30年1,800万円0万円
120万円15年1,800万円0万円
180万円10年1,200万円600万円
240万円8年960万円840万円
360万円5年600万円1,200万円
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年間の上限(120万円+240万円=360万円)いっぱいに積み立てると、最短の5年で埋まります。つみたて投資枠だけを使う人は、成長投資枠の1,200万円の内数の制限を受けないので、1,800万円をすべてつみたて投資枠で埋めることもできます。枠が埋まるまでの年数が長い人ほど、課税口座の話はずっと先になります。この記事の以下の計算は、枠を使い切った後の話です。

04枠は1人ずつ。2人の世帯なら2人分

NISAの口座(非課税口座)を開けるのは、その年1月1日に18歳以上の居住者などです(措法37条の14第5項第1号)。枠は口座を開いた人ごとなので、18歳以上の2人がいる世帯なら、世帯としての非課税の枠は2人分になります。世帯で毎年投資に回す額ごとに、枠が埋まるまでの年数と、初めから枠を超える額を計算しました(それぞれが自分の資金で買う前提)。

世帯で毎年回す額口座を持つ人数世帯の生涯の上限埋まるまでの年数毎年、枠を超えて課税口座に回る額
360万円1人1,800万円5年0万円
360万円2人3,600万円10年0万円
500万円1人1,800万円5年140万円
500万円2人3,600万円8年0万円
720万円1人1,800万円5年360万円
720万円2人3,600万円5年0万円
1,000万円1人1,800万円5年640万円
1,000万円2人3,600万円5年280万円
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1人で年360万円を超えて投資する人は、枠を使い切る前から課税口座にも置くことになります。この記事の以下の計算は、1人分の枠を使い切った後、または枠を超えて投資する分の話として読んでください。

05枠が空くのは翌年から

成長投資枠だけを使う人が、毎年240万円ずつ買い、6年目に簿価300万円分を売った場合の、各年の使える額です。

年前年末の簿価から見た生涯の残りその年に使える額買った額売った額(簿価)年末の簿価
1年目1,200万円240万円240万円—240万円
2年目960万円240万円240万円—480万円
3年目720万円240万円240万円—720万円
4年目480万円240万円240万円—960万円
5年目240万円240万円240万円—1,200万円
6年目0万円0万円0万円300万円900万円
7年目300万円240万円240万円—1,140万円
8年目60万円60万円60万円—1,200万円
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5年目の終わりに簿価が1,200万円に達して生涯の上限に届き、6年目は買えません。6年目に簿価300万円分を売ると、7年目に生涯の残りが300万円に戻り、年間の上限240万円まで使えます。8年目に使えるのは残りの60万円だけです。売った分の枠は時価ではなく簿価で戻るので、値上がりした後に売ると、戻る枠は売った金額より小さくなります。

06値上がりした後に売ると、戻る枠は小さい

生涯の上限は簿価で数えるので、値上がりした投資先を売ったときに戻る枠は、売った金額ではなく、その分の購入の代価です。600万円分を売る場合に、買った時から何倍に値上がりしていたかで、戻る枠がどう変わるかを計算しました。

買った時からの値上がり売った金額(時価)翌年から戻る枠(簿価)枠に戻らない分戻った枠を年360万円で使い切る年数
1.0倍600万円600万円0万円2年
1.5倍600万円400万円200万円2年
2.0倍600万円300万円300万円1年
3.0倍600万円200万円400万円1年
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3倍に値上がりした後に600万円を売ると、戻る枠は200万円です。売ったお金のうち、戻った枠を超える分は、非課税枠の中には戻せません。反対に、値下がりした投資先を売ると、売った金額より大きい簿価の分の枠が翌年から戻ります。

07枠が埋まった後の入れ替えは、翌年以後に少しずつ

生涯の上限まで埋まった後に、非課税枠の中の投資先を入れ替える場合です。売った分の枠は翌年から戻りますが、年間の上限(つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円)の範囲でしか買い直せません。売った年は、前年末の簿価が上限に達しているので、その年のうちには1円も買い直せません。つみたて・成長の両方の枠を使える投資先として、年360万円まで買い直す前提で計算しました。

売った額(簿価)買い直し終わるまで各年に買い直せる額(売った翌年から)翌年に買い直せずに残る額
120万円1年120万円0万円
300万円1年300万円0万円
600万円2年360万円・240万円240万円
1,200万円4年360万円・360万円・360万円・120万円840万円
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売った額が大きいほど、非課税枠の外に出たお金が戻るまでに年数がかかります。その間のお金は課税口座に置くことになり、その間の利益には課税されます。枠を埋めた後の非課税枠の中での入れ替えは、非課税の枠を一時的に減らすことになる、と考えておく必要があります。成長投資枠だけを使う投資先の場合は、生涯1,200万円・年240万円の範囲で同じ計算になります。

08毎年課税されるか、売るまで延びるか

課税口座で持つとき、利益の受け取り方で手取りが変わります。100万円を置き、税引前の利回りが同じでも、

の2つを、非課税枠と並べました。

年率年数非課税枠課税口座:値上がりだけ課税口座:毎年分配差(値上がり−分配)差が非課税枠の利益に占める割合
3%10年1,343,916円1,274,050円1,266,481円7,569円2.2%
3%20年1,806,111円1,642,350円1,603,975円38,375円4.8%
3%30年2,427,262円2,137,314円2,031,404円105,910円7.4%
5%10年1,628,895円1,501,135円1,478,004円23,131円3.7%
5%20年2,653,298円2,317,430円2,184,496円132,934円8.0%
5%30年4,321,942円3,647,090円3,228,694円418,396円12.6%
7%10年1,967,151円1,770,675円1,720,807円49,867円5.2%
7%20年3,869,684円3,286,708円2,961,178円325,530円11.3%
7%30年7,612,255円6,268,975円5,095,617円1,173,359円17.7%
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差は、年率が高いほど、期間が長いほど大きくなります。30年では、年率3%で105,910円、5%で418,396円、7%で1,173,359円でした。毎年の分配で課税されると、税を引かれた後の額しか次の年に増えないのに対し、値上がりだけなら、将来払う税の分も含めて増え続けるからです。

非課税枠と比べて減った額が、非課税枠での利益に占める割合で見ると、値上がりだけの形は何年置いても20.315%のままです。毎年分配の形は、年率5%・30年で32.9%になり、表面の税率を上回ります。税そのものに加えて、税で減った分が生んだはずの複利も失っているためです。

09毎年払う税と、最後にまとめて払う税

前の表の差がどこから来るのかを、1年ごとの税で見ます。100万円・年率5%で、毎年分配を受けて課税される場合と、値上がりだけで30年目に売る場合です。

年毎年分配:その年の税毎年分配:税の累計毎年分配:残高値上がりだけ:その年の税値上がりだけ:時価
1年目10,158円10,158円1,039,842円0円1,050,000円
5年目11,876円54,999円1,215,732円0円1,276,282円
10年目14,438円121,863円1,478,004円0円1,628,895円
20年目21,339円301,977円2,184,496円0円2,653,298円
30年目31,539円568,186円3,228,694円674,853円4,321,942円
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毎年分配の形は、30年で合計568,186円の税を少しずつ払います。値上がりだけの形は、途中の税は0円で、30年目に売るときに674,853円をまとめて払います。払う税の総額は値上がりだけの形の方が大きいのに、手取りも多くなります。途中で払わなかった税の分も、30年間ずっと増え続けていたからです。売るまでの税は、無利子で国から借りて運用しているのと同じ効果を持ちます。

10売って買い直すと、その時点で課税される

課税口座では、値上がりした投資先を売って同じものを買い直すと、売った時点で利益に課税され、取得費が買い直した値段に上がります。税を先に払うことになるので、毎年分配を受けるのと同じように複利が削られます。100万円・年率5%・30年で、売って買い直す間隔を変えて計算しました。

売って買い直す間隔30年後の手取り売らない場合との差
1年ごと3,228,694円−418,396円
3年ごと3,264,783円−382,307円
5年ごと3,299,818円−347,272円
10年ごと3,382,665円−264,425円
15年ごと3,458,647円−188,442円
売らない(30年目に売るだけ)3,647,090円±0円

間隔が短いほど、手取りは小さくなります。1年ごとに売って買い直した場合は3,228,694円で、毎年分配を受ける形(3,228,694円)と一致しました。毎年売ると、毎年の値上がり分に課税されるので、分配で受け取るのと同じ形になります。損失が出ている投資先を売って損失を確定させ、他の利益と通算する場合は逆に税が減りますが、それは通算できる利益が同じ年にあるときだけです(損失の節を参照)。

11雑所得は、まとめて受け取ると税率が上がることがある

20.315%の分離課税は、利益がいくらでも同じ率です。総合課税の雑所得は、ほかの所得と合算して累進税率がかかるので、同じ額でも1年にまとめて受け取るか、何年かに分けて受け取るかで税が変わることがあります。分配の合計100万円を、1年でまとめて受け取る場合と、20万円ずつ5年に分けて受け取る場合(ほかの所得は毎年同じ)の、所得税・住民税の増加の合計を比べました。

ほかの課税総所得金額1年でまとめて100万円20万円ずつ5年差(まとめて−分けて)
100万円153,602円151,050円+2,552円
180万円194,442円163,812円+30,630円
200万円202,100円202,100円±0円
300万円273,570円202,100円+71,470円
400万円304,200円304,200円±0円
600万円305,732円304,200円+1,532円
850万円385,880円334,830円+51,050円
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7通りのうち、まとめて受け取る方が税が多かったのは5通りでした。まとめて受け取った100万円が税率の区分の境目(195万円・330万円・695万円・900万円)をまたぐと、その分だけ高い税率がかかります。運用期間の最後に分配がまとめて支払われる商品では、受け取る年のほかの所得と合わせて税率を見ておく必要があります。

差が最も大きかったのは、ほかの課税総所得金額が300万円の場合の+71,470円でした。区分の境目から離れていて、100万円を足しても同じ区分に収まる場合は、まとめても分けても税は同じになります(表では2行)。

12長く持つほど、差は広がる

非課税枠課税口座・値上がりだけ(売った場合)課税口座・毎年分配
0万円200万円400万円600万円12345678910111213141516171819202122232425262728293031323334353637383940非課税枠 704万円課税口座・値上がりだけ(売った場合) 581万円課税口座・毎年分配 477万円

100万円・年率5%で、1年目から40年目までの手取り(課税口座は、その年に売った場合の税を引いた額)です。非課税枠と比べて減った額が、非課税枠での利益に占める割合を5年ごとに並べました。

年数値上がりだけ毎年分配差(ポイント)
5年20.3%21.9%1.6%
10年20.3%24.0%3.7%
15年20.3%26.1%5.8%
20年20.3%28.4%8.0%
25年20.3%30.6%10.3%
30年20.3%32.9%12.6%
35年20.3%35.2%14.9%
40年20.3%37.5%17.2%
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値上がりだけの形は、どの年数でも20.315%で一定です。毎年分配の形は年数とともに上がり続けます。持つ期間が長いと分かっているお金ほど、課税口座での利益の出方(分配か値上がりか)の違いが効いてきます。

13目標額に届くまでの年数

1,000万円を手取りで2,000万円・3,000万円にするまでに何年かかるかを、置き方ごとに数えました(課税口座は、その年に売った場合の税を引いた手取りで判定)。

年率2倍:非課税枠2倍:値上がりだけ2倍:毎年分配3倍:非課税枠3倍:値上がりだけ3倍:毎年分配
3%24年28年30年38年43年47年
5%15年17年18年23年26年29年
7%11年13年13年17年19年21年
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同じ年率でも、税のかかり方で目標に届く年が変わります。年率5%で2倍にするには、非課税枠なら15年、値上がりだけなら17年、毎年分配なら18年かかります。3倍では、それぞれ23年・26年・29年です。年率が低いほど、毎年分配の形は目標に届くまで長くかかります。

14毎年積み立てる場合の差

一度に100万円を置くのではなく、課税口座に毎年100万円ずつ20年積み立てた場合です(20年目の終わりに全部売った場合の手取り)。

年率非課税枠に置けた場合課税口座・値上がりだけ課税口座・毎年分配差(値上がり−分配)
3%27,676,486円26,117,008円25,869,069円247,939円
5%34,719,252円31,729,036円30,913,959円815,077円
7%43,865,177円39,016,966円37,120,653円1,896,314円
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積み立ての場合、後から入れたお金は置いておく期間が短いので、一度に置く場合より差は小さくなります。それでも、年率が高いほど差は大きくなります。年率5%の場合、20年で積み立てた2,000万円に対して、値上がりだけと毎年分配の差は815,077円でした。

15分配の割合で、30年後がどう変わるか

実際の投資先は、分配と値上がりが混ざっています。税引前で年率5%のうち、分配が占める割合を0%〜100%に変えて、100万円の10年・20年・30年後(最後に売って税を引いた後)を計算しました。再投資した分配は、その時の額で取得したものとして扱っています。

分配の割合10年後20年後30年後非課税枠と比べて減った割合(30年)
0%1,501,135円2,317,430円3,647,090円20.3%
25%1,495,235円2,282,622円3,534,509円23.7%
50%1,489,414円2,248,885円3,427,434円26.9%
75%1,483,670円2,216,188円3,325,584円30.0%
100%1,478,004円2,184,496円3,228,694円32.9%
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分配の割合が大きいほど、課税口座での伸びは小さくなります。30年後で比べると、分配0%の3,647,090円に対し、分配100%は3,228,694円で、同じ税引前5%でも418,396円の差になります。上場株式の配当、J-REITの分配金、国債・社債の利子は、どれも毎年課税される側です。非課税枠を使い切った後に課税口座で持つものを選ぶとき、利回りの高さと並んで、利益が毎年の分配で出るのか、値上がりで出るのかが、長い期間の手取りに効きます。

16国債・社債を満期まで持つときの利子

国債・社債の利子は、受け取るたびに20.315%が差し引かれます。満期まで持つ場合に、受け取った利子をそのまま使うか、同じ率で再投資できたとするか、そして同じ率で値上がりする投資先と比べてどうかを並べました(100万円)。

債券利率期間利子を受け取るだけ(税引後の合計)税引後の利子を同じ率で再投資(比べる)同じ率の値上がり型を満期に売却
個人向け国債 固定5年2.390%5年95,224円98,920円99,885円
個人向け社債 10年前後(中央値)2.960%10年235,868円262,544円269,898円
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債券の利子は必ず毎年課税される側なので、同じ率でも値上がり型より手取りは小さくなります。期間が5年程度なら差は小さく、10年になると開きます。債券を選ぶときは、この税の形の違いより、利率と発行体の信用の違いの方が手取りに大きく効きます。

17総合課税の雑所得は、所得で税率が変わる

匿名組合契約の分配(不動産型・融資型クラウドファンディングの多く)は雑所得で、総合課税です(所得税基本通達36・37共-21)。源泉徴収される20.42%は前払いで、確定申告で自分の税率に精算されます。所得税の税率の区分ごとに、分配1円にかかる税率(所得税の税率×1.021+住民税10%)と、年率5%で毎年分配を受けて課税後に再投資した場合の30年後を並べました。

税率の区分(課税総所得金額)所得税の税率雑所得にかかる税率の合計(比べる)分離課税雑所得・年率5%・30年後分離課税・年率5%・30年後
5%の区分(〜195万円)5%15.105%20.315%3,480,373円3,228,694円
10%の区分(195万〜330万円)10%20.210%20.315%3,233,588円3,228,694円
20%の区分(330万〜695万円)20%30.420%20.315%2,789,759円3,228,694円
23%の区分(695万〜900万円)23%33.483%20.315%2,668,515円3,228,694円
33%の区分(900万〜1,800万円)33%43.693%20.315%2,300,058円3,228,694円
40%の区分(1,800万〜4,000万円)40%50.840%20.315%2,071,935円3,228,694円
45%の区分(4,000万円超)45%55.945%20.315%1,922,549円3,228,694円
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7つの区分のうち、雑所得の税率の合計が20.315%を下回るのは2つ(5%と10%の区分)です。10%の区分は20.210%で、20.315%との差はわずかです。所得税の税率は所得税法89条、住民税は道府県民税4%(地方税法35条)と市町村民税6%(同法314条の3)の合計10%(指定都市以外)です。2027年分からは復興特別所得税が1.1%に下がり防衛特別所得税1%が加わりますが、合計の率は変わりません(国税庁 No.1476)。

雑所得には、ほかにも課税口座の上場株式等と違う点があります。損失が出ても他の所得と通算できず(所得税法69条)、翌年以後への繰越もできません。上場株式等は、譲渡損失を配当と通算し、3年繰り越せます(措法37条の12の2)。

18雑所得の商品が追いつくのに必要な利回り

値上がりだけで年率5%(売却時に20.315%)の投資先と、30年後の手取りが同じになるには、毎年課税される雑所得の商品に税引前でいくらの利回りが要るかを、税率の区分ごとに計算しました。

税率の区分10年で並ぶ利回り20年で並ぶ利回り30年で並ぶ利回り
5%の区分(〜195万円)4.88%5.06%5.19%
10%の区分(195万〜330万円)5.20%5.38%5.52%
20%の区分(330万〜695万円)5.96%6.17%6.33%
23%の区分(695万〜900万円)6.23%6.45%6.63%
33%の区分(900万〜1,800万円)7.36%7.62%7.83%
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期間が長いほど、また所得が高いほど、必要な利回りは上がります。毎年課税される分、複利で増える元が小さくなるためです。ここで比べているのは税の効き方だけで、元本が減る可能性(値動き・貸し倒れ・事業者の破綻)や、途中で換金できるかどうかは含めていません。利回りの数字が同じでも、リスクの中身は投資先ごとにまったく違います。

19今の利回りを、税引後で並べる

課税口座で持つ候補の利回りを、当サイトが持っている一次データから並べました。国債は令和8年10月8日(木)~令和8年10月30日(金)の募集の利率、個人向け社債は2025-08-28〜2026-10-16に届け出があった個人向け・固定金利の社債の年限別の中央値、匿名組合出資は、当サイトが集めたクラウドファンディングの実案件の想定利回りの中央値(募集の時期はまちまちで、想定であって実績ではありません)です。雑所得の欄は、所得税の税率5%・20%・33%の3つの区分で計算しています。

投資先税引前の利率・利回り数字の出どころ税引後(所得税5%の人)税引後(20%の人)税引後(33%の人)100万円を10年(20%の人・再投資)
個人向け国債 固定3年2.070%今月の募集(財務省)1.649%1.649%1.649%1,177,746円
個人向け国債 固定5年2.390%同上1.904%1.904%1.904%1,207,626円
個人向け国債 変動10年(初回)2.050%同上。半年ごとに見直し1.634%1.634%1.634%1,175,901円
個人向け社債(5年前後)2.043%21本の中央値(2025-08-28〜2026-10-16)1.628%1.628%1.628%1,175,255円
個人向け社債(10年前後)2.960%23本の中央値(同)2.359%2.359%2.359%1,262,544円
匿名組合出資・不動産型(想定利回り)5.800%1194件の想定利回りの中央値4.924%4.036%3.266%1,485,325円
匿名組合出資・融資型(想定利回り)6.000%414件の想定利回りの中央値5.094%4.175%3.378%1,505,313円
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国債と社債は20.315%の分離課税なので、所得による差はありません。匿名組合出資の想定利回りは税引前では高く見えますが、税引後の差は所得が高い人ほど縮みます。また、国債は元本を国が払い、社債は発行会社の信用に、匿名組合出資は営業者の事業や担保に左右されます。この表は税のかかり方を並べたもので、利回りの高い順に選ぶための表ではありません。

20NISAには、分配型と値上がり型のどちらを入れるか

非課税枠が限られているとき、どの投資先を非課税枠に入れ、どれを課税口座に置くかでも、手取りが変わります。税引前の利回りはどちらも年5%で、Aは年4%の分配+年1%の値上がり、Bは分配なしの年5%の値上がり、という2つを1,000万円ずつ持つ場合です(Aの分配は課税後に再投資。最後に売って税を引いた後の合計)。

年数Aを非課税枠・Bを課税口座Bを非課税枠・Aを課税口座差多いのは
10年31,300,293円31,114,257円+186,036円分配型を非課税枠
20年49,707,280円48,630,679円+1,076,600円分配型を非課税枠
30年79,690,322円76,277,598円+3,412,723円分配型を非課税枠
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30年では、分配型を非課税枠にした方が3,412,723円多くなりました。分配型を課税口座に置くと毎年課税されて複利が削られ、値上がり型を課税口座に置けば、課税は売るときまで延びます。ただし、これは税引前の利回りが同じという仮定での比較です。実際には、どちらの利回りがどうなるかは分かりません。また、国債・社債・クラウドファンディングはそもそも非課税枠に入らないので、この入れ替えの対象になるのは上場株式・投資信託・J-REITなどに限られます。

21利回りが違う場合の、NISAに入れる側

前の節は、2つの利回りを同じ年5%に置いた比較でした。Aの利回り(そのうち8割が毎年の分配、2割が値上がり)とBの利回り(すべて値上がり)を変えて、30年後の合計が多くなる方を並べました。「A」はAを非課税枠に入れた方が、「B」はBを非課税枠に入れた方が多いことを示し、金額はその差です。

Aの利回り \ Bの利回りB 3%B 4%B 5%B 6%B 7%
3%A 857,151円B 800,827円B 2,991,891円B 5,879,768円B 9,676,162円
4%A 3,480,773円A 1,822,795円B 368,269円B 3,256,145円B 7,052,539円
5%A 7,261,765円A 5,603,787円A 3,412,723円A 524,847円B 3,271,547円
6%A 12,634,301円A 10,976,323円A 8,785,259円A 5,897,383円A 2,100,989円
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20通りのうち、分配型のAを非課税枠に入れた方が多かったのは12通りでした。Bの利回りがAより高いと、Bを非課税にする価値の方が大きくなります。つまり「分配型を非課税枠に」は、利回りが同じくらいのときの話で、値上がりの期待が大きい方を非課税枠に入れる方が多くなる組み合わせもあります。将来の利回りは分からないので、この表は税の効き方の目安です。

22取り崩すときは、どちらから先に

非課税枠と課税口座の両方を持っている人が、毎年お金を取り崩す段階になったとき、どちらから先に取り崩すかでも手取りが変わります。非課税枠 2,000万円(時価)と、課税口座 2,000万円(時価。取得費1,000万円)を持ち、毎年手取りで200万円を20年取り崩す(残りは年率3%で増える)場合を計算しました。課税口座の売却は、売った額に占める含み益の割合に20.315%をかけています。

取り崩しの順番20年間に払った税20年後の残り(課税口座は売った場合の税を引いた額)
非課税枠から先に取り崩す2,682,675円11,781,786円
課税口座から先に取り崩す2,603,767円12,793,159円

20年後の残りは、「課税口座から先に取り崩す」の方が+1,011,373円でした。課税口座を先に取り崩すと、含み益への税を早く払うことになりますが、非課税枠の中の資産を長く増やせます。非課税枠を先に取り崩すと、課税口座の含み益への課税は後に延びますが、非課税で増える元が早くなくなります。この差が条件によってどう変わるかを、次の節で確かめます。

23取り崩しの順番は、含み益と利回りで入れ替わる

前の節と同じ非課税枠 2,000万円・課税口座 2,000万円・毎年200万円・20年の取り崩しで、課税口座の取得費(含み益の大きさ)と、残りが増える利回りを変えました。20年後の残りが多くなる順番と、その差です。

課税口座の取得費利回り1%利回り3%利回り5%
500万円課税口座から 122,846円課税口座から 514,063円課税口座から 1,105,021円
1,000万円課税口座から 245,048円課税口座から 1,011,373円課税口座から 2,157,780円
1,500万円課税口座から 366,082円課税口座から 1,489,919円課税口座から 3,157,446円
2,000万円課税口座から 484,830円課税口座から 1,950,726円課税口座から 4,105,759円
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12通りのうち、課税口座から先に取り崩した方が多く残ったのは12通りでした。利回りが高いほど、非課税で増える元を長く残す価値が大きくなります。取得費が時価と同じ(含み益がない)課税口座なら、課税口座から先に取り崩しても税はかかりません。

なお、課税口座の上場株式等を売らずに相続した場合、相続人は亡くなった人が引き続き持っていたものとみなされ(所得税法60条第1項第1号)、取得費も引き継がれます。売らずに持ち続けても、含み益への税がなくなるわけではありません。

24配当で受け取るか、売って受け取るか

課税口座の資産から毎年お金を受け取る段階では、配当(分配金)として受け取る方法と、配当のない投資先を毎年少しずつ売る方法があります。時価3,000万円(取得費2,000万円)・税引前で年4%の資産から、配当型なら毎年4%の配当を受け取り、売却型なら配当型の1年目と同じ手取りを毎年売ってつくる、として比べました(売却型の残りは年4%で値上がり)。

年数受け取った手取りの合計(両方同じ)配当型:払った税配当型:残り(売った場合の税を引く)売却型:払った税売却型:残り(同)差(売却型−配当型)
5年4,781,100円1,218,900円27,968,500円430,554円28,022,623円+54,123円
10年9,562,200円2,437,800円27,968,500円985,929円28,216,039円+247,539円
20年19,124,400円4,875,600円27,968,500円2,402,399円29,065,103円+1,096,603円
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同じ手取りを受け取っても、配当型は配当の全額に20.315%がかかるのに対し、売却型は売った額のうち含み益の部分にだけ税がかかります。そのぶん売却型の方が途中で払う税が少なく、残りも多くなります。配当型は元本を売らないので時価が保たれる、という見え方をしますが、税の面では、同じ手取りをつくるのに多くの税を先に払っていることになります。

25物価を引くと、どれだけ残るか

税は名目の利益にかかるので、物価が上がる時期は、税引後の実質の手取りがさらに小さくなります。100万円を税引前の年率3%で20年置いた場合の、20年後の手取りを今の物価に直した額です。物価上昇率は、年1%・当サイトが持つ消費者物価指数の前年同月比の直近36か月(2023年9月〜2026年8月)の平均2.66%・年3%の3通りです。

置き方物価年1%物価年2.66%物価年3%
利子・分配型(20.315%・毎年)1,314,529円949,617円888,082円
値上がり型(20.315%・売却時)1,345,979円972,336円909,329円
非課税枠1,480,188円1,069,290円1,000,000円
雑所得(所得税20%の人・毎年)1,238,840円894,940円836,948円
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12通りのうち、今の物価に直して元の100万円を下回ったのは6通りでした。税引前の年率が物価上昇率に近いと、税の分だけ実質の手取りが元本を割ります。物価年2.66%のとき、非課税枠の1,069,290円に対して、利子・分配型は949,617円、雑所得(所得税20%の人)は894,940円です。どの物価のもとでも、手取りの並び順(非課税枠、値上がり型、利子・分配型、雑所得)は変わりません。同じ物価で割り戻しているので、置き方の間の比率も変わらず、変わるのは元本を割るかどうかの線です。税引後の年率が物価上昇率を下回ると、実質では目減りします。

26積み立てを続けると、NISAの外が大きくなっていく

毎年360万円を年率5%(値上がりのみ)で積み立て、非課税枠の生涯の上限1,800万円に届いた後は課税口座に回す、という30年を計算しました。

年非課税枠の簿価非課税枠の時価課税口座の元本課税口座の時価課税口座を売った場合の税非課税枠の割合(時価)
5年目1,800万円2,089万円0万円0万円0万円100.0%
10年目1,800万円2,666万円1,800万円2,089万円59万円56.1%
15年目1,800万円3,402万円3,600万円4,754万円235万円41.7%
20年目1,800万円4,342万円5,400万円8,157万円560万円34.7%
25年目1,800万円5,542万円7,200万円12,499万円1,076万円30.7%
30年目1,800万円7,073万円9,000万円18,041万円1,837万円28.2%
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非課税枠は5年目で上限に届き、その後の積立はすべて課税口座に入ります。30年目には非課税枠の割合が28.2%になり、課税口座を全部売ると1,837万円の税がかかる計算です。課税口座の側は、値上がりだけなら税は売るときまで延びるので、売る時期を分けたり、損失の出た年に利益と合わせたりする余地が残ります。

2720.315%の内訳は、2027年から変わる

源泉徴収される20.315%は、所得税15%、その所得税にかかる上乗せ、住民税5%の合計です。2027年(令和9年)1月1日以後に生ずる所得から、上乗せの内訳が変わります(国税庁 No.1476)。

2026年まで2027年から
所得税15%15%
復興特別所得税(所得税額に対して)2.1%(15%×2.1%=0.315%)1.1%(15%×1.1%=0.165%)
防衛特別所得税(所得税額に対して)—1%(15%×1%=0.15%)
住民税5%5%
合計20.315%20.315%

合計は変わらないので、この記事の計算は2027年以後もそのまま当てはまります。総合課税の雑所得の「所得税の税率×1.021」も、2.1%が1.1%+1%に分かれるだけで、1.021のままです。

28積立額が大きい人ほど、利益の多くが課税される

毎年の積立額ごとに、30年後(年率5%・値上がりのみ)の利益のうち、課税口座の分にかかる税が利益全体の何%になるかを計算しました。非課税枠には毎年360万円まで、生涯1,800万円まで入れる前提です。

毎年の積立額非課税枠の簿価課税口座の元本30年後の利益の合計売った場合の税利益全体に対する税の割合
120万円1,800万円1,800万円4,771万円187万円3.9%
360万円1,800万円9,000万円14,314万円1,837万円12.8%
600万円1,800万円16,200万円23,856万円3,775万円15.8%
1,000万円1,800万円28,200万円39,761万円7,006万円17.6%
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年120万円の人は30年のうち15年で枠が埋まり、その後の分だけが課税口座に入ります。積立額が大きいほど課税口座の割合が増え、利益全体に対する税の割合は20.315%に近づきます。この記事で扱っている「課税口座での置き方」の違いが効いてくるのは、この割合が大きい人です。

29値動きが大きい投資先は、どちらに置くか

非課税枠の損失は通算も繰越もできませんが、課税口座の上場株式等の損失は、同じ年の他の上場株式等の利益や配当と通算でき、残りは3年繰り越せます(国税庁 No.1474)。そこで、値動きの大きい投資先を非課税枠と課税口座のどちらに置くかを、単純な2つの結果で比べました。100万円が、半々の確率で上がるか下がるかする投資先です(課税口座の損失は、他の利益と全額通算できる前提)。

結果の組み合わせ期待される損益(税引前)非課税枠:期待される手取りの損益課税口座:期待される手取りの損益非課税枠との差
+20% か −10%+50,000円+50,000円+39,842円+10,158円
+40% か −20%+100,000円+100,000円+79,685円+20,315円
+60% か −40%+100,000円+100,000円+79,685円+20,315円
+80% か −50%+150,000円+150,000円+119,528円+30,473円
+30% か −30%±0円±0円±0円±0円
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5通りのどれでも、非課税枠との差は「期待される損益×20.315%」になりました。損失を通算できる課税口座は、下がったときの痛みを20.315%和らげますが、上がったときにも同じ20.315%が引かれるので、期待値が正の投資先なら非課税枠の方が有利です。課税口座の側が助けになるのは、損失が出たときに通算できる利益が同じ年(または3年以内)にある場合に限られます。通算できる利益がなければ、課税口座の損失も救われません。

30この記事の計算の前提

前提この記事での置き方実際との違い
利回り毎年同じ率(3%・5%・7%など)実際は年ごとにばらつき、元本を割る年もある
分配の再投資税を引いた全額を、同じ利回りの投資先にすぐ再投資再投資までの待ち時間や、同じ利回りで再投資できないことがある
売却時の税売った年の含み益に20.315%。取得費は平均損失と通算できる利益があれば税は減る
雑所得の税率所得税の税率×1.021+住民税10%(限界税率)分配でほかの区分に入ると、その分だけ高い税率
手数料・信託報酬含めない持っている間の費用は、税と別に手取りを減らす
住民税指定都市以外の10%(分離課税は5%)住民税の均等割・調整控除は含めない
制度2026年9月30日時点の条文NISAの枠・税率は改正で変わりうる

どの前提も、比べる2つの置き方に同じように当てはめています。数字の大きさそのものより、置き方の間の差の向きと、差が期間や利回りでどう広がるかを見るための計算です。

31課税口座に置くときの確かめること

確かめること理由この記事の節
利益が毎年の分配か、値上がりか毎年の分配は複利が削られる。30年で差が開く毎年課税されるか、売るまで延びるか
20.315%の分離課税か、総合課税の雑所得か税率20%以上の区分では、雑所得の方が税率が高い総合課税の雑所得は、所得で税率が変わる
損失が出たとき通算・繰越ができるか上場株式等はできる。雑所得・非課税枠はできない値動きが大きい投資先は、どちらに置くか
取り崩す順番非課税枠と課税口座のどちらから先に使うかで、20年後の残りが変わる取り崩すときは、どちらから先に
非課税枠に何を入れているか分配型を非課税枠に入れる方が有利になる計算がある非課税枠には、分配型と値上がり型のどちらを入れるか

国民健康保険に入っている人は、確定申告に含めた利益が保険料にも響くので、国民健康保険料と投資の利益も合わせて見てください。

32よくある質問

NISAの枠は、売ったらすぐ戻りますか。

戻るのは翌年です。生涯の上限は前年12月31日の簿価で判定されるので、売った年のうちは戻りません(措法37条の14第5項第6号)。年間の上限も、その年に買った額で数えるので、売っても戻りません。

枠は時価で戻りますか、簿価で戻りますか。

購入の代価の額(簿価)で数えるので、売った分の簿価だけ戻ります。値上がりした後に売っても、戻る枠は買ったときの額です。

NISAで損をした分を、特定口座の利益と相殺できますか。

できません。NISA口座の損失はないものとみなされます(措法37条の14第2項、国税庁 No.1474)。

国債や社債はNISAで買えますか。

買えません。NISAの対象は上場株式・公募株式投資信託・上場投資法人の投資口などで、公社債は入っていません。課税口座(特定口座・一般口座)で持つことになり、利子は20.315%です。

クラウドファンディングの分配は、所得が低ければ20.315%より軽いのですか。

税率5%の区分(課税総所得金額195万円以下)なら、所得税5%×1.021+住民税10%で約15.1%です。源泉徴収される20.42%との差は確定申告で戻ります。所得が上がると税率も上がります。

NISAの枠が埋まった後に売ると、その年のうちに買い直せますか。

買い直せません。生涯の上限は前年12月31日の簿価で判定されるので、売った年はまだ上限に達したままです。翌年から、年間の上限の範囲で買い直せます。

課税口座で毎年少しずつ利益を確定させた方が、税は軽くなりますか。

20.315%の分離課税は一律なので、分けても税率は変わりません。売って買い直すたびに先に税を払うことになり、30年の計算では売らない方が手取りは多くなりました。損失と通算できる利益がある年は別です。

非課税枠を使い切ったら、課税口座では何を持てますか。

課税口座(特定口座・一般口座)では、上場株式・投資信託・J-REITに加えて、NISAの対象外の国債・社債も持てます。匿名組合出資などのクラウドファンディングは口座の外で、雑所得として総合課税になります。

課税口座の値上がり型は、いつ売っても税率は同じですか。

上場株式等の譲渡益は、いつ売っても所得税等15.315%と住民税5%です。所得の多い年に売っても税率は上がりません。変わるのは、売るまでの年数で決まる複利の大きさと、同じ年に通算できる損失があるかどうかです。

夫婦なら、NISAの枠は2人分使えますか。

NISAの口座は、その年1月1日に18歳以上の人がそれぞれ開けるので、枠は1人ごとです(措法37条の14第5項第1号)。2人ならそれぞれに年360万円・生涯1,800万円の枠があります。

毎年分配と値上がり、税引前の利回りが同じならどちらが得ですか。

課税口座では、値上がりだけの方が税が売るときまで延びるので、長く持つほど手取りが多くなります。100万円・年率5%・30年の計算では、差は418,396円でした。

33この記事の数字は、どこから取ったか

条文はe-Gov法令検索で、国税庁の資料は公開ページで、2026年9月30日に読んだものです。

個人向け社債の利率は、EDINET に提出された書類から当サイトが集めた個人向け・固定金利の社債(2025-08-28〜2026-10-16)の年限別の中央値です。クラウドファンディングの想定利回りは、当サイトが各社の公表資料から集めた実案件(不動産型1194件・融資型414件)の中央値で、実績の利回りではありません。将来の利回り・値上がりを示すものではなく、年率3%・5%・7%は計算のための仮の値です。

長い期間の計算は、利回りが毎年同じという単純化をしています。実際の値動きは年ごとにばらつき、元本を割ることもあります。当社は金融商品取引業者ではなく、特定の商品をすすめるものではありません。

自分の数字で確かめる:どこに置くと、いくら増える?

はじめての人へ

    税金を引いた後の金額です(単利)。満期が先に来るものは同じ利率で入れ直したとします。元本割れ・遅延・中途換金は含みません。 預金は日本銀行の平均金利(2026年9月)、国債は今月の利率、社債は個人向け社債30本の利率の中央値、クラファンは不動産型の実案件1194件の想定利回りの中央値です。 クラファンの分配金は雑所得なので、所得税×1.021+住民税10%で計算しています。年収からの税率は、独身の会社員で社会保険料を年収の15%とした目安です(扶養やiDeCoなどがあると下がります)。

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