01デポジット口座とは
デポジット口座は、事業者が用意した、投資家の待機資金を置くための口座です。あらかじめ入金しておき、そこから各案件に出資します。
利点は案件が出たときにすぐ申し込めることです。先着方式の案件では、募集開始後に銀行から振り込んでいては間に合いません。振込手数料も、まとめて入金すれば1回で済みます。
注意点は、使っていない資金が事業者の側にある時間が長くなることです。この資金は分別管理の対象ですが、その仕組みに依存する時間が増えます。使う予定のない資金は出金しておくのが安全です。
02デポジット口座は、どこに書かれているか
この言葉が出てくる場所と、そこでの書かれ方を並べます。
| どこに出てくるか | 書かれ方 | 見るときの注意 |
|---|---|---|
| 入出金のページ | 「デポジット残高」「投資可能額」 | — |
| 申し込み画面 | デポジットから出資 | 残高がないと申し込めない |
| 契約締結前交付書面 | デポジット資金の管理方法 | 信託か、分別した預金口座か |
| 事業者の案内 | 入金・出金の手順と手数料 | — |
03デポジット口座で、誤解されやすい点
| よくある誤解 | 実際は |
|---|---|
| デポジットは事業者のお金 | 投資家の資金。分別管理の対象 |
| デポジットに利息が付く | 原則として付かない |
| 入金すれば自動で投資される | 案件ごとに申し込みが要る |
| いつでも出金できる | 出金の手続きと日数がかかる。手数料がかかる場合も |
| デポジットがないと投資できない | 都度入金の事業者もある |
04振込手数料が、実質の利回りをどれだけ削るか
デポジット口座にまとめて入金すれば振込は1回で済みます。都度入金なら案件ごとにかかります。少額の出資ほど、この差が効きます。
| 1回の出資額 | 手数料110円 | 165円 | 330円 | 550円 |
|---|---|---|---|---|
| 1万円 | 1.10% | 1.65% | 3.30% | 5.50% |
| 2万円 | 0.55% | 0.83% | 1.65% | 2.75% |
| 3万円 | 0.37% | 0.55% | 1.10% | 1.83% |
| 5万円 | 0.22% | 0.33% | 0.66% | 1.10% |
| 10万円 | 0.11% | 0.17% | 0.33% | 0.55% |
| 30万円 | 0.04% | 0.06% | 0.11% | 0.18% |
| 50万円 | 0.02% | 0.03% | 0.07% | 0.11% |
表の数字は、出資額に対する手数料の割合です。1万円の出資に330円なら3.3%。想定利回り5%の案件でも、実質は1.7%まで落ちます。
| 想定利回り5%・12ヶ月 | 手数料0円 | 110円 | 330円 | 550円 |
|---|---|---|---|---|
| 10,000円を出す | 5.00% | 3.90% | 1.70% | -0.50% |
| 30,000円を出す | 5.00% | 4.63% | 3.90% | 3.17% |
| 50,000円を出す | 5.00% | 4.78% | 4.34% | 3.90% |
| 100,000円を出す | 5.00% | 4.89% | 4.67% | 4.45% |
| 300,000円を出す | 5.00% | 4.96% | 4.89% | 4.82% |
デポジット口座を使えば、1回の入金で複数の案件に出せるのでこの負担が減ります。その代わり、使わない資金が事業者の側にある時間が長くなります。
| 確かめること | どこで |
|---|---|
| 入金の手数料は誰の負担か | 入出金のページ |
| 出金の手数料 | 同上 |
| 出金の無料回数 | 同上 |
| デポジットの残高に利息は付くか | 原則として付かない |
| 償還後はデポジットに戻るか、銀行口座に戻るか | 契約・約款 |
| デポジット資金の管理方法 | 契約締結前交付書面 |
05デポジット口座と一緒に読む語
この記事は法令の定めと公表されている数字だけで書いています。デポジット口座の実際の扱いは契約締結前交付書面(不動産型では契約成立前書面)に書かれていて、募集ページの表現と食い違う場合は書面が優先します。制度は改正されることがあります。
06よくある質問
この用語は、どこで確認できますか。
契約締結前交付書面(不動産型では契約成立前書面)です。法令で交付が義務づけられていて、記載すべき事項も決まっています。
募集ページと書面で書き方が違う場合は。
書面が優先します。募集ページは広告で、書面は契約の説明です。
用語が分からないまま投資してもよいですか。
おすすめしません。分からない言葉があるまま同意すると、あとで「知らなかった」と主張するのが難しくなります。
元本は保証されますか。
されません。どの種別にも公的な元本補償の仕組みはなく、出資について元本を保証することは出資法で禁じられています。
用語の一覧はありますか。
用語集のページにまとめています。この記事からも関連する語に移動できます。
07この記事の数字は、どこから取ったか
会社名を挙げて処分や事故を書くにあたっては、照合を法人番号の完全一致に限りました。社名の部分一致で突き合わせると、似た社名の別会社の記録を拾ってしまいます。当サイトが実際に試したところ、82件が一致したように見えてそのほとんどが別会社でした。
できていないことも書きます。不動産特定共同事業者への監督処分は国土交通省・都道府県の所管で、この事例集には含まれていません。また償還後の実績は、事業型を除いてどの事業者も公表していないため、不動産型・融資型については「戻らなかった件数」を外から数えられません。
数字はいずれも元本を保証するものではなく、この記事は特定の商品の勧誘ではありません。

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