01元本毀損とは
元本毀損は、出資した元本が全額戻らないことです。「元本割れ」とほぼ同じ意味で使われます。
起きる原因は種別で違います。不動産型なら物件の価値が下がって売却額が取得額に届かない、融資型なら貸付先が返済できない、事業型なら事業の売上が計画に届かない、株式投資型なら発行会社が倒産する。
確定する時点も違います。不動産型・融資型・事業型は運用が終わって精算したとき、株式投資型は倒産したときです。株式投資型では、上場もM&Aも倒産もしなければ価値が確定しないまま持ち続けることになります。
02元本毀損は、どこに書かれているか
この言葉が出てくる場所と、そこでの書かれ方を並べます。
| どこに出てくるか | 書かれ方 | 見るときの注意 |
|---|---|---|
| 運用報告 | 精算の内訳 | いくら戻ったか |
| 取引履歴 | 償還金額 | 出資額と比べる |
| 事業者の実績ページ | 「元本毀損ゼロ」「元本割れ0件」 | 償還済み案件についての話 |
| 契約締結前交付書面 | 元本欠損のおそれ | 法令で記載が義務づけられている |
03元本毀損で、誤解されやすい点
| よくある誤解 | 実際は |
|---|---|
| 元本毀損ゼロ=今後も起きない | 過去に終わった案件の話。運用中の案件は含まない |
| 優先劣後があれば起きない | 劣後を超える下落には及ぶ |
| 元本毀損の定義は決まっている | 法令では決まっていない。各社が自分で定義している |
| 分配があれば元本毀損ではない | 分配を含めて計算する会社と、元本だけで見る会社がある |
| 元本毀損は事業者の責任 | 投資対象のリスクが顕在化した結果であることが多い |
04実際に戻った割合(償還率)が公表されている系列
投資型クラウドファンディングで「実際にいくら戻ったか」が1件ずつ公表されているのは、事業型の一部だけです。当サイトが取得できたのは733件でした。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 償還率が分かる案件 | 733件 |
| 平均 | 93.5% |
| 中央値 | 101.4% |
| 100%未満(元本割れ) | 289件(39.4%) |
| 0%(全損) | 1件 |
| 最高 | 194.9% |
- 0%1
- 1〜50%75
- 50〜90%135
- 90〜100%78
- 100〜110%275
- 110%以上169
この数字を他の種別に当てはめてはいけません。事業型は担保も劣後出資もないものが多く、リスクの形が違います。ただし「元本割れは起きうる」という事実の確認にはなります。
05元本毀損と一緒に読む語
この記事は法令の定めと公表されている数字だけで書いています。元本毀損の実際の扱いは契約締結前交付書面(不動産型では契約成立前書面)に書かれていて、募集ページの表現と食い違う場合は書面が優先します。制度は改正されることがあります。
06よくある質問
この用語は、どこで確認できますか。
契約締結前交付書面(不動産型では契約成立前書面)です。法令で交付が義務づけられていて、記載すべき事項も決まっています。
募集ページと書面で書き方が違う場合は。
書面が優先します。募集ページは広告で、書面は契約の説明です。
用語が分からないまま投資してもよいですか。
おすすめしません。分からない言葉があるまま同意すると、あとで「知らなかった」と主張するのが難しくなります。
元本は保証されますか。
されません。どの種別にも公的な元本補償の仕組みはなく、出資について元本を保証することは出資法で禁じられています。
用語の一覧はありますか。
用語集のページにまとめています。この記事からも関連する語に移動できます。
07この記事の数字は、どこから取ったか
会社名を挙げて処分や事故を書くにあたっては、照合を法人番号の完全一致に限りました。社名の部分一致で突き合わせると、似た社名の別会社の記録を拾ってしまいます。当サイトが実際に試したところ、82件が一致したように見えてそのほとんどが別会社でした。
できていないことも書きます。不動産特定共同事業者への監督処分は国土交通省・都道府県の所管で、この事例集には含まれていません。また償還後の実績は、事業型を除いてどの事業者も公表していないため、不動産型・融資型については「戻らなかった件数」を外から数えられません。
数字はいずれも元本を保証するものではなく、この記事は特定の商品の勧誘ではありません。

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