10 分で読める投資総研編集部

系統用蓄電池の投資額は、kWではなくkWhで決まります。
国の調査の単価を使うと、1,000kW(3,000kWh)で約2.16億円、そこに接続費や付帯設備が加わります。
2025年度の単純平均で、10MWh未満は7.2万円、50MWh以上は5.0万円でした。
2025年度の補助事業の10MWh未満の単純平均、7.2万円/kWhで計算しました。
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系統用蓄電池の投資額はいくら?容量別の費用
結論から聞きたい。どうなんだ?
系統用蓄電池の投資額は、kWではなくkWhで決まります。
数字で見る
数字で見ると、こうなります
系統用蓄電池の投資額は、kWではなくkWhで決まります。
国の調査の単価を使うと、1,000kW(3,000kWh)で…
単価は規模で違います。
2025年度の単純平均で、10MWh未満は7.2万円、50M…
電池は kWh に比例するので、同じ kW でも時間が長いほ…
横にスクロールすると残りの列が見えます単純平均と加重平均で差…
50kW未満の低圧の統計は確認できなかったので表に入れていま…
単価7.2万円のままで計算すると次のとおりで、時間を延ばした…
横にスクロールすると残りの列が見えます容量市場に入札するには…
2時間にして安くすると、この条件を満たしません。
最も大きいのは電池部分です。
2025年度の加重平均では電池部分が約65%、単純平均では約…
横にスクロールすると残りの列が見えます電池の単価は、炭酸リチ…
系統用蓄電池の投資額は、kWではなくkWhで決まります。
国の調査の単価を使うと、1,000kW(3,000kWh)で約2.16億円、そこに接続費や付帯設…
2025年度の単純平均で、10MWh未満は7.2万円、50MWh以上は5.0万円でした。
まとめ
この記事のポイント
くわしい数字と出どころは、本文で確かめてください。
データの時点2025年度(補助事業のデータ)接続の費用は2025年9月時点。市場の値段は2026年6月まで・新しい資料が出たら手で更新
2025年度の補助事業の10MWh未満の単純平均、7.2万円/kWhで計算しました。受変電設備・接続の負担金・土地・税は別です。
結論から聞きたい。どうなんだ?
系統用蓄電池の投資額は、kWではなくkWhで決まります。
容量別に、投資額はいくらになるのか?
国の委託調査の2025年度の単価を、3時間率の設備に当てはめました。
国の委託調査の2025年度の単価を、3時間率の設備に当てはめました。電池は kWh に比例するので、同じ kW でも時間が長いほど高くなります。
| 出せる力 | ためられる量 | 単価の区分 | 単価(単純) | 投資額(単純平均) | 投資額(加重平均) |
|---|---|---|---|---|---|
| 500kW | 1,500kWh | 10MWh未満 | 7.2万円 | 1.08億円 | 1.06億円 |
| 1,000kW | 3,000kWh | 10MWh未満 | 7.2万円 | 2.16億円 | 2.13億円 |
| 2,000kW | 6,000kWh | 10MWh未満 | 7.2万円 | 4.32億円 | 4.26億円 |
| 5,000kW | 15,000kWh | 10〜50MWh | 7.5万円 | 11.25億円 | 10.05億円 |
| 10,000kW | 30,000kWh | 10〜50MWh | 7.5万円 | 22.50億円 | 20.10億円 |
| 20,000kW | 60,000kWh | 50MWh以上 | 5.0万円 | 30.00億円 | 26.40億円 |
| 50,000kW | 150,000kWh | 50MWh以上 | 5.0万円 | 75.00億円 | 66.00億円 |
単純平均と加重平均で差が大きいのは、大きな案件ほど単価が安く、加重平均に強く効くからで、小さな設備を考えるなら単純平均に近い数字を見ます。50kW未満の低圧の統計は確認できなかったので表に入れていません。低圧の記事で別に扱っています。
この表は補助事業に採択された案件の平均です。実際の見積もりは、製品と場所でばらつきます。国の資料のグラフには標準偏差の幅があり、同じ区分でも差が大きいと分かります。
kWと時間で、投資額はどう変わるのか?
出力は同じ1,000kWでも、時間の長さで投資額が変わります。
出力は同じ1,000kWでも、時間の長さで投資額が変わります。単価7.2万円のままで計算すると次のとおりで、時間を延ばしたときの単価の変化は考えていません。
| 放電できる時間 | ためられる量 | 投資額 | 容量市場の3時間率の条件 |
|---|---|---|---|
| 2時間 | 2,000kWh | 1.44億円 | 満たさない |
| 3時間 | 3,000kWh | 2.16億円 | 満たす |
| 4時間 | 4,000kWh | 2.88億円 | 満たす |
| 6時間 | 6,000kWh | 4.32億円 | 満たす |
容量市場に入札するには3時間率以上が求められます。2時間にして安くすると、この条件を満たしません。売り手の資料で kW あたりの価格が安く見えるときは、時間が短くないかを確かめます。
費用の内訳は、何がいちばん大きいのか?
ただし、見る平均によって割合が変わります。
最も大きいのは電池部分です。ただし、見る平均によって割合が変わります。2025年度の加重平均では電池部分が約65%、単純平均では約72%です。
| 万円/kWh | 単純 2023 | 単純 2024 | 単純 2025 | 加重 2023 | 加重 2024 | 加重 2025 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 電池部分 | 4.8 | 4.1 | 4.8 | 5.0 | 3.7 | 3.2 |
| PCS | 0.6 | 0.6 | 0.4 | 0.5 | 0.5 | 0.4 |
| その他 | 0.8 | 0.7 | 0.5 | 0.6 | 0.7 | 0.4 |
| 工事費 | 1.5 | 1.4 | 1.0 | 1.4 | 1.3 | 0.9 |
電池の単価は、炭酸リチウムなどの資源の値段と為替で動きます。国の調査によると、契約によっては発注の時点で価格が確定せず、資源の値段に連動して最終の支払額が補正される場合があり、見積もりを受け取ったら、固定の金額かどうかを確かめます。
単価は、下がってきているのか?
加重平均では7.5万円から4.8万円へ、2年で36%下がりました。
加重平均では7.5万円から4.8万円へ、2年で36%下がりました。単純平均は7.7万円から6.7万円で、13%の低下です。
設備+工事の単価の推移(補助事業のデータ)
線に触れると数字が出ます。
大きな案件の単価が速く下がり、小さな案件はそれほどでもない、と読めます。2025年度の採択は37件で、案件の入れ替わりでも平均は動きます。これから同じ速さで下がるという意味ではありません。
なお、補助金を使わず海外製を採用する案件では、2〜4万円の水準もあると国の調査は書いています(2024年時点の事業者への聞き取り)。何が含まれるかは案件で違います。
設備のほかに、何にお金がかかるのか?
補助事業のデータに入らない費用があり、国の調査は、次のものを挙げています。
補助事業のデータに入らない費用があり、国の調査は、次のものを挙げています。
| 費用 | 公的資料で分かること | 1,000kWでの目安 |
|---|---|---|
| 受変電設備 | 案件規模によるが数億〜十億円前後(事業者への聞き取り) | 規模で変わる。低圧・小規模の額は確認できず |
| 工事費負担金 | 高圧の中央値は1.7万円/kW(接続検討の時点) | 1,700万円 |
| 接続検討料 | 1地点22万円(税込)。引き上げを議論中 | 22万円 |
| 保証金 | 契約申込み時に支払い、工事費負担金に充当 | 案件による |
| 通信設備・電圧調整 | エリア・案件で差があると国の調査が指摘 | 確認できず |
| 土地 | 公的な統計は確認できず | 確認できず |
| 消費税 | 補助事業のデータは税等を除く | 支払時に上乗せ |
工事費負担金は幅が大きい費用です。国の資料の分布では、高圧でも多くは10万円/kW未満ですが、100万円/kWを超える案件もあります。1.7万円/kWなら、kWhに直して約0.6万円の上乗せです。10万円/kWなら約3.3万円です。接続検討の時点の負担金が特別高圧で概ね4万円/kW、高圧で10〜15万円/kWを超えると、契約申込みまで進まない案件が多いとされています。
金額は接続の回答書で分かります。電線の増強が必要になると大きく変わるので、販売資料の総額に接続の費用が入っているかは最初に確かめる点です。
電圧の区分で、費用はどう違うのか?
国の委託調査は、電圧別の単価も出しており、特別高圧は設備が安く、工事が高い傾向です。
国の委託調査は、電圧別の単価も出しており、特別高圧は設備が安く、工事が高い傾向です。
電圧別の単価(2025年度・単純平均、1kWhあたり)
高圧は2MW未満、特別高圧は2MW以上。
| 比べる点 | 高圧(2MW未満) | 特別高圧(2MW以上) |
|---|---|---|
| 設備と工事の単価 | 7.2万円 | 5.8万円 |
| 工期の中央値 | 18か月 | 36か月 |
| 工事費負担金 | 多くは10万円/kW未満、高額な傾向 | 1〜2万円/kW程度が多い |
| 契約に進まなくなる負担金の目安 | おおむね10〜15万円/kW超 | おおむね4万円/kW超 |
高圧は1kWhあたりの設備が割高で、負担金も高くなりやすい区分です。金額の総額が小さくても、単価で比べると不利なことがあります。
支払いは、どの順番で発生するのか?
案件を買う場合は、これらの手続きが済んだ権利ごと買う形もあります。
| 時期 | 支払い | 戻るか |
|---|---|---|
| 接続検討の申込み | 検討料(1地点22万円) | 戻らない |
| 契約申込み | 保証金 | 工事費負担金に充当。条件により返還 |
| 連系承諾の後 | 工事費負担金 | 工事に使う |
| メーカー・施工会社との契約 | 設備と工事の代金(分割の条件は契約による) | 契約による |
| 運転開始の後 | 運転維持費、保険、手数料 | 毎年 |
| 事業の終わり | 撤去、原状回復 | 売却できれば相殺 |
案件を買う場合は、これらの手続きが済んだ権利ごと買う形もあります。どこまでが代金に含まれ、これから払うものがあるのかを、一覧にしてもらいます。
20年で、いくら払うことになるのか?
投資額は最初の支払いだけです。
投資額は最初の支払いだけです。国の試算の前提で20年分を足すと、1,000kWで約3.44億円になります。
1,000kWの20年の支払い(国の前提で足した額)
建設費は7.2万円、撤去は建設費の5%、運転維持費は年5,000円/kW。受変電設備・土地・税・電池の交換は入っていません。
運転維持費は20年で10,000万円です。建設費の46%にあたります。これには人件費・修繕費・諸費・一般管理費が含まれますが、途中の電池の交換は含まれていません。保証が切れたあとの交換の費用も、見積もりの段階で聞いておく項目です。
単価が違うと、利回りはどれだけ変わるのか?
利回りの記事などで使う6.2万円/kWhは、2023年度の補助事業のシステム価格の平均、工事費を含まない額なので、そのままでは並べられません。
この表の単価は工事費を含む額です。利回りの記事などで使う6.2万円/kWhは、2023年度の補助事業のシステム価格の平均、工事費を含まない額なので、そのままでは並べられません。同じ1,000kWを、単価だけ変えて計算しました。値段は直近12か月の複合の平均6.0円で、1.5ブロック・落札率60%・容量の収入あり、です。
| 単価の前提 | 単価 | 投資額 | 20年の利回り |
|---|---|---|---|
| 加重平均 2025年度 | 4.8万円 | 1.44億円 | 1.5% |
| 単純平均 2025年度 | 6.7万円 | 2.01億円 | −2.0% |
| 高圧の単純平均 | 7.2万円 | 2.16億円 | −2.7% |
| 高圧+負担金の中央値 | 7.8万円 | 2.33億円 | −3.5% |
| 海外製の上限の例 | 4.0万円 | 1.20億円 | 3.7% |
単価が半分になると利回りは大きく変わります。売り手の見積もりでも、単価と収入の前提を別々に確かめることで、利回りの数字の根拠が見えます。
見積もりは、どう読み替えればいいか?
見積もりは、kWh単価に直すと比べやすくなります。
見積もりは、kWh単価に直すと比べやすくなります。次の表は計算の例で、実在の案件ではありません。
| 総額 | 大きさ | 時間 | kWhあたり | kWあたり |
|---|---|---|---|---|
| 1.0億円 | 500kW/1,500kWh | 3時間 | 6.7万円 | 20万円/kW |
| 2.5億円 | 1,000kW/3,000kWh | 3時間 | 8.3万円 | 25万円/kW |
| 6.0億円 | 2,000kW/8,000kWh | 4時間 | 7.5万円 | 30万円/kW |
| 35億円 | 10,000kW/40,000kWh | 4時間 | 8.8万円 | 35万円/kW |
読み替えるときの注意は3つです。
この表の単価が国の平均より高いことは、それだけで悪いことを意味しません。接続や土地が込みなら高くなります。逆に安いときは、入っていない費用があるかもしれません。
単価を動かす要因は、何か?
同じ年でも案件の条件で単価が動くので、1つの相場で判断しないようにします。
| 要因 | 単価への効き方 | 資料の記述 |
|---|---|---|
| 規模 | 大きいほど安い | 容量区分別の単価の傾向 |
| 電圧 | 特別高圧は設備が安く工事が高い | 電圧階級別の単価 |
| メーカーの国 | 海外製が数万円安い提示 | 事業者への聞き取り |
| 資源の値段 | 炭酸リチウムの上下 | 貿易統計の輸入価格の推移 |
| 為替 | 円安で上昇 | 2023年度の上昇の要因 |
| 補助金の有無 | 補助事業は競争が働きにくいとの声 | 事業者への聞き取り |
| 調達方式 | 価格競争の入札で安い調達先 | 長期脱炭素電源オークションの例 |
同じ年でも案件の条件で単価が動くので、1つの相場で判断しないようにします。
見積書で、抜けやすい項目は何か?
項目が別紙になっていて総額に入っていない、ということがあり、一覧で書面にしてもらうと比べやすくなります。
| 項目 | 聞くこと |
|---|---|
| 電池とPCS | メーカー名、型式、定格の容量と使える容量 |
| 受変電設備 | 含むか、仕様と価格 |
| 接続費 | 工事費負担金の額、回答書の日付、増額時の負担者 |
| 通信と監視 | 機器、月額の費用、市場参加に必要な設備 |
| 土地 | 売買か賃貸か、期間、造成、地目の変更 |
| 保険 | 火災、自然災害、休業の範囲 |
| 保証 | 容量保証の年数、サイクル条件、免責 |
| 消防と条例 | 届出の費用、自治体の手続き |
| 撤去 | 費用の見込み、原状回復の範囲 |
| 税 | 税込か税別か、消費税の資金繰り |
項目が別紙になっていて総額に入っていない、ということがあり、一覧で書面にしてもらうと比べやすくなります。
自己資金は、いくら用意するのか?
金額が大きいので、融資を使う案件もあります。
ほかに、よく聞かれることは?
よく聞かれることを、ここにまとめました。
国の統計の範囲では、1,000kW(3,000kWh)で約2.16億円が目安で、50kW未満の低圧の統計は確認できませんでした。
時間で変わります。3時間率なら、この記事の単価で約2.16億円です。4時間率なら約2.88億円になります。
2025年度の補助事業で、設備と工事を合わせて単純平均6.7万円、加重平均4.8万円で、接続費などは別です。
単価だけでは決められません。含まれる費用、保証の年数、電池の交換の扱いで、同じ単価でも中身が違います。
接続工事の想定工期の中央値は高圧で18か月、特別高圧で36か月で、接続検討の前の準備は別にかかります。
投資額は単価×kWhの計算で、実際の見積もりではありません。単価は補助事業に採択された案件のもので、案件の選ばれ方の影響を受けます。工事費負担金は接続検討の時点の概算で、読み替えの表は計算の例です。将来の価格を予想したものではありません。特定の商品や会社をすすめるものでもありません。
「計算の例」は実際の商品の条件ではありません。出口(売却・契約終了)で戻る額は、帳簿の価値がほぼ0になっているので、そのまま利益として課税されるとしています。 法人は実効税率30%の例です。手数料・出口の額・出口の税率を変えた詳しい計算は減価償却の繰り延べ計算で。